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まちづくりチョビット推進室
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第133回 ・しなやかな社会とレジリエンス ~ちょっとレジってみませんか?

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まちづくり“チョビット”推進室<平成30年1月放送分>

藤: 藤田 裕之氏(レジリエント・シティ 京都市統括監(CRO))
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
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藤田氏 
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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様あけましておめでとうございます。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくりびとの紹介や、その最新のエピソードをお届けしております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、記念すべきお正月特番といたしまして、本日は素晴らしいゲストをお招きしております。本日お越しは、レジリエント・シティ京都市統括監(愛称CRO)をお務めになっています藤田裕之さんです。
藤: 今日はよろしくお願いいたします。皆さま、改めて新年あけましておめでとうございます。
絹: 皆さんご存知のように、藤田さんは京都市の前の副市長をお務めになった方であります。副市長をご退任後、京都市のCRO、京都市の統括監という職におつきになりました。今日は藤田CROをお迎えして、テーマとして「しなやかな社会とレジリエンス~ちょっとレジってみませんか?」と題してお送りいたします。それでは藤田CRO、よろしくお願いいたします。
藤: よろしくお願いいたします。
絹: ではエピソード1、「レジリエンスとは何か、その意味と語感から」と題してお送りいたします。
 
■エピソード1 レジリエンスとは何か、その意味と語感から

●レジリエンスってなに?
藤: このレジリエンス、おそらくお聞きになっている皆様も「初めて聞いた言葉だな、いったいどこの言葉だろう」思っておられる方もあると思いますが、元々英語でレジリエンスと言う言葉があるのですが、私も正直言いまして知りませんでした。この仕事をする前はほとんど関わりのない言葉だったのですが、一言で表すと「しなやかな強さ」とか「回復力」とか「復元力」とか、「粘り強さ」という意味の言葉のようです。
絹: リスナーの皆さんの中に、理系あるいは工学系の勉強をされた方はご存知かもしれません。物理の中にレジリエンスという物質のしなやかさを表す言葉があって…。
藤: そうですね。弾力性と言うか、押し込まれた時にどのくらい跳ね返るかというような意味で使う場合があるようですね。
絹: 私がこの言葉を初めて知ったのは、ごく最近なんです。京都大学の大学院の藤井聡先生の著書で読んで、「なんやろ、これは」と思った記憶があります。
藤: 藤井先生がおっしゃっているレジリエンスというのは、実は物体だけではなく、もう少し広い意味があるんです。人々の暮らしの事や、自然環境の事、あるいは人の心や組織の強さなどもレジリエンスという言い方で表せまして、今、物質的な部分をおっしゃいましたが、たまたま私の大学での友人で心理学を専攻している人間も、私が4月にレジリエント統括監に着任することを言いましたら、「藤田くん、今度、心理学の勉強をするの?」と聞かれましてね。
絹: 心理学の分野の言葉でもあるんですか。
藤: そうなんです。打たれ強さとか、嫌な事があって、けいこ事や習い事をやめてしまおうかとなった時に、「やっぱりもう少し努力して頑張ってみようかな」とか…。
絹: 持続性とか、心の折れにくさとかですね。
藤: 折れない心とか、子どもがいじめにあって、ポキッと折れてしまいそうな時に、周りから励まされて、もう一度頑張ってみようとか、あるいはショックな体験にトラウマにならないといったこともレジリエンスと言われているようなので、とても広い意味がありますね。
絹: そういえば藤井聡先生も交通工学の御専門ですけれども、その研究室や研究分野は経済学から、確か心理学の著書もありますものね。

●社会の在り方とレジリエンス
藤: ですからそういう社会全体の在り方というのを、レジリエンスという言葉で総称して、災害にも強いし、色んな事象が起こった時に、崩壊してしまわずに、持続可能でかつ元以上に戻っていけるという意味で使われるようになっているようですね。
絹: 皆さん、聞きなれない言葉ではありますけれども、しなやかさ、強靭さ、回復力を持つレジリエンス、短く「レジってみませんか」とふざけてみましたけど、覚えていただきたい言葉ではあるんです。なぜ今日、藤田CROにお越しいただいたかと言うと、我々が住んでいるこの京都市、その京都市のしなやかさについて、何か一緒に考えない?とおっしゃっているのが、藤田CROのお役どころと言いますか…。
藤: そういうことになるかと思います。今のこのレジリエンスという言葉で、社会問題に関心のある方は「持続可能性」という言葉を、もしかしたら思い浮かべられるかもしれません。よく似ている言葉なのですが、ちょっと違う所がもしあるとすれば、持続可能性がどちらかと言えば現状維持のようなイメージがあるのに対して、レジリエンスは、今の社会が何が起こるかわからない。色んな苦しい事、嫌な事を体験するけれども、そこで少し落ち込んでも、そのあと頑張って盛り返して、立ち直った時には前よりも良くなっているという、しなやかに波打つように、より上に昇っていくという意味合いがあるので、より現代社会にマッチした言葉ではないかと思うんです。

●現状維持ではなく、ゆるやかに上っていく
絹: リスナーの皆さん、今これラジオですので、藤田さんがどんな手で線を描かれたかというのは、見えないですけどイメージしてください。波線、サイン・コサインカーブとか、色々波があります。山があって谷があって、何か大変な事があったら、ドカーンと谷が深くなって、また上がって、でも元へ戻るんじゃないよと。山谷あるけれども、なんとなく緩やかに上方へ、より良くなっていきたいよねという語感を、このレジリエンスは持っているよって、手で示してくださいました。
藤: 人生浮き沈み、でも頑張っていれば報われて、より良い方向に上っていくという、ある意味では楽観的な、しかし何が起こるかわからないという場合には非常に悲観的に。だけれども頑張ったら報われるという意味では楽観的に考えていく。こういう発想だと思いますね。
絹: 私は昭和の人間なので、水前寺清子さんの「三歩進んで二歩下がる」ですね。あれが今、思い出されてしまいました(笑)。
藤: まさにそういう感じだと思います。わかりやすく解説していただいて、有難いです。
絹: レジリエントとは何かという言葉から、その意味するところは実は現状維持ではなく、例えば災害とか、パンデミックだとか、色々困りごとがあった時に、復旧ということだけではない語感に気をつけてねということをおっしゃった。

●9.11テロとレジリエンス
藤: 復旧という言葉にあえて対比する言葉を使うとすれば、復興という言葉になると思います。復旧が元に戻すという言葉であれば、それをさらに発展させていく、活性化させていくというのが、レジリエンスに近いのかなと思います。
私は去年、2017年の7月にニューヨークで、私が今仕事をしているレジリエント・シティ統括監の世界サミットがありまして、例の9.11同時テロがありましたワールドトレードセンタービルに行ってきたのですが、日本で言えば広島の原爆記念館のような記念館が跡地にできているんです。
絹: 世間で言われるグラウンドゼロですね。本当に偶然なんですが、藤田CROに遅れることひと月、海外が苦手な私が珍しく、そのグラウンドゼロと言われるワールドトレードセンターの跡地におじゃまする機会を得ました。そこでは亡くなった方々の墓碑銘と言いますか、亡くなった方々の名前が刻まれていまして、ボランティアの方々がおられまして、その方のお誕生日の時にはその方のお名前の所に一輪の花を挿すという活動がずっと続いているという解説がありました。また、実際にそういう花を見ました。それからあの悲惨なワールドトレードセンターの記録が克明に保存されているミュージアムがありました。
藤: あの中で、土産物と言いますか記念品が色々売られているんですが、その記念品の中にレジリエンスという言葉が刻印されているものがありました。
絹: ということは、米国でもレジリエンスという言葉はワールドトレードセンターが倒壊した9.11、2001年以降に、広く使われ始めた言葉なのでしょうか。
藤: おそらくあの時に、アメリカの繁栄の象徴ともいうべきワールドトレードセンタービルが、ハイジャックされた飛行機で崩壊して、その後、ここからどう立ち直ろうかという時の、一種の合言葉になっていたのではないでしょうか。これは推測ですけれども。
絹: そのミュージアムには、本当に数多くの方々が訪れられていまして、もちろん私のように日本から行っている者は数少ないですけれども、お子さんもお父さんもお母さんも、映像展示だとか、ガレキだとか、亡くなった消防士さんの消防服のきれっぱしだとか、折れ曲がった鉄骨だとか…。
藤: ハイジャックされた乗客の家族へのメッセージなどもずっと流れていますし。
絹: 音声展示と言いますか。で、みんな泣いておられる。そして必ずティッシュボックスがそばに置いてある。強い国民性だなあと感じました。向き合って、それこそ「立ち上がるんだ!」みたいな感じの、そういう施設でした。

●日本でも東日本大震災をきっかけに使われ始めました
藤: それがアメリカで使われ始めた最初だとすれば、日本で主に使われるようになったのが、2011年の東日本大震災。あの時におそらく海外から支援に来られた方が使われた言葉でもあるのではないかと思います。レジリエンスという言葉が災害への備え、強いまちづくりという意味で使われるようになりました。
絹: そしてそれが先ほど教えていただきました復旧から復興へという言葉と相前後して使われ始めたということですね。
さて、われら京都市民がこれからどういうふうにしなやかに強靭に、あるいはレジリエントになっていけばいいのかなということを、一緒に考えようよというのが、たぶん藤田CROの思っていらっしゃることですね。
 
■エピソード2 レジリエント・シティ京都を指向する

●京都市は世界で100のレジリエント・シティに選定されました
藤: はい、おっしゃる通りで、今2011年の東日本大震災でレジリエントという言葉が使われだしたと申し上げましたが、その後、国においても2013年に国土強靭化計画、ナショナルレジリエンスプランがつくられていまして、同じくしてアメリカのロックフェラー財団が世界各都市に、そうした持続可能で50年後も100年後も人々が豊かに安全に過ごせるまちをつくる、そういうネットワークをつくろうということで呼びかけたのが、実はこのレジリエント・シティという言葉に繋がっていくわけです。
絹: 事前にいただいた勉強のための資料に、世界で約1,100の都市が応募をしたとあります。倍率10倍以上ですけれども、世界中から100のレジリエント・シティを選び出す。その中で日本では富山市と京都市の2都市だけが選ばれたと。そしてそこにチーフレジリエンスオフィサー、これの略称がCROであり、統括監である藤田さんであると。
藤: なかなか覚えにくいので、私はしゃれを含めて、CROを「ちょっとルンルンおじさん」と言っているんです(笑)。

●京都市民としてはどう考えたらいいの?
絹: 我々京都市民は、これからどうあればいいのだろうと、その辺に逆照射していきたいわけですが、どうでしょう。持続可能性だとか、漢字で言うとわかったような、実はわからんような、いつも何とか自分はそういう言葉に出会った時は、平仮名に置き換えたり、具体的なエピソードに分解して探そうと試みるのですが、例えばどんなことが挙げられますか?
藤: レジリエント・シティというのは、一言で言えば、そういうレジリエンス、打たれ強さ、頑張ろうという前向きな意欲を持った人々が活動し、活き活きと生活し、そしてまた生まれ育ってくるまちだと思うんです。
同時にそのことには2つの要素があって、まちがそういう制度や仕組み、人々が助け合い、支え合うような仕組みがきちんとできているかどうか、それが行政のレベルだけではなく、地域の団体や企業や、様々な所で点検をしていく。それがレジリエント・シティの1つの大きな意味合いになると思います。
もう1つの要素は、これは未来に向かった話になるのですが、そうしたレジリエンスを備えた人間がどうすれば育つのか、どのような環境があれば、レジリエンスのある人々が生まれてきて育っていくのかという私たちの社会の在り方とでも言うのでしょうか?人間一人が一人だけで生きているのではなく、しかも「お金さえ出せば、豊かで便利で何でも手に入る、自然を支配している」というような錯覚をしているところでは、おそらくレジリエント・シティやレジリエンスな人は育ってこないのではないか?あえて私の意見として思います。

