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まちづくりチョビット推進室
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まちづくりチョビット推進室

京都府地域力再生活動
京都三条ラジオ・カフェ(79.7MHz) にて、
『まちづくりチョビット推進室』という番組を下記の予定で放送中です。
放送日時は第3、第4土曜日(15:30~16:00)
(詳細はラジオカフェのページでご確認下さい)
『まちづくりチョビット推進室』は、
「京都市景観・まちづくりセンター」と、平成25年、26年度の間、共同企画で行っておりました。
   
  過去のアーカイブはこちらをご覧下さい。
 

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第136回 ・「京都国際子ども映画祭」ってご存知ですか? ~キンダーフィルムフェスト 子どもによる子供のための国際映画祭

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成30年4月放送分>

植: 植田 真由氏(特定非営利活動法人キンダーフィルムフェスト京都 理事長)
田: 田勢 奈央氏(特定非営利活動法人キンダーフィルムフェスト京都 理事)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
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左:植田 真由氏 右:田勢 奈央氏

 

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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最前線のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト、お二方、今日は女性比率が高いです。女性お二人にお越しいただいております。まずお一人目。NPO法人キンダーフィルムフェスト京都の理事長でいらっしゃいます植田真由さんです。
植: 植田真由です。よろしくお願いします。
絹: ようこそ!
そして同じくNPO法人キンダーフィルムフェスト京都の理事でもあられます田勢奈央さん。
田: はい、田勢です。よろしくお願いします。
絹: 田勢さんは、古くはないけど、私はよく知っているというか。
リスナーの皆さん、Impact Hub京都って、聞いた事ないですか?すっごく面白い場所が京都にもあって、府庁の近所なんですけどね。Impact Hubって、世界に何十か所かあるんですよね。
田: そうですね。90か所ちょっとでしょうか、世界の色んな都市にインパクトハブという団体がありまして、コワーキングのネットワークを広げていこうというコミュニティなんです。
絹: そこのスタッフをされていた時期に知り合いました。「Dojo for Change」って、なんかすごい名前でしょ?楽しい場所なんです。また、気にかけていただけたらと思います。

■エピソード1 そもそも「京都国際子ども映画祭」って、なんやねん
●京都子ども映画祭のはじまり
絹: さて、本日の番組タイトルですが、「京都国際子ども映画祭って、ご存知ですか?~子どもによる子どものための国際映画祭」と題してお送りいたします。この京都国際子ども映画祭、この夏の8月の2日から5日、ラジオカフェのお近くの京都文化博物館で(地元の者は「文博」と呼んでいますが)開催されます。そしてご縁がありますね。偶然、わが社があの工事に参画しておりました!
両: あ、そうなんですか(笑)。
絹: 現場へ何人か行っておりましたし、改修工事にも参加しております。いい場所ですね。
さあ、この京都国際子ども映画祭について、メインゲストの植田真由さんと田勢奈央さんとともに、じっくり読み解いてまいります。
京都国際子ども映画祭、ご存知ない方も多いかと思いますので、植田さん、ざっとその来し方と言いますか、古いそうですね、実は。
植: 京都国際子ども映画祭は、毎年1回開催と考えて20年以上、今年で24年目になります。
絹: すみません!知らんかったあ!
植: 知られてないんです。これだけ長い事やっているのに。
絹: すごい良い事やってらっしゃるんですよね。
植: 1994年から始まったんですが、キンダーフィルムフェストという名前から、ちょっとピンと来られる方もいらっしゃるかもしれません。元々はドイツでやっているベルリン国際映画祭という大きな映画祭があるのですが、そこの子ども部門でキンダーフィルムフェストという、子ども向けに作品を上映しているセクションがあって、そこに行った映画人が日本でもこういうふうに子どもに向けた映画祭をやりたいということで、最初東京で始まって、その次に京都でやったのが、今まで続いているということです。
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●今さらですが、ゲストの紹介です
絹: 東京で始まって、京都で…。すみません、1つ僕、何か忘れているような気がします。えっと、ゲスト紹介をちゃんとやるのを忘れていました(笑)。こんな感じでゆるゆるどころか、低空飛行でやっている番組ですが(笑)。
ちょっと戻して頂いて、理事長の植田真由さん、先ほどの下打ち合わせで、専攻が映画でずっとご研究されていて、博士課程まで行っちゃったと。無茶苦茶映画の世界にどっぷりという感じの方ですが、リスナーの方にその人となりの一端をお伝えするのに、いつもの手抜きの他己紹介というやつを、田勢さんにお願いします。田勢さん、植田真由理事長とは、いかなる方ですか。
田: 植田さんは、ラジオだと声しか伝わらないので、あれですけど、見た目はすごく若い、もちろん年齢も若いのですが(笑)、2歳9か月の男の子を育てているママさん理事長なんです。
元々は映画を専門にしていることもあって、このNPOで、映画祭のための映画を選ぶ仕事をずっと担当されていて、そこからどんどん上がって行って、今、理事長を務めているという方です。
絹: おお、ご苦労様です。いやあ、映画関係者とお知り合いになるのは初めてです。
それじゃ交代で、今度は植田さん、田勢奈央さんとはどういう方ですか、短く述べよ。
植: 田勢さんは去年から映画祭に関わっていただいたんですけど、ものすごくパワフルな方なので、このパワフルさとエネルギーで、去年の映画祭は田勢さんがいなかったらできなかっただろうなというくらい貢献していただきました。私にとってもキンダーにとっても心の支えと言うか、全てにおいて支えになってもらっているような、頼りになる存在です。
絹: ありがとうございます。こそっと田勢さんのエピソードを追加しますと、テレビ人で以前TBSにおられて、番組制作にもということで、そういう世界にお詳しい方で、僕はインパクトハブで田勢さんに英語を習いました(笑)。
田: そういえばそんなこともありましたね(笑)。
植: 英語も堪能でいらっしゃるので…。

●子どもが中心の映画祭-見ることはもちろん、審査もします
絹: すっごくわかりやすい英語を使われます。
さて、元に戻りまして、このキンダーフィルムフェストについて、もう少し続きをお願いします。
ベルリン国際から始まって、東京、京都で日本版が始まった。内容はどんなことをやるんですか。
植: 本当に子どもが中心になっていて、子ども向けの作品を上映するのはもちろんなんですが、子ども審査員が上映される作品を全部見て、審査をしてグランプリを決めます。
絹: 何本くらい参加されるんですか?
植: 長編3本、短編7~8本をそれぞれ2回ずつ見ます。
絹: それって、見る方もすごい体力要りますよね。
植: すっごいハードスケジュールですね。

●今年は京都文化博物館でやります!
絹: 今年の会場は文博とのことですが、確か文博って、映画の資料が古い日本映画からずっとアーカイブがあるところと違いましたか。
植: はい、そうです。ポスターから雑誌からフィルムまで。
絹: だから映画資料を見るブースだとか、しつらえとか、ちょっと大きめのつくりのシアターとか…。いい場所を選ばれましたね。
植: 本当にお世話になっております。
絹: 24年前からでしょ?
植: 会場は結構色んな所を転々としていまして、文博さんでやらせていただいているのは、ここ7~8年なのですが。
絹: でも文博さんとしても、ようこんな企画をもってきてくれはったと喜んでおられるのではないですか。
植: そうですね。最初の頃は本当に「うちにこんなに子どもが来てくれるなんて…」と館長さんが喜んでおられたという話は聞きました。

●子どもたちが議論しながらグランプリを決めます
絹: 長編3本と短編7~8本を2回ずつ見て、審査員さんも子どもがいるんでしょ?
植: そうです。
絹: 結構な時間と体力を使うから、一日何時間くらい見るんですか。
植: 1日3本ですね。
5時間くらいシアターに座っていることになります。
絹: だから8月の夏休みなんですね。でも夏休みの自由研究としては、最高じゃないですか。
植: そうですね。去年は東京からおばさんが京都に住んでいるというので、夏休みを利用して、京都にわざわざ来て、映画祭に泊まりながら参加してくださったお子さんもいたりして…。
でも子どもたちはどの映画がいいかという議論を通じて、ほとんど初対面の子たちなのですが、どんどん仲良くなっていくんですね。それが大人としても、見ていてうれしいなと思いました。
絹: その長編3本と短編7~8本を見て、「私はこれを推します」みたいなのを、みんなで…。
田: そうです。「これのこういう所が良かった」というのをみんなで言い合って、みんな意見は違うのですが、多数決はせずに話し合いでグランプリを決めるわけです。
絹: その時に植田さんや田勢さんはその議論に加わって、ファシリテーションと言うか、議長と言うか、何かするんですか?
田: できるだけ口は出さないようにしています。「時間ないよ」とか、そういうことは言いますけど。

●子どもたちは感想文も書いて、公開します
植: あとみんな最後に感想文を書くんですね。感想文をグランプリ作品発表の時に、全員お客様の前でそれを読み上げるんです。自分たちが感動した映画について書く子もいれば、映画祭を通じて、どういう事を学んだかということを書いてくれる子どもたちもいて…。
田: 結構、常連さんはその作文を楽しみに見に来るみたいな方もいらっしゃって、子どもたちの成長っぷりがすごくよくわかるので。
絹: その2日から5日までの、映画祭の水面下の作業と言うか、ワークショップが大変で、一般に公開されて「グランプリ作品はこれだ」と、上映されますよね。子どもたちの感想文の発表もある。それは一般人に公開されるのですか。
植: もちろんです。
絹: それはいつですか?
植: 作文を読むのは4日で、グランプリ作品の上映は5日です。
絹: リスナーの皆さん、8月の4日5日は空けといていただけませんか。これは面白いですよ。子どもたちがどんな感想を持って、どんな作品を選んだか。ちょっと自分の手帳に書いておきます(笑)。
植: やはり大人が見る視点と子どもが見る視点が、微妙に違っていて、私も同じ映画を何回も見ているんですけど、子どもたちの感想を聞いて、「あ、そういう見方があったんだ!」というふうに気づかされることもあったりして、それは本当にこの子ども映画祭でないと味わえないことだなと思いますね。
絹: 今、僕の手帳を開けて、8月の4日5日に「キンダーフィルムフェストat文博」と入れておきました(笑)。
両: ありがとうございます!!
絹: いやあ、本当に外せない仕事さえなければ、絶対に行きたい!面白そう!
さて、リスナーの皆さん、だいたいどんなことが行われてきたか、概要をつかんでいただけましたしょうか。

■エピソード2 「京都国際子ども映画祭」、もっとズームしてみると…
●吹き替えワークショップって、どんなことするの?
絹: さらに、エピソード2でその内側をもうちょっとインタビューしようと試みますが、先ほどワークショップのことを少しだけ教えていただきましたが、子どもたちが吹き替えをやると。それもその場で。
植: はい、生でやります。
絹: 活動の弁士さんみたいな感じで合ってます?あんなイメージですか?
植: そうです。
絹: ちょっとその吹き替えワークショップについて、もう少し教えていただけますか。
田: うちで上映する映画は、海外から直接持ってくることが多いので、字幕も吹き替えもついていない作品を上映するんですね。でも、それだとちょっと子ども向けの映画祭としてはわからない。、じゃあどうやったらみんなにわかってもらえるのかということで、生吹き替えというのがつくようになったんです。子どもスタッフと去年から大人の方にも開いて、全6回の映画吹き替えワークショップというものを開講しております。
そこで劇団のプロの方から、最初は発声練習や、身体の動かし方といった基礎的な事から、後半は吹き替えをする映画を見ながら、アテレコをしていくみたいなワークショップです。
絹: と言いますと、8月の2日から5日までの4日間の中でその吹き替えワークショップも、同時進行なのですか?また別ですか?
田: ワークショップ自体は、映画祭が始まるまでに完了するようにして、そこで学んだ方たちが、映画祭当日に短編の生吹き替えをするという、本番が映画祭という感じですね。
絹: もし子育て最中の親御さんがいらっしゃったら、これは子どもさんの訓練プログラムとしては、夏休みに最高の部類じゃないでしょうか。吹き替え、声の出し方、ボイストレーニング、植田真由理事長が選んでこられた良質な映画を繰り返し見て、その場で吹き替え、自分の声であてるわけです。

●吹き替えワークショップを通じて、子どもたちが学ぶもの
田: 去年はチェコの映画や韓国の映画、中国の映画など、特に子どもだと、映画館ではなかなか見ない国の映画を、子どもたちが何回も何回も見て、やはり国が違っても笑うところは同じだったり、悲しいと思ったところは同じだったり、そういうことを子どもたちも映画を通して学びます。
私が去年初めて参加して感動したのは、吹き替えワークショップに参加されている方、去年は小学校3年生から70代の女性までいらっしゃったんですね。親子でも家族でもなく、全然年代も違う人たちが、すごくお互い励まし合って練習していて、やっぱり本番になると、皆さん素人の方たちなので、すごく緊張されるんです。でも、それを乗り越えていく様というのが、すごい見てて感動します。
やはり何回も何回も練習してきているのもありますし、映画祭の場でお金を払って来ていただいているので、それ相応のクオリティのものを出さなければいけないので、私たちも結構厳しくやっていきますし、劇団の指導してくれる先生も、そこはちゃんとクオリティを保つために色々教えて下さっています。
絹: プロの劇団の方が指導してくださるんですか。「やり直し!」とかって、やるんですか。
田: 結構、何回も何回も練習しますね。
植: 「もうちょっと今の所、やってみよか」みたいな感じで。
絹: その吹き替えワークショップは5月27日スタートで、これの期間と言いますか…。
田: 日程はホームページとフェイスブックの方に上げています。
絹: 興味のある方はぜひアクセスしてみてください。検索ワードは「キンダーフィルムフェスト京都」。さっきフェイスブックページだけちょっと眺めてきましたが、本当にいい表情をした子どもたちと、大人たちの画像が踊っております。いいですねえ。これは面白い。

●繋がる、広がる、吹き替えワークショップの輪
絹: さらにもう少し聞いてみたいのですが、吹き替えワークショップの中身、劇団の方が指導されている様子をもう少しお話いただけませんか。一番最初にやるのは、どんなことですか。あるいはどんな方が申し込んで来られたのですか。先ほど京都市さんを通じて、小学校にチラシをまくとおっしゃっていましたよね。
植: 小学校とかにまくのと、あとは口コミかフェイスブックを見て申し込んで来られる方が多くて、今年に関しては去年やった人がリピートされる方も結構いますし、あと小学校三年生の子が本番をやるのを、友達が見に来ていて、それを見て自分もやりたいと今年申し込んでくれる子が2~3人いますね。
田: みんなお母さんに連れられて映画祭に見に来たわけですが、吹き替えに関しても、子どもスタッフに関しても、子ども審査員に関しても、どの子もみんな楽しそうなので、たぶん子供の眼からそれを見て、「なんかあのお姉さんいいなあ」とか「あのお兄さん、楽しそうだな」と憧れて、入りに来てくれる人も結構いて、私たちが宣伝する力よりも何よりも、子どもたちの生き生きした顔が、お客様と翌年の参加者と言うか、子どもたちを呼んできてくれているんだなと思いますね。

●NPO自体が世代交代して、ドキドキワクワク、皆で作り上げている最中です
絹: 今、お話になっている田勢さんの表情を見ていて、田勢さんだったら、ドキュメンタリーとか作る能力があるから、ひょっとしたらキンダーフィルムフェストのドキュメンタリーをどこかで作ってやろうと構想しているんじゃないかと思っているんですが(笑)。
田: それ、すごいしたいんですけど、私がそれをしちゃうと、ちょっと回らなくなるところもあって(笑)。
絹: さっき植田真由理事長が、「田勢さんの加入ですごく助かった」とおっしゃっていましたね。いろいろ回してくださったと。
植: そうなんです。私、理事長になったのが、去年度が初の年度だったので、初めてで「どうしよう、何にもわからない」という状態だったんです。ずっと映画祭にはかかわっていたのですが、トップとして回すのが、去年が初めてだったので、パニック状態だったのを、田勢さんがすごくフォローしてくださって、そのお陰で…。
田: 去年から色々体制が変わって、新しいメンバーが出てきて、結構世代交代したんです。なのでみんなにとって去年は元からのスタートだったので、今も手探りで、本当に毎日のように色んな話をしながら作り上げているんですけど、今年も海外からゲストをお呼びするんですね。

●あの俳優さん、監督さんが来てる!!
田: 去年は、映画に出ていた俳優さんをドイツからお呼びしました。それから日本の上映した映画の監督さんや子役さんにも来ていただきました。
絹: なんかすごい大規模ですね!
田: 結構盛沢山なんです。
植: 子どもたちにしたら、映画に出ている人が来てる、監督さんが来てるというので、そういう方に直接会うことは、普通に過ごしているとないことなので、すごく貴重な時間なのだろうなと思います。
絹: いやあ、世の中知らないことがいっぱいあります。

●映画をつくる気持ちも体験してもらいたい…
田: だから映画を見るという機会だけではなくて、つくる側の気持ちも体験してもらいたいと思っています。
そこで映画の子どもスタッフたちが、上映前にちょっとした本当に短い動画をみんなで作るんです。それは毎年ちょっとずつテーマが違っていたりするんですけど、去年は映画が始まる前のプレビューとして、映画のDVDが文博に届く前の色んなシーンを、京都中を走り回って、嵐山に行ったり、二条城の前を走ったり…。
植: 京都の名所をそれぞれ撮影して、西からバージョンと東からバージョンでこう…。
絹: ひょっとしてそういうのって、YouTubeで検索したら見られます?
植: ホームページにあるんです。
絹: これちょっと見ましょう。リスナーの皆さんもご覧になったら、イメージしやすくなりますよ。
田: 子どもたちもやっぱり作る楽しさ、私も元々ずっと映像を作っている人間なので、作る楽しさも味わってほしいし、見る楽しさも味わってほしいという、その両方をなるべくできるようにしたいなと思っています。

●我々、建設業界にも映画振興に力を入れていらっしゃる会社があります
絹: いやあ、ご縁ですね。こういう生の情報を直接お持ちいただけるなんて。
さっきもちょっとお話しましたけれども、我々の建設業界の中でも舞鶴の志摩機械さんという建設機材をあちこちにご用意されたりする会社がありまして、とても映画に造詣が深いんです※。舞鶴でクローズされる映画館を私財で買い取られて、映画振興に力を入れていらっしゃったり、この京都三条ラジオカフェのように舞鶴にもコミュニティFM局がありまして、そちらのサポートをされたりしています。この間、エクスカーションに行かれた…。
※シマフィルム(株)リンクhttp://shimafilms.com/
植: 映画遠足ですね。
絹: 出町から行かれたんですよね。その出町座にも志摩機械さんが関わっていらっしゃるんです。

●映画遠足で出町座さんに行ってきました
絹: その映画遠足のこと、ちょっとだけ教えていただけませんか?
植: せっかく映画にまつわる団体に子どもたちに参加してもらっているので、もっと映画のことを知ってもらいたい、映画をみんなで楽しみたいと思って、企画したのが映画遠足です。
去年オープンしたミニシアターの出町座さんという所にみんなで行ってきました。やっぱりシネコンしか行った事のない子たちなので、初のミニシアターに行って…。
絹: リスナーの皆さん、出町の枡形商店街と言って、良い感じの商店街が残っているんですよ。その空き店舗を改修されてミニシアターですね。
植: 書店とカフェも併設されているミニシアターです。
絹: 書店もいい感じの書店で、カフェもいいし、中へ持ち込めそうですね。
植: そうです。買ったものをシアター内に持ち込めます。
絹: 2階と地下と2つスクリーンがありましたっけ。
植: そうです。
絹: 京都は映画の発祥の地でもあります。ですから立誠小学校でそういう映画に関わることを丁寧にされていた方もおられますし、その流れが出町座に来ているということをお聞きしたことがあります。
さあ、皆さんどうでした?今日のお話。もうただただ面白かったです。
子どもたちに映画に触れてもらって、しかも吹き替えワークショップ、それからみんなで審査員もやっちゃおうぜと。それに大人たちがサポートして、24年前のベルリン国際映画祭の流れをくむ京都国際子ども映画祭です。これを機会に、もしお耳にかけられた方はホームページ、フェイスブックページをご覧いただくとともに、小さいお子さんとか高校生でも、大人でも、このワークショップに参加してみてはいかがでしょうか。まさにこれは京都らしいプログラムだと思いますし、夏休みに最高のイベントになると思います。
この番組は心を建てる公成建設の協力と京都府地域力再生プロジェクト、そして京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。田勢さん、植田理事長、ありがとうございました。
両: ありがとうございました。
投稿日:2018/05/11