●レジリエンスが減ってきている現代社会
絹: 今のお言葉を自分なりに翻訳しようと試みますと、地域の持っていた力、あるいは市民、市井の一般の人たちがかつて持っていた助け合う力、お葬式を一緒に出したとか、あるいは入会地の山でしたら下草を刈ったり、稲刈りの時のお手伝いだとか、もっと卑近な例では、実家からみかんが送ってきたからおすそ分けとか、そういう当たり前の助け合いの緩やかな繋がりが、どうもやせ細ってきて、それがレジリエントという言葉で言うと、レジリエンスが減ってきているのではないかと。
藤: おっしゃる通りだと思います。支え合ったり、助け合っていかなくては、人間というのは、本当に弱い存在だと思うんですね。ところが経済的な豊かさや便利さのなかで、ややもすると私たちは自分一人で身勝手に生きているような、錯覚をしてしまう落とし穴が、周りのあらゆるところにある。自分さえ良ければとか、今さえ良ければという落とし穴に入らないような誠実で慎ましやかな生活をしていくというのも、レジリエンスの非常に大事な要素になると思います。
絹: そのお話を聞いていますと、レジリエント・シティとか、レジリエンスと言うと、何か外国からやってきた輸入ものかと一瞬誤解するんですけど、何かどこかで聞いたような懐かしさを感じますよね。

●かつての町衆が残してくれた財産を思い起こすということ
藤: まさにそうなんです。京都市がこのレジリエント・シティに選定されたというのも、かつての京都の暮らしを守ってきた町衆をはじめとする先人が、私たちに残してくれている財産を、もう一度思い起こして、きちんと次の世代へ伝えてくださいというメッセージに聞こえてきますね。
絹: 先ほど収録前の打ち合わせでお話していたのですが、京都市さんというのは他都市に先駆けて、市民参加推進(ちょっと行政っぽくて堅苦しい言葉ですけど)に取り組んでこられた都市だという実感があるんですね。
おまかせ民主主義(これも嫌な言葉ですけど)と言うのでしょうか、例えば「うちの前に銀杏の街路樹の落ち葉や銀杏が落ちていて臭い」と。「私は税金を払っているので、清掃局掃除をしに来い」というステレオタイプな市民がいたとします。全く逆に「いつも毎朝かど掃きしてるし、やっといたで」という市民もいる。
もう一つ面白いのは、「みっけ隊」という、京都市の建設局と高度技術研究所が開発されたスマートフォンアプリケーションです。防護柵、ガードレール、街路灯が切れているよと、スマートフォンでGPS情報と共に、土木事務所に知らせてきてくださる。「まあ、行政も大変やな。予算も限られているし、市民でできることはやっとくわ」と。「多くは言わない。頑張れよ」というちょっとカッコいいオッサンもたまにはいる。

●ピンチはチャンス!
藤: まさにその通りで、一言で言うと「自分ごと」と言うのでしょうか。当事者意識を持った市民というのは、やはり京都は大都市の中でも非常にたくさんおられる地域だと思いますので、このレジリエントという言葉を1つの合言葉にして、もう一度そういう歴史・伝統を京都から世界に発信できないかと思います。
特に、これから人口がどんどん減っていきます。人口が減るというのは、若者・子どもの数が減っていくんですね。その時に、今までやっていた通りの事をやっていたのでは、若者の数、子どもの数、就労人口が減っていく時に、立ちいかなくなるのは必定なので、今までとは違うやり方を導入していく必要がある。
同時に人口が減っていくのでお先真っ暗だという悲観主義ではなく、ピンチはチャンスということで、こういう時こそ若い人が育つチャンスになるんだとか、あるいは人口が減っても人々が豊かに幸福感を持って過ごせるにはどうしたらいいのかという工夫をしていく。これもレジリエンスという言葉の中に粘り強さということで、入って来るのではないかと思います。

●レジリエンスの活動としての「山科子ども食堂ネットワーク」
絹: 今のお話に触発されまして、1つの実例をご紹介させてください。チョビット推進室のかつてのゲストである、山科の青少年活動センターの大場さんが提唱しておられる「山科子ども食堂ネットワーク(まちのちゃぶ台ネットワーク)」というのがございます。実はもうだいぶ実現していまして、私どもの山科の独身寮の食堂を使いませんかとか、家庭菜園で余った食材を使ってよとか、フードバンクやセカンドハーベストの方々と利活用でということで、10万人規模の山科区で地道に進めていらっしゃいます。これはひょっとしたら、レジリエンスを高める活動ではないですか。
藤: だと思います。今、絹川さんがおっしゃった事例は、レジリエンスのもう一つの要素にもなるのですが、様々な施策を融合していくということですね。社員寮が企業の財産としてあります。その事が地域でどうか、子育てでどうか、一見バラバラになりそうなところを、くっつけてやっていただいている。それが今までにない新しい仕組みをつくっていくという意味でも、レジリエンスの構築に非常に大きな役割を果たすと思います。
絹: シェアの考え方と似ているのかもしれませんね。
藤: 似てますねえ。

●レジリエント・シティ京都市民フォーラム、開催します!
絹: CROにレジリエンスとは何か、読み解いていただきました。どうやら何か懐かしいところに、我々京都、あるいは日本が得意としていたかつての「らしさ」に戻る事かもしれません。
さあ、今CROのお話にご興味を持たれた方に、是非ご参加いただきたいイベントと言いますか、フォーラムがございます。そちらのご紹介をお願い致します。
藤: 実は1月20日、土曜日の午後1時30分から4時30分、「レジリエント・シティ京都市民フォーラム」という、市民の皆様どなたにも参加いただける催しを行います。
京都市立芸術大学学長の鷲田清一先生に基調講演をしていただきまして、その後のパネルディスカッションでは、堀場厚会長や池坊専好さんはじめ、錚々たるパネリストの方、そして私がコーディネターをさせていただきます。
「しなやかな未来社会を創る人づくり」というサブテーマ、そして「課題挑戦都市・京都、私たちが今できること」というテーマで開催させていただきます。申し込みについては京都市の防災危機管理室というところで窓口をしますので、075-212-6792にお電話をいただきましたら結構でございます。
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絹: 実は私、鷲田清一先生が大好きで、大阪大学の学長をされて、今は芸大の学長に来ていただいている。『しんがりの思想』という近著も大好きです。
藤: 私も読ませていただきました。
絹: 申し込みですが、防災危機管理室075-212-6792へお問い合わせください。レジリエント・シティ京都のフェイスブックページもあります。
藤: 是非それも色んな発信をしていますので、ご覧いただけたらと思います。
絹: 非常にこれはお値打ちな、「しなやかな未来社会を創る人づくり」という副題での市民フォーラムです。よろしければ是非ご参加ください。
藤: お待ちしております。
絹: 藤田CROにお越しいただきまして、レジリエント・シティとは何かということを、短い時間ではありましたが、お話を聞かせていただきました。是非皆さまには「自分ごと」の問題として、考えてみていただきたいと思います。市民として、行政だとか、お上だとか、色んな人に頼りきることを続けていける右肩上がりの社会は既に終わろうとしています。戦力たる若い人の人口は総体的にどんどん減っています。そのために何ができるんだろうということも少し考えるヒントにしていただけたらと思っております。
今日は本当に藤田さん、ありがとうございました。
藤: ありがとうございました。レジリエンスという言葉はややこしいので、最初に言っていただいたように「レジる」とか「レジってみる」とかいう言葉も、若い人々の間で流行ったらいいなと思っています。
絹: ありがとうございました。本日は京都市レジデント・シティ統括監の藤田裕之さんにお越しいただきました。
この番組は心を建てる公成建設の協力と京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。藤田さん、ありがとうございました。
藤: ありがとうございました。

 

投稿日:2017/12/27

第132回 ・アクティオさんは国際救助隊たり得るか

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成29年12月放送分>

中: 中湖 秀典氏(株式会社アクティオ 専務執行役員 レンサルティング本部長)
村: 村松 健一氏(高石機械産業株式会社 代表取締役 執行役員社長)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
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前列中央 中湖氏  前列右 村松氏

 

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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最前線をご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト、お二方をお迎えしております。
まずはメインゲスト、ちょっと皆さんびっくりされますよ。東京から来ていただいたのは初めてです。株式会社アクティオ 専務執行役員 レンサルティング本部長の中湖秀典さんでいらっしゃいます。中湖さん、よろしくお願いいたします。
中: よろしくお願いします。
絹: そしてもう一方、これはわが社に協力していただいている会社の一社であります高石機械産業株式会社 代表取締役 執行役員社長 村松健一さんでいらっしゃいます。
村: どうぞよろしくお願い致します。
絹: 今日はお二方を迎えて、「アクティオさんはサンダーバードたり得るか」と題してお送りしたいと思います。
サンダーバードと聞いて、国際救助隊をイメージしてくださる方は多いでしょうか。私の世代は、子どもの時にパペットドラマの国際救助隊サンダーバード1号、2号、3号、4号、あれは5号までありましたか。あれをワクワクドキドキしながら見ておりましたが、リスナーの皆さん、テレビコマーシャルで建設機械が赤い大きなマシンが列をなして、現場に向かうというシーンをひょっとしたら覚えていらっしゃる方がおられるかもしれません。アクティオさんはその会社なんです。全国にたくさん拠点をお持ちになっていまして、建設現場や林業現場に建設機械を送り込んでおられる会社です。そしてそのグループ会社として、京都の高石機械産業さんがあって、村松さんはそこの社長さんです。
ということで、いつものように司会者は手を抜きまして、ゲストの他己紹介というシーンに入っていきます。では、村松さん、メインゲストの中湖専務、どんな人ですか?短く述べよ(笑)。
村: これはラジオの番組ですから残念なんですけど、イメージしていただきたいのはダンプカー、ですけど中身はしっかりとコンピューターを積んでいるという、社内での評判です。
絹: ブレーキの壊れたダンプカーじゃなくて、コンピューター制御のダンプカーということですね。10tくらいですか(笑)。
村: もうちょっと大きいかもしれません。重ダンプのような形かもしれません(笑)。よろしくお願い致します(笑)。
絹: タイヤの大きなダンプでいらっしゃるそうです。では中野専務、村松さんて、どんな方ですか?
中: 見た目と同じで、非常に柔和で何事も懐に入れこんでしまう、部下にもお客様にも大変温厚な人間でございます。
絹: ひょっとしたら村松さん、カンガルーのような有袋類なんですかね(笑)。いきなり手を抜きまして、失礼を致しました。

■第一章 荒れている山を救う
●林業の抱える問題
絹: では、エピソード1に入ります。先日中湖専務は、四国の山の中、徳島へ訪れられたと聞きます。林業の抱える問題は、わが建設業界、あるいは日本の抱える問題を映し出す一つの切り口ではないかと感じましたので、四国で中湖さんが見聞きされた事、それから色々新しい実験をしに行かれたと承っておりますので、その辺から口火を切っていただけますでしょうか。
中: 徳島ではちょうど林業展が開催されておりました。年に一回色んな所で開催されているわけですけれど、今回も皇太子殿下に来ていただいて、植樹祭も催され、大変盛り上がった会でございます。
林業の抱える問題点というのは、日本の抱える問題点の縮図でもあると思いますが、やはりベテランがいない、若い人たちが入ってこない、このまま山を放置していると、山がダメになってしまう、そういう危機感を皆さんがもたれている中での林業展であり、我々もそれを機械、あるいはレンタルという切り口で、少しでも現場にお役立ちし、林業自体を発展、あるいはサポートさせて頂ければということで、徳島の山まで行ってまいりました。
絹: 今、中湖さんがおっしゃった「山がダメになってしまうかもしれない危機感」という言葉に反応してしまうんですけど、この番組のハードリスナーの方なら、ひょっとしたら覚えて下さっているかもしれません。
私が何年か前に災害現場の視察をした時の事をお話したことがありました。京都府の北の方で、まちの集会所の土手っぱらに、杉の木が突き刺さっている現場(宮津市だったと思いますけれども)や、土石流で、かわいそうに新築のピカピカのお家の一階が泥だらけで、2階は無事でとか…。そういう所の後始末に我々の業界に近い人たちが出動しています。
で、やっぱり四国でも山が荒れていくという危機感は、地元の方々はお持ちになっていたんですかね。

●ドローンなら、ここまでできます!
中: はい、やはり手は入れたい。ところがなかなか実際に動けるベテランの方がいない、やる方たちがいない、あるいは過去は木の単価が安いというところで、やっても採算が合わないという面がありました。そういうところを機械化する、あるいはドローン、あるいは航空測量等々によって、デジタルでデータを取って、それを効率的に使うという、そんな取組を今させていただいております。
絹: それが試験林で今回なさって来たことなんですね。リスナーの皆さんに少し平仮名で解説を試みようと思いますが、ドローンという言葉はこの頃一般的ですか?一般的ですよね。村松さん、どうですか?
村: そうですね。子どものおもちゃというところから、今では宅配業界や色んな分野に、ドローンというのは広がっていくものだと思っていますが…。
絹: そうですね。われらが京都御所、京都御苑でも、「ドローン飛行禁止」というポスターが貼ってあったりします。空撮映像というのは、本当にすごい視野の広がりを持ったもので、ただ画像を取るだけではなくて、分析もそこに加わって来るんですよね。
中:  今では写真からの測量というのもできますし、3Dスキャナをつけることによって、地表面までどういう位置にあるかも見られるような状態になってきています。
絹: この四国の試験林で飛ばされたドローンって、大きなものですか?サイズはどのくらいなのでしょう。
中: サイズとしては直径で1mちょっとくらいの機体です。当然そういう機械ですから、バッテリーで動いておりまして、その下にスキャナをつけて、100ヘクタールくらいの山ですと、ほぼ一日でデータが取れてしまうというような感じです。
絹: 今、中湖専務はさらっとおっしゃいましたが、「100ヘクタールくらいの山なら、一日でスキャンできるよ」と。これ、「ええ加減にしてください」というくらい、すごい事じゃないですか。
中: そうですね。そのくらい技術が進んだと言いますか。
絹: 昔ならば、山の中に徒歩で入っていくわけです。林道がちゃんとある所ならいいですけど、急斜面だと這いつくばって登っていかなければならない。植林されているのを見たことがありますが、「こんなところで足を滑らせたら、ごろんごろんと下まで転がるゾ」というような斜面に入って行かれて、だからこそ林業家というマスターは、ケガが多いという厳しい仕事だと。現場へ行くのに、すごい時間がかかって、ちょっと仕事をしたら、もう日が暮れて帰って来なあかんと。それを100ヘクタール1日ですか。
中: そうですね。私の友達も測量会社に過去勤めた人間がいまして、クマに襲われたとかいう話をよくお聞きしますけど、今のドローン、あるいは航空測量の技術をもってすると、そういう部分はかなり安全に正確にできる、そういう技術がもう既に確立されているというところでございます。
絹: 大事な技術なんですね。空撮・ドローンのスキャナの技術、そして一般の方々にはまだ馴染みが少ないかもしれませんが、おもちゃとして売られているドローンだけではなくて、本当に災害の時に、あるいは人が行きにくい場所、僕らの仕事でインフラ整備に関する所でしたら、橋梁、高速道路の基礎の柱だとか、橋脚だとかといった所に、マルチヘリコプターのドローンのようなものを飛ばして、チェックをするという技術も確立されつつあると言います。その技術で、100ヘクタールの山の木の幹の太さ、それから地形、のり面の傾きまでチェックできますよと教えていただきました。

■第二章 林業の新時代を切り開くために
●外材の値上がりと、切り時の日本の木と
中: そうですね。過去はベテランの木こりさんと言いますか、マタギさんと言いますか、そういう方たちがおられて、目で見て色んなものを判断されていた。そういうベテランの方々がたくさんおられたので、日本の山は守られていた。それが残念ながらそういう人たちが年々再々減っていくなかで、CO2の削減という京都議定書があったわけですが、それに沿ってやろうとすると、間伐をちゃんとやらなければいけない。あるいは日本の山はほとんどは戦後に植林された木なので、ほとんど50年経っていて、ちょうど今が切り時ということもあるそうです。
絹: 山が荒れてしまったことについて、林業の先生に「なんでですかね」と聞いたら、安い外材が入ってきて、山から木を伐りだしても合わないという時代が長く続いて、放置される山が増えて、その結果間伐がされなかった。間伐がなされないということは、ひょろひょろと薄暗い林になってしまって、土石流が起こって、表層土と共に木がスポーンと下へ流れてきてみたいなことが起こるようになったわけです。ところが先ほど中湖専務から「外材がこの頃値上がりしてきた」とお聞きしましたが。
中: 値上がりした理由は、日本が安い外材をたくさん輸入し続けてきたので、出す材料がなくなってきたというのが、実態だそうです。
絹: ということは、かつて林業家が撤退されたと言いますか、山を手入れをして、丹精を込めてというのが引き合わなかった時代が長く続きましたけれども、これからは50年経って、切りごろではあるし、ひき合う時代が来るかもしれない。そういう見方は正しいですか。
中: はい。それとまさに外材の使う目的として、製材ももちろんなのですが、製紙のパルプも同じようになくなっている。あるいは最近ではCO2の削減ということで、バイオマス発電というのが、盛んに取り入れられるようになってきていますけれども、それの材料としての木材のチップの使われる量が多くなっています。それも併せて製材の値段を押し上げてきているようです。

●国が推奨するCLT工法
絹: それと先ほどもう一つ教えていただきました。国交省の推進していることの一つに、CLT(クロス・ラミネイティド・ティンバー)があります。大断面の集成材や木目を直行して貼り合わせた太い構造材で、木造のビルを建ててしまおうという計画が進んでいるということですが、結構できてきているんでしょうか。
中:  官公庁の建物にまずは採用されています。今は5階建てまでの許可ですが、これからは7階までいいよということで、木材を使う仕事を増やそうという動きも一緒にあるようです。

●レンサルティングって、なに?
絹: さて、そういう流れができてきそうだと。そうそう、もう一つ質問しようと思っていたんです。ゲストの中湖専務の御役職名をレンサルティング本部長とご紹介しましたけれども、これ何やら新しい造語のような気がしますが、アクティオさんは赤い建機をレンタルというか、各地に送り込まれるとともに、「レンサル」と言うんですか、コンサルティングもなさるんですね。
中: 「レンタル」と「コンサルティング」まさに「相談していただけるレンタル」という意味で、うちの小沼会長が考えた造語でございます。全く英語でもなんでもございません(笑)。
絹: 最初にちょっとふざけましてね、「アクティオさんはサンダーバード(国際救助隊)たり得るか」というタイトルをつけましたが、「山が病んでいる」と言った学者もいるように、疲弊した山の現場で、アクティオさん他、色んな専門家から、色んな知恵を借りて、山を再生して元気にするにはどうしたらいいんだろうという、そういうことのご相談にのっていらっしゃるんですね。
中: そうでございます。森林組合さんもやはりベテランの方がおられなくなって、なかなか施業したくてもできない。そんななか機械化を進めなければいけないというところで、色々な機械を森林組合さんで買おうとするのですが、林業の機械は数がそんなに出るものではないですから、非常に高い。高いので買えないから仕事ができないとなると本末転倒になりますので、必要な機械を必要な時に我々がご提供することで、少しでもお役に立ちたいと考えております。また、機械だけではなく、そのなかで安全をどう確保するかといった事も、お話をお聞きしながら、機械に色んな付加をつけながら、やらせていただいております。

●林業機械のいろいろ…
絹: リスナーの皆さん、この分野は非常にマニアックな分野かもしれませんが、この頃はインターネットを皆さんよくお使いになりますので、例えば林業機械の「グラップル」とか「フォワーダ」といった言葉を検索していただきましたら、海外の山の中でそういう機器たちが動いている様子がご覧になれます。例えば北欧ではどういう形で動いているとか、あるいは日本で動いているというのを、イメージしていただきやすいんじゃないかと思います。
中: 今ですと、バルト三国の北の、特にフィンランドがやはり林業が非常に盛んで、林業機械はフィンランド製の物が非常に多いんですが、当然国産もたくさんあります。
絹: ということは、フィンランドの機械をアクティオさんは輸入されたりして、お持ちになっているのもあるんですか。
中: はい、輸入させていただいております。
絹: 国産のもたくさんあるんですか。
中: 国産のもございます。

●子どもたちに親しみを持ってもらうために
絹: さっきも番組前の軽い打ち合わせで、小さい子どもたちはそういう建設機械だとか、林業機械なんか、たまらん好きなんですよねえという話をしていたんですが、子どもたちがそういう機械がブンブン動いているのを見せてやりたいですよね。
中: そうですねえ。
絹: 我々の業界もそうですけれども、小学生やそのお母さまお父さまを対象に、この間は舗装のイベントをやりましてね。目の前でフィニッシャーが50mほどの仮設の舗装を、見る見る間に仕上げていく姿を見ていただいたり、あるいは自転車マークだとか、横断歩道の白いペイントを職人さんが職人技で見事に描き上げるところを、子どもたちに見ていただいたり、あるいはミニユンボに乗っていただいて、もちろんオペさんの指導のもとですが、小さいバケットにサッカーボールを入れまして、右から左へ移してというイベントをやったんですが、アクティオさんも、高石さんも、そんなイベントに参画されたりしているようですね。
中: はい。我々がお客様のイベントに参加して、今まさに絹川さんが言われた形のものを提供しております。そういうイベントで一番人気があるのは、高所作業車でして、20m~30メートルの高所作業車がありますので、それに乗っていただいて、高い所からものを見ていただく、そういうのもお手伝いさせていただいております。

●レンサルティング、5年後10年後の未来
絹: 先ほど「サンダーバードたり得るか」というお話を少しさせていただきましたけれども、僕はアクティオさんがなさっている事は十分、(サンダーバードに)手が届きそうなところに来るのではないかという期待を勝手に素人ながら持っています。アクティオさんがレンサルティングをされる、次の5年、10年先に、山や建設現場や防災現場、インフラに携わる人たちと機械は、どういう風に変化していくのか、お感じになっているところがあれば、少し教えていただきたいのですが。
中: 先ほどお話のあったドローンで撮影をしたり、あるいは3Dスキャナを使って、今まで見えなかったものを、見える化する、それをデータ化することで、効率よく仕事ができる。あるいは安全に仕事ができるといったところに繋がっていくと思います。
絹: 山の木は、森の木は、いっぱいわさわさと緑の葉っぱが生えていると。幹がひょろひょろなのか、立派な50年ものなのか、一見するとわからないけれども、上空からスキャンする光はそれすら見通すぜ、ということなんですね。
中: そうなんです。
絹: そして、そうやって効率化して、見えないものを見える化していく。危険だとか、キツイと、かつて山を敬遠されていた人たちが、安全に効率的にデータを活用して働ける。必要な所に必要な時期に、サンダーバード2号みたいなもので(笑)、「グラップラー」や「フォワーダ」といった重機を運びこんで…。あ、そうだ、オペする人も要りますね。オペレーターさんもひょっとしたら鉄人28号のコントローラーみたいなもので、遠隔操縦もするかもしれませんね。