第135回 ・水面下で進む3D情報活用 ~ガンダムパイロットへ続く道

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成30年3月放送分>

上: 上田 浩司氏(株式会社大塚商会 関西CADプロモーション課)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最前線のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト、男性お一方をお招きしております。株式会社大塚商会の上田浩司さん。
上: 上田です。今日はお招きいただきまして、どうもありがとうございます。
絹: はい、よろしくお願いいたします。
皆さん、大塚商会って、どこかで聞いた名前でしょう?学生の頃、コンピューター関係の会社だと理解しておりましたが、上田さん、それでいいのですか?
上: はい、そうです。コンピュータ全般を取り扱っている会社で、オフィスの中にあるコンピューター関係、IT関係を全て取り組んでいる会社になります。
絹: さあ、なぜ当チョビット推進室に、大塚商会の上田浩司さんをお呼びすることになったのかは、後々、紐解いていこうと思いますが、今日のタイトル、番組のテーマをまず申し上げなければなりません。「水面下で進む3D情報活用 ~ガンダムパイロットへ続く道」と題してお送りします。上田さん、よろしくお願いします。
上: はい。よろしくお願いします。

■エピソード1 そもそもBIMとかCIMって、何なの?
●IT活用のあれこれ、教えて上田さん
絹: リスナーの皆さんに、私と上田さんの出会いというのを、ちょっとだけ開陳させていただきます。
実はうちの会社に来てくださって…。
すみません、BIMとかCIMとか、ちょっと専門用語がいくつか出ます。実は私、建設業をやっているのですが、新しい動きというか、進化した動きがいっぱい出ているらしいというのも勉強しなければならないのですが、ようわからんと。「わかっている人、レクチャーして」と来ていただいたわけですが、1時間くらいですごい濃い講義をしていただいた時の講師役の方が上田さんだったんです。
上田さん、BIM、CIM、建設の世界だけではないかもしれません。一般の方にバクっとした解説で、「皆さんにこんな風に関わるかもしれへんで」というのを含めて、ちょっとお話していただけませんでしょうか。
上: はい。まず大きく言いますと、今まで二次元で設計してきたものは、皆さん家を買われる時など、設計図面を見られることがあるかと思いますが、それって、紙に描かれた線で表現された図面だと思います。それが今、BIMとかCIMというキーワードで、3次元データとして立体的に設計されたものに変わっています。これが大きくBIMとCIMというふうに言われています。
絹: 上田さん、僕は細かい事が気になる質で、それであまり勉強ができなくなったんですが(笑)、BIMとかCIMって、そもそも何か略しているんですよね。
上: はい。BIMは「Building Information Modeling」の略で…。
絹: 「建物の情報をモデリングする」。わかったようなわからんような言葉ですね(笑)。でもちょっとわかりやすくなりました。

●バーチャルリアリティーがまさしくBIMです
上: 今のところは、建設業の専門家の方たちに寄った、解説になるのですが、もうちょっと皆さんにわかりやすくというところで言いますと、今、VRという技術が結構…。
絹: バーチャルリアリティー、仮想現実ですね。
上: そうです。VRはよくテレビでご覧になっている方もおられるかと思います。
絹: テレビのコマーシャルで、よくゴーグルのごっついようなのをはめて、会議室とか、打ち合わせルームにいるのに、超高層ビルの梁の上を「うわー、落ちそう」とか言って、手をぐるぐる振り回しているのがありますよね。あれですか?
上: はい。あれですね、まさしく。例えば今から家を建てようという人が、今までは二次元で図面でわかりにくかったお部屋の空間なんかが、三次元でわかるとか、あと空港など、ちょっと複雑な施設なんかも、三次元だとよりわかりやすくなると。これが一般的な皆さんにとっての三次元技術とか、BIMの1つかなと思います。
絹: ユニバーサルスタジオジャパン、あれはアトラクションと言うか、楽しみのためにですけど、映画の中の世界がぐっと迫ってきたりとか、あれもバーチャルリアリティーなのでしょうか?
 上: どうでしょう。ちょっと違うと思いますね。
バーチャルリアリティーの場合は、本当にビルの中に立っているのと同じくらい、360度ぐるっと、コンピューターの設計の三次元のCADの中に立っているような感覚になりますので。
絹: そしたら例えば、今度、学校を建てますと。新しい校舎の家庭科教室に入ったとします。ぐるっと右を見たり、左を見たりすると、黒板の字とか、調理台とか、上を見ると天井がどんなのかというのが、仮想現実の中で見えてしまう。それがBIMの1つの部分ですか?
上: そうですね。皆さんが一番接しやすい、近いところのBIMですね。

●CIMはさらに広範囲で複雑な構造までモデリングできます
絹: リスナーの皆さん、ちょっと想像つきましたね。それでは、CIMは?
上: これも三次元の技術なのですが、皆さんにより身近なところで話をしますと、例えば震災が色々ありましたけれども、そういう所の復興後のまちの風景、まちづくりがどんなふうになるのかというのを、三次元でよりわかりやすく設計して、近隣住民のお年寄りとか、子どもさんたちにわかりやすく設計の意図を伝える。これなんかも身近なCIM、三次元技術と言われています。
絹: すみません、また細かいことにこだわる悪い癖が出るのですが、CIMは何の略でしたか。
上: 「Construction Information Modeling」です。
絹: 以前なら、模型で、発泡スチロールのブロックみたいなのを、キュッキュッとカッターで切ったり、ケント紙を折り曲げたり、着色したりして、設計した図面のものを立体的につくるという、気の遠くなるような作業をしている学生さんがいましたが、それをコンピューターとか情報処理の技術でやっちゃうと。
上: そうです。おそらく今の学生さんたちも最初は昔の手法で模型を作っていると思うのですが、最近はもうコンピューターで、三次元で設計する学生さんも結構増えてきていると思います。

●BIMやCIMの活用が進むと、私たちの生活はどう変わるの?
絹: そういうBIMだとかCIMだとかという三次元技術によるデータの活用が進むと、一般の皆さんにはどんな影響が出てくるんでしょうか。何かいいことがあるんですか?
上: まず、一般の方で言うと、先ほどのように、完成前に完成後のものがよりわかりやすくなるというのが1つですし、あと、実際の建物、構造物を設計する人たち、ものをつくる人たちとリンクするのですが、三次元技術を使うことによって、手戻りがない、間違いのない施工が可能になるので、より生産性も上がります。ですから利用される方にとっては、三次元技術を使ってつくられたものの方が、より品質の良いものを利用できる、より品質の良い家に住めるとか、満足のいくものが受けられるというメリットがあると思います。
絹: 皆さん、ここ、すごく大事なポイントです。どこかで試験に出ますよと言われそうな(笑)ポイントです。でも、大事だけど、一般の方にはわかりにくい部分が含まれています。そこで少し平仮名化を試みますと、例えば品質の良い建物だとか、品質の良いインフラ、橋だとか道路だとか、高速道路だとか、地下鉄だとか、あるいは水道だとかガスだとか、色んなものがありますが、構造物をつくろう、建物をつくろうとすると設計図面がありますよね。そういうもののソフトウェアなんかを大塚商会さん、上田さんたちは得意とされて、そのサポートをしてこられたのですが、かつて僕らの学生時代は、設計図面って、紙でしたよね。手書きの図面で、ドラフターとかいう便利な道具で手で描いたり、もっと前はT定規という懐かしい大きな定規で図面をひいたり、設計士さん、専門家が図面をつくるのですが、その図面というのが、完璧なものであることは、まずありえないんですよね。
上: そうですねえ。
絹: その通りつくったつもりでも、現場で職人さんたちがつくると、「あれ?なんかおかしい!」てなことがよく発生するのが、今までの常でした。で、上田さんが「手戻り」とおっしゃったのは、その「あれ?」に対応することなんです。
ちょっとわかっていただきにくいかもしれませんが(笑)、我々、建設業の施工に携わる者たちは、図面に従って施工図を起こして、現実をつくりだす。設計された意図に沿って、材料を用いて造っていくのですが、材料というのは三次元です。図面は二次元です。本当の専門家でないと、二次元のデータから三次元の空間感覚を理解できる人というのは、大変少ないはずです。ですからそこには間違いが、実はエンドユーザーの御存じないところで、多々起こるものです。その手戻りを少しでも少なくして、品質の高い、ちゃんとしたものをつくろうというのが、施工屋さんや職人さんたちの世界です。上田さんはそのことを今、言おうとしてくださったんです。
上: はい、ありがとうございます(笑)。
絹: ちょっとそこの専門的なところも入ってますから、難しいですよね。
BIMだとか、CIMだとか、二次元データを三次元化するということで、我々の生活が見えないところで変わっていきそうな気がしますね。
上: そうですね、はい。

■エピソード2 AR、AIでどうなる?
●実践ソリューションフェア、開催しています
絹: 次は、ARやAIがどうなっていくのかについて、上田さんに教えていただこうと思うのですが、BIM、CIMでスタートしたエピソードですが、さらに横文字で、カタカナなのかローマ字なのかが出てまいりますけれど、ARとAIで我々の生活は変わっていくだろうということについて、ご説明お願いします。
上: ARとAIに関しては、私たちよりも建設業界の方が、変わっていくことが先かなと思っています。
絹: 上田さんは大塚商会の方ですから、大阪ででっかい5,000人規模の「実践ソリューションフェア」という、フェスティバルのような勉強会を開催されて、それのディレクションもやられたんですね。
上: 毎年大きな会場をお借りして、ITの最新のソリューションとか、お客様に一番今、知って頂きたい事というのを、セミナーや展示でご紹介するイベントをやっています。
絹: 皆さんにイメージをしていただくために、たとえ話をしますと、「実践ソリューションフェア」とはなんぞやというのを紐解きたいと思います。
例えば大学のシラバスとか、「この枠にはこの先生がこんな講義をしてくれるけど、来ない?」とか、色々皆さんの興味があるような、最新の情報処理技術とか、先ほどの三次元技術だとか、VR技術だとか、本当の最新鋭のことを理解しようという専門家たちが大集結して、「そこに登録しない?」とお誘いをかけたら、なんと5,000人だったと。で、講義を受けるだけじゃなかったんですよね。
上: 展示コーナーという、色々最新のものを実際に体感できるところも、私たちはやっていまして、私はそこの建設業、製造業などの設計者のための展示コーナーを担当しています。今回はその中でARとか、AIとか…。

●ARって、いったい何?
絹: ARって、なんでしたっけ?
上: ARは拡張現実ですね。
絹: バーチャルリアリティーとちょっと似てますね。
上: そうですね。よく似ていますが、バーチャルリアリティーの場合は、本当に三次元でつくられた中に自分が入ってしまう。それに対して拡張現実は、建設業で言うと、今工事が進んでいる現場に立って、これから工事が進んで施工されるであろう、色んな設備などを一緒に合成して体感できるという技術なんですが、ゴーグルをつけていただいて、建設業のお客様にそういうものを色々体感していただいています。
絹: ゴーグルをつけて、すごくきれいな画像と動画と音声で、映画を、動画を楽しむという趣味は以前からありますけれども、それがAR・拡張現実として実際の建設現場に応用されているんですね。
上: 今、実証実験として、これからそれをもっと生産性を上げる技術として、定着していこうという段階に来ていますね。

●AIがドローンに紐づいたら…
絹: そしてARとかAI、人工知能をイメージしていただくために、最近人気のドローンについて、お話いただけますか。
上: 大塚商会もこの2月の実践ソリューションフェアから、ドローンを販売、サポートするようになったのですが、例えばドローンの活用の1つとして、今、インフラ、例えば橋脚とか、トンネルとか、そういったものの点検をやらなければいけないという状況に業界的にもなっているのですけれども。
絹: 例えば古いトンネルを走っていましたと。車で走っていたら、ゴンと音がして、天井がへこんだと。上からコンクリートの欠片が落ちてきたなんてことがあったら、大事故になるかもしれませんよね。そういうものを事前に防ぐために、点検をすると。
上: そうですね。まずは点検、調査しなければなりません。
絹: それにドローン。僕ら子どもの頃はラジコンヘリコプターって、高くて手が出なかったんですが、それのプロペラが4つ以上ついているようなやつが、結構手ごろになってきたんですよね。
上: そうです。価格もそうですが、性能が上がってきて、色んな事が現実的にできるようになったんです。今のAIと紐づけていくと、撮った写真データを元に、AI・人工知能で解析して、今どのくらい橋脚が傷んでいるとか、ダムがどのくらい傷んでいるかがわかりますから、人間の手間を省くという意味で、そういった技術が使われようとしています。
絹: 皆さん、イメージしてくださいね。
例えば加茂大橋、御薗橋、京都市の川にかかっている橋を、もし点検しようと思ったら、今までは足場を組んで、人間がそばへ行って写真を撮ったり、打音検査と申しまして、ハンマーでコンコンと叩いて、どこかにひびが入ってないか、浮いてないかという事を調べる必要がありました。
マンションに住んでいる人でしたら、大規模改修の時に、マンションの外壁の外に、大きな足場がたって、人が上って…。こんなの見た事ないですか?
学校の授業で先生が使う差し棒の先に、パチンコ玉の親分みたいなのがついていて、それをタイル面に転がして音を聞いて、職人さんが浮きがないか、はがれそうになってないか、危なくないかチェックする方法があります。そういうベタな職人芸の検査の代わりに、ロボットチックな性能の良いドローンが、画像や赤外線画像などを使うわけですけれども、カメラもセンサーもいいのができているんですよね。

●インフラメンテナンスの近未来
上: はい。今、建設業界は、私たち色々お客様の話を聞いていますが、3K業界と言われているなかで、人手不足も出てきていると聞きます。そういった意味でこのAI、職人さんでなければできなかったものが、コンピューターでお手伝いできるという時代になってきているのかなと思います。
絹: 建設産業だけではなく、旅館、サービス業、あるいは介護と、あらゆる産業で若年労働者が不足します。我々の業界も皆様の便利な都市生活の足元を支える黒子のような仕事ですけど、このインフラ、道路だとか橋だとか、地下鉄だとか、電気、ガス、水道などを、メンテナンスして、健康に保つためには結構大変なんですよね。それをそういう機械が、ドローンが助けてくれるという世界に入りつつある。そうすると近未来、何が起こるでしょうか。
上: どうなるでしょうか(笑)。
絹: 建設業のエンジニアさんは、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、ロボットのオペレーターみたいな、そういう操縦技術の才能や能力が要求されるようになるかもしれません。

●水中の3Dスキャナという技術
絹: 今もう既に、水中掘削のバックホウだとか、あるいはドローンは空を飛ぶのでなく、水上を走ったり、先ほどは水中の三次元スキャナというのを教えていただきましたよね。その話も少ししていただけませんか。
上: 建設業界は危険も伴う業界ですから、水中にある構造物、例えばダムの水中の構造物とか、橋脚も海の中まで入っています。それを点検するには、人間が潜って点検していましたが、それが今は船の下に、水中の3Dスキャナという、レーザーで今の状態をコンピューターの中に再現する技術が進んでいまして…。
絹: 漁業関係者が、魚群探知機で魚影を探すことの進化版が、ダムの中、水中の橋脚、基礎に応用されているんですね。
上: そうなんです。魚群よりもっとはっきりと、人間が見たように再現する、検査できるということも、今どんどん進んでいると言われています。

●建設屋がガンダムパイロットになる未来
絹: 上田さんからARやAIを用いた、あるいは三次元データ解析を使った色んな進化版、ドローンの活躍の場所など、色々教えていただきました。これが皆さんの生活にどう直結するか、実はもう、水面下で着々と進んでおります。
天ケ瀬ダムの水の中で、遠隔操縦のロボット掘削機が既に動いている。これはあまり多くの方がご存知ないかもしれませんが、建設産業では既にそういうものが現実化しつつあるんです。言い過ぎかもしれませんが、建設業に従事する人って、近い将来、ガンダムパイロットに似たような仕事になるかもしれない(笑)。あるいはいろんなドローンで遠隔で危ない所に行かなくても、大切なチェックができるという時代が来るかもしれませんね。
上: そうですね。ガンダムパイロットもちゃんと動かせないと大事故になりますから、ちゃんとこういった技術が使えるように、私たちはお手伝いしてIT化をしていきたいなと思っています。
絹: 大塚商会さんの営業トーク入りました(笑)。
上: すみません(笑)。
絹: でもね、建設産業って、本当にすそ野が広いんですよ。大塚商会さんみたいに、我々技術屋にコンピューター系の三次元技術のソフトウェア、アプリケーションの講義をしてくださる。そういう人たちの助けを借りて、現場は徐々に進化していきます。
ということで、皆さま、本日の放送はいかがでしたでしょうか。着々と二次元、三次元の解析技術は水面下で進んでおります。ぜひ、BIM、CIMという言葉、皆様の頭の中に、ちょっと入れていただいたらと思います。さ、おしまいです。
この番組は心を建てる公成建設の協力と京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。上田さん、ありがとうございました。
上: ありがとうございました。
投稿日:2018/03/19

第134回 ・私のマインドフルネス体験記

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成30年2月放送分>

 

 

岸:

 

岸本 早苗氏   

プロフィール写真SanaeKishimoto

 

絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)

 

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 左 岸本氏    右 絹川
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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最前線のエピローグをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト、妙齢の御婦人です。珍しいのですが、岸本早苗さんをご紹介します。よろしくお願いいたします。
岸: よろしくお願いします。
絹: 私と岸本さんの出会い、プロフィールについて、ちょっとご紹介させていただきます。
すごいんですよ。岸本さんはハーバード公衆衛生大学院修了、ボストンですね?
岸: はい、マサチューセッツ州にあるボストンです。
絹: ボストンに7年半、お住まいになっていた。大学院ということは、マスターを持ってはるんですね。
岸: はい(笑)。
絹: すごい。私はアメリカへは80年代に、イリノイ大学のサマーコースに2か月半行っただけです。だから地理もよくわかりませんが。
そのハーバード公衆衛生大学院を修了された後、同大学関連のChildren’s Hospital Boston、子ども病院ですか。それからマサチューセッツの総合病院という、これもハーバードのいわゆる附属病院的な所で働いておられる。臨床心理士として病院で働かれたということですか。
岸:  実は臨床心理士の免許は日本だけで使えて、アメリカでは使えなかったので、医療の質の仕事をしていました。
絹: ということは、既に日本で臨床心理士の資格を持って、出かけられたということですね。
岸: そうです。
絹: 日本でも臨床心理士の資格は大学院クラスじゃなかったですか?
岸: そうですね。今、色々また変わってきているかもしれませんが、修士課程ですね。
絹: 修士号を2つも持って、たぶんドクターも近々お取りになる?
岸: はい(笑)。
絹: というすごい方となぜか出会ってしまいまして、実はマインドフルネスというキーワード、リスナーの皆さん、最近お聞きになったことがありますでしょうか。日本版ニューズウィーク(2017/10/10号)で特集が組まれておりましたが、実は私、すごく興味がありまして、「マインドフル セルフコンパッション 8週間プログラム」を体験しました。その時の岸本さんは僕の先生なんです(笑)。いいかげんな生徒で、1回くらい休んだのですが…。
岸: いえいえ、素晴らしい生徒さんでした。
絹: 実はテーマが非常に説明しづらくて、リスナーの皆さんにどう伝えようかと悩んでしまって、ゲストにお呼びするのが遅れたのですが、ようやく腹が座ってまいりましてね(笑)。「私のマインドフルネス体験記」と銘打ちまして、岸本さんに助けてもらって、皆さんになんとか伝えようというのが、今日の番組の趣旨であります。