●今の技術の延長線上にあるもの
中: 今は災害時などの特殊な状況で、崖崩れがあるかもしれないという所では、実際に遠隔操縦の機械を使って、機械だけで掘削したり、荷物を運んだりすることもあります。ただ、一般の施業している所では、動きがアトムのようにはならないものですから、まだまだというところはありますが、いずれはそういう部分も出てくるのではないかと思います。
絹: AI、人工知能が非常に話題になりつつありますから、自分で学習するディープラーニングなんていうのを、建設機械が身につけ始めると、将来どうなるんだろうと。実は京都の天ヶ瀬ダムというダムがあるのですが、その天ヶ瀬の再開発の現場で、大手さんなのですが、水中掘削なんかに遠隔操縦のロボットが実際に水の中で活躍しているというのを聞いたことがあります。
中: あの機械は実はうちで提供している機械でございます(笑)。
絹: なんたる偶然!うまいこと触れましたねえ(笑)。
若い人にはもはやわからないかもしれませんが、機動戦士ガンダムのガンダムパイロットに近い、重機のオペレーター、それから重い鉄筋だとか、鉄骨をハードスーツをつけた方が、重機を使わずに、ロボットに乗りながら物を運んだり、大きな石を据え付けたりする。なんか自分でやってみたくなりませんか(笑)。
中: ほんとですね(笑)。近い将来、ただ人間が「キツイ、汚い」という所だけではなくて、補助道具や機械を使うことによって、非常にスマートは建設、あるいは林業ができていくようなイメージが、今の技術の延長線上にあると感じています。
絹: 本当にサンダーバード的な、国際救助隊的なものになって、衛星回線を通じて、「アクティオ本部にサポート要請が入った!〇〇の現場に、サンダーバード2号でグラップラーを送れ!」といった指示をしていらっしゃるのかもしれませんね(笑)。
中: 是非、お手伝いできればと思います。
絹: リスナーの皆さん、荒唐無稽な話に聞こえた部分があるかもしれませんが、実は非常に地道に、日本全国の拠点で展開されております。あるいは「アクティオの森」という、山梨県で林業機械のオペレーションの実習をするエリアを実際にお持ちになっていたり、そこで社員さん対象ですけれども、植林のイベントを家族と共に開催されたりしておられます。
我々京都府の山の中も、実は同じような荒れ具合であります。京都は京都で路網整備に邁進している男たちもいますし、我々の建設業界も人知れず、山屋さんと同じように皆様の足元を支えるということで頑張っております。今日は「アクティオさんはサンダーバードたり得るか」と題してお送りいたしました。
中湖さん、村松さん、狭いスタジオでありがとうございました。
両名: ありがとうございました。
絹: この番組は心を建てる公成建設の協力と京都府地域力再生プロジェクト、そしてわれらが京都市景観・まちづくりセンターの協力でお送りいたしました。サンダーバード、いいですねえ。
投稿日:2017/12/13

第131回 ・まちのちゃぶ台ネットワーク ~子ども食堂の先に見えてきたもの

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成29年10月放送分>

大: 大場 孝弘氏(公益財団法人 京都市ユースサービス協会
京都市山科青少年活動センター 参事)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
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大場氏

 

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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最前線をご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲストですが、なんとシリーズ化されました。2度目のご登場です。
公益財団法人京都市ユースサービス協会というのがあります。そこの京都山科青少年活動センターの、ついこの間まで所長をなさっておられて、今は参事という役職に変わられていますが、大場孝弘前所長です。
大: よろしくお願いいたします。
絹: さて、大場さんにお話をお聞かせいただきますのは、山科エリアについてのホットな話題でございます。タイトルを申し上げます。「まちのちゃぶ台ネットワーク~子ども食堂の先に見えてきたもの」と題して、大場さんからお話をお聞きしたいと思っています。ご期待ください。

■第一章 “やませい”実験食堂のこと ー 体験の場として
●大場さんとの出会い
絹: まず私と大場さんの出会いを復習させていただきますと、初めはうちの山科の独身寮の寮監をしてくださっている服部さんのご紹介でしたっけ?
大: そうですね。はい。
絹: うちの会社には独身寮が山科の中井ノ上町にございまして、ちょっとユニークな寮監さんなんです(笑)。大場前所長の眼から見て、服部さんて、どんな人でした?
大: はじめは山科の一部の所に貼らせてもらったポスターを一枚見て、すぐに駆け付けてこられたという方ですね。
絹: これですね(ラジオだから見えるわけないんですが)。
オレンジ色のフライヤーで、「山科で子ども食堂はじめます!」と。「作戦会議5月28日(これ、去年ですね)、第一回目の子ども食堂は6月11日(土)に開きます」というチラシなんです。これを見て飛んできたのが、若い人がお世話になっている独身寮の寮監さんなんです。
それでは山科の子ども食堂、事始め。そしてその子ども食堂が今現在どういうふうに発展して、今日のタイトルである「子ども食堂の先に見えてきたもの」というあたり、大場さんから語っていただこうと思います。では愛称“やませい”の大場孝弘さん、よろしくお願いいたします。
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●まずは前回のおさらいから
大: 前回、お話をさせていただいた時に、山科で「子ども食堂」ができ始めていますよというお話と、それを始めたら本当に色んな人たちがそこに集まってくるというのは、「子ども食堂」って何か不思議な言葉だなというお話をさせていただきました。
絹: そうですね。「子ども食堂をやりませんか?」というと、なんでこんなに色んなタレントを持った人たちがわらわらとわいて出るように、山科青少年活動センターに集まってくるんやとおっしゃっていましたね。
大: ええ、服部さんもその一人なんですけど、普通は自分で開いてみたいとか、お手伝いができますよとか、中には食材を提供しますとか、例えば「野菜があるので使ってください」と。
絹: ありましたね。家庭菜園か何かをやっていて、「この頃もらってもらうところも少なくなって、余らせてしまうから、使ってくれへん?」と来られたんですよね。
大: そういうパターンが多かったんですが、「うちの場所を使いませんか」と服部さんが来られた。食堂をする人たちは、場所をどこにするかで結構困っておられるんです。その時に「場所をどうですか」と言っていただいたのは服部さんが初めてでした。
絹: 建設会社の独身寮ですから、朝は早いし、昼間は空きっぱなしなんです。タイムシェアですね、一種の。
大: そのお話を伺ってから、ひょっとするとそういう形での協力の仕方もあるなと思って、その後、場所などを開拓するアイデアも、その服部さんがきっかけで、私たちも考えさせていただくようになりました。そういう意味でもちょっとこれまでには出会う事のないような、色んな人たちと出会えるきっかけを、実は子ども食堂がつくっているなという感じはします。
絹: 子ども食堂の新しい切り口を大場さんに教えていただいたような気がします。

●山科子ども食堂の草分け“おむすびの会”
大: 実際に山科で始めた時はまだ1つだけでしたが、「おむすびの会」というのをずっとやっていらっしゃって。
絹: 神社で。
大: そうですね。
絹: 僕の大場メモには「子育てサポーターが集まる場をつくりたい」とあります。「子ども食堂のエッセンスを持ってらっしゃるのは、山科で比較的早く、ちょっとしたら一番目かもしれない“おむすびの会”だ」というメモがあります。
大: 「子ども食堂」という名前もなかった時代からやっておられるんです。
やっているセンスは本当に子ども食堂そのものなので、「お仲間に入ってくださいね」みたいな形でお声をかけて、色んな催しをする時にも来ていただいて、お話をしていただいたりといったことを始めていました。
絹: 例えば何神社でやっておられたんですか。山科にも結構神社がありますよね。
大: たくさんありますね。なに神社だったかなあ。正確に言わないといけないので、ちょっと今は申し上げられません。
絹: 検索すればたぶんヒットしますよね。
大: そうです。すぐ出ます。(※補足 神社の名前は若宮八幡宮です。その敷地内にある音羽公会堂で開いています。)

●“やませい”で実験食堂を始めました
大: 「一緒にやりませんか」と声をかけたら、色んな方がお越しになったんです。そこで実際にどういう風に開いたらいいかというノウハウも蓄えないといけないので、じゃあ、うちのセンターには料理室などもありますので、月に一回、そのスペースを使って実験でやりませんかと。
やってみたい人が集まって、毎回テーマを決めて、対象を決めて、それぞれ経験を積んでいただく、その経験を活かして、ご自身のところで自分の思う子ども食堂をやってくださいみたいなことで、「6月から始めます」とお声をかけたんです。先ほどのチラシはそれです。
絹: このオレンジのチラシはその一回目だったわけですね。だから実験食堂みたいなものだったんですね。
大: そうです。実験食堂です。
絹: リスナーの皆さん、山科の青少年活動センター、場所が竹鼻四丁野町。行かれたことのない方のために申し上げますと、小学校と中学校の理科の実験室と家庭科準備室が合体したような、すごくいい感じの…。
大: あとはスポーツルームがあったり、リクレーション施設があったりします。

●子ども食堂、それぞれ性格が違うんです
絹: そこを実験食堂の場所に提供されて、今、テーマを一回ごとに変えてとおっしゃいましたが、例えばどんなテーマなのでしょう。
大: 来られる方の関心が、それぞれ結構違うんです。
例えば「お腹をすかせた子に、腹いっぱい食べさせたい」という人と、「安全な食品を食べさせたい」という人とか、「食育的なことを考えていきたい」など、色んな方がいらっしゃるので、そのまま一緒にやると喧嘩になるんです。
そこで今月はお腹いっぱい食べさせる会にしましょう、そういう人を中心にやりましょうという時には、スーパーに行って、安い食材をゴソっと買ってきて、添加物だのなんだの言わず、とにかくたらふく食えるようにしましょうというふうに考えてやられます。逆に無農薬の野菜などを使いながら作るという会が別の月にあったりします。
また対象も中学生や高校生に関心をお持ちに方や、乳幼児に関心をお持ちの方や、小学生というふうに、色々対象も違うので、例えば小学生を対象にしましょうといった場合には、その関心のある人たちに集まっていただいて、どういう風な形でやろうかと、近くの児童館に伺って「今の小学生どうですか」とお話を聞きながら、聞いたお話の中からプランを立てるみたいな形で、毎回プランも食事のメニューも参加費も全部違う形でやったんです。
絹: それこそ実験子ども食堂ですね。運営主体も自分の所で会場を設定して、いきなりやるんじゃなくて、青少年活動センターで試しておられる。
大: それをやられた事で、食堂の運営だけではなくて、始めるまでにどんな形でどういう人たちに声を掛けたらいいのかといった、色んな事が実はそこでわかってくるので、そういうことを活かして、その後開かれた食堂がいくつかあるんです。だからここでの経験を活かされたという方がいらっしゃるので、これをやってよかったなということですね。
絹: 前回の収録に際して、“やませい”におじゃまして、大場さんにインタビューした時に、山科には現在、子ども食堂的なものが、数か所あるんだよと。先ほどの神社でなさっている“おむすびの会”さん、それから“やませい”の実験食堂、天ぷら屋さんが関わっていらっしゃる“笑人(わろうど)カフェどんげね”さん。

■第二章 子ども食堂ネットワーク広がる
●“笑人カフェ”さんのこと
大: “どんげね”という、宮崎弁で「調子どう?」という感じですかね。元々ご主人がたぶん宮崎の方で、そういうお名前が付いているんですね。“笑人カフェどんげね?~子ども食堂~”という感じですね。
絹: 正式名称が結構長いですね(笑)。
大: たぶん“笑人カフェ”で、インターネットで調べられたらすぐに出てきます。
絹: ここは大石道と三条通の交差点に近いですね。手元に資料として黄色いフライヤーがあるのですが、これも去年の11月のチラシでしょうか。
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大: そうです。12月から正式オープンです。
絹: 子ども200円(お手伝いで無料)、大人寸志(カンパ大歓迎!)と。
大: この値段の付け方も実はうちで何回かやった時に、一緒にやって頂いて、「どうしようか」というので、「子どものお手伝いは無料ですよ」というのも、実はその経験の中でアイデアとして身につけられていった形ですね。
絹: しゃべりに来るのもOK、ご飯だけでもOK、大人一人でも子ども一人でもOKと書いてあります。
大: 今、すごいんです、賑わいが。もう本当に子どもだけではなくて、色んな世代の人が集まっていて。中には精神障害があって、なかなか人と関わるのが難しい方も、そこでなら「なんとなく居心地がいい」という人がいたりして。
絹: 手元のノートの「大場メモ」に、平成28年の12月から「地元の民生委員さんの協力が始まる」と。コラボ団体が登場したと。障がい者団体だとか、おもちゃ病院?
大: おもちゃの病院ですね。
絹: というのはコラボ団体が複数“笑人”さんに。本当に発展していらっしゃるんですね。
大: 本当に色んな人が集まっていて、子どももいるという場所なので、結構地域の中で自分たちの技術を活かして、子どもに何かをしたいという活動がある時に、例えば小学校に持って行っても、なかなか小学校は受け入れてくれないですよね。
せっかく私たちは力があるのに、何かやりたいなと思っても、初めて来た人に頼んでいいかどうかもわからないので…。
絹: 小学校でコミュニティカフェをなさっている例もあるんです。これも何年も前のチョビット推進室のゲストの方ですが、自治連合会長さんが声をかけられた例です。自治連の会長さんは小学校の鍵を預かっておられることもあって、その人が「やると言ったらやる、協力してくれ」と言われてできていたんですけど、普通は小学校の壁って、セキュリティの面もあって、高いですよね。
大: 特に地元の町内会などとかかわりを持っている団体ならいいのですが、それもなくて、個人で集まっているようなグループは特に難しい。そういう人たちが子どもたちに向けて何かしたい場所としては、“笑人”さんは最適なんです。ですから毎回「次はこれをしよう」「私たちもやらせてください」と声をかける人たちが何人もおられるはずです。という意味でも、本当にコミュニティになっている。
絹: これを見て思ったんですよね。ゲスト候補の塊の情報をいただいたなって。またそんな方とここでおしゃべりができたらいいですね。
大: 本当に面白いですよ。やはり何か強い思いを持っていらっしゃったので、今、それ以外にも別の作業所も始められたんです。色んな事をやっておられるので、面白いです。盛武さんという方です。
絹: 盛武さんって、おいくつくらいなんでしょうか。だいぶ年配の方ですか?
大: いや、そんなに年配の方ではないです。まだまだお子さんが小学生くらいですから。
絹: お、若い!それじゃあ、ひょっとしたら40代くらいかも。
大: そのくらいじゃないかと思います。
絹: そりゃあ、期待が持てますね。
大: 本当に面白いですね。

●広がる結ぶ 子ども食堂ネットワーク
絹: あの時に教えてもらった他の子ども食堂的なことをされている“香東園”さん、それと西野山の“NOAH(のあ)”さん、これはコミュニティカフェと小規模保育園が合体しています。“香東園”さんは香川県でやっておられた?
nisinoyama  西野山 NOAH
大: 香川県でできた総合福祉施設で、それが山科にできたんです。そこの方針として、最初から地域の中でそういう福祉的なケアをしたいという思いがあって、ちゃんと外の人向けにカフェがあるんですよ。
絹: 地域に開かれた高齢者施設。
大: それを目指しておられるので、いわゆる食堂ではなくて、外の人向けに、建物も別にカフェがあるんです。そこの建物を使わせてもらって、実は子ども食堂を9月から始まっています。
絹: 大場さん構想は着々と。以前、山科子ども食堂ネットワークというのができたらいいよねとおっしゃっていましたよね。で、一ヵ所で毎週やるのはしんどいだろうけど、月に一回ならなんとかなるわ、あるいは月に二回ならなんとかなるわで、無理をせず、複数の人がやれば、いつもどこかでやっていることになるとおっしゃっていましたよね。すごいなあ。
それからもう一つ「オリーブホットハウス」。
大: ここはまだ、食堂としてはやっていらっしゃいませんが、元々コミュニティ食堂的なことはやっておられるんです。精神障がい者の方の共同作業所なんです。
絹: ここのメモには、障がい者と農園とコミュニティ食堂、野菜がおいしい!って、書いてますね。子どもたちが生野菜に群がると。
大: そうです。今、そこではスーパーなどに実際に品物をおろされているんですが、形が商品にならないようなものもあるし、そういうのを一緒にして、子ども食堂で使うようなことができないかなというのでお話して、子ども食堂パックというのを500円くらいで、作っていただいているんです。それを他の食堂でも使われたりとか。
絹: もうすでにネットワーク化しつつあるんじゃないですか。
大: そうです。どうしても野菜なので、いつも採れるわけではないので、多い時と少ない時と品物の質も色々変わるんですけど、そんなのも含めて一緒にやりましょうかという形でさせていただいていますね。

■第三章 “まちのちゃぶ台ネットワーク”はじめました
●それは子ども食堂ネットワークのチーム名です
絹: さてさて、山科青少年活動センター、愛称“やませい”の大場前所長が構想されて、子ども食堂ネットワークが、あるいは実験食堂ができたらいいよねとなさっているうちに、何か自然に有言実行と言うか、勝手にかもしれませんが、ネットワークが育っちゃってると。
そして今年の夏ごろにはそういうネットワークの第一回の立ち上げをしたいと大場さんはおっしゃっていました。その集まりが実際に?
大: 7月の終わりに、「一回皆さんどうですか。ご意見聞かせてください」という会をしまして、その後9月の初めに、「とりあえず実際に始めましょう」ということで、一応会をつくったんです。その名前が“まちのちゃぶ台”でして、皆さんが考えてくれたんです。
絹: 今日のメインタイトルである“まちのちゃぶ台”。これが緩やかな集合体のチーム名。
大: はい。どういうイメージでというのを、色々皆さんとお話していた時に、「子ども食堂もいいけれども、それだけではなくて、地域の中で子どもと大人がちゃんと出会えて…」
「例えば、子どもに対する見方とか、大人に対する見方がちょっと変わるような、そういう繋がりをつくりたいな」ということで、まちの中にあるリビングみたいな感じがいい。そしてみなが集まるテーブルみたいな感じで、“ちゃぶ台”がいいかなみたいな、そんなイメージで皆さんに決めていただいたんです。
絹: 今日のメインタイトルが、ここで紐解かれました。そして“まちのちゃぶ台”の緩やかなネットワークの集まりが9月に始まったことで、子ども食堂の先に見えてきたものがあるよということを大場さんはおっしゃっています。そこのところを少しお願いします。

●大人の子ども観がまず変わってくる
大:  色んな方とお出会いしたなかで、「こんなことをしてみたい」とか、本当に色んな思いが集まる場所だなというのは、以前にもお話したのですが、実際にやっていくと、子どもと大人がしっかりと出会える場ができるというのは、地域にとってはとても大事なことなのではないかと思っています。
実際に困っている子もいるし、元気な子もいるし、色んな子がいるんですが、そういう子どもと日常的に、月に一回でも定期的にずっと出会っていると、なんとなく、例えばマスコミを通して持っている子どもに対するイメージが変わっていくんですね。大人が実際の子どもの姿を見て。そうするとなんとなくこれまで思っていたような、非行の問題や貧困の問題など、巷で語られている若者像、子ども像で見えていたものが、もうちょっとリアルに一人ひとり全然違うし、その子の中に色んな面があるなということを、大人が見つけていくと、子どもに対する「今どきの子どもは!」という感覚が変わっていくんです。
絹: いわゆる何パターンかあるステレオタイプから大人が抜け出せる…
大: そのチャンスをいっぱい与えてくれるんです。
絹: それが“まちのちゃぶ台”。

●SOSを出せる子どもになるために
大: 逆に子どもにとっても、困り事をいっぱい抱えている子どもだと、親も含めて、大人に対して期待をしてないというか、場合によれば警戒をしている…。
絹: 信用してない。
大: そうです。ずっとそういう経験を積み重ねてきた中で、こういう場所に行くと、自分の事にちゃんと関心を持ってくれる大人がいる、頭ごなしに怒らない、ちゃんと話を聞いてくれる大人に初めて出会える。
その関係がずっと続いて、何か困った時に「実はな」と早めに相談に行けるようになってくれたらいいなと。子どもは情報がないし、周りの環境もわからないので、困った時に自分一人で、ないしは身近な人たちのかなり限られた情報の中で判断をして決定していかねばならないのですが、それをやるとどんどんややこしいことになってしまうケースが多いんです。
絹: 前、大場さんのお話を伺った時に、色々困った大変な状況にいる子どもはいると。だけど本当に大人にSOSを出す術を知らない子どもたちが多いんだと。困った時に初期段階で「助けて、相談がある」と言えたらいいのに、どうにもこうにも大変な状況になって、やっと自分の耳に届いたりすると、「ううっ」と思ってしまうと、おっしゃっていましたね。
大: そういう意味で、色んな形で関心を持ってくれたり、話を聞いてくれたりする大人がいるということを、体験的に学んでいるかどうかというのは、これから先、すごく大事な事だと思っていて、そういう意味で子どもが見る大人観というか、大人に対する見方がそこで変わっていける場所になるといいなと。だから“ちゃぶ台”的でいいなという感じはしているんですね。
絹: 本当にSOSを出せる能力というのは、すごく大事ですね。
大: そういう経験がないと、しようがないので。
絹: うちの会社でも、よく頑張るんですけどね、頑張りすぎて、もうちょっと倒れる前にSOSを出しておいてくれたら、介入できて、なんとかできたかもしれないのにと思うことがね。真面目な子ほど、そういうことになって…。いやあ、しかし子どもの大人観が変わりますか。

●色んな人が集い、関わりあえるプラットフォームをつくりたい
大: そうなるのがいいな、そうなってほしいなということでやっています。
だから子ども食堂だけではなく、実は学習支援の場であってもいいし、関わる色んな人たちがそこに集まれて、お互いに情報を持ち寄って、場合によれば知恵と力を出し合って、お互いの持っている得意な部分で関わっていくようなことができる、そんな場所があれば、色んな人たちがもうちょっと集えるし、関わりが持てるかなというふうに思っています。
絹: いいですねえ。何か一堂に会されたりするんですか?
大: なかなか皆さんが一緒にというのはないんですけど、断片的にはなりますけど。一つそういう集まる場所が何かあれば、とりあえずそこに聞いてみる、ないしは何か投げかけてみる、質問してみるみたいなことができる。「あそこにとりあえず行ってみよう」というふうになれれば、色んな人たちがそこでもう少し繋がれるかなと思っています。
絹: 山科青少年活動センターがそういう「糊」のような場になっていると。
大: ただ、うちがそうなるよりは、そういう場所を皆さんでつくったほうが、役に立つなと思っていて、そういう意味では物理的な場所としては、他にも色んな場所に協力はしていただくのですが、まずはそういう一緒に集まるという、言わばプラットフォームみたいな場所ができればいいなと思っていますね。
絹: そんな所に、うちの公成建設の独身寮の服部寮監がレシピを考えたり、10人前20人前のフォーマットのマニュアルを作りこんだりして協力しているというのは、ちょっとうれしいです。
大: 今回のこの“ちゃぶ台”の世話人も進んでやって頂いています(笑)。
絹: あ、世話人の一人なんですか(笑)。その報告はまだ来てなかったです(笑)。
大: 色んな方が「そういうことなら、何かできることをやりますよ」という形でお声を掛けていただいているので、できることからちょっとずつやりながら、逆に「こんなことしたいんだけど」というご意見があったら、それをみんなで「じゃあ、どうしよう」と考えて形にしていこうみたいなことが、緩やかにできればいいかなと思っています。

●今後のネットワーク構想
絹: いいですねえ。さあ、そろそろ無理矢理まとめに入りますが…。リスナーの皆さんお聞きになっていかがですか?山科ってすっごく面白いなと思います。そして「やませい」の大場孝弘前所長の構想では、府内の子ども食堂ネットワークまで広げたいという大きな夢をお持ちです。そのためにはまず山科だと。山科モデルをつくりましょう。いきなり府内ではしんどいので、例えばコープ、生協のフードロスをなんとかするとか、スーパーさんとも連携出来たらいいよねと。醍醐地域が実は気になっているんだと。しんどい子どもたちの存在を知っているかと。大場構想はおそらくは着実に根を広げております。是非、皆様もご注目をしていただけたらと思います。お別れの時間です。
この番組は心を建てる公成建設の協力と京都市・景観まちづくりセンターの協力でお送りいたしました。大場さん、ありがとうございました。
大: ありがとうございました。
投稿日:2017/10/23

第130回 ・御薗橋をキャンバスにしよう! ~820人の小学生大集合!