■エピソード1  マインドフルネスって、なに?
●「今、ここ」、そして「あるがまま」
絹: 岸本さん、「マインドフルネス」という言葉を、聞きかじったことのない人のために、一言で(無茶ぶりですけど)、どういうふうに伝えるとわかりやすいと思いますか。
岸: いつも私も、わかりやすく伝えられるようにならなきゃなあと思っているのですが、日本語で書くと「念(ねん)」。「今」「心」で、英語の訳が「マインドフルネス」なんですけど、元々仏教の言葉でして…。
絹: 「Be here now」とか、「here and now」とか、何かそういう連想がわきます。
岸: そうですね。1つは「今、ここ」なんですけど、ただそれだけじゃなくて、「ノンジャッジメンタル」で、善い悪いとか、正しい間違っているという是非を決めつけない心の態度。
絹: あるがまま。
岸: あるがまま。弱いのではなく、しっかりと受容をもって、意図的に気づきを向けておくと言いますか。

●私の問題意識とマインドフルネス
絹: 実は「here and now」とか、「今、ここ」というのを、僕は大学生時代(1980年代でしたけども)に、自分の指導教官から初めて聞きました。倉戸ヨシヤ先生という臨床心理の先生でして、専攻は違ったのですが、その研究室にたむろしていた時に、エンプティチェアで、枕をポンポン叩いたりする心理療法がありましたよね。ゲシュタルトセラピーというのを、習ったりしていました。「今、ここ」という、何十年も前に頭に刷り込まれたのが、たぶん「マインドフルネス」という言葉に関係ありそうだと思ったわけです。
私の問題意識は、自分のチーム、会社のみんなが時々頑張りすぎてしんどくなって倒れてしまう。大きな病気をしたリ、鬱になったりして、休職してしまう人がたまにいるんです。そんな時にどうしたらいいんだろうと、困ってしまって、でも専門家ではないし、どうしたら元気になって、また戻ってきてもらえるのかなあと。正直に言いますと、そういう調子が悪くなって、辞めざるを得なかった人が、今までに何人かいますし、戻ってきてくれた人もいます。それがベースにあって、BUC・バックアップセンター京都という医療法人栄仁会でしたっけ、宇治おうばく病院、専門筋では結構有名な病院らしいのですが、そこの精神科のデイケアセンターを知って…。
岸: そうですね。リワークのプログラムがありますね。
絹: 何回か休職を繰り返すような方々を受け入れて、トレーニングキャンプみたいな形で、認知行動療法的なこともされるのですか。
岸: そうですね。
絹: そこのセンター長で、片桐さんという臨床心理士の方がおられるのですが、その方に岸本早苗さんを紹介してもらったんです。
で、どんなものかわからなかったんですが、勉強したかったんです。「マインドフルネス」を漢字で書くと、「念」。「念」を分解すると「今の心」。

●キーは自分への思いやり
岸: ただ同時に「マインドフルネス」がなぜメンタルヘルスに効果があるかについて、だいぶ研究が進んできています。
その結果、一番キーとなる要素が、セルフコンパッション、自分への思いやりだということがわかっていて、やはり先ほど言いました「決めつけない心」とか、「やさしさ」「思いやりを持って見る」ということも、すごく大事だと思います。
絹: 我々のような昭和の男性は、「自分に対する思いやり?眠たい事言っているんじゃねえよ!甘えるんじゃないよ!」という指導を受けてきて、「自分にやさしくなんてしていたら、生きていけない」みたいな、そんな間違った思い込みが色濃く、まだあると思うのですが、実は本当の最前線の研究で「セルフコンパッション」という横文字ですけど、自分に対して向き合ってやさしくあれる人が、人にも実はやさしいということを、真正面から海外の研究者たちがいっぱい論文を書いているそうですね。
岸: はい。それによって、もちろん鬱や不安にも効果がありますが、何かが和らぐだけではなく、内面からの強さだとか、モチベーションが生まれて、高まることが報告されていますし、むしろやる気が高まったり、人間関係でも他の人に対して、より思いやりを持って、建設的な関係をつくれるということも報告されています。

●源流は実は仏教なんです
絹: そういう色んな源流は、仏教、それも禅宗ですか。ティク・ナット・ハンですか。
岸: そうです。マインドフルネスもコンパッションも仏教の智慧・慈悲はすごくベースになっているんですが、必ずしも日本の仏教だけじゃなくて、インドだとか、チベットだとか、もちろん日本もそうですね。
絹: 僕らは例えば社員研修なんかで、座禅を組ませてもらったり、お坊さんにも指導を受けたりしますけれども、なんとなくようわからん。でも外国の人たちは実践的ですから、宗教色を排して、誰にでもわかるような、非常にわかりやすい体系に組みかえたというような…。逆輸入されているのではないかというような、そんな整理の仕方って、できると思われますか?
岸: 仏教だけじゃなくて、キリスト教だとか、色んなバックグランドの方がいる国の中で、仏教の人生の哲学を、必要な哲学だということで興味を持たれていると思います。ただやっぱり元は仏教の智慧でもあるので、その宗教色を排してというのがいいのかどうかなというのは、思ったりしますけれども。

●日本人にはなじみ深い感覚で…
絹: 本当はわからないのかもしれませんね。
例えば小さい時に、「ご飯を食べる時は黙って食べなさい」とか、「テレビは消しなさい」とか、「お米は八十八のお百姓さんの苦労があるから、ちゃんと噛んで食べなさい」とかしつけられたじゃないですか。それを学問的にブラッシュアップされて、またマインドフルネスのトレーニングの中に入ってきたりしているんですよね。
岸: そうですね。やはり日本を離れて暮らしてつくづく思ったのは、日本で仏教とか、神道とか、日本の文化の中に、生活の中に、必ずしも宗教というくくりではなくても、入って馴染んでいるものがあるなと思いました。そういうものが、結構マインドフルネスやコンパッションのプログラムで入っていて、もともと日本で持っているものという印象はありますね。
絹: そういうものを、1回、2時間半でしたっけ、3時間でしたっけ?
岸: 2時間半を8回ですね。
絹: 2時間半を週末ごとに1週間おきに8回繰り返すというプログラムをくみ上げられていて、その指導資格というか、リードしてくださるトレーニングを受けていらっしゃったのが、岸本早苗さん。
岸: はい。
絹: 日本だけではなく、海外でもそういうセッションと言いますか、ワークショップみたいなことをされているんですか。

●マインドフルネスの歴史
岸: プログラム自体は、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)というのを、今から40年近く前に、ジョン・カバット・ジン先生がマサチューセッツで始められました。
絹: もう40年の歴史があるんですか。
岸: そうなんです。クリニックの中で慢性の痛みがある人に効果があるのを、研究で発表されてから、色んな人に対象が広がりました。その中でマインドフルセルフ・コンパッションは2010年くらいからなので、まだ10年に満たないのですが、海外でMBSRを教えている方はたくさんいらして、日本では私を含めて認定を取っている方は数名くらいだと思います。ただマインドフルセルフ・コンパッションは日本では私一人で、あと数名、今トレーニングを受けている途中の方がいらっしゃいます。
絹: そういう稀有な人材になぜ出会ったのかな…。マインドフルネスの本をあさりだして、マーフィ重松先生(※スタンフォード大学におけるマインドフルネスの研究者)という、ハーフジャパニーズの先生が一昨年京都に来られて、インパクトハブ京都という所で、4時間の指導を受ける機会があったんです。すごく面白くて、感激して、やっぱり本を読んでいるだけではなく、実際に少しだけでも受けてみたくて受けたら、なんとお知り合いだったと。
岸: そうです。とてもあたたかい、素晴らしい先生ですね。
絹: いい感じの方で、静かな方で、すごくファンになってしまいましたけど、何かそういう意味でもご縁を感じます。
リンク:スティーヴン・マーフィ重松氏 スタンフォード大学におけるマインドフルネス教育(国際文化会館 2017年5月31日)の様子
 
■エピソード2  「沈黙の瞑想・リトリート」体験記
●ボディスキャンということ
絹: さあ、リスナーの方になんとか外堀を埋めて、「こんなんだよ」と伝えたいのですが、なかなかエピソードの選択が難しいですね。私が岸本さんの指導を受けて、「沈黙の瞑想・リトリート」って、4時間くらいでしたっけ。東本願寺さんの会館をお借りして、すごい4時間を体験させてもらいました。
岸: いかがでしたか。
絹: 概要だけお話しますと、「今日はほとんど話はしません。」と最初に宣言されて、「ボディスキャンからスタートします。今日は参加者同士のシェア(話し合い)はなしで、沈黙を基本とします」と。さらに「参加者同士でアイコンタクトすら控えてください」と最初に指示が出て。ボディスキャンって、どんなものか、説明していただけますか。
岸: ひらたく言いますと、座っていても寝ていてもいいんですけど、体の色んな各部位に順に注意を向けていく。例えば左の腕なら左の腕に注意を向けて、そこにある感覚、ない感覚、ただそこに注意を向けて、また次に切り替えて、違う場所に注意を転換して、注意を向けていく。
絹: そういう言葉を使わずに、自分の中に深く入って、自分で自分の体をサーチするというか、心の眼で探る、探検するということを30分まずやりました。

●ただ、歩くことに注意を向ける
絹: さあ、その次「歩きなさい。ただ歩きなさい。ゆっくり歩きなさい」と。もうスローモーションで、ただただゆっくり歩く。
岸: それも極論すれば、ペースは普通の速さでも、できることはできるんですけどね。
絹: はじめはすごくすり足で、すごくゆっくり歩いたんですけど、その時に色々感じたことがありまして、「あ、僕はゆっくり歩いたら、足の中指から小指の感覚がない」とか「鈍い」とか、靴の中で感じました。合気道をやっているから、はだしで歩いたりしているくせに、そういう足の裏の感覚がにぶい事に気付きながら、室内の廊下を味わって歩く。
自分の中の感覚を感じて歩いた次は、「外に出ましょう」と。あれは30分くらいでしたか、「外に出て東本願寺さんの方まで行って、時間になったら帰ってらっしゃい」と、放り出された(笑)。
今度は外に出たら、(あ、それでゆっくりと言ったんだ)ゆっくりしか歩けないんですよ。一生懸命歩くと。
岸: ああ、なるほど。それこそペースはそんなに重要じゃないので、直接体験なさったら、今後普通に歩いていても、変化は感じられると思います。
絹: その時、僕は横断歩道を渡るのに、信号が変わって渡り切れなくて怖いくらい、ゆっくりしか歩けなかった(笑)。
岸: ハラハラしますね。それはちょっと(笑)。
絹: 歩くことというのは、実はすごく不安定なことで、ものすごく頭の中や体の中を総動員して、バランスをとっているという、自分の中でそういう動きを感じました。それが終わって、ただ歩くということで、何か色んな気づきがあって、帰ってきて、それでもシェアしちゃいけないんですよね。
岸: リトリートの瞑想の時は、そうでしたね(笑)

●食べることに集中する
絹: さらにお昼休みはご飯食べるのも、「死ぬほどゆっくり一生懸命食べなさい」と。「しゃべっちゃだめ」と。
岸: いやいや(笑)、そんな「死ぬほど」とか、言ってないですけどね(笑)。まあ、そうですね、マインドフルに。
絹: マインドフルネスで、「一粒のレーズンを生まれて初めて食べるように、姿も香りも色も、自分のセンサーをオープンにして食べてください」という代表的なワークがあるそうですが、それを僕は嫁さんに握ってもらったおにぎりでやりました。岸本さんからのアドバイスで「ゆっくり食べるから、たぶん普段の量が食べられないから、お弁当を持ってくるなら、小さいお弁当にしなさいね」と言われて、小さいお弁当を持ってきて、昼休みおにぎり2個食べるのが精一杯でした。子どもが食べるような小さいお弁当でした。そういう変な、自分にとっては初めての丁寧な感覚、それがマインドフルネスのセルフコンパッションのリトリートという時間でしたけど、ありました。

普段、無意識のうちにやっていることを、意識してみる
絹: 何かイメージしていただけましたか。なんでこんなことをやるんでしょうね。
岸: 食べる瞑想しかり、歩く瞑想でも、または色んな種類の瞑想がありますが、呼吸に注意を向ける瞑想だけではなく、1つに集中しなくても、出てくるものを、ただそのまま見る、考え事が出てきてはやがて消えていく、感情が出てきてはやがて消えていく、体の感覚もという、無常、永遠ではない様子を見るというところに行ったりするのですが、先ほどおっしゃったようなことをなぜするのか。
自分が普段、自動的に反射的にしている事とか、自動的にパッと浮かんで出てくる考え、自動的に出てくる気持ち、自動的に言う言葉、行動、体の感覚でぽっと出てくるもの、あえて今まではあまり意識しなかったかもしれないけれども、自分の習慣を気付いていて、今後何かの時に取る行動や考えも、あるべく選択して、意図して選んでいけるというようなトレーニングをしているというのも、1つはあります。

●世界のリーディングカンパニーが取り上げるわけ
絹: こういうトレーニングを世界のリーディングカンパニーたち、例えばグーグル、フェイスブック、ディズニー、ナイキ、ソニーのようなクリエイティブな企業、日本の大手の銀行といったところが、真正面から今、取り上げて、一種のブームのようになっている。なぜなんだというのが、僕の最初の問題意識でした。
でも、自分でそこで経験させていただいて、今おっしゃったオートパイロット的に、ロボットのように、勝手に中で色んな事が動いていて、考え方だとか、行動の癖に、ものすごく無意識にからめとられている自分に気が付いた。
それからインナークリティックボイスという、「内なる批評家の声」というのを教えていただいたわけです。私の場合は、何か失敗すると、自分の頭の左上の方から「あほボケ!カス!」「お前こんなこともできないのか!」という声がすごい音量で響き渡るんですよね。真面目な一生懸命仕事をしたりする傾向の人が、日本人は多いじゃないですか。ひょっとしてインナークリティックボイス、内なる批評家の声のサウンドレベルが、僕のように壊れて大きいのかなと。岸本さんたちは、その音量レベルを調整する色んなやり方を、MSC(マインドフル・セルフコンパッション)というプログラムで教えて下さっているのかなと感じました。

■エピソード3  頭部外傷を経験して
●瞑想という回復法
絹: ご自身も留学中に、ボストン在住7年半の間に頭に大けがを負われて、考えることとか、パソコンを見ることとか、本を読んだりすることができなくなっていた時期があるということですが、そのことをちょっとお話していただけますか。その時に、瞑想を丁寧に、マインドフルネスというストレスリダクションのやり方を足掛かりにして、徐々に徐々に回復していらしたという経験があるんですよね。
岸: もともとその頭のけがをする前に、マインドフルネス瞑想を習い始めていたのですが、けがの後はメールを見るとか、会話をするとか、本を読む、何かを聞くということが一切できない脳の状態で、とにかく暗い部屋で何もしない。考え事も自動的にはバンバン出てこないので、その時に頭部外傷の専門医からも、頭部外傷のリハビリのスタッフの方からも、瞑想を勧められて、確かに音楽を聴くこともできないですし、会話もできないですし、瞑想だったらできるというので、もう何か月も、とにかくそれだけひたすらしていたというのはあります。

●ボストンというバックグラウンド
絹: たまたまボストンという土地は、脳損傷の治療に詳しい人が集まっていたんですね。
岸: そうですね。医学や研究も盛んですし、アメリカの中でもハーバードとか、いくつかの大学病院が頑張っています。また、アメリカの土地柄として、アメフト等、頭部外傷を負いやすいスポーツとか、退役軍人の方の戻ってきてからのこととか、ボストンマラソンでの爆発で頭にケガをした方とか、色んな事情で、詳しい人が少しずつ増えていたという状況もあったかもしれないです。それから瞑想による脳の効果の研究もボストンでは進んでいたこともあると思います。
絹: そういうところからご自身の経験が伝わってきまして、瞑想を中心とするプログラム、きっちり組まれたプログラムで、何か自分たちも、本当にしんどくなった人たちと、自分自身が本当にどうしようもない時に、足掛かりになりそうということを感じた8週間でした。
岸: ありがとうございます。良かったです。

●今、注目を集めるマインドフルネス、どうか覚えておいてください
絹: 時間が押して、なかなかうまく説明ができなかったのですが、リスナーの皆さん、いかがでしたか。これは本当にすごく日本的な分野でもあると。日本の古くからの智慧を、新しい言葉に置き換えたようなプログラムです。色んな教育場面、臨床、病院、企業と、今、注目を集めています。おそらくは一回では無理で、シリーズ化しなければ話せないようなテーマです。ちょっと勇気を出しすぎて突っ込んでしまいましたが(笑)。また…。
岸: ぜひよろしくお願いいたします。
絹: リスナーの皆さんも、マインドフルネス、あるいはマインドフルセルフ・コンパッションという言葉、ちょっとどっかに置いといてくださいね。
この番組は、心を建てる公成建設の協力と京都府地域力再生プロジェクトの応援でお送りいたしました。岸本さん、ありがとうございました。
岸: こちらこそ、ありがとうございました。
投稿日:2018/02/19

第133回 ・しなやかな社会とレジリエンス ~ちょっとレジってみませんか?

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成30年1月放送分>

藤: 藤田 裕之氏(レジリエント・シティ 京都市統括監(CRO))
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
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藤田氏 
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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様あけましておめでとうございます。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくりびとの紹介や、その最新のエピソードをお届けしております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、記念すべきお正月特番といたしまして、本日は素晴らしいゲストをお招きしております。本日お越しは、レジリエント・シティ京都市統括監(愛称CRO)をお務めになっています藤田裕之さんです。
藤: 今日はよろしくお願いいたします。皆さま、改めて新年あけましておめでとうございます。
絹: 皆さんご存知のように、藤田さんは京都市の前の副市長をお務めになった方であります。副市長をご退任後、京都市のCRO、京都市の統括監という職におつきになりました。今日は藤田CROをお迎えして、テーマとして「しなやかな社会とレジリエンス~ちょっとレジってみませんか?」と題してお送りいたします。それでは藤田CRO、よろしくお願いいたします。
藤: よろしくお願いいたします。
絹: ではエピソード1、「レジリエンスとは何か、その意味と語感から」と題してお送りいたします。
 
■エピソード1 レジリエンスとは何か、その意味と語感から

●レジリエンスってなに?
藤: このレジリエンス、おそらくお聞きになっている皆様も「初めて聞いた言葉だな、いったいどこの言葉だろう」思っておられる方もあると思いますが、元々英語でレジリエンスと言う言葉があるのですが、私も正直言いまして知りませんでした。この仕事をする前はほとんど関わりのない言葉だったのですが、一言で表すと「しなやかな強さ」とか「回復力」とか「復元力」とか、「粘り強さ」という意味の言葉のようです。
絹: リスナーの皆さんの中に、理系あるいは工学系の勉強をされた方はご存知かもしれません。物理の中にレジリエンスという物質のしなやかさを表す言葉があって…。
藤: そうですね。弾力性と言うか、押し込まれた時にどのくらい跳ね返るかというような意味で使う場合があるようですね。
絹: 私がこの言葉を初めて知ったのは、ごく最近なんです。京都大学の大学院の藤井聡先生の著書で読んで、「なんやろ、これは」と思った記憶があります。
藤: 藤井先生がおっしゃっているレジリエンスというのは、実は物体だけではなく、もう少し広い意味があるんです。人々の暮らしの事や、自然環境の事、あるいは人の心や組織の強さなどもレジリエンスという言い方で表せまして、今、物質的な部分をおっしゃいましたが、たまたま私の大学での友人で心理学を専攻している人間も、私が4月にレジリエント統括監に着任することを言いましたら、「藤田くん、今度、心理学の勉強をするの?」と聞かれましてね。
絹: 心理学の分野の言葉でもあるんですか。
藤: そうなんです。打たれ強さとか、嫌な事があって、けいこ事や習い事をやめてしまおうかとなった時に、「やっぱりもう少し努力して頑張ってみようかな」とか…。
絹: 持続性とか、心の折れにくさとかですね。
藤: 折れない心とか、子どもがいじめにあって、ポキッと折れてしまいそうな時に、周りから励まされて、もう一度頑張ってみようとか、あるいはショックな体験にトラウマにならないといったこともレジリエンスと言われているようなので、とても広い意味がありますね。
絹: そういえば藤井聡先生も交通工学の御専門ですけれども、その研究室や研究分野は経済学から、確か心理学の著書もありますものね。