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成29年7月放送分>

馬: 馬場 昭光氏 (京都市建設局 道路建設課 係長)
石: 石垣 修治氏 (公成建設株式会社 土木G所長)
絹: 絹川 雅則  (公成建設株式会社)
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 左 石垣氏 右 馬場氏
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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最前線をご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲストですが、お二方お迎えしております。お一人目、京都市役所(俗に御池城と言う人もいますが)の建設局道路建設課 事業担当係長でいらっしゃいます馬場昭光さんです。
馬: よろしくお願いいたします。
絹: 馬場さん、よろしくお願いいたします。そしてもう一人、公成建設株式会社土木グループの石垣修治所長。
石: よろしくお願いいたします。

■第一章 観客の多い土木工事のおはなし
  ●事業の概要をお話しますと…
絹: さあ、お二人をお迎えしまして、今日は何の話をお聞かせいただけるのでしょうか。
皆さん、上賀茂神社の袂と言いますか、賀茂川に架かる御薗橋という大きな橋がありまして、今、工事中なんです。そちらの橋について、ご紹介をしていただこうと思います。タイトルは「御薗橋をキャンパスにしよう!~820人の小学生大集合!」と題して、お送りいたします。
まず馬場さん、市役所から御薗橋の方に行きます。だんだん橋が見えてきます。さて、今回の御薗橋の架け替え工事と言ったらいいのでしょうか。その概要を一般の方にバクっと説明していただけませんでしょうか。
馬: 御薗橋は上賀茂神社の玄関口に位置する橋でございまして、昭和12年に架けられた橋でございます。今でちょうど80年経っているなかで、老朽化も進んでいると。
絹: 御年80歳の結構ベテランの橋でいらっしゃったということですね。
馬: そうですね。それとご存知のように幅員が狭く、朝晩を中心に交通渋滞も起こっています。特に歩道が狭くて歩行者同士のすれ違いも、なかなかしんどいという状況のなかで、老朽化修繕に合わせて、橋の架け替えをして幅員を広げるという事業でございます。
絹: 幅員というと、幅ということですね。
馬: 幅です。歩道も車道も広くなるということです。
絹: 堀川通をずっと北大路辺りから御薗橋に向けて車で上がっていきますと、以前よりも橋の取り付け部分と言いますか、御薗橋に入っていく部分がきれいになったな、広くなったなという感じがしますね。御薗橋の架け替えに合わせてというか、その前にだんだんあの辺も整備されてきたんですね。
馬: そうですね。南側からずっと整備してきまして、今は橋の手前まできれいになっているという状況です。
絹: 御薗橋は幅が狭くて、老朽化、昭和12年とおっしゃいました。80歳。土木構造物の寿命と言いますか、土木の技術の方はだいたい何歳くらいだと学校で習われました?
馬: だいたい100年くらいと聞きますね。
絹: しっかりつくって100年、でも50年超えるとそろそろ考えようかとか、あるいは傷んできている所があるよという話もあります。それにしたら80歳というのは元気な橋だったんですね。
馬: そうですね。

●観客のやたら多い工事でした(笑)
絹: さあ、公成建設の土木グループの石垣さん、その現場の責任者として着任されました。馬場係長の概要説明に捕足することはありますか?
石: 一般の土木工事はだいたい山の中とか、海辺であるとか、市街地からはちょっと遠い所にあるのが、土木工事の一般的な環境なのですが、ここの御薗橋の架け替え工事に関しては、市街地の中での土木工事で、橋の架け替えと一言で言っても、色んな人が真横を通っていくような工事で、普通の土木工事とは一味違うような感じでしたね。
絹: そうでしたね。観客がやたら多い工事でしたね。近隣さんに御薗橋801商店街ですか。あそこも面白い商店街みたいですね。以前イベントで自転車タクシーをお使いになったり、一生懸命、まちを元気にしようとされている商店街です。もちろん上賀茂神社に参拝に行かれる方も多いですし、近所に学校も確か3つくらいありましたよね。
現場についた石垣さんは他の工事現場にない観客を毎日お迎えしながらの工事になったと(笑)。なにかリスナーの皆さんにご紹介できるようなエピソードはいくつかお持ちでしょうか。
石: もう、たくさんありますよ!現場を見に来られる地元の方ですけど、たまに来られるのではなくて、毎日来られますね(笑)。特定のお客さんなのですが、毎日来て、雨の日も傘をさして、半日近く現場におられる時もありますし。中にはずっと現場の進み具合を、簡易カメラで撮って、それをアルバムにして、「はい、監督さん、できたよ」と持ってこられる男性の方もいらっしゃいます。
絹: 馬場さんは京都市の建設局で、工事の発注者サイドでありますから、当然管理監督なさいます。京都市さん以外に監督が、地元にいはるわけですね(笑)。
馬: そうですね(笑)。私も石垣さんからこの前、そのアルバムを見せてもらったんですが、なんとも几帳面に撮っておられて、感心しましたね。
絹: 結構なご高齢の方だったんでしたっけ。
石: そうです。70歳以上80歳くらいの方ですね。またそのアルバムを毎日喫茶店に持って行って、お仲間に見せているらしいですね(笑)。で、現場に来られない方代表という意味も込めて、日々写真を撮りに来られているようです。

●注目されることのうれしさと、責任感と
絹: 馬場さん、こんなエピソードを、今まで公共工事と言いますか、インフラ整備だとか、色んな工事のご担当になったと思いますが、お聞きになったことありますか?
馬: ないです(笑)。怒られる事はあっても、毎日毎日来て関心を持っておられる方がいらっしゃるというのはなかなか…。
絹: そうなんですよ。我々建設屋というのは、もちろん建設局の方もそうですけど、インフラの公共工事では、ほこりを立てるし、うるさいし、「迷惑や、あっちへ行け」と、怒られこそすれという経験があるじゃないですか。それから思うと、なにかすごいうれしかった、注目して、「あ、できてきた」と、毎日写真を撮ってくださっている、何かほのぼのとするうれしさと共に、逆にめちゃくちゃ見られてる、失敗したらどうしようみたいなこと、思いませんでした?
石: 思います。やはり私はもっと見てほしい、フェンスとフェンスの隙間から、目を細めて覗いておられる方を見ると、「こっち来て、もっと見て」と思うこともたくさんあるんですけどね。やっぱり、現場で働いていらっしゃる方は、慣れてない方もいらっしゃって、見てほしくないとか…。
絹: 職人さんですね。
石: 見られることに慣れてない方も、中にはいらっしゃいますね。
絹: 橋の上からだけじゃなくて、旧橋と言いますか、今ある橋の南側に新しい橋ができたんですよね。だから橋の欄干と言いますか、高欄の所に手をついて、じっと近場でかぶりつきで見ておられたり、それから遊歩道で毎朝散歩、ジョギングされている方も見ていかれる。
石: そうですね、川の傍に座り込んで、ずっと見ていらっしゃる方もいらっしゃいます。
絹: やはり工事屋としては、工事屋冥利につきる現場だったのかもしれませんね。それだけ注目していただいたと。
さあ、その現場でもう一つくらい何か、リスナーの皆さんに橋のことを紹介できるエピソードをお持ちですか。
 
■第二章 土木工事とイベントと
   ●御薗橋をキャンバスに絵を描こう
石: ついこの間、6月の中旬から下旬にかけて、今、橋の床の部分が完成して、まだアスファルト舗装は載っていない、コンクリートの真っ白な状態の時に、近隣の小学校の児童さんに来ていただきまして、絵を描いて、ドローンで記念撮影するというイベントを開催させていただきました。
絹: 京都新聞のホームページからダウンロードしてきましたけど、結構新聞にも大きく載りましたね。これ、そもそもどういう所からスタートしたんですか?
馬: 公共事業のピーアールというのと、土木工事の担い手不足という課題があるなかで、未来のある子どもたちに対してアピールするようなイベントがないかという話をしていたなかで…。
絹: それはそもそもアイデアの言い出しっぺは誰なんですか。馬場さん?石垣さん?
石: 私の上司の籔田部長です。
絹: ほう、石垣さんの上司が…。リスナーの皆さんに、ちょっとお伝えやすいかなと思って、持ってきた資料の一文だけちょっと読ませてくださいね。
京都新聞社ニュース
タイトルが「御薗橋にみんなの絵、描けた!」
「京都北区の3小学校が制作。拡幅工事が進む京都市北区の御薗橋で周辺3小学校の児童がアスファルト舗装する前のコンクリート面に描いた絵が完成し、27日に記念撮影を行った。7月上旬に舗装工事が始まるため絵は見えなくなるが、子どもらは橋に残る思い出と一緒に写真に収まった。大宮小の全校児童と上賀茂小の6年、柊野小のアートクラブの児童計820人がそれぞれ絵を描いた。「賀茂川の四季」をテーマに、川と船山を背景として季節を表す桜やホタルなどを描いた。」
とあります。今流行のドローンで空撮って、ちょっとすごいじゃないですか。なんで820人も集まるんでしょう。
石: 大宮小学校さんは100周年記念の年でもあって、特に思い入れが強かったというか、その年にかけたかったという思いがおありのようで…。
絹: そうですね。平成29年度は大宮小学校100周年の年です。はじめは大宮小学校さんだけだったけれども、近隣の小学校も一緒にやろうよという話になったんですね。
実は私も本番の時に、ちょっと端っこにいさせていただいて、すごい良い経験をさせていただいたんですけど、お二人が当日のイベントで経験された逸話なんかを、いくつかご紹介いただけませんか。

●どうなることやら、ハラハラドキドキ
馬:  絵を描くにあたって、どういう色が必要なのか、事前にお聞きして準備をしていたんですが、なかなかうまくいってないところもありまして、ペイントの色がないということで、急遽こういう色を出せないかということで、用意している色から手探りで調合して求めている色を作ったということがありました。
絹: リスナーの皆さん、ちょっと想像していただけませんか。普段、真面目な硬い顔をして、「この工事、もうちょっとちゃんとせえよ」と言っているような監督側の発注者の人と、施工者の職人さんたちと仕事をやっている奴らが、裏方で一緒になって、ペイントの色を混ぜ混ぜしているんですね(笑)。笑うでしょう。
石: あっちこっちペンキをつけながらね(笑)。
絹: ほかに何か覚えておられることありませんか。
石: 小学校さんによっては、細かい所まで下書きをされている小学校さんや、ざっと下書きされる小学校さんや、下書きされない小学校さんもあって、下書きされない小学校さんについては、我々からしたら心配でして、「当日、大丈夫かな」と。でも、いざイベントが始まって、子どもさんたちが作業を始めると、やっぱり子どもさんの力って、すごいですね。迫力に圧倒されて、一気に描き上げて帰りましたけどね。一時はどうなるかと思いましたけど。

●御薗橋現場新聞のこと
絹: そしてそのお絵描きイベントだけじゃなくて、工事の説明をする資料を現場に置いたり、それから御薗橋現場新聞、ここに第7号というのがあります。こういう現場の進行状況を地域の人や小学校にわかりやすく、現場新聞を出している例って、あまりないんじゃないですか。
馬: そうですね。私も初めてですね。
絹: これは石垣さんが思いついたんでしょ?
石: そうです。
絹: 橋で今、こんな工事をしています。工程で今、最後の仕上げをやりますとか、所長さんとか、うちの現場の技術屋さんとか、にこっと笑って「こんな人たちがやっています」と、専門用語を使わず壁新聞みたいな感じで、ちょっとそこ説明をお願いします。
石: 地元の方や現場に近い小学校さん、中学校さんに、現場の塀に囲われた中で何をやっているのか、わかりやすいようにちょっとかみ砕いて、工事の進み具合とか、変わった建設機械の説明であるとか、そういったものを盛り込んで、月に1回、新聞を作って配布しています。新聞の中に私が作っているんですけど、「今月の職人さん」というのをトピックで一人選んで書いていまして、こんなことをしているんだというのを、地域の子どもさんたちに魅力アピールという形で、取り込んでいます。
絹: この号では東洋石創の忍穂(おしほ)さんという職人さんが取り上げられています。「世界遺産の上賀茂神社の表参道の架け橋である御薗橋の高欄を担当させてもらうので、すごい期待とプレッシャーを感じています」と、石をコンコンやっておられるのを、子どもも見てくれているんですね。
石: そうですね。うれしいですね。
絹: この工夫があったことも、小学生の皆さんが820人も来てくださったことに、ちょっと繋がっていたのかなという気がします。
石: 新聞を月に1回配りに、私が小学校まで行くんですけど、小学校に行くと目立つところに貼って頂いているので、「毎日、色んな児童さんが見てますよ」と先生がおっしゃっていただけるので、結構見てくれている人は多いのやなというのを感じました。

●てんやわんやでしたが、感動ひとしおでした
絹: さあ、今度は馬場さん。馬場さんもネタはいっぱい持っておられるでしょ?撮影アングルって、何ですか?
馬: 撮影アングルというのは、800人が来るので、どういったアングルで撮るときれいに写るかというのを、ぶっつけ本番ではなく、写真撮影の前に僕らの方で見て、このポジションでと設定したということです。
絹: だって静かに現場主体でやろかと言っていたら、そのうち副市長さんは来るわ、市長さんは来るわでだんだん大事になって、大変でしたものね。
でも撮影の後で子どもたちが、京都市の方々やうちの現場の職員たちと、「おっちゃんありがとう!」と言って、ハイタッチしたり、握手したりして、うれしかったなあ…。橋の部材のぶっとい鉄筋を撫でまわしている子もいましたよね。なんか不思議なイベントでした。
各地でこういう事に類するイベントは行われているようですが、自分たちが絡んで、近場で見せていただくと、また感動ひとしおみたいな。この子達、820人の中で将来うちらの業界へ、ちょっとでも来て!みたいな感じになりましたね(笑)。
石: 材料とか色々展示していたんですけど、手で持って実際に触ってみると、目の色が変わっていましたものね。
馬: 意外と食いつきは良かったですよね。

●「みっけ隊」のプレゼンもしました!
絹: それから京都市さんもご担当の方が出張って頂いて、※スマートフォンアプリケーションで建設局が開発された「みっけ隊」のプレゼンもされていましたね。
馬: そうですね。とりあえず広げていかなければならないものですから、色んな場面でピーアールしているところを、今回のイベントにも絡めてピーアールさせていただいたというところですね。
絹: この番組のヘビーリスナーの方なら覚えておられるかもしれません。同じく建設局から少し前にゲストに来ていただいて、一般市民がスマートフォンで公共施設のインフラの不具合を見つけた時に「道路に穴ぼこあるよ」とか「ガードレール曲がっているよ」とか気が付いた時に、パチッとGPS情報と写真をつけて、京都市の土木事務所に送ってねというアプリケーションを作られたんですよね。それが「みっけ隊」であると。京都市では市民の方々に、土木構造物やインフラの足元の事に興味を持っていただきたいと、京都市の高度技術研究所と京都市建設局が一緒になってつくりこまれた。それの解説をこの御薗橋のイベントでもなさっていたわけですね。
馬: お母さんがアプリ取っているよという子もいたんですよね。
※このみっけ隊アプリについては、第118回第123回にて特集しております。
宜しければこちらもお聞きください。

●足元の確かさを支える仕事と子どもたちと
絹: もう一つだけ、イベントあるいは御薗橋の工事全体で、忘れがたいお話とかありますか。
石: 私はこの御薗橋の現場で携わって2年近くになります。今、華々しく橋が架かっていますけれども、橋を支えている橋台とか橋脚という橋を支えるコンクリートでできた構造物を作った時の事が忘れられません。どうしても時期的に真冬につくらざるをえないところがありまして、冬にコンクリート構造物をつくった思い出がなかなか忘れられないんです。
絹: 本当は、コンクリートはあまり冷たい時に打ちたくない。だからジェットヒーターみたいなもので、ガンガン温めて寝ずの番をしたりするんですよね。でもきれいにできましたね。
石: そうなんですね。本当に温度計を見ながら、ヒーターの燃料が切れないようにお守をして、凍らないようにずっと見守っていたのが、なかなかやりごたえがありましたね。
絹: 全て現場の人たちの苦労、あるいは京都市建設局の人たちの苦労が、一般の方々に見えるわけではありません。さりながら今回の6月のイベントのように、一般の方々に来ていただいて、820人に絵を描いていただく、自分たちの足元に普段当たり前にある橋、道路、なでなでするように見ていただいた。それだけでもありがたいと感じてしまいます。
リスナーの皆さん、今日はちょっと変わったエピソードばかりでしたけど、お聞きになっていかがでしたでしょうか。皆さまの都市生活の足元を支える人たちが、ここにこうしておられます。その活躍というのは、普段は見えません。でも820人の小学生とその父兄たちが来てくださったように、見えないけれども足元にある確かさを支えることの大切さを、子どもたちの心に刷り込まれたイベントだったとしたら、ちょっとだけ期待が持てます。大切な事は実はちょっと見にくいのかもしれません。御薗橋に行かれることがあれば、こんなことがあったのかなと、もし思い起こしていただければ幸いでございます。
いかがでしたでしょうか。京都市建設局の道路建設課の馬場昭光担当係長と公成建設の土木グループの石垣修治所長というお二方をお迎えしての御薗橋イベント特集でした。また来てくださいね。
両名: はい、ありがとうございます。
絹: この番組は、心を建てる公成建設の協力と、京都府地域力プロジェクト、そして京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りしました。お二方、ありがとうございました。
投稿日:2017/08/01

第129回 ・リワーク施設では何がなされ、利用者は何を学んでいるのか

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成29年4月放送分>

鹿: 鹿野 麗子氏 (医療法人栄仁会 京都駅前メンタルクリニック
aaaaaaaaaaaa復職トレーニング専門デイケア「バックアップセンター・きょうと」)
絹: 絹川 雅則  (公成建設株式会社)
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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最新のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
それでは本日ゲストをご紹介いたします。今日は女性お一方です。ひょっとして、このタイプの専門家をこの番組にお迎えするのは初めてかもしれません。栄仁会 京都駅前メンタルクリニック 復職トレーニング専門デイケア「バックアップセンター・きょうと」臨床心理士の鹿野麗子さんでいらっしゃいます。よろしくお願いいたします。
鹿: はい、よろしくお願いいたします。

■第一章 復職トレーニング専門デイケアって、ご存知ですか?
●「もう一度、働きたい…」に、寄り添って
絹: さっきも申しましたが、臨床心理士の方をお招きするのは、本当に初めてです。少し緊張しております。
では、本日のタイトル、テーマを申し上げます。「うつ病などの休職者のための復職トレーニング専門デイケアが京都にあるってご存知ですか」と題してお送りいたします。副題として「リワーク施設では何がなされ、利用者は何を学んでいるのか」と題してお送りいたします。
リスナーの皆さんにお伺いしたいのですが、と言っても答えがこだまのように返ってくるわけではないのですが、「復職トレーニング専門デイケア」ってわかりますかね。「バックアップセンター・きょうと」って、何それ?という方は結構おられるのではないかと思います。実は番組進行の私自身がつい最近まで、この存在に気付いておりませんでした。そもそもバックアップセンターとは何ぞやというところから、鹿野さんにひも解いていただきたいと思います。お願いします。
鹿: はい、よろしくお願いいたします。
絹: どうですか?聞いたことのない人にどう説明されます?
鹿: まず栄仁会ということで、ご紹介いただいたのですが、私どもは医療法人でございまして、病院などを運営している法人になります。
絹: 確か宇治のほうに「おうばく病院」って、ありますね。
鹿: はい。「宇治おうばく病院」がございまして、そちらの系列で京都駅前にメンタルクリニックを持っております。
絹: 精神科領域では結構評判といいますか、知る人ぞ知るという病院じゃなかったですかね。
鹿: 歴史もあるかと思います。民間の病院ではありますが、精神科の病院として、京都の南のほうでは、割と知ってくださっている方もおいでになるのではないかと思っております。その医療機関が提供している復職トレーニング専門デイケアということになります。
この復職トレーニング専門デイケアとは何ぞやということですが、うつ病など、メンタルの問題で会社をお休みしてしまわれた方がいらっしゃっています。昨今、数も増えているように思いますけれども、長らく自宅で療養されていた方が、「さあ、会社に戻ろう」というときに、その前に少しこちらのほうでバックアップできることがないかということを考えました。
お仕事に戻られる前に、生活リズムを整えたり、体力をつけたりしていただきます。また、お仕事をされている時に、何かご自分の仕事のやり方の面でうまくいかなかったとか、物事の捉え方の面でうまくいかなかったとか、陥ってしまいがちな行動パターンでうまくいかなかったということがお有りだったと思うんです。
そういう事でお休みをされていて、戻るにあたって、うまくいかなかったところを少し振り返っていただいて、まさにリハビリですよね。ちょっと整えていただいて、考え直したり、練習ができたりといった場も提供させていただいています。もちろん毎日通っていただくことで、生活リズムがついたり、体力がついたりもするんですが、私どもでは専門のプログラムをご提供しております。

●こうした施設は全国で増えています
絹: このプログラムが、リスナーの皆さん、なかなか優れものなんです。実はつい先日、ワンデイですけど、リワークプログラムに通ってこられる方が受けていらっしゃるのと同じようなもの、どういうものを受けているのか想像できるようなものを、私自身が、総務の担当の者と体験させていただきました。
それですごく感心したのですが、その時にいただいた資料を、パワーポイントのスライドの写しをいただいておりますので、ちょっと読みますね。
「バックアップセンター・きょうと」というのは、うつ病だとか、ストレス関連疾患、それから双極性障害と診断された方で、職場復帰を目指している方のための復職プログラムを提供する施設ですということを、いの一番に説明していただきました。
こういう施設、あの時のセミナーで、全国的にもう160数か所あると教えていただきました。これはやはり厚労省だとか、そういうところが推進しているんでしょうか。民間がおうばく病院さんのような形で、それぞれが民間の力で推進しておられるのでしょうか。
鹿: 今の「リワーク研究会」という研究会組織は、公的なものではなく、民間の方が声を掛け合って集まっています。ただ個々バラバラなことをやっていても、効果がきちんと出るかはわからないので、なるべく全国どこで受けても、ある程度の品質といいますか、同じようなプログラムを受けて、再発防止ができるように取り組んでいます。
絹: テレビなどで「うつ病は心の風邪だ」というようなフレーズが流行ったことがありましたね。でもそんなに簡単に思っていいのかなと、最近僕は思うようになりました。こうやってリワークプログラムのように、ちゃんと編まれたプログラムを専門家の助けを借りて体験することで、復職への道が開けるというのが本当にあるんだなということを、この間見せていただいて、実は驚きとともに感激したんです。

●ご登録いただくにあたって、少し条件があります
絹: また概要のほうに戻りますけれども、どのくらいの人数の方が京都駅前の「バックアップセンター・きょうと」さんのほうに通われているんですか。
鹿: 一応、精神科・デイケアの枠組みで登録をさせていただいていますので、定員を36名ということで運営させていただいております。
絹: デイケアと言うと、高齢者のデイケアをすぐに素人はイメージするんですが、うちの80代の親もデイケアセンターに通ったりしていますけれども、ああいう形の精神科版のようなものをイメージすればいいんでしょうか。
鹿: より職場に近い形を想像していただきたいんです。職場の慣らし勤務に代わるような形で、お仕事をお持ちの方で、今お休みされている、いわゆる働き盛りの方と申しますか、老若男女が集ってきておられます。
絹: 学生さんじゃないんだよと。ちゃんと社会人で職を持っている人で、気分障害とかストレス関連疾患で現在職を休まれている方、休職中の方、一年以内に復職が見込めると判断される方、それからお医者様に通われていて、主治医の先生がリワークの段階に達していると判断されている方と、いろいろ、少しですけど、条件はあると。
で、その精神科デイケアという仕組みの中で、36人の枠で、集団でみんなと同じような悩みを持つ人と、一緒に助け合いながら復職を目指す。でもチーム戦ができない人は困りますよね。
鹿: 会社でもチームでお仕事をされていると思いますので…。
絹: だから一応、集団を乱さないでほしいという条件は守れるねというのは、最初にあるんですよね。
鹿: そうですね。はい。