●社会の在り方とレジリエンス
藤: ですからそういう社会全体の在り方というのを、レジリエンスという言葉で総称して、災害にも強いし、色んな事象が起こった時に、崩壊してしまわずに、持続可能でかつ元以上に戻っていけるという意味で使われるようになっているようですね。
絹: 皆さん、聞きなれない言葉ではありますけれども、しなやかさ、強靭さ、回復力を持つレジリエンス、短く「レジってみませんか」とふざけてみましたけど、覚えていただきたい言葉ではあるんです。なぜ今日、藤田CROにお越しいただいたかと言うと、我々が住んでいるこの京都市、その京都市のしなやかさについて、何か一緒に考えない?とおっしゃっているのが、藤田CROのお役どころと言いますか…。
藤: そういうことになるかと思います。今のこのレジリエンスという言葉で、社会問題に関心のある方は「持続可能性」という言葉を、もしかしたら思い浮かべられるかもしれません。よく似ている言葉なのですが、ちょっと違う所がもしあるとすれば、持続可能性がどちらかと言えば現状維持のようなイメージがあるのに対して、レジリエンスは、今の社会が何が起こるかわからない。色んな苦しい事、嫌な事を体験するけれども、そこで少し落ち込んでも、そのあと頑張って盛り返して、立ち直った時には前よりも良くなっているという、しなやかに波打つように、より上に昇っていくという意味合いがあるので、より現代社会にマッチした言葉ではないかと思うんです。

●現状維持ではなく、ゆるやかに上っていく
絹: リスナーの皆さん、今これラジオですので、藤田さんがどんな手で線を描かれたかというのは、見えないですけどイメージしてください。波線、サイン・コサインカーブとか、色々波があります。山があって谷があって、何か大変な事があったら、ドカーンと谷が深くなって、また上がって、でも元へ戻るんじゃないよと。山谷あるけれども、なんとなく緩やかに上方へ、より良くなっていきたいよねという語感を、このレジリエンスは持っているよって、手で示してくださいました。
藤: 人生浮き沈み、でも頑張っていれば報われて、より良い方向に上っていくという、ある意味では楽観的な、しかし何が起こるかわからないという場合には非常に悲観的に。だけれども頑張ったら報われるという意味では楽観的に考えていく。こういう発想だと思いますね。
絹: 私は昭和の人間なので、水前寺清子さんの「三歩進んで二歩下がる」ですね。あれが今、思い出されてしまいました(笑)。
藤: まさにそういう感じだと思います。わかりやすく解説していただいて、有難いです。
絹: レジリエントとは何かという言葉から、その意味するところは実は現状維持ではなく、例えば災害とか、パンデミックだとか、色々困りごとがあった時に、復旧ということだけではない語感に気をつけてねということをおっしゃった。

●9.11テロとレジリエンス
藤: 復旧という言葉にあえて対比する言葉を使うとすれば、復興という言葉になると思います。復旧が元に戻すという言葉であれば、それをさらに発展させていく、活性化させていくというのが、レジリエンスに近いのかなと思います。
私は去年、2017年の7月にニューヨークで、私が今仕事をしているレジリエント・シティ統括監の世界サミットがありまして、例の9.11同時テロがありましたワールドトレードセンタービルに行ってきたのですが、日本で言えば広島の原爆記念館のような記念館が跡地にできているんです。
絹: 世間で言われるグラウンドゼロですね。本当に偶然なんですが、藤田CROに遅れることひと月、海外が苦手な私が珍しく、そのグラウンドゼロと言われるワールドトレードセンターの跡地におじゃまする機会を得ました。そこでは亡くなった方々の墓碑銘と言いますか、亡くなった方々の名前が刻まれていまして、ボランティアの方々がおられまして、その方のお誕生日の時にはその方のお名前の所に一輪の花を挿すという活動がずっと続いているという解説がありました。また、実際にそういう花を見ました。それからあの悲惨なワールドトレードセンターの記録が克明に保存されているミュージアムがありました。
藤: あの中で、土産物と言いますか記念品が色々売られているんですが、その記念品の中にレジリエンスという言葉が刻印されているものがありました。
絹: ということは、米国でもレジリエンスという言葉はワールドトレードセンターが倒壊した9.11、2001年以降に、広く使われ始めた言葉なのでしょうか。
藤: おそらくあの時に、アメリカの繁栄の象徴ともいうべきワールドトレードセンタービルが、ハイジャックされた飛行機で崩壊して、その後、ここからどう立ち直ろうかという時の、一種の合言葉になっていたのではないでしょうか。これは推測ですけれども。
絹: そのミュージアムには、本当に数多くの方々が訪れられていまして、もちろん私のように日本から行っている者は数少ないですけれども、お子さんもお父さんもお母さんも、映像展示だとか、ガレキだとか、亡くなった消防士さんの消防服のきれっぱしだとか、折れ曲がった鉄骨だとか…。
藤: ハイジャックされた乗客の家族へのメッセージなどもずっと流れていますし。
絹: 音声展示と言いますか。で、みんな泣いておられる。そして必ずティッシュボックスがそばに置いてある。強い国民性だなあと感じました。向き合って、それこそ「立ち上がるんだ!」みたいな感じの、そういう施設でした。

●日本でも東日本大震災をきっかけに使われ始めました
藤: それがアメリカで使われ始めた最初だとすれば、日本で主に使われるようになったのが、2011年の東日本大震災。あの時におそらく海外から支援に来られた方が使われた言葉でもあるのではないかと思います。レジリエンスという言葉が災害への備え、強いまちづくりという意味で使われるようになりました。
絹: そしてそれが先ほど教えていただきました復旧から復興へという言葉と相前後して使われ始めたということですね。
さて、われら京都市民がこれからどういうふうにしなやかに強靭に、あるいはレジリエントになっていけばいいのかなということを、一緒に考えようよというのが、たぶん藤田CROの思っていらっしゃることですね。
 
■エピソード2 レジリエント・シティ京都を指向する

●京都市は世界で100のレジリエント・シティに選定されました
藤: はい、おっしゃる通りで、今2011年の東日本大震災でレジリエントという言葉が使われだしたと申し上げましたが、その後、国においても2013年に国土強靭化計画、ナショナルレジリエンスプランがつくられていまして、同じくしてアメリカのロックフェラー財団が世界各都市に、そうした持続可能で50年後も100年後も人々が豊かに安全に過ごせるまちをつくる、そういうネットワークをつくろうということで呼びかけたのが、実はこのレジリエント・シティという言葉に繋がっていくわけです。
絹: 事前にいただいた勉強のための資料に、世界で約1,100の都市が応募をしたとあります。倍率10倍以上ですけれども、世界中から100のレジリエント・シティを選び出す。その中で日本では富山市と京都市の2都市だけが選ばれたと。そしてそこにチーフレジリエンスオフィサー、これの略称がCROであり、統括監である藤田さんであると。
藤: なかなか覚えにくいので、私はしゃれを含めて、CROを「ちょっとルンルンおじさん」と言っているんです(笑)。

●京都市民としてはどう考えたらいいの?
絹: 我々京都市民は、これからどうあればいいのだろうと、その辺に逆照射していきたいわけですが、どうでしょう。持続可能性だとか、漢字で言うとわかったような、実はわからんような、いつも何とか自分はそういう言葉に出会った時は、平仮名に置き換えたり、具体的なエピソードに分解して探そうと試みるのですが、例えばどんなことが挙げられますか?
藤: レジリエント・シティというのは、一言で言えば、そういうレジリエンス、打たれ強さ、頑張ろうという前向きな意欲を持った人々が活動し、活き活きと生活し、そしてまた生まれ育ってくるまちだと思うんです。
同時にそのことには2つの要素があって、まちがそういう制度や仕組み、人々が助け合い、支え合うような仕組みがきちんとできているかどうか、それが行政のレベルだけではなく、地域の団体や企業や、様々な所で点検をしていく。それがレジリエント・シティの1つの大きな意味合いになると思います。
もう1つの要素は、これは未来に向かった話になるのですが、そうしたレジリエンスを備えた人間がどうすれば育つのか、どのような環境があれば、レジリエンスのある人々が生まれてきて育っていくのかという私たちの社会の在り方とでも言うのでしょうか?人間一人が一人だけで生きているのではなく、しかも「お金さえ出せば、豊かで便利で何でも手に入る、自然を支配している」というような錯覚をしているところでは、おそらくレジリエント・シティやレジリエンスな人は育ってこないのではないか?あえて私の意見として思います。

●レジリエンスが減ってきている現代社会
絹: 今のお言葉を自分なりに翻訳しようと試みますと、地域の持っていた力、あるいは市民、市井の一般の人たちがかつて持っていた助け合う力、お葬式を一緒に出したとか、あるいは入会地の山でしたら下草を刈ったり、稲刈りの時のお手伝いだとか、もっと卑近な例では、実家からみかんが送ってきたからおすそ分けとか、そういう当たり前の助け合いの緩やかな繋がりが、どうもやせ細ってきて、それがレジリエントという言葉で言うと、レジリエンスが減ってきているのではないかと。
藤: おっしゃる通りだと思います。支え合ったり、助け合っていかなくては、人間というのは、本当に弱い存在だと思うんですね。ところが経済的な豊かさや便利さのなかで、ややもすると私たちは自分一人で身勝手に生きているような、錯覚をしてしまう落とし穴が、周りのあらゆるところにある。自分さえ良ければとか、今さえ良ければという落とし穴に入らないような誠実で慎ましやかな生活をしていくというのも、レジリエンスの非常に大事な要素になると思います。
絹: そのお話を聞いていますと、レジリエント・シティとか、レジリエンスと言うと、何か外国からやってきた輸入ものかと一瞬誤解するんですけど、何かどこかで聞いたような懐かしさを感じますよね。

●かつての町衆が残してくれた財産を思い起こすということ
藤: まさにそうなんです。京都市がこのレジリエント・シティに選定されたというのも、かつての京都の暮らしを守ってきた町衆をはじめとする先人が、私たちに残してくれている財産を、もう一度思い起こして、きちんと次の世代へ伝えてくださいというメッセージに聞こえてきますね。
絹: 先ほど収録前の打ち合わせでお話していたのですが、京都市さんというのは他都市に先駆けて、市民参加推進(ちょっと行政っぽくて堅苦しい言葉ですけど)に取り組んでこられた都市だという実感があるんですね。
おまかせ民主主義(これも嫌な言葉ですけど)と言うのでしょうか、例えば「うちの前に銀杏の街路樹の落ち葉や銀杏が落ちていて臭い」と。「私は税金を払っているので、清掃局掃除をしに来い」というステレオタイプな市民がいたとします。全く逆に「いつも毎朝かど掃きしてるし、やっといたで」という市民もいる。
もう一つ面白いのは、「みっけ隊」という、京都市の建設局と高度技術研究所が開発されたスマートフォンアプリケーションです。防護柵、ガードレール、街路灯が切れているよと、スマートフォンでGPS情報と共に、土木事務所に知らせてきてくださる。「まあ、行政も大変やな。予算も限られているし、市民でできることはやっとくわ」と。「多くは言わない。頑張れよ」というちょっとカッコいいオッサンもたまにはいる。

●ピンチはチャンス!
藤: まさにその通りで、一言で言うと「自分ごと」と言うのでしょうか。当事者意識を持った市民というのは、やはり京都は大都市の中でも非常にたくさんおられる地域だと思いますので、このレジリエントという言葉を1つの合言葉にして、もう一度そういう歴史・伝統を京都から世界に発信できないかと思います。
特に、これから人口がどんどん減っていきます。人口が減るというのは、若者・子どもの数が減っていくんですね。その時に、今までやっていた通りの事をやっていたのでは、若者の数、子どもの数、就労人口が減っていく時に、立ちいかなくなるのは必定なので、今までとは違うやり方を導入していく必要がある。
同時に人口が減っていくのでお先真っ暗だという悲観主義ではなく、ピンチはチャンスということで、こういう時こそ若い人が育つチャンスになるんだとか、あるいは人口が減っても人々が豊かに幸福感を持って過ごせるにはどうしたらいいのかという工夫をしていく。これもレジリエンスという言葉の中に粘り強さということで、入って来るのではないかと思います。

●レジリエンスの活動としての「山科子ども食堂ネットワーク」
絹: 今のお話に触発されまして、1つの実例をご紹介させてください。チョビット推進室のかつてのゲストである、山科の青少年活動センターの大場さんが提唱しておられる「山科子ども食堂ネットワーク(まちのちゃぶ台ネットワーク)」というのがございます。実はもうだいぶ実現していまして、私どもの山科の独身寮の食堂を使いませんかとか、家庭菜園で余った食材を使ってよとか、フードバンクやセカンドハーベストの方々と利活用でということで、10万人規模の山科区で地道に進めていらっしゃいます。これはひょっとしたら、レジリエンスを高める活動ではないですか。
藤: だと思います。今、絹川さんがおっしゃった事例は、レジリエンスのもう一つの要素にもなるのですが、様々な施策を融合していくということですね。社員寮が企業の財産としてあります。その事が地域でどうか、子育てでどうか、一見バラバラになりそうなところを、くっつけてやっていただいている。それが今までにない新しい仕組みをつくっていくという意味でも、レジリエンスの構築に非常に大きな役割を果たすと思います。
絹: シェアの考え方と似ているのかもしれませんね。
藤: 似てますねえ。

●レジリエント・シティ京都市民フォーラム、開催します!
絹: CROにレジリエンスとは何か、読み解いていただきました。どうやら何か懐かしいところに、我々京都、あるいは日本が得意としていたかつての「らしさ」に戻る事かもしれません。
さあ、今CROのお話にご興味を持たれた方に、是非ご参加いただきたいイベントと言いますか、フォーラムがございます。そちらのご紹介をお願い致します。
藤: 実は1月20日、土曜日の午後1時30分から4時30分、「レジリエント・シティ京都市民フォーラム」という、市民の皆様どなたにも参加いただける催しを行います。
京都市立芸術大学学長の鷲田清一先生に基調講演をしていただきまして、その後のパネルディスカッションでは、堀場厚会長や池坊専好さんはじめ、錚々たるパネリストの方、そして私がコーディネターをさせていただきます。
「しなやかな未来社会を創る人づくり」というサブテーマ、そして「課題挑戦都市・京都、私たちが今できること」というテーマで開催させていただきます。申し込みについては京都市の防災危機管理室というところで窓口をしますので、075-212-6792にお電話をいただきましたら結構でございます。
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絹: 実は私、鷲田清一先生が大好きで、大阪大学の学長をされて、今は芸大の学長に来ていただいている。『しんがりの思想』という近著も大好きです。
藤: 私も読ませていただきました。
絹: 申し込みですが、防災危機管理室075-212-6792へお問い合わせください。レジリエント・シティ京都のフェイスブックページもあります。
藤: 是非それも色んな発信をしていますので、ご覧いただけたらと思います。
絹: 非常にこれはお値打ちな、「しなやかな未来社会を創る人づくり」という副題での市民フォーラムです。よろしければ是非ご参加ください。
藤: お待ちしております。
絹: 藤田CROにお越しいただきまして、レジリエント・シティとは何かということを、短い時間ではありましたが、お話を聞かせていただきました。是非皆さまには「自分ごと」の問題として、考えてみていただきたいと思います。市民として、行政だとか、お上だとか、色んな人に頼りきることを続けていける右肩上がりの社会は既に終わろうとしています。戦力たる若い人の人口は総体的にどんどん減っています。そのために何ができるんだろうということも少し考えるヒントにしていただけたらと思っております。
今日は本当に藤田さん、ありがとうございました。
藤: ありがとうございました。レジリエンスという言葉はややこしいので、最初に言っていただいたように「レジる」とか「レジってみる」とかいう言葉も、若い人々の間で流行ったらいいなと思っています。
絹: ありがとうございました。本日は京都市レジデント・シティ統括監の藤田裕之さんにお越しいただきました。
この番組は心を建てる公成建設の協力と京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。藤田さん、ありがとうございました。
藤: ありがとうございました。

 

投稿日:2017/12/27

第132回 ・アクティオさんは国際救助隊たり得るか

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成29年12月放送分>

中: 中湖 秀典氏(株式会社アクティオ 専務執行役員 レンサルティング本部長)
村: 村松 健一氏(高石機械産業株式会社 代表取締役 執行役員社長)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
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前列中央 中湖氏  前列右 村松氏

 

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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最前線をご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト、お二方をお迎えしております。
まずはメインゲスト、ちょっと皆さんびっくりされますよ。東京から来ていただいたのは初めてです。株式会社アクティオ 専務執行役員 レンサルティング本部長の中湖秀典さんでいらっしゃいます。中湖さん、よろしくお願いいたします。
中: よろしくお願いします。
絹: そしてもう一方、これはわが社に協力していただいている会社の一社であります高石機械産業株式会社 代表取締役 執行役員社長 村松健一さんでいらっしゃいます。
村: どうぞよろしくお願い致します。
絹: 今日はお二方を迎えて、「アクティオさんはサンダーバードたり得るか」と題してお送りしたいと思います。
サンダーバードと聞いて、国際救助隊をイメージしてくださる方は多いでしょうか。私の世代は、子どもの時にパペットドラマの国際救助隊サンダーバード1号、2号、3号、4号、あれは5号までありましたか。あれをワクワクドキドキしながら見ておりましたが、リスナーの皆さん、テレビコマーシャルで建設機械が赤い大きなマシンが列をなして、現場に向かうというシーンをひょっとしたら覚えていらっしゃる方がおられるかもしれません。アクティオさんはその会社なんです。全国にたくさん拠点をお持ちになっていまして、建設現場や林業現場に建設機械を送り込んでおられる会社です。そしてそのグループ会社として、京都の高石機械産業さんがあって、村松さんはそこの社長さんです。
ということで、いつものように司会者は手を抜きまして、ゲストの他己紹介というシーンに入っていきます。では、村松さん、メインゲストの中湖専務、どんな人ですか?短く述べよ(笑)。
村: これはラジオの番組ですから残念なんですけど、イメージしていただきたいのはダンプカー、ですけど中身はしっかりとコンピューターを積んでいるという、社内での評判です。
絹: ブレーキの壊れたダンプカーじゃなくて、コンピューター制御のダンプカーということですね。10tくらいですか(笑)。
村: もうちょっと大きいかもしれません。重ダンプのような形かもしれません(笑)。よろしくお願い致します(笑)。
絹: タイヤの大きなダンプでいらっしゃるそうです。では中野専務、村松さんて、どんな方ですか?
中: 見た目と同じで、非常に柔和で何事も懐に入れこんでしまう、部下にもお客様にも大変温厚な人間でございます。
絹: ひょっとしたら村松さん、カンガルーのような有袋類なんですかね(笑)。いきなり手を抜きまして、失礼を致しました。

■第一章 荒れている山を救う
●林業の抱える問題
絹: では、エピソード1に入ります。先日中湖専務は、四国の山の中、徳島へ訪れられたと聞きます。林業の抱える問題は、わが建設業界、あるいは日本の抱える問題を映し出す一つの切り口ではないかと感じましたので、四国で中湖さんが見聞きされた事、それから色々新しい実験をしに行かれたと承っておりますので、その辺から口火を切っていただけますでしょうか。
中: 徳島ではちょうど林業展が開催されておりました。年に一回色んな所で開催されているわけですけれど、今回も皇太子殿下に来ていただいて、植樹祭も催され、大変盛り上がった会でございます。
林業の抱える問題点というのは、日本の抱える問題点の縮図でもあると思いますが、やはりベテランがいない、若い人たちが入ってこない、このまま山を放置していると、山がダメになってしまう、そういう危機感を皆さんがもたれている中での林業展であり、我々もそれを機械、あるいはレンタルという切り口で、少しでも現場にお役立ちし、林業自体を発展、あるいはサポートさせて頂ければということで、徳島の山まで行ってまいりました。
絹: 今、中湖さんがおっしゃった「山がダメになってしまうかもしれない危機感」という言葉に反応してしまうんですけど、この番組のハードリスナーの方なら、ひょっとしたら覚えて下さっているかもしれません。
私が何年か前に災害現場の視察をした時の事をお話したことがありました。京都府の北の方で、まちの集会所の土手っぱらに、杉の木が突き刺さっている現場(宮津市だったと思いますけれども)や、土石流で、かわいそうに新築のピカピカのお家の一階が泥だらけで、2階は無事でとか…。そういう所の後始末に我々の業界に近い人たちが出動しています。
で、やっぱり四国でも山が荒れていくという危機感は、地元の方々はお持ちになっていたんですかね。