●いわば、慣らし運転の場なのです
絹: スタッフの方のことをお伺いしたいのですが、36人の方を受け入れるバックアップセンター・きょうとのスタッフ、どれくらいおられるのでしょうか。
鹿: 曜日によって少し変化も出てきたりはするんですが、提供するプログラムによりますので、だいたい7名で対応させていただいている形になっています。
絹: ここに「おうばく病院」の冊子があって、そこに鹿野さんが写っていらっしゃるのもあって、こういうのを見ると、精神科のお医者さん、看護師さん、精神保健福祉士さん、作業療法士さん、臨床心理士さんとかなりの種類の専門領域の方が寄っていらっしゃって、分厚い布陣だなというふうに感じました。なかなかこれだけの人が同じ場所にいて、隣には精神科クリニックが併設されていて、一般のカウンセリングなんかも、あるいは診察や治療行為なども隣の診療所ではなされていて、その隣のリワーク施設は、会社の会議室の少しくだけたような、居心地のいい、図書室とも見えるような…。
鹿: 談話コーナーとでも言いましょうか。
絹: セミナーなどを受けるのに適したような明るい部屋がありました。
リワークプログラムと言うか、休職していた方が復職したいと思う時に、いきなり以前の職場に戻って「さあ」というよりも、慣らし運転する場所があったらいいんじゃないのという考え方ですよね。
鹿: そうですね。

■第二章 具体的な内容を、少しお話ししましょう
●プログラムには3つの段階があります
絹: その慣らし運転のバックアップセンターでなさっているプログラムについて、リスナーの皆さんが想像しやすいような情報をいただきたいのですが。
鹿: 36名の方々が通ってこられていると申しましても、治療段階と言いますか、回復度合いは個々様々なわけです。ですので内部では3段階に分けております。ステージ1、ステージ2、ステージ3ということで、まず通い始めの方々は、生活リズムをつけていくとか、集団に慣れるというところを主眼に置いて過ごしていただく期間があります。ですのでお家でゆっくりお休みされている方が、いきなりリワーク施設に行ってどうしようと心配になられなくても、まずは通ってみていただければと思います。
みんながいる所でちょっと座って、静かに読書をしていただくとか、読書もちょっと頭に入りにくいという段階の方もおられるので、そういう方にはパソコンソフトを使って脳トレという簡単なゲームをしていただいたりとか、ペーパークラフトと言いまして、型紙を切り抜いて貼り合わせて作品を作っていくということで指先のトレーニングになったり、大勢の人と同じ場で過ごすという時間をつくっていただくことで、人がたくさんいる場に慣れるという段階を設けていまして、それがステージ1という段階になります。
そこでリズムがしっかりついて、通ってこられるようになりましたら、次のステージ2という段階になりますので、そこで初めて私どもの施設がご用意している講座を受講し始めていただくことになります。2つの講座をご用意していまして、コミュニケーション講座というものと、ストレスマネジメント講座というものをご用意しています。

●2つの講座をご用意しています
絹: ストレスマネジメント講座って、興味ありますね。やっぱり精神的に落ち込みすぎたり、しんどくなって休んじゃうという人は、ものの本によりますと、認知のゆがみというような、考え方や行動様式に癖があるそうです。素人なりの見解ですけど、すごい能力があって、誠実で真面目で、やる気もあるのに、「そこまであんた、自分を責めんでいいやん」というタイプの方がわりあいガクっとなるような気がするんですが、どう思われますか。
鹿: そうですね。そういう方って、やはり柔軟性に欠けるところがおありになるのかなと思って。真面目一本やりで、もちろんうまくいったり、成果もあげてこられたから、それでずっと来たのでしょうが、やはり今、変化の多い世の中ですので、それだけではうまく対応できないという局面で、しなやかに柳のように揺れたらよかったんでしょうが、そこがぽきっといってしまうということなんでしょうか。
絹: 元気な時にはすごく業績を上げてくれたりとか、後輩の面倒を見たりとか、音頭を取って中心的にリーダーシップを発揮したりしていたのが、ぽきっと行ってしまったのが、わが社でもありましてね。実際にその人、「バックアップセンター・きょうと」さんで、うちの第一号として、お世話になっているんです。それまでそういう経験をわが社ではしたことがなかったので、すごくびっくりしたとともに、そういう場所が世の中にあったんだということを教えてもらってよかったなと思っています。世の中にそういうものがあるよという存在を教えてくださった方がいて、「あなたそういう勉強をしたことがないでしょう」と言われ、「えー…」となったのですが、でも、いいですねえ、すごく。
鹿: 勉強という意味では、学校や企業の中で、「ご自身の考え方を振り返りましょう」とか、「行動を分析してみましょう」というようなテーマはないですよね。「人に上手にものを頼みましょう」とか、「うまく断りましょう」みたいなことはあまり学んできてないじゃないですか。ですので、そういうことをここの施設でやらせていただいている面もありますね。
絹: 徐々にバックアップセンターって、どんなのかイメージが持ててきたかもしれません。ここで鹿野さんが実際に現場で感じられた印象深いエピソードがあったら教えていただけますでしょうか。
鹿: 先ほどステージ2のところで話が終わってしまったのですが(笑)、ステージ3という段階もありまして、そういう講座も受けて、だいぶ心身ともに安定してこられて、もう少し負荷がかかっても、お仕事に近いようなテーマを持ってもできそうだという方にステージ3という段階で頑張っていただきます。
絹: 課題図書の要約、例えば『うつ病からの復帰』というような専門文献を…。
鹿: 『うつからの社会復帰ガイド』という図書ですね。
絹: それの要約をレポートでまとめるといった作業もこちらであるというふうに教えていただきましたが。それはステージ2、3どちらになるのでしょうか。
鹿: それはステージ1の間にやっていただきます。

●回復を目の当たりにしながら
鹿: 感慨深かったことということで、お題をいただいたので、そのお話をしますと、やはり1,2,3と上がっていくというのは、変化していくということを目の当たりにしますので、最初活気なく、来るだけでしんどそうにされていた方が、本当に回復してこられて、表情も明るくなり、活気も出てきて、周囲とコミュニケーションもできるようになり、お仕事に近いようなワークを過ごしていただいて、「戻っていきたいんです。いつ僕、戻れますか」というふうにスタッフに話しかけてくださるというのは、本当に実感できる喜びとして挙げられまして、スタッフは等しくそのように感じているのではないかなと思います。
私があともう一つ思っているのは、メンタルの病気になって復帰される方は、もしかすると今までやってきたことをあきらめねばならないとか、今までとは同じようには働けないみたいな、どこかあきらめのような、レッテルを貼られてしまったような、そんな感覚をお持ちではないかと思うのですが。
絹: それはもし復職を果たしたとしても、従来の部署に戻れないだとか、あるいは100%のパフォーマンスを発揮できないというふうに、周りから見られちゃうんじゃないのという心配を、不安を抱えちゃう。

●復職後のパフォーマンスがかつてより上がるケースもあります!
鹿: そうですね。周りからみられる心配もありますし、自分自身もできないのではないかと考えがちだと思うんですね。ただ私はリワークに関わっていて見ておりますと、プログラムでいろんなことを勉強されて、いろんな訓練をされるんです。そうすると今までなかった考え方が増えたり、今までしてこなかった行動パターンが増えたり、一人で抱えることが必ずしも良いパフォーマンスにつながらないということに気付かれたりするわけです。
絹: 例えばSOSが適切なタイミングで出せるようになるとか…。
鹿: そうです、そうです。逆にしんどそうな人に気付いて、声を掛けられるようになるということもあるでしょうし。
絹: 自分がしんどかったから、あいつもきっとしんどいに違いないと思える。
鹿: ええ。ですから助けたり助けられたりというような体験が、職場の中でも起こってくると、職場自体も風通しが良くなってきますし、その方自身も休む前と仕事のやり方が変わるので、パフォーマンスが上がる可能性も大いに秘めているんです。
絹: それって、すごいことですね。助けたり、助けられたり、ある種理想で、健康的な組織の姿ですし、追い求めて、なかなかそこに行きつけずにあがいている日常というのは、私にもありますけれども、復職後のパフォーマンスがかつてよりも上がるケースすらありますよと。

●OB交流会のお話から
鹿: そうなんです。そういうお姿を拝見できる機会があって、OB交流会というものを、私どもでは持っているのですが、職場に戻られた方が定期的にこちらのリワーク施設に土曜日に時間をつくって来ていただいて、近況を報告していただています。
そうすると「いや、実はこんな仕事をしているんですよ」とか、「こんな資格をとったんですよ」とか、「実は部下をもつことになりまして」といったお話を聞くと、「ああ、本当に変わられたな」というふうに実感できるのは、とてもうれしいですね。
絹: 今、復職プログラムに参加した人の中で、かつてのパフォーマンス以上の仕事のしかた、ものの考え方、感じ方が変わったことによって、昇進の実例すらあるんですよという、何かすごくほっとするエピソードを教えていただきました。
で、実際にこういうリワークプログラムを利用する、参加するにあたって、少し注意事項もございましたね。できればどの段階で来るといいよというのは、ありましたか。

●なるべく早い段階で、まずはご相談ください
鹿: もうギリギリの残り一か月しか休職期間がないというようなタイミングとか、傷病手当金が切れてしまうというようなタイミングで来られると、焦燥感ばかりが募ってしまって、腰を落ち着けて取り組めないということが起こってくるかと思います。
できうるなら少し起きている時間が増えてきて、お医者さんからも「少しお散歩とかにも行った方がいいんじゃないの?」とか、「家族と外出してみたら」みたいに言われる程度になられましたら、こちらのデイケアにショートケアという3時間のご利用の枠組みもありますので、ご利用頂けたらと。
絹: 「トライアル利用とかもあるよ」とおっしゃっていたものですか?
鹿: トライアル利用はまたちょっと別の仕組みなんですけど(笑)。
絹: まずは床上げして、3時間くらい動けるようになった段階で、こういう復職プログラムに参加すると、再発の率が結構下がるのではないかというデータが…。
鹿: 長く通っていただく期間を持てば、しっかりプログラムも最初から最後まで受けられます。私どもの施設では、先ほど申し上げたコミュニケーション講座も、ストレスマネジメント講座も、全15回で構成しておりますので、受け終わるのに3か月半かかるんですね。ですからそれを受けないままに戻っていかれるのは、やはりもったいないという気持ちもありますので、余裕がある時に来ていただくと心配せずにゆっくりお使いになれると思います。
講座を受けるということも期間がかかりますし、そこまでに到達するまでに慣れるということも、なかなか慣れない。来ると決めたけれども、実際来はじめると毎日来るのがつらいということも起こってきます。そういう慣れる期間を十分とった上での講座スタートという導入をしたいと思っていますから、慣れる段階であれば、それこそ床上げして、しばらくしたらお昼からでも来ていただいて、3時間過ごして帰っていただくというご利用の仕方から、徐々に慣れていっていただいて、午後に来ていたものを午前に振り替えて進めていくこともできますので、ギリギリというよりはなるべく早い段階で、まずはご相談いただくのがよろしいかと思っています。
絹: リスナーの皆さん、いかがでしたか。すごく大切で、深くて、重いテーマのほんのさわりを鹿野さんの協力でお送りいたしました。リワークプログラム、バックアップセンターというものの存在をぜひ意識していただけたらと思います。また第二回続けていきたいと思います。
この番組は、心を建てる公成建設の協力と、京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りしました。鹿野さん、ありがとうございました。
鹿: どうもありがとうございました。
投稿日:2017/04/25
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