●ドローンなら、ここまでできます!
中: はい、やはり手は入れたい。ところがなかなか実際に動けるベテランの方がいない、やる方たちがいない、あるいは過去は木の単価が安いというところで、やっても採算が合わないという面がありました。そういうところを機械化する、あるいはドローン、あるいは航空測量等々によって、デジタルでデータを取って、それを効率的に使うという、そんな取組を今させていただいております。
絹: それが試験林で今回なさって来たことなんですね。リスナーの皆さんに少し平仮名で解説を試みようと思いますが、ドローンという言葉はこの頃一般的ですか?一般的ですよね。村松さん、どうですか?
村: そうですね。子どものおもちゃというところから、今では宅配業界や色んな分野に、ドローンというのは広がっていくものだと思っていますが…。
絹: そうですね。われらが京都御所、京都御苑でも、「ドローン飛行禁止」というポスターが貼ってあったりします。空撮映像というのは、本当にすごい視野の広がりを持ったもので、ただ画像を取るだけではなくて、分析もそこに加わって来るんですよね。
中:  今では写真からの測量というのもできますし、3Dスキャナをつけることによって、地表面までどういう位置にあるかも見られるような状態になってきています。
絹: この四国の試験林で飛ばされたドローンって、大きなものですか?サイズはどのくらいなのでしょう。
中: サイズとしては直径で1mちょっとくらいの機体です。当然そういう機械ですから、バッテリーで動いておりまして、その下にスキャナをつけて、100ヘクタールくらいの山ですと、ほぼ一日でデータが取れてしまうというような感じです。
絹: 今、中湖専務はさらっとおっしゃいましたが、「100ヘクタールくらいの山なら、一日でスキャンできるよ」と。これ、「ええ加減にしてください」というくらい、すごい事じゃないですか。
中: そうですね。そのくらい技術が進んだと言いますか。
絹: 昔ならば、山の中に徒歩で入っていくわけです。林道がちゃんとある所ならいいですけど、急斜面だと這いつくばって登っていかなければならない。植林されているのを見たことがありますが、「こんなところで足を滑らせたら、ごろんごろんと下まで転がるゾ」というような斜面に入って行かれて、だからこそ林業家というマスターは、ケガが多いという厳しい仕事だと。現場へ行くのに、すごい時間がかかって、ちょっと仕事をしたら、もう日が暮れて帰って来なあかんと。それを100ヘクタール1日ですか。
中: そうですね。私の友達も測量会社に過去勤めた人間がいまして、クマに襲われたとかいう話をよくお聞きしますけど、今のドローン、あるいは航空測量の技術をもってすると、そういう部分はかなり安全に正確にできる、そういう技術がもう既に確立されているというところでございます。
絹: 大事な技術なんですね。空撮・ドローンのスキャナの技術、そして一般の方々にはまだ馴染みが少ないかもしれませんが、おもちゃとして売られているドローンだけではなくて、本当に災害の時に、あるいは人が行きにくい場所、僕らの仕事でインフラ整備に関する所でしたら、橋梁、高速道路の基礎の柱だとか、橋脚だとかといった所に、マルチヘリコプターのドローンのようなものを飛ばして、チェックをするという技術も確立されつつあると言います。その技術で、100ヘクタールの山の木の幹の太さ、それから地形、のり面の傾きまでチェックできますよと教えていただきました。

■第二章 林業の新時代を切り開くために
●外材の値上がりと、切り時の日本の木と
中: そうですね。過去はベテランの木こりさんと言いますか、マタギさんと言いますか、そういう方たちがおられて、目で見て色んなものを判断されていた。そういうベテランの方々がたくさんおられたので、日本の山は守られていた。それが残念ながらそういう人たちが年々再々減っていくなかで、CO2の削減という京都議定書があったわけですが、それに沿ってやろうとすると、間伐をちゃんとやらなければいけない。あるいは日本の山はほとんどは戦後に植林された木なので、ほとんど50年経っていて、ちょうど今が切り時ということもあるそうです。
絹: 山が荒れてしまったことについて、林業の先生に「なんでですかね」と聞いたら、安い外材が入ってきて、山から木を伐りだしても合わないという時代が長く続いて、放置される山が増えて、その結果間伐がされなかった。間伐がなされないということは、ひょろひょろと薄暗い林になってしまって、土石流が起こって、表層土と共に木がスポーンと下へ流れてきてみたいなことが起こるようになったわけです。ところが先ほど中湖専務から「外材がこの頃値上がりしてきた」とお聞きしましたが。
中: 値上がりした理由は、日本が安い外材をたくさん輸入し続けてきたので、出す材料がなくなってきたというのが、実態だそうです。
絹: ということは、かつて林業家が撤退されたと言いますか、山を手入れをして、丹精を込めてというのが引き合わなかった時代が長く続きましたけれども、これからは50年経って、切りごろではあるし、ひき合う時代が来るかもしれない。そういう見方は正しいですか。
中: はい。それとまさに外材の使う目的として、製材ももちろんなのですが、製紙のパルプも同じようになくなっている。あるいは最近ではCO2の削減ということで、バイオマス発電というのが、盛んに取り入れられるようになってきていますけれども、それの材料としての木材のチップの使われる量が多くなっています。それも併せて製材の値段を押し上げてきているようです。

●国が推奨するCLT工法
絹: それと先ほどもう一つ教えていただきました。国交省の推進していることの一つに、CLT(クロス・ラミネイティド・ティンバー)があります。大断面の集成材や木目を直行して貼り合わせた太い構造材で、木造のビルを建ててしまおうという計画が進んでいるということですが、結構できてきているんでしょうか。
中:  官公庁の建物にまずは採用されています。今は5階建てまでの許可ですが、これからは7階までいいよということで、木材を使う仕事を増やそうという動きも一緒にあるようです。

●レンサルティングって、なに?
絹: さて、そういう流れができてきそうだと。そうそう、もう一つ質問しようと思っていたんです。ゲストの中湖専務の御役職名をレンサルティング本部長とご紹介しましたけれども、これ何やら新しい造語のような気がしますが、アクティオさんは赤い建機をレンタルというか、各地に送り込まれるとともに、「レンサル」と言うんですか、コンサルティングもなさるんですね。
中: 「レンタル」と「コンサルティング」まさに「相談していただけるレンタル」という意味で、うちの小沼会長が考えた造語でございます。全く英語でもなんでもございません(笑)。
絹: 最初にちょっとふざけましてね、「アクティオさんはサンダーバード(国際救助隊)たり得るか」というタイトルをつけましたが、「山が病んでいる」と言った学者もいるように、疲弊した山の現場で、アクティオさん他、色んな専門家から、色んな知恵を借りて、山を再生して元気にするにはどうしたらいいんだろうという、そういうことのご相談にのっていらっしゃるんですね。
中: そうでございます。森林組合さんもやはりベテランの方がおられなくなって、なかなか施業したくてもできない。そんななか機械化を進めなければいけないというところで、色々な機械を森林組合さんで買おうとするのですが、林業の機械は数がそんなに出るものではないですから、非常に高い。高いので買えないから仕事ができないとなると本末転倒になりますので、必要な機械を必要な時に我々がご提供することで、少しでもお役に立ちたいと考えております。また、機械だけではなく、そのなかで安全をどう確保するかといった事も、お話をお聞きしながら、機械に色んな付加をつけながら、やらせていただいております。

●林業機械のいろいろ…
絹: リスナーの皆さん、この分野は非常にマニアックな分野かもしれませんが、この頃はインターネットを皆さんよくお使いになりますので、例えば林業機械の「グラップル」とか「フォワーダ」といった言葉を検索していただきましたら、海外の山の中でそういう機器たちが動いている様子がご覧になれます。例えば北欧ではどういう形で動いているとか、あるいは日本で動いているというのを、イメージしていただきやすいんじゃないかと思います。
中: 今ですと、バルト三国の北の、特にフィンランドがやはり林業が非常に盛んで、林業機械はフィンランド製の物が非常に多いんですが、当然国産もたくさんあります。
絹: ということは、フィンランドの機械をアクティオさんは輸入されたりして、お持ちになっているのもあるんですか。
中: はい、輸入させていただいております。
絹: 国産のもたくさんあるんですか。
中: 国産のもございます。

●子どもたちに親しみを持ってもらうために
絹: さっきも番組前の軽い打ち合わせで、小さい子どもたちはそういう建設機械だとか、林業機械なんか、たまらん好きなんですよねえという話をしていたんですが、子どもたちがそういう機械がブンブン動いているのを見せてやりたいですよね。
中: そうですねえ。
絹: 我々の業界もそうですけれども、小学生やそのお母さまお父さまを対象に、この間は舗装のイベントをやりましてね。目の前でフィニッシャーが50mほどの仮設の舗装を、見る見る間に仕上げていく姿を見ていただいたり、あるいは自転車マークだとか、横断歩道の白いペイントを職人さんが職人技で見事に描き上げるところを、子どもたちに見ていただいたり、あるいはミニユンボに乗っていただいて、もちろんオペさんの指導のもとですが、小さいバケットにサッカーボールを入れまして、右から左へ移してというイベントをやったんですが、アクティオさんも、高石さんも、そんなイベントに参画されたりしているようですね。
中: はい。我々がお客様のイベントに参加して、今まさに絹川さんが言われた形のものを提供しております。そういうイベントで一番人気があるのは、高所作業車でして、20m~30メートルの高所作業車がありますので、それに乗っていただいて、高い所からものを見ていただく、そういうのもお手伝いさせていただいております。

●レンサルティング、5年後10年後の未来
絹: 先ほど「サンダーバードたり得るか」というお話を少しさせていただきましたけれども、僕はアクティオさんがなさっている事は十分、(サンダーバードに)手が届きそうなところに来るのではないかという期待を勝手に素人ながら持っています。アクティオさんがレンサルティングをされる、次の5年、10年先に、山や建設現場や防災現場、インフラに携わる人たちと機械は、どういう風に変化していくのか、お感じになっているところがあれば、少し教えていただきたいのですが。
中: 先ほどお話のあったドローンで撮影をしたり、あるいは3Dスキャナを使って、今まで見えなかったものを、見える化する、それをデータ化することで、効率よく仕事ができる。あるいは安全に仕事ができるといったところに繋がっていくと思います。
絹: 山の木は、森の木は、いっぱいわさわさと緑の葉っぱが生えていると。幹がひょろひょろなのか、立派な50年ものなのか、一見するとわからないけれども、上空からスキャンする光はそれすら見通すぜ、ということなんですね。
中: そうなんです。
絹: そして、そうやって効率化して、見えないものを見える化していく。危険だとか、キツイと、かつて山を敬遠されていた人たちが、安全に効率的にデータを活用して働ける。必要な所に必要な時期に、サンダーバード2号みたいなもので(笑)、「グラップラー」や「フォワーダ」といった重機を運びこんで…。あ、そうだ、オペする人も要りますね。オペレーターさんもひょっとしたら鉄人28号のコントローラーみたいなもので、遠隔操縦もするかもしれませんね。

●今の技術の延長線上にあるもの
中: 今は災害時などの特殊な状況で、崖崩れがあるかもしれないという所では、実際に遠隔操縦の機械を使って、機械だけで掘削したり、荷物を運んだりすることもあります。ただ、一般の施業している所では、動きがアトムのようにはならないものですから、まだまだというところはありますが、いずれはそういう部分も出てくるのではないかと思います。
絹: AI、人工知能が非常に話題になりつつありますから、自分で学習するディープラーニングなんていうのを、建設機械が身につけ始めると、将来どうなるんだろうと。実は京都の天ヶ瀬ダムというダムがあるのですが、その天ヶ瀬の再開発の現場で、大手さんなのですが、水中掘削なんかに遠隔操縦のロボットが実際に水の中で活躍しているというのを聞いたことがあります。
中: あの機械は実はうちで提供している機械でございます(笑)。
絹: なんたる偶然!うまいこと触れましたねえ(笑)。
若い人にはもはやわからないかもしれませんが、機動戦士ガンダムのガンダムパイロットに近い、重機のオペレーター、それから重い鉄筋だとか、鉄骨をハードスーツをつけた方が、重機を使わずに、ロボットに乗りながら物を運んだり、大きな石を据え付けたりする。なんか自分でやってみたくなりませんか(笑)。
中: ほんとですね(笑)。近い将来、ただ人間が「キツイ、汚い」という所だけではなくて、補助道具や機械を使うことによって、非常にスマートは建設、あるいは林業ができていくようなイメージが、今の技術の延長線上にあると感じています。
絹: 本当にサンダーバード的な、国際救助隊的なものになって、衛星回線を通じて、「アクティオ本部にサポート要請が入った!〇〇の現場に、サンダーバード2号でグラップラーを送れ!」といった指示をしていらっしゃるのかもしれませんね(笑)。
中: 是非、お手伝いできればと思います。
絹: リスナーの皆さん、荒唐無稽な話に聞こえた部分があるかもしれませんが、実は非常に地道に、日本全国の拠点で展開されております。あるいは「アクティオの森」という、山梨県で林業機械のオペレーションの実習をするエリアを実際にお持ちになっていたり、そこで社員さん対象ですけれども、植林のイベントを家族と共に開催されたりしておられます。
我々京都府の山の中も、実は同じような荒れ具合であります。京都は京都で路網整備に邁進している男たちもいますし、我々の建設業界も人知れず、山屋さんと同じように皆様の足元を支えるということで頑張っております。今日は「アクティオさんはサンダーバードたり得るか」と題してお送りいたしました。
中湖さん、村松さん、狭いスタジオでありがとうございました。
両名: ありがとうございました。
絹: この番組は心を建てる公成建設の協力と京都府地域力再生プロジェクト、そしてわれらが京都市景観・まちづくりセンターの協力でお送りいたしました。サンダーバード、いいですねえ。
投稿日:2017/12/13

第131回 ・まちのちゃぶ台ネットワーク ~子ども食堂の先に見えてきたもの

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成29年10月放送分>

大: 大場 孝弘氏(公益財団法人 京都市ユースサービス協会
京都市山科青少年活動センター 参事)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
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大場氏

 

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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最前線をご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲストですが、なんとシリーズ化されました。2度目のご登場です。
公益財団法人京都市ユースサービス協会というのがあります。そこの京都山科青少年活動センターの、ついこの間まで所長をなさっておられて、今は参事という役職に変わられていますが、大場孝弘前所長です。
大: よろしくお願いいたします。
絹: さて、大場さんにお話をお聞かせいただきますのは、山科エリアについてのホットな話題でございます。タイトルを申し上げます。「まちのちゃぶ台ネットワーク~子ども食堂の先に見えてきたもの」と題して、大場さんからお話をお聞きしたいと思っています。ご期待ください。

■第一章 “やませい”実験食堂のこと ー 体験の場として
●大場さんとの出会い
絹: まず私と大場さんの出会いを復習させていただきますと、初めはうちの山科の独身寮の寮監をしてくださっている服部さんのご紹介でしたっけ?
大: そうですね。はい。
絹: うちの会社には独身寮が山科の中井ノ上町にございまして、ちょっとユニークな寮監さんなんです(笑)。大場前所長の眼から見て、服部さんて、どんな人でした?
大: はじめは山科の一部の所に貼らせてもらったポスターを一枚見て、すぐに駆け付けてこられたという方ですね。
絹: これですね(ラジオだから見えるわけないんですが)。
オレンジ色のフライヤーで、「山科で子ども食堂はじめます!」と。「作戦会議5月28日(これ、去年ですね)、第一回目の子ども食堂は6月11日(土)に開きます」というチラシなんです。これを見て飛んできたのが、若い人がお世話になっている独身寮の寮監さんなんです。
それでは山科の子ども食堂、事始め。そしてその子ども食堂が今現在どういうふうに発展して、今日のタイトルである「子ども食堂の先に見えてきたもの」というあたり、大場さんから語っていただこうと思います。では愛称“やませい”の大場孝弘さん、よろしくお願いいたします。
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●まずは前回のおさらいから
大: 前回、お話をさせていただいた時に、山科で「子ども食堂」ができ始めていますよというお話と、それを始めたら本当に色んな人たちがそこに集まってくるというのは、「子ども食堂」って何か不思議な言葉だなというお話をさせていただきました。
絹: そうですね。「子ども食堂をやりませんか?」というと、なんでこんなに色んなタレントを持った人たちがわらわらとわいて出るように、山科青少年活動センターに集まってくるんやとおっしゃっていましたね。
大: ええ、服部さんもその一人なんですけど、普通は自分で開いてみたいとか、お手伝いができますよとか、中には食材を提供しますとか、例えば「野菜があるので使ってください」と。
絹: ありましたね。家庭菜園か何かをやっていて、「この頃もらってもらうところも少なくなって、余らせてしまうから、使ってくれへん?」と来られたんですよね。
大: そういうパターンが多かったんですが、「うちの場所を使いませんか」と服部さんが来られた。食堂をする人たちは、場所をどこにするかで結構困っておられるんです。その時に「場所をどうですか」と言っていただいたのは服部さんが初めてでした。
絹: 建設会社の独身寮ですから、朝は早いし、昼間は空きっぱなしなんです。タイムシェアですね、一種の。
大: そのお話を伺ってから、ひょっとするとそういう形での協力の仕方もあるなと思って、その後、場所などを開拓するアイデアも、その服部さんがきっかけで、私たちも考えさせていただくようになりました。そういう意味でもちょっとこれまでには出会う事のないような、色んな人たちと出会えるきっかけを、実は子ども食堂がつくっているなという感じはします。
絹: 子ども食堂の新しい切り口を大場さんに教えていただいたような気がします。

●山科子ども食堂の草分け“おむすびの会”
大: 実際に山科で始めた時はまだ1つだけでしたが、「おむすびの会」というのをずっとやっていらっしゃって。
絹: 神社で。
大: そうですね。
絹: 僕の大場メモには「子育てサポーターが集まる場をつくりたい」とあります。「子ども食堂のエッセンスを持ってらっしゃるのは、山科で比較的早く、ちょっとしたら一番目かもしれない“おむすびの会”だ」というメモがあります。
大: 「子ども食堂」という名前もなかった時代からやっておられるんです。
やっているセンスは本当に子ども食堂そのものなので、「お仲間に入ってくださいね」みたいな形でお声をかけて、色んな催しをする時にも来ていただいて、お話をしていただいたりといったことを始めていました。
絹: 例えば何神社でやっておられたんですか。山科にも結構神社がありますよね。
大: たくさんありますね。なに神社だったかなあ。正確に言わないといけないので、ちょっと今は申し上げられません。
絹: 検索すればたぶんヒットしますよね。
大: そうです。すぐ出ます。(※補足 神社の名前は若宮八幡宮です。その敷地内にある音羽公会堂で開いています。)

●“やませい”で実験食堂を始めました
大: 「一緒にやりませんか」と声をかけたら、色んな方がお越しになったんです。そこで実際にどういう風に開いたらいいかというノウハウも蓄えないといけないので、じゃあ、うちのセンターには料理室などもありますので、月に一回、そのスペースを使って実験でやりませんかと。
やってみたい人が集まって、毎回テーマを決めて、対象を決めて、それぞれ経験を積んでいただく、その経験を活かして、ご自身のところで自分の思う子ども食堂をやってくださいみたいなことで、「6月から始めます」とお声をかけたんです。先ほどのチラシはそれです。
絹: このオレンジのチラシはその一回目だったわけですね。だから実験食堂みたいなものだったんですね。
大: そうです。実験食堂です。
絹: リスナーの皆さん、山科の青少年活動センター、場所が竹鼻四丁野町。行かれたことのない方のために申し上げますと、小学校と中学校の理科の実験室と家庭科準備室が合体したような、すごくいい感じの…。
大: あとはスポーツルームがあったり、リクレーション施設があったりします。

●子ども食堂、それぞれ性格が違うんです
絹: そこを実験食堂の場所に提供されて、今、テーマを一回ごとに変えてとおっしゃいましたが、例えばどんなテーマなのでしょう。
大: 来られる方の関心が、それぞれ結構違うんです。
例えば「お腹をすかせた子に、腹いっぱい食べさせたい」という人と、「安全な食品を食べさせたい」という人とか、「食育的なことを考えていきたい」など、色んな方がいらっしゃるので、そのまま一緒にやると喧嘩になるんです。
そこで今月はお腹いっぱい食べさせる会にしましょう、そういう人を中心にやりましょうという時には、スーパーに行って、安い食材をゴソっと買ってきて、添加物だのなんだの言わず、とにかくたらふく食えるようにしましょうというふうに考えてやられます。逆に無農薬の野菜などを使いながら作るという会が別の月にあったりします。
また対象も中学生や高校生に関心をお持ちに方や、乳幼児に関心をお持ちの方や、小学生というふうに、色々対象も違うので、例えば小学生を対象にしましょうといった場合には、その関心のある人たちに集まっていただいて、どういう風な形でやろうかと、近くの児童館に伺って「今の小学生どうですか」とお話を聞きながら、聞いたお話の中からプランを立てるみたいな形で、毎回プランも食事のメニューも参加費も全部違う形でやったんです。
絹: それこそ実験子ども食堂ですね。運営主体も自分の所で会場を設定して、いきなりやるんじゃなくて、青少年活動センターで試しておられる。
大: それをやられた事で、食堂の運営だけではなくて、始めるまでにどんな形でどういう人たちに声を掛けたらいいのかといった、色んな事が実はそこでわかってくるので、そういうことを活かして、その後開かれた食堂がいくつかあるんです。だからここでの経験を活かされたという方がいらっしゃるので、これをやってよかったなということですね。
絹: 前回の収録に際して、“やませい”におじゃまして、大場さんにインタビューした時に、山科には現在、子ども食堂的なものが、数か所あるんだよと。先ほどの神社でなさっている“おむすびの会”さん、それから“やませい”の実験食堂、天ぷら屋さんが関わっていらっしゃる“笑人(わろうど)カフェどんげね”さん。

■第二章 子ども食堂ネットワーク広がる
●“笑人カフェ”さんのこと
大: “どんげね”という、宮崎弁で「調子どう?」という感じですかね。元々ご主人がたぶん宮崎の方で、そういうお名前が付いているんですね。“笑人カフェどんげね?~子ども食堂~”という感じですね。
絹: 正式名称が結構長いですね(笑)。
大: たぶん“笑人カフェ”で、インターネットで調べられたらすぐに出てきます。
絹: ここは大石道と三条通の交差点に近いですね。手元に資料として黄色いフライヤーがあるのですが、これも去年の11月のチラシでしょうか。
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大: そうです。12月から正式オープンです。
絹: 子ども200円(お手伝いで無料)、大人寸志(カンパ大歓迎!)と。
大: この値段の付け方も実はうちで何回かやった時に、一緒にやって頂いて、「どうしようか」というので、「子どものお手伝いは無料ですよ」というのも、実はその経験の中でアイデアとして身につけられていった形ですね。
絹: しゃべりに来るのもOK、ご飯だけでもOK、大人一人でも子ども一人でもOKと書いてあります。
大: 今、すごいんです、賑わいが。もう本当に子どもだけではなくて、色んな世代の人が集まっていて。中には精神障害があって、なかなか人と関わるのが難しい方も、そこでなら「なんとなく居心地がいい」という人がいたりして。
絹: 手元のノートの「大場メモ」に、平成28年の12月から「地元の民生委員さんの協力が始まる」と。コラボ団体が登場したと。障がい者団体だとか、おもちゃ病院?
大: おもちゃの病院ですね。
絹: というのはコラボ団体が複数“笑人”さんに。本当に発展していらっしゃるんですね。
大: 本当に色んな人が集まっていて、子どももいるという場所なので、結構地域の中で自分たちの技術を活かして、子どもに何かをしたいという活動がある時に、例えば小学校に持って行っても、なかなか小学校は受け入れてくれないですよね。
せっかく私たちは力があるのに、何かやりたいなと思っても、初めて来た人に頼んでいいかどうかもわからないので…。
絹: 小学校でコミュニティカフェをなさっている例もあるんです。これも何年も前のチョビット推進室のゲストの方ですが、自治連合会長さんが声をかけられた例です。自治連の会長さんは小学校の鍵を預かっておられることもあって、その人が「やると言ったらやる、協力してくれ」と言われてできていたんですけど、普通は小学校の壁って、セキュリティの面もあって、高いですよね。
大: 特に地元の町内会などとかかわりを持っている団体ならいいのですが、それもなくて、個人で集まっているようなグループは特に難しい。そういう人たちが子どもたちに向けて何かしたい場所としては、“笑人”さんは最適なんです。ですから毎回「次はこれをしよう」「私たちもやらせてください」と声をかける人たちが何人もおられるはずです。という意味でも、本当にコミュニティになっている。
絹: これを見て思ったんですよね。ゲスト候補の塊の情報をいただいたなって。またそんな方とここでおしゃべりができたらいいですね。
大: 本当に面白いですよ。やはり何か強い思いを持っていらっしゃったので、今、それ以外にも別の作業所も始められたんです。色んな事をやっておられるので、面白いです。盛武さんという方です。
絹: 盛武さんって、おいくつくらいなんでしょうか。だいぶ年配の方ですか?
大: いや、そんなに年配の方ではないです。まだまだお子さんが小学生くらいですから。
絹: お、若い!それじゃあ、ひょっとしたら40代くらいかも。
大: そのくらいじゃないかと思います。
絹: そりゃあ、期待が持てますね。
大: 本当に面白いですね。

●広がる結ぶ 子ども食堂ネットワーク
絹: あの時に教えてもらった他の子ども食堂的なことをされている“香東園”さん、それと西野山の“NOAH(のあ)”さん、これはコミュニティカフェと小規模保育園が合体しています。“香東園”さんは香川県でやっておられた?
nisinoyama  西野山 NOAH
大: 香川県でできた総合福祉施設で、それが山科にできたんです。そこの方針として、最初から地域の中でそういう福祉的なケアをしたいという思いがあって、ちゃんと外の人向けにカフェがあるんですよ。
絹: 地域に開かれた高齢者施設。
大: それを目指しておられるので、いわゆる食堂ではなくて、外の人向けに、建物も別にカフェがあるんです。そこの建物を使わせてもらって、実は子ども食堂を9月から始まっています。
絹: 大場さん構想は着々と。以前、山科子ども食堂ネットワークというのができたらいいよねとおっしゃっていましたよね。で、一ヵ所で毎週やるのはしんどいだろうけど、月に一回ならなんとかなるわ、あるいは月に二回ならなんとかなるわで、無理をせず、複数の人がやれば、いつもどこかでやっていることになるとおっしゃっていましたよね。すごいなあ。
それからもう一つ「オリーブホットハウス」。
大: ここはまだ、食堂としてはやっていらっしゃいませんが、元々コミュニティ食堂的なことはやっておられるんです。精神障がい者の方の共同作業所なんです。
絹: ここのメモには、障がい者と農園とコミュニティ食堂、野菜がおいしい!って、書いてますね。子どもたちが生野菜に群がると。
大: そうです。今、そこではスーパーなどに実際に品物をおろされているんですが、形が商品にならないようなものもあるし、そういうのを一緒にして、子ども食堂で使うようなことができないかなというのでお話して、子ども食堂パックというのを500円くらいで、作っていただいているんです。それを他の食堂でも使われたりとか。
絹: もうすでにネットワーク化しつつあるんじゃないですか。
大: そうです。どうしても野菜なので、いつも採れるわけではないので、多い時と少ない時と品物の質も色々変わるんですけど、そんなのも含めて一緒にやりましょうかという形でさせていただいていますね。

■第三章 “まちのちゃぶ台ネットワーク”はじめました
●それは子ども食堂ネットワークのチーム名です
絹: さてさて、山科青少年活動センター、愛称“やませい”の大場前所長が構想されて、子ども食堂ネットワークが、あるいは実験食堂ができたらいいよねとなさっているうちに、何か自然に有言実行と言うか、勝手にかもしれませんが、ネットワークが育っちゃってると。
そして今年の夏ごろにはそういうネットワークの第一回の立ち上げをしたいと大場さんはおっしゃっていました。その集まりが実際に?
大: 7月の終わりに、「一回皆さんどうですか。ご意見聞かせてください」という会をしまして、その後9月の初めに、「とりあえず実際に始めましょう」ということで、一応会をつくったんです。その名前が“まちのちゃぶ台”でして、皆さんが考えてくれたんです。
絹: 今日のメインタイトルである“まちのちゃぶ台”。これが緩やかな集合体のチーム名。
大: はい。どういうイメージでというのを、色々皆さんとお話していた時に、「子ども食堂もいいけれども、それだけではなくて、地域の中で子どもと大人がちゃんと出会えて…」
「例えば、子どもに対する見方とか、大人に対する見方がちょっと変わるような、そういう繋がりをつくりたいな」ということで、まちの中にあるリビングみたいな感じがいい。そしてみなが集まるテーブルみたいな感じで、“ちゃぶ台”がいいかなみたいな、そんなイメージで皆さんに決めていただいたんです。
絹: 今日のメインタイトルが、ここで紐解かれました。そして“まちのちゃぶ台”の緩やかなネットワークの集まりが9月に始まったことで、子ども食堂の先に見えてきたものがあるよということを大場さんはおっしゃっています。そこのところを少しお願いします。

●大人の子ども観がまず変わってくる
大:  色んな方とお出会いしたなかで、「こんなことをしてみたい」とか、本当に色んな思いが集まる場所だなというのは、以前にもお話したのですが、実際にやっていくと、子どもと大人がしっかりと出会える場ができるというのは、地域にとってはとても大事なことなのではないかと思っています。
実際に困っている子もいるし、元気な子もいるし、色んな子がいるんですが、そういう子どもと日常的に、月に一回でも定期的にずっと出会っていると、なんとなく、例えばマスコミを通して持っている子どもに対するイメージが変わっていくんですね。大人が実際の子どもの姿を見て。そうするとなんとなくこれまで思っていたような、非行の問題や貧困の問題など、巷で語られている若者像、子ども像で見えていたものが、もうちょっとリアルに一人ひとり全然違うし、その子の中に色んな面があるなということを、大人が見つけていくと、子どもに対する「今どきの子どもは!」という感覚が変わっていくんです。
絹: いわゆる何パターンかあるステレオタイプから大人が抜け出せる…
大: そのチャンスをいっぱい与えてくれるんです。
絹: それが“まちのちゃぶ台”。

●SOSを出せる子どもになるために
大: 逆に子どもにとっても、困り事をいっぱい抱えている子どもだと、親も含めて、大人に対して期待をしてないというか、場合によれば警戒をしている…。
絹: 信用してない。
大: そうです。ずっとそういう経験を積み重ねてきた中で、こういう場所に行くと、自分の事にちゃんと関心を持ってくれる大人がいる、頭ごなしに怒らない、ちゃんと話を聞いてくれる大人に初めて出会える。
その関係がずっと続いて、何か困った時に「実はな」と早めに相談に行けるようになってくれたらいいなと。子どもは情報がないし、周りの環境もわからないので、困った時に自分一人で、ないしは身近な人たちのかなり限られた情報の中で判断をして決定していかねばならないのですが、それをやるとどんどんややこしいことになってしまうケースが多いんです。
絹: 前、大場さんのお話を伺った時に、色々困った大変な状況にいる子どもはいると。だけど本当に大人にSOSを出す術を知らない子どもたちが多いんだと。困った時に初期段階で「助けて、相談がある」と言えたらいいのに、どうにもこうにも大変な状況になって、やっと自分の耳に届いたりすると、「ううっ」と思ってしまうと、おっしゃっていましたね。
大: そういう意味で、色んな形で関心を持ってくれたり、話を聞いてくれたりする大人がいるということを、体験的に学んでいるかどうかというのは、これから先、すごく大事な事だと思っていて、そういう意味で子どもが見る大人観というか、大人に対する見方がそこで変わっていける場所になるといいなと。だから“ちゃぶ台”的でいいなという感じはしているんですね。
絹: 本当にSOSを出せる能力というのは、すごく大事ですね。
大: そういう経験がないと、しようがないので。
絹: うちの会社でも、よく頑張るんですけどね、頑張りすぎて、もうちょっと倒れる前にSOSを出しておいてくれたら、介入できて、なんとかできたかもしれないのにと思うことがね。真面目な子ほど、そういうことになって…。いやあ、しかし子どもの大人観が変わりますか。

●色んな人が集い、関わりあえるプラットフォームをつくりたい
大: そうなるのがいいな、そうなってほしいなということでやっています。
だから子ども食堂だけではなく、実は学習支援の場であってもいいし、関わる色んな人たちがそこに集まれて、お互いに情報を持ち寄って、場合によれば知恵と力を出し合って、お互いの持っている得意な部分で関わっていくようなことができる、そんな場所があれば、色んな人たちがもうちょっと集えるし、関わりが持てるかなというふうに思っています。
絹: いいですねえ。何か一堂に会されたりするんですか?
大: なかなか皆さんが一緒にというのはないんですけど、断片的にはなりますけど。一つそういう集まる場所が何かあれば、とりあえずそこに聞いてみる、ないしは何か投げかけてみる、質問してみるみたいなことができる。「あそこにとりあえず行ってみよう」というふうになれれば、色んな人たちがそこでもう少し繋がれるかなと思っています。
絹: 山科青少年活動センターがそういう「糊」のような場になっていると。
大: ただ、うちがそうなるよりは、そういう場所を皆さんでつくったほうが、役に立つなと思っていて、そういう意味では物理的な場所としては、他にも色んな場所に協力はしていただくのですが、まずはそういう一緒に集まるという、言わばプラットフォームみたいな場所ができればいいなと思っていますね。
絹: そんな所に、うちの公成建設の独身寮の服部寮監がレシピを考えたり、10人前20人前のフォーマットのマニュアルを作りこんだりして協力しているというのは、ちょっとうれしいです。
大: 今回のこの“ちゃぶ台”の世話人も進んでやって頂いています(笑)。
絹: あ、世話人の一人なんですか(笑)。その報告はまだ来てなかったです(笑)。
大: 色んな方が「そういうことなら、何かできることをやりますよ」という形でお声を掛けていただいているので、できることからちょっとずつやりながら、逆に「こんなことしたいんだけど」というご意見があったら、それをみんなで「じゃあ、どうしよう」と考えて形にしていこうみたいなことが、緩やかにできればいいかなと思っています。

●今後のネットワーク構想
絹: いいですねえ。さあ、そろそろ無理矢理まとめに入りますが…。リスナーの皆さんお聞きになっていかがですか?山科ってすっごく面白いなと思います。そして「やませい」の大場孝弘前所長の構想では、府内の子ども食堂ネットワークまで広げたいという大きな夢をお持ちです。そのためにはまず山科だと。山科モデルをつくりましょう。いきなり府内ではしんどいので、例えばコープ、生協のフードロスをなんとかするとか、スーパーさんとも連携出来たらいいよねと。醍醐地域が実は気になっているんだと。しんどい子どもたちの存在を知っているかと。大場構想はおそらくは着実に根を広げております。是非、皆様もご注目をしていただけたらと思います。お別れの時間です。
この番組は心を建てる公成建設の協力と京都市・景観まちづくりセンターの協力でお送りいたしました。大場さん、ありがとうございました。
大: ありがとうございました。
投稿日:2017/10/23

第130回 ・御薗橋をキャンバスにしよう! ~820人の小学生大集合!

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まちづくり“チョビット”推進室<平成29年7月放送分>

馬: 馬場 昭光氏 (京都市建設局 道路建設課 係長)
石: 石垣 修治氏 (公成建設株式会社 土木G所長)
絹: 絹川 雅則  (公成建設株式会社)
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 左 石垣氏 右 馬場氏
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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最前線をご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲストですが、お二方お迎えしております。お一人目、京都市役所(俗に御池城と言う人もいますが)の建設局道路建設課 事業担当係長でいらっしゃいます馬場昭光さんです。
馬: よろしくお願いいたします。
絹: 馬場さん、よろしくお願いいたします。そしてもう一人、公成建設株式会社土木グループの石垣修治所長。
石: よろしくお願いいたします。

■第一章 観客の多い土木工事のおはなし
  ●事業の概要をお話しますと…
絹: さあ、お二人をお迎えしまして、今日は何の話をお聞かせいただけるのでしょうか。
皆さん、上賀茂神社の袂と言いますか、賀茂川に架かる御薗橋という大きな橋がありまして、今、工事中なんです。そちらの橋について、ご紹介をしていただこうと思います。タイトルは「御薗橋をキャンパスにしよう!~820人の小学生大集合!」と題して、お送りいたします。
まず馬場さん、市役所から御薗橋の方に行きます。だんだん橋が見えてきます。さて、今回の御薗橋の架け替え工事と言ったらいいのでしょうか。その概要を一般の方にバクっと説明していただけませんでしょうか。
馬: 御薗橋は上賀茂神社の玄関口に位置する橋でございまして、昭和12年に架けられた橋でございます。今でちょうど80年経っているなかで、老朽化も進んでいると。
絹: 御年80歳の結構ベテランの橋でいらっしゃったということですね。
馬: そうですね。それとご存知のように幅員が狭く、朝晩を中心に交通渋滞も起こっています。特に歩道が狭くて歩行者同士のすれ違いも、なかなかしんどいという状況のなかで、老朽化修繕に合わせて、橋の架け替えをして幅員を広げるという事業でございます。
絹: 幅員というと、幅ということですね。
馬: 幅です。歩道も車道も広くなるということです。
絹: 堀川通をずっと北大路辺りから御薗橋に向けて車で上がっていきますと、以前よりも橋の取り付け部分と言いますか、御薗橋に入っていく部分がきれいになったな、広くなったなという感じがしますね。御薗橋の架け替えに合わせてというか、その前にだんだんあの辺も整備されてきたんですね。
馬: そうですね。南側からずっと整備してきまして、今は橋の手前まできれいになっているという状況です。
絹: 御薗橋は幅が狭くて、老朽化、昭和12年とおっしゃいました。80歳。土木構造物の寿命と言いますか、土木の技術の方はだいたい何歳くらいだと学校で習われました?
馬: だいたい100年くらいと聞きますね。
絹: しっかりつくって100年、でも50年超えるとそろそろ考えようかとか、あるいは傷んできている所があるよという話もあります。それにしたら80歳というのは元気な橋だったんですね。
馬: そうですね。

●観客のやたら多い工事でした(笑)
絹: さあ、公成建設の土木グループの石垣さん、その現場の責任者として着任されました。馬場係長の概要説明に捕足することはありますか?
石: 一般の土木工事はだいたい山の中とか、海辺であるとか、市街地からはちょっと遠い所にあるのが、土木工事の一般的な環境なのですが、ここの御薗橋の架け替え工事に関しては、市街地の中での土木工事で、橋の架け替えと一言で言っても、色んな人が真横を通っていくような工事で、普通の土木工事とは一味違うような感じでしたね。
絹: そうでしたね。観客がやたら多い工事でしたね。近隣さんに御薗橋801商店街ですか。あそこも面白い商店街みたいですね。以前イベントで自転車タクシーをお使いになったり、一生懸命、まちを元気にしようとされている商店街です。もちろん上賀茂神社に参拝に行かれる方も多いですし、近所に学校も確か3つくらいありましたよね。
現場についた石垣さんは他の工事現場にない観客を毎日お迎えしながらの工事になったと(笑)。なにかリスナーの皆さんにご紹介できるようなエピソードはいくつかお持ちでしょうか。
石: もう、たくさんありますよ!現場を見に来られる地元の方ですけど、たまに来られるのではなくて、毎日来られますね(笑)。特定のお客さんなのですが、毎日来て、雨の日も傘をさして、半日近く現場におられる時もありますし。中にはずっと現場の進み具合を、簡易カメラで撮って、それをアルバムにして、「はい、監督さん、できたよ」と持ってこられる男性の方もいらっしゃいます。
絹: 馬場さんは京都市の建設局で、工事の発注者サイドでありますから、当然管理監督なさいます。京都市さん以外に監督が、地元にいはるわけですね(笑)。
馬: そうですね(笑)。私も石垣さんからこの前、そのアルバムを見せてもらったんですが、なんとも几帳面に撮っておられて、感心しましたね。
絹: 結構なご高齢の方だったんでしたっけ。
石: そうです。70歳以上80歳くらいの方ですね。またそのアルバムを毎日喫茶店に持って行って、お仲間に見せているらしいですね(笑)。で、現場に来られない方代表という意味も込めて、日々写真を撮りに来られているようです。

●注目されることのうれしさと、責任感と
絹: 馬場さん、こんなエピソードを、今まで公共工事と言いますか、インフラ整備だとか、色んな工事のご担当になったと思いますが、お聞きになったことありますか?
馬: ないです(笑)。怒られる事はあっても、毎日毎日来て関心を持っておられる方がいらっしゃるというのはなかなか…。
絹: そうなんですよ。我々建設屋というのは、もちろん建設局の方もそうですけど、インフラの公共工事では、ほこりを立てるし、うるさいし、「迷惑や、あっちへ行け」と、怒られこそすれという経験があるじゃないですか。それから思うと、なにかすごいうれしかった、注目して、「あ、できてきた」と、毎日写真を撮ってくださっている、何かほのぼのとするうれしさと共に、逆にめちゃくちゃ見られてる、失敗したらどうしようみたいなこと、思いませんでした?
石: 思います。やはり私はもっと見てほしい、フェンスとフェンスの隙間から、目を細めて覗いておられる方を見ると、「こっち来て、もっと見て」と思うこともたくさんあるんですけどね。やっぱり、現場で働いていらっしゃる方は、慣れてない方もいらっしゃって、見てほしくないとか…。
絹: 職人さんですね。
石: 見られることに慣れてない方も、中にはいらっしゃいますね。
絹: 橋の上からだけじゃなくて、旧橋と言いますか、今ある橋の南側に新しい橋ができたんですよね。だから橋の欄干と言いますか、高欄の所に手をついて、じっと近場でかぶりつきで見ておられたり、それから遊歩道で毎朝散歩、ジョギングされている方も見ていかれる。
石: そうですね、川の傍に座り込んで、ずっと見ていらっしゃる方もいらっしゃいます。
絹: やはり工事屋としては、工事屋冥利につきる現場だったのかもしれませんね。それだけ注目していただいたと。
さあ、その現場でもう一つくらい何か、リスナーの皆さんに橋のことを紹介できるエピソードをお持ちですか。
 
■第二章 土木工事とイベントと
   ●御薗橋をキャンバスに絵を描こう
石: ついこの間、6月の中旬から下旬にかけて、今、橋の床の部分が完成して、まだアスファルト舗装は載っていない、コンクリートの真っ白な状態の時に、近隣の小学校の児童さんに来ていただきまして、絵を描いて、ドローンで記念撮影するというイベントを開催させていただきました。
絹: 京都新聞のホームページからダウンロードしてきましたけど、結構新聞にも大きく載りましたね。これ、そもそもどういう所からスタートしたんですか?
馬: 公共事業のピーアールというのと、土木工事の担い手不足という課題があるなかで、未来のある子どもたちに対してアピールするようなイベントがないかという話をしていたなかで…。
絹: それはそもそもアイデアの言い出しっぺは誰なんですか。馬場さん?石垣さん?
石: 私の上司の籔田部長です。
絹: ほう、石垣さんの上司が…。リスナーの皆さんに、ちょっとお伝えやすいかなと思って、持ってきた資料の一文だけちょっと読ませてくださいね。
京都新聞社ニュース
タイトルが「御薗橋にみんなの絵、描けた!」
「京都北区の3小学校が制作。拡幅工事が進む京都市北区の御薗橋で周辺3小学校の児童がアスファルト舗装する前のコンクリート面に描いた絵が完成し、27日に記念撮影を行った。7月上旬に舗装工事が始まるため絵は見えなくなるが、子どもらは橋に残る思い出と一緒に写真に収まった。大宮小の全校児童と上賀茂小の6年、柊野小のアートクラブの児童計820人がそれぞれ絵を描いた。「賀茂川の四季」をテーマに、川と船山を背景として季節を表す桜やホタルなどを描いた。」
とあります。今流行のドローンで空撮って、ちょっとすごいじゃないですか。なんで820人も集まるんでしょう。
石: 大宮小学校さんは100周年記念の年でもあって、特に思い入れが強かったというか、その年にかけたかったという思いがおありのようで…。
絹: そうですね。平成29年度は大宮小学校100周年の年です。はじめは大宮小学校さんだけだったけれども、近隣の小学校も一緒にやろうよという話になったんですね。
実は私も本番の時に、ちょっと端っこにいさせていただいて、すごい良い経験をさせていただいたんですけど、お二人が当日のイベントで経験された逸話なんかを、いくつかご紹介いただけませんか。

●どうなることやら、ハラハラドキドキ
馬:  絵を描くにあたって、どういう色が必要なのか、事前にお聞きして準備をしていたんですが、なかなかうまくいってないところもありまして、ペイントの色がないということで、急遽こういう色を出せないかということで、用意している色から手探りで調合して求めている色を作ったということがありました。
絹: リスナーの皆さん、ちょっと想像していただけませんか。普段、真面目な硬い顔をして、「この工事、もうちょっとちゃんとせえよ」と言っているような監督側の発注者の人と、施工者の職人さんたちと仕事をやっている奴らが、裏方で一緒になって、ペイントの色を混ぜ混ぜしているんですね(笑)。笑うでしょう。
石: あっちこっちペンキをつけながらね(笑)。
絹: ほかに何か覚えておられることありませんか。
石: 小学校さんによっては、細かい所まで下書きをされている小学校さんや、ざっと下書きされる小学校さんや、下書きされない小学校さんもあって、下書きされない小学校さんについては、我々からしたら心配でして、「当日、大丈夫かな」と。でも、いざイベントが始まって、子どもさんたちが作業を始めると、やっぱり子どもさんの力って、すごいですね。迫力に圧倒されて、一気に描き上げて帰りましたけどね。一時はどうなるかと思いましたけど。

●御薗橋現場新聞のこと
絹: そしてそのお絵描きイベントだけじゃなくて、工事の説明をする資料を現場に置いたり、それから御薗橋現場新聞、ここに第7号というのがあります。こういう現場の進行状況を地域の人や小学校にわかりやすく、現場新聞を出している例って、あまりないんじゃないですか。
馬: そうですね。私も初めてですね。
絹: これは石垣さんが思いついたんでしょ?
石: そうです。
絹: 橋で今、こんな工事をしています。工程で今、最後の仕上げをやりますとか、所長さんとか、うちの現場の技術屋さんとか、にこっと笑って「こんな人たちがやっています」と、専門用語を使わず壁新聞みたいな感じで、ちょっとそこ説明をお願いします。
石: 地元の方や現場に近い小学校さん、中学校さんに、現場の塀に囲われた中で何をやっているのか、わかりやすいようにちょっとかみ砕いて、工事の進み具合とか、変わった建設機械の説明であるとか、そういったものを盛り込んで、月に1回、新聞を作って配布しています。新聞の中に私が作っているんですけど、「今月の職人さん」というのをトピックで一人選んで書いていまして、こんなことをしているんだというのを、地域の子どもさんたちに魅力アピールという形で、取り込んでいます。
絹: この号では東洋石創の忍穂(おしほ)さんという職人さんが取り上げられています。「世界遺産の上賀茂神社の表参道の架け橋である御薗橋の高欄を担当させてもらうので、すごい期待とプレッシャーを感じています」と、石をコンコンやっておられるのを、子どもも見てくれているんですね。
石: そうですね。うれしいですね。
絹: この工夫があったことも、小学生の皆さんが820人も来てくださったことに、ちょっと繋がっていたのかなという気がします。
石: 新聞を月に1回配りに、私が小学校まで行くんですけど、小学校に行くと目立つところに貼って頂いているので、「毎日、色んな児童さんが見てますよ」と先生がおっしゃっていただけるので、結構見てくれている人は多いのやなというのを感じました。

●てんやわんやでしたが、感動ひとしおでした
絹: さあ、今度は馬場さん。馬場さんもネタはいっぱい持っておられるでしょ?撮影アングルって、何ですか?
馬: 撮影アングルというのは、800人が来るので、どういったアングルで撮るときれいに写るかというのを、ぶっつけ本番ではなく、写真撮影の前に僕らの方で見て、このポジションでと設定したということです。
絹: だって静かに現場主体でやろかと言っていたら、そのうち副市長さんは来るわ、市長さんは来るわでだんだん大事になって、大変でしたものね。
でも撮影の後で子どもたちが、京都市の方々やうちの現場の職員たちと、「おっちゃんありがとう!」と言って、ハイタッチしたり、握手したりして、うれしかったなあ…。橋の部材のぶっとい鉄筋を撫でまわしている子もいましたよね。なんか不思議なイベントでした。
各地でこういう事に類するイベントは行われているようですが、自分たちが絡んで、近場で見せていただくと、また感動ひとしおみたいな。この子達、820人の中で将来うちらの業界へ、ちょっとでも来て!みたいな感じになりましたね(笑)。
石: 材料とか色々展示していたんですけど、手で持って実際に触ってみると、目の色が変わっていましたものね。
馬: 意外と食いつきは良かったですよね。

●「みっけ隊」のプレゼンもしました!
絹: それから京都市さんもご担当の方が出張って頂いて、※スマートフォンアプリケーションで建設局が開発された「みっけ隊」のプレゼンもされていましたね。
馬: そうですね。とりあえず広げていかなければならないものですから、色んな場面でピーアールしているところを、今回のイベントにも絡めてピーアールさせていただいたというところですね。
絹: この番組のヘビーリスナーの方なら覚えておられるかもしれません。同じく建設局から少し前にゲストに来ていただいて、一般市民がスマートフォンで公共施設のインフラの不具合を見つけた時に「道路に穴ぼこあるよ」とか「ガードレール曲がっているよ」とか気が付いた時に、パチッとGPS情報と写真をつけて、京都市の土木事務所に送ってねというアプリケーションを作られたんですよね。それが「みっけ隊」であると。京都市では市民の方々に、土木構造物やインフラの足元の事に興味を持っていただきたいと、京都市の高度技術研究所と京都市建設局が一緒になってつくりこまれた。それの解説をこの御薗橋のイベントでもなさっていたわけですね。
馬: お母さんがアプリ取っているよという子もいたんですよね。
※このみっけ隊アプリについては、第118回第123回にて特集しております。
宜しければこちらもお聞きください。

●足元の確かさを支える仕事と子どもたちと
絹: もう一つだけ、イベントあるいは御薗橋の工事全体で、忘れがたいお話とかありますか。
石: 私はこの御薗橋の現場で携わって2年近くになります。今、華々しく橋が架かっていますけれども、橋を支えている橋台とか橋脚という橋を支えるコンクリートでできた構造物を作った時の事が忘れられません。どうしても時期的に真冬につくらざるをえないところがありまして、冬にコンクリート構造物をつくった思い出がなかなか忘れられないんです。
絹: 本当は、コンクリートはあまり冷たい時に打ちたくない。だからジェットヒーターみたいなもので、ガンガン温めて寝ずの番をしたりするんですよね。でもきれいにできましたね。
石: そうなんですね。本当に温度計を見ながら、ヒーターの燃料が切れないようにお守をして、凍らないようにずっと見守っていたのが、なかなかやりごたえがありましたね。
絹: 全て現場の人たちの苦労、あるいは京都市建設局の人たちの苦労が、一般の方々に見えるわけではありません。さりながら今回の6月のイベントのように、一般の方々に来ていただいて、820人に絵を描いていただく、自分たちの足元に普段当たり前にある橋、道路、なでなでするように見ていただいた。それだけでもありがたいと感じてしまいます。
リスナーの皆さん、今日はちょっと変わったエピソードばかりでしたけど、お聞きになっていかがでしたでしょうか。皆さまの都市生活の足元を支える人たちが、ここにこうしておられます。その活躍というのは、普段は見えません。でも820人の小学生とその父兄たちが来てくださったように、見えないけれども足元にある確かさを支えることの大切さを、子どもたちの心に刷り込まれたイベントだったとしたら、ちょっとだけ期待が持てます。大切な事は実はちょっと見にくいのかもしれません。御薗橋に行かれることがあれば、こんなことがあったのかなと、もし思い起こしていただければ幸いでございます。
いかがでしたでしょうか。京都市建設局の道路建設課の馬場昭光担当係長と公成建設の土木グループの石垣修治所長というお二方をお迎えしての御薗橋イベント特集でした。また来てくださいね。
両名: はい、ありがとうございます。
絹: この番組は、心を建てる公成建設の協力と、京都府地域力プロジェクト、そして京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りしました。お二方、ありがとうございました。
投稿日:2017/08/01

第129回 ・リワーク施設では何がなされ、利用者は何を学んでいるのか

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成29年4月放送分>

鹿: 鹿野 麗子氏 (医療法人栄仁会 京都駅前メンタルクリニック
aaaaaaaaaaaa復職トレーニング専門デイケア「バックアップセンター・きょうと」)
絹: 絹川 雅則  (公成建設株式会社)
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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最新のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
それでは本日ゲストをご紹介いたします。今日は女性お一方です。ひょっとして、このタイプの専門家をこの番組にお迎えするのは初めてかもしれません。栄仁会 京都駅前メンタルクリニック 復職トレーニング専門デイケア「バックアップセンター・きょうと」臨床心理士の鹿野麗子さんでいらっしゃいます。よろしくお願いいたします。
鹿: はい、よろしくお願いいたします。

■第一章 復職トレーニング専門デイケアって、ご存知ですか?
●「もう一度、働きたい…」に、寄り添って
絹: さっきも申しましたが、臨床心理士の方をお招きするのは、本当に初めてです。少し緊張しております。
では、本日のタイトル、テーマを申し上げます。「うつ病などの休職者のための復職トレーニング専門デイケアが京都にあるってご存知ですか」と題してお送りいたします。副題として「リワーク施設では何がなされ、利用者は何を学んでいるのか」と題してお送りいたします。
リスナーの皆さんにお伺いしたいのですが、と言っても答えがこだまのように返ってくるわけではないのですが、「復職トレーニング専門デイケア」ってわかりますかね。「バックアップセンター・きょうと」って、何それ?という方は結構おられるのではないかと思います。実は番組進行の私自身がつい最近まで、この存在に気付いておりませんでした。そもそもバックアップセンターとは何ぞやというところから、鹿野さんにひも解いていただきたいと思います。お願いします。
鹿: はい、よろしくお願いいたします。
絹: どうですか?聞いたことのない人にどう説明されます?
鹿: まず栄仁会ということで、ご紹介いただいたのですが、私どもは医療法人でございまして、病院などを運営している法人になります。
絹: 確か宇治のほうに「おうばく病院」って、ありますね。
鹿: はい。「宇治おうばく病院」がございまして、そちらの系列で京都駅前にメンタルクリニックを持っております。
絹: 精神科領域では結構評判といいますか、知る人ぞ知るという病院じゃなかったですかね。
鹿: 歴史もあるかと思います。民間の病院ではありますが、精神科の病院として、京都の南のほうでは、割と知ってくださっている方もおいでになるのではないかと思っております。その医療機関が提供している復職トレーニング専門デイケアということになります。
この復職トレーニング専門デイケアとは何ぞやということですが、うつ病など、メンタルの問題で会社をお休みしてしまわれた方がいらっしゃっています。昨今、数も増えているように思いますけれども、長らく自宅で療養されていた方が、「さあ、会社に戻ろう」というときに、その前に少しこちらのほうでバックアップできることがないかということを考えました。
お仕事に戻られる前に、生活リズムを整えたり、体力をつけたりしていただきます。また、お仕事をされている時に、何かご自分の仕事のやり方の面でうまくいかなかったとか、物事の捉え方の面でうまくいかなかったとか、陥ってしまいがちな行動パターンでうまくいかなかったということがお有りだったと思うんです。
そういう事でお休みをされていて、戻るにあたって、うまくいかなかったところを少し振り返っていただいて、まさにリハビリですよね。ちょっと整えていただいて、考え直したり、練習ができたりといった場も提供させていただいています。もちろん毎日通っていただくことで、生活リズムがついたり、体力がついたりもするんですが、私どもでは専門のプログラムをご提供しております。

●こうした施設は全国で増えています
絹: このプログラムが、リスナーの皆さん、なかなか優れものなんです。実はつい先日、ワンデイですけど、リワークプログラムに通ってこられる方が受けていらっしゃるのと同じようなもの、どういうものを受けているのか想像できるようなものを、私自身が、総務の担当の者と体験させていただきました。
それですごく感心したのですが、その時にいただいた資料を、パワーポイントのスライドの写しをいただいておりますので、ちょっと読みますね。
「バックアップセンター・きょうと」というのは、うつ病だとか、ストレス関連疾患、それから双極性障害と診断された方で、職場復帰を目指している方のための復職プログラムを提供する施設ですということを、いの一番に説明していただきました。
こういう施設、あの時のセミナーで、全国的にもう160数か所あると教えていただきました。これはやはり厚労省だとか、そういうところが推進しているんでしょうか。民間がおうばく病院さんのような形で、それぞれが民間の力で推進しておられるのでしょうか。
鹿: 今の「リワーク研究会」という研究会組織は、公的なものではなく、民間の方が声を掛け合って集まっています。ただ個々バラバラなことをやっていても、効果がきちんと出るかはわからないので、なるべく全国どこで受けても、ある程度の品質といいますか、同じようなプログラムを受けて、再発防止ができるように取り組んでいます。
絹: テレビなどで「うつ病は心の風邪だ」というようなフレーズが流行ったことがありましたね。でもそんなに簡単に思っていいのかなと、最近僕は思うようになりました。こうやってリワークプログラムのように、ちゃんと編まれたプログラムを専門家の助けを借りて体験することで、復職への道が開けるというのが本当にあるんだなということを、この間見せていただいて、実は驚きとともに感激したんです。

●ご登録いただくにあたって、少し条件があります
絹: また概要のほうに戻りますけれども、どのくらいの人数の方が京都駅前の「バックアップセンター・きょうと」さんのほうに通われているんですか。
鹿: 一応、精神科・デイケアの枠組みで登録をさせていただいていますので、定員を36名ということで運営させていただいております。
絹: デイケアと言うと、高齢者のデイケアをすぐに素人はイメージするんですが、うちの80代の親もデイケアセンターに通ったりしていますけれども、ああいう形の精神科版のようなものをイメージすればいいんでしょうか。
鹿: より職場に近い形を想像していただきたいんです。職場の慣らし勤務に代わるような形で、お仕事をお持ちの方で、今お休みされている、いわゆる働き盛りの方と申しますか、老若男女が集ってきておられます。
絹: 学生さんじゃないんだよと。ちゃんと社会人で職を持っている人で、気分障害とかストレス関連疾患で現在職を休まれている方、休職中の方、一年以内に復職が見込めると判断される方、それからお医者様に通われていて、主治医の先生がリワークの段階に達していると判断されている方と、いろいろ、少しですけど、条件はあると。
で、その精神科デイケアという仕組みの中で、36人の枠で、集団でみんなと同じような悩みを持つ人と、一緒に助け合いながら復職を目指す。でもチーム戦ができない人は困りますよね。
鹿: 会社でもチームでお仕事をされていると思いますので…。
絹: だから一応、集団を乱さないでほしいという条件は守れるねというのは、最初にあるんですよね。
鹿: そうですね。はい。

●いわば、慣らし運転の場なのです
絹: スタッフの方のことをお伺いしたいのですが、36人の方を受け入れるバックアップセンター・きょうとのスタッフ、どれくらいおられるのでしょうか。
鹿: 曜日によって少し変化も出てきたりはするんですが、提供するプログラムによりますので、だいたい7名で対応させていただいている形になっています。
絹: ここに「おうばく病院」の冊子があって、そこに鹿野さんが写っていらっしゃるのもあって、こういうのを見ると、精神科のお医者さん、看護師さん、精神保健福祉士さん、作業療法士さん、臨床心理士さんとかなりの種類の専門領域の方が寄っていらっしゃって、分厚い布陣だなというふうに感じました。なかなかこれだけの人が同じ場所にいて、隣には精神科クリニックが併設されていて、一般のカウンセリングなんかも、あるいは診察や治療行為なども隣の診療所ではなされていて、その隣のリワーク施設は、会社の会議室の少しくだけたような、居心地のいい、図書室とも見えるような…。
鹿: 談話コーナーとでも言いましょうか。
絹: セミナーなどを受けるのに適したような明るい部屋がありました。
リワークプログラムと言うか、休職していた方が復職したいと思う時に、いきなり以前の職場に戻って「さあ」というよりも、慣らし運転する場所があったらいいんじゃないのという考え方ですよね。
鹿: そうですね。

■第二章 具体的な内容を、少しお話ししましょう
●プログラムには3つの段階があります
絹: その慣らし運転のバックアップセンターでなさっているプログラムについて、リスナーの皆さんが想像しやすいような情報をいただきたいのですが。
鹿: 36名の方々が通ってこられていると申しましても、治療段階と言いますか、回復度合いは個々様々なわけです。ですので内部では3段階に分けております。ステージ1、ステージ2、ステージ3ということで、まず通い始めの方々は、生活リズムをつけていくとか、集団に慣れるというところを主眼に置いて過ごしていただく期間があります。ですのでお家でゆっくりお休みされている方が、いきなりリワーク施設に行ってどうしようと心配になられなくても、まずは通ってみていただければと思います。
みんながいる所でちょっと座って、静かに読書をしていただくとか、読書もちょっと頭に入りにくいという段階の方もおられるので、そういう方にはパソコンソフトを使って脳トレという簡単なゲームをしていただいたりとか、ペーパークラフトと言いまして、型紙を切り抜いて貼り合わせて作品を作っていくということで指先のトレーニングになったり、大勢の人と同じ場で過ごすという時間をつくっていただくことで、人がたくさんいる場に慣れるという段階を設けていまして、それがステージ1という段階になります。
そこでリズムがしっかりついて、通ってこられるようになりましたら、次のステージ2という段階になりますので、そこで初めて私どもの施設がご用意している講座を受講し始めていただくことになります。2つの講座をご用意していまして、コミュニケーション講座というものと、ストレスマネジメント講座というものをご用意しています。

●2つの講座をご用意しています
絹: ストレスマネジメント講座って、興味ありますね。やっぱり精神的に落ち込みすぎたり、しんどくなって休んじゃうという人は、ものの本によりますと、認知のゆがみというような、考え方や行動様式に癖があるそうです。素人なりの見解ですけど、すごい能力があって、誠実で真面目で、やる気もあるのに、「そこまであんた、自分を責めんでいいやん」というタイプの方がわりあいガクっとなるような気がするんですが、どう思われますか。
鹿: そうですね。そういう方って、やはり柔軟性に欠けるところがおありになるのかなと思って。真面目一本やりで、もちろんうまくいったり、成果もあげてこられたから、それでずっと来たのでしょうが、やはり今、変化の多い世の中ですので、それだけではうまく対応できないという局面で、しなやかに柳のように揺れたらよかったんでしょうが、そこがぽきっといってしまうということなんでしょうか。
絹: 元気な時にはすごく業績を上げてくれたりとか、後輩の面倒を見たりとか、音頭を取って中心的にリーダーシップを発揮したりしていたのが、ぽきっと行ってしまったのが、わが社でもありましてね。実際にその人、「バックアップセンター・きょうと」さんで、うちの第一号として、お世話になっているんです。それまでそういう経験をわが社ではしたことがなかったので、すごくびっくりしたとともに、そういう場所が世の中にあったんだということを教えてもらってよかったなと思っています。世の中にそういうものがあるよという存在を教えてくださった方がいて、「あなたそういう勉強をしたことがないでしょう」と言われ、「えー…」となったのですが、でも、いいですねえ、すごく。
鹿: 勉強という意味では、学校や企業の中で、「ご自身の考え方を振り返りましょう」とか、「行動を分析してみましょう」というようなテーマはないですよね。「人に上手にものを頼みましょう」とか、「うまく断りましょう」みたいなことはあまり学んできてないじゃないですか。ですので、そういうことをここの施設でやらせていただいている面もありますね。
絹: 徐々にバックアップセンターって、どんなのかイメージが持ててきたかもしれません。ここで鹿野さんが実際に現場で感じられた印象深いエピソードがあったら教えていただけますでしょうか。
鹿: 先ほどステージ2のところで話が終わってしまったのですが(笑)、ステージ3という段階もありまして、そういう講座も受けて、だいぶ心身ともに安定してこられて、もう少し負荷がかかっても、お仕事に近いようなテーマを持ってもできそうだという方にステージ3という段階で頑張っていただきます。
絹: 課題図書の要約、例えば『うつ病からの復帰』というような専門文献を…。
鹿: 『うつからの社会復帰ガイド』という図書ですね。
絹: それの要約をレポートでまとめるといった作業もこちらであるというふうに教えていただきましたが。それはステージ2、3どちらになるのでしょうか。
鹿: それはステージ1の間にやっていただきます。

●回復を目の当たりにしながら
鹿: 感慨深かったことということで、お題をいただいたので、そのお話をしますと、やはり1,2,3と上がっていくというのは、変化していくということを目の当たりにしますので、最初活気なく、来るだけでしんどそうにされていた方が、本当に回復してこられて、表情も明るくなり、活気も出てきて、周囲とコミュニケーションもできるようになり、お仕事に近いようなワークを過ごしていただいて、「戻っていきたいんです。いつ僕、戻れますか」というふうにスタッフに話しかけてくださるというのは、本当に実感できる喜びとして挙げられまして、スタッフは等しくそのように感じているのではないかなと思います。
私があともう一つ思っているのは、メンタルの病気になって復帰される方は、もしかすると今までやってきたことをあきらめねばならないとか、今までとは同じようには働けないみたいな、どこかあきらめのような、レッテルを貼られてしまったような、そんな感覚をお持ちではないかと思うのですが。
絹: それはもし復職を果たしたとしても、従来の部署に戻れないだとか、あるいは100%のパフォーマンスを発揮できないというふうに、周りから見られちゃうんじゃないのという心配を、不安を抱えちゃう。

●復職後のパフォーマンスがかつてより上がるケースもあります!
鹿: そうですね。周りからみられる心配もありますし、自分自身もできないのではないかと考えがちだと思うんですね。ただ私はリワークに関わっていて見ておりますと、プログラムでいろんなことを勉強されて、いろんな訓練をされるんです。そうすると今までなかった考え方が増えたり、今までしてこなかった行動パターンが増えたり、一人で抱えることが必ずしも良いパフォーマンスにつながらないということに気付かれたりするわけです。
絹: 例えばSOSが適切なタイミングで出せるようになるとか…。
鹿: そうです、そうです。逆にしんどそうな人に気付いて、声を掛けられるようになるということもあるでしょうし。
絹: 自分がしんどかったから、あいつもきっとしんどいに違いないと思える。
鹿: ええ。ですから助けたり助けられたりというような体験が、職場の中でも起こってくると、職場自体も風通しが良くなってきますし、その方自身も休む前と仕事のやり方が変わるので、パフォーマンスが上がる可能性も大いに秘めているんです。
絹: それって、すごいことですね。助けたり、助けられたり、ある種理想で、健康的な組織の姿ですし、追い求めて、なかなかそこに行きつけずにあがいている日常というのは、私にもありますけれども、復職後のパフォーマンスがかつてよりも上がるケースすらありますよと。

●OB交流会のお話から
鹿: そうなんです。そういうお姿を拝見できる機会があって、OB交流会というものを、私どもでは持っているのですが、職場に戻られた方が定期的にこちらのリワーク施設に土曜日に時間をつくって来ていただいて、近況を報告していただています。
そうすると「いや、実はこんな仕事をしているんですよ」とか、「こんな資格をとったんですよ」とか、「実は部下をもつことになりまして」といったお話を聞くと、「ああ、本当に変わられたな」というふうに実感できるのは、とてもうれしいですね。
絹: 今、復職プログラムに参加した人の中で、かつてのパフォーマンス以上の仕事のしかた、ものの考え方、感じ方が変わったことによって、昇進の実例すらあるんですよという、何かすごくほっとするエピソードを教えていただきました。
で、実際にこういうリワークプログラムを利用する、参加するにあたって、少し注意事項もございましたね。できればどの段階で来るといいよというのは、ありましたか。

●なるべく早い段階で、まずはご相談ください
鹿: もうギリギリの残り一か月しか休職期間がないというようなタイミングとか、傷病手当金が切れてしまうというようなタイミングで来られると、焦燥感ばかりが募ってしまって、腰を落ち着けて取り組めないということが起こってくるかと思います。
できうるなら少し起きている時間が増えてきて、お医者さんからも「少しお散歩とかにも行った方がいいんじゃないの?」とか、「家族と外出してみたら」みたいに言われる程度になられましたら、こちらのデイケアにショートケアという3時間のご利用の枠組みもありますので、ご利用頂けたらと。
絹: 「トライアル利用とかもあるよ」とおっしゃっていたものですか?
鹿: トライアル利用はまたちょっと別の仕組みなんですけど(笑)。
絹: まずは床上げして、3時間くらい動けるようになった段階で、こういう復職プログラムに参加すると、再発の率が結構下がるのではないかというデータが…。
鹿: 長く通っていただく期間を持てば、しっかりプログラムも最初から最後まで受けられます。私どもの施設では、先ほど申し上げたコミュニケーション講座も、ストレスマネジメント講座も、全15回で構成しておりますので、受け終わるのに3か月半かかるんですね。ですからそれを受けないままに戻っていかれるのは、やはりもったいないという気持ちもありますので、余裕がある時に来ていただくと心配せずにゆっくりお使いになれると思います。
講座を受けるということも期間がかかりますし、そこまでに到達するまでに慣れるということも、なかなか慣れない。来ると決めたけれども、実際来はじめると毎日来るのがつらいということも起こってきます。そういう慣れる期間を十分とった上での講座スタートという導入をしたいと思っていますから、慣れる段階であれば、それこそ床上げして、しばらくしたらお昼からでも来ていただいて、3時間過ごして帰っていただくというご利用の仕方から、徐々に慣れていっていただいて、午後に来ていたものを午前に振り替えて進めていくこともできますので、ギリギリというよりはなるべく早い段階で、まずはご相談いただくのがよろしいかと思っています。
絹: リスナーの皆さん、いかがでしたか。すごく大切で、深くて、重いテーマのほんのさわりを鹿野さんの協力でお送りいたしました。リワークプログラム、バックアップセンターというものの存在をぜひ意識していただけたらと思います。また第二回続けていきたいと思います。
この番組は、心を建てる公成建設の協力と、京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りしました。鹿野さん、ありがとうございました。
鹿: どうもありがとうございました。
投稿日:2017/04/25

第128回 ・OPEN DATAの開く近未来

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成29年3月放送分>

 

清: 清水 和孝氏 (京都市 総合企画局 情報化推進室 行政情報化推進係長)
絹: 絹川 雅則  (公成建設株式会社)
 IMG_20170216_170844
 左絹川 右清水氏
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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た、京都の元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最前線をご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日のゲスト紹介です。本日はお一方、京都市からお越しいただきました。京都市 総合企画局 情報化推進室 行政情報化推進係長でいらっしゃる清水和孝さんです。清水さんお願いいたします。
清: お願いいたします。
絹: 清水さんと初めてお会いしたのは、2月4日、あるすっごい濃密なイベントでお会いしたんです。その名も「オープンデータ・ロボット活用イベントin京都」、新たなICTを使って未来に繋がるイノベーションを考えましょうよというイベントだったんですけど、その進行だとか裏方だとかで大活躍されていた清水さんにお越しいただいて、リスナーの方にも「なんかこれ、すごかったよねえ」というのをお伝えしたくて、今日来ていただきました。
番組タイトルとテーマですけど、「OPEN DATAの開く近未来」と題してお送りいたします。清水さんどこから行きましょうかね。

■第一章 「オープンデータ・ロボット活用イベントin京都」おもしろかったあ!
  ●オープンデータって、いったい何?
清: そうですね。2月4日の「オープンデータ・ロボット活用イベントin京都」について、少しご紹介したいと思います。
絹: 行ったことがない、参加したことがないよという方に、「何がどう面白かったの」というのを、企画された裏方としての清水さんの立場として、少し解説を加えていただけますか。
清: 面白かったと言っていただけると、我々イベントを開催させていただいた者としては、非常に有難いと思っております。このイベントは京都市役所で、今回、オープンデータのポータルサイトを開設して、いよいよ京都市でもオープンデータを全庁的に推進していこうというなかで、市民の方、団体の方、企業の方、大学の学生さんも、こういった動きを知っていただきたいとの思いの中で、2月4日にイベントを開催させていただきました。
絹: そもそもオープンデータって、よくわからない方もおられるかもしれませんよね。オープンデータがきちんと使われるということ、あるいはそもそもオープンデータとは何なのか、少しそこを「ひらがな」にしていただけますか。
清: 一般的に、行政機関が保有する公共データのうち、いわゆる二次利用と呼んでいるんですが、色んな形でデータを使っていただくことができるというもので、さらに今まさにICTの時代ですので、機械判読に適した形で、公開したものをオープンデータと呼んでおります。

●機械判読できると、どんないいことがあるの?
絹: 今、「機械判読」というちょっと難しい言葉が出ましたけれども、電子データでも例えば、PDFファイルを貰った日にはちょっと使いにくいよねということがありますよね。それを行政の方が持たれる膨大なデータを一般の人がそれを使って活用しやすいようにする。また、データを貰ったけど、再度読み込んで加工したりして、ジャマくさくてしかたがなかったのが、CSV形式のように、そういった手間が省けるようになると、何かすごいことが起きないかしらというところがあるんですよね。
清: はい。機械が読めるというのは、今、お話に出た例えばPDFですと、人間の目で見ると非常にわかりやすい形なんですが、機械ではどこに何が書いてあるかわからないということがあります。スマートフォンやパソコンなど、色んな機械が身近に使われているかと思うのですが、そういったものでデータを活用していこうとした時に、やはり人間の目で見ただけでは使い勝手が悪いということがあります。そこで先ほどのCSVといった形式で、色んなコンピューターで扱いやすいのが、オープンデータとして適しています。

●データを徹底的に開放せよ!-京都府と京都市が相互乗り入れに
絹: 2月4日のすごいイベントを、京都府さんと京都市さんが中心になって企画されたのですが、初めの来賓あいさつで、僕、ビビりました。内閣官房からIT総合戦略室の企画調査官さんが挨拶に立たれたり、総務省からは情報流通振興課の企画官、それから早稲田大学の政治経済学術院の稲継教授、それから京都府の政策企画部の梅原副部長が、Pepperと掛け合いの漫談みたいな挨拶をされて…。既に京都府と京都市が共同してこういうことに当たろうとされている。データも乗り入れようという精神を、まさに表現されていましたね。
清: はい。本当にスマートフォンとパソコンとタブレットだけではなくて、今やロボットのPepperが人間の代わりにしゃべってくれるとか、そういう時代になってきているということで、そういった機械、コンピューターが使えるようなものを、これからどんどん出していくというのが、非常に重要なところではないかと思っています。
絹: もう一度復習させていただきます。清水さんに解説していただきましたが、オープンデータとは、官庁あるいは民間の持つデータ、情報を、民間が二次データ利用できる形で広げていこうぜ、という動きであるようです。そしてこれは先般、未来投資会議という会議が中央省庁であったそうですが、安倍総理のコメントで、「データを徹底的に開放せよ」と。それがこれからの超少子化社会、人口減少社会を乗り切っていく、1つの大事な柱になるかもしれないという意識で、中央からも、われらが京都府、京都市に対して「こういう動き、頼むぜ」というような期待を寄せられていると思ったらいいのでしょうか。
清: はい。本当にデータをどんどん開放して、もしくは公開して、皆さんに使っていただくということです。それによって日本全体の経済が活性化したり、市民の方々に使っていただくなかで、「京都って、こういうまちだよね」ということを理解していただくのに、よりデータを使ってみていただこうということかと思っています。

●事の起こりは東日本大震災でした
絹: リスナーの皆さんにイメージを持っていただくにはどうしたらいいですかね。オープンデータが皆さんに意識され出したのは、いつごろからでしたかという話がありましたよね。東日本の震災以降だということ、あれはどなたのご挨拶だったのか、稲継先生でしたっけ?
清:  そうだと思いますね。すみません、そのあたりは私も裏方でおりましたので(笑)。
絹: 東日本の震災の時に、どの道が通れるんだろう、避難所はどこにあるんだろうって、みんなでデータが共有できれば、もっと色んな人が助けられたのにねという問題意識があちこちで言われたらしいですね。
清: やはり避難所に到達するのに、災害が起こったら通れないですよねというところを、車の位置情報や実際に走っている情報をデータとして扱えば、どこの道が通れるか、そこに避難物資が届けられるということがわかってくるということです。
絹: 例えばカーナビゲーションの情報で、震災の後、走り回っているデータ、これはビッグデータと呼ばれる範疇でしたよね。それが一般の方が使えて、加工しやすいように。それと行政が持つ避難所情報、「この避難所が生きてる」、それから支援に入っているNPOが「この物資が足りない、足りている」という情報が、もしうまくリンクできるとしたら、「何が起こったのだろう、起こるのだろう」ということがわかるというイメージの仕方でいいですか。
清: そうですね。まさにオープンデータだけで全て解決するというわけではなくて、やはりビッグデータやオープンデータの避難所の場所の情報などを実際に使えば、どこに物を届けたいのか、どこで困っている方がいらっしゃるのかというようなことがわかってくるのではないかと思います。

■第二章 どんなアプリケーションがあるの?
  ●歩くまち京都アプリー例えばバス停の位置や乗り継ぎや…
絹: では京都市の行政情報をオープンにしよう、あるいはデータを集めて開いていこうというので、いくつか既にスマートフォン用のアプリケーションが開発されているそうですね。情報化推進室に異動になられる前は、清水さんは京都高度技術研究所におられたという経歴の持ち主ですから、ちょっとその辺についてお聞きします。
次世代統計アプリ」とか、あるいは「歩くまち京都アプリ」、「京都はぐくみアプリ」この辺の解説できるところと言いますか、ネタをお持ちですか?
清: 例えば「歩くまち京都アプリ」は、非常に多くの皆さんが使われているアプリです。観光客の方が、今いる場所からどこに行きたいか、どこどこのお寺へ行こうということだけがわかっているという状況のなかで、市内の移動となるとやはりバスということになるかと思うのですが、それをどのように乗り換えていくのか、乗り換える前にそもそもバス停がどこにあるのかといったものを案内していただけるアプリになります。
絹: このアプリケーションは京都高度技術研究所がやったのですか?
清: もともと国の実証実験のなかで、オープンデータというのはこういうことで使えるよねということで取り組まれているものです。
絹: ほう、わかりやすい事例としてオープンデータって、こういう活用の仕方があるのを、皆さん見ていただけます、使ってくださいという感じでやったのですか?
清: そうです。バスの位置というのは、公共のデータでしかないというところがありますので、そういったものをより使って行こうということです。実際には実証実験という形になりますので、まだまだこれから改善の余地等は出てくると思うのですが、非常に使っていただけるものになっているのではないかと思っています。

●みっけ隊アプリー道路の危ないとこ、みっけた!
絹: それともう1つ、実証実験でひっかかりましたけど、私自身も「みっけ隊アプリ」の実証実験にちょっとだけ参画したことがあります。リスナーの皆さん、覚えていらっしゃいますでしょうか。何か月前かのこの放送で「みっけ隊アプリ」の関係者にゲストに来ていただきました。京都市の建設局の藤井那保子さん以下、あれは非常に面白かったですね。
レポーティングアプリの一種ですか、市民の皆さんが「道のここに穴があいてる、亀裂が走っている、危ないよ」と気が付いたら、パチッとスマートフォンで画像情報と位置情報とコメントを載せて「ここ、直してね」と土木事務所に連絡してくださるというアプリです。あれが集約されるとすごいことが起こったわけです。
清: 市民の方が直接「こういう所が悪いよ、壊れてますよ」という情報がいただけるというのは、我々としても非常に有難いお話です。また、実際に京都市が修繕したということになれば、連絡をされた方にとっても、自分の参画した内容が行政に伝わって、自分のまちが活性化していくのを実感していただけるのではないかと思います。良い取組をさせていただいていると思っております。
絹: もしそういう市民のボランタリーな協力がなかったとなると、行政担当者が全部回って、あるいは我々のような建設業者がチェックしてとなると、当然手が足りませんよね。予算も足りない。でも地域の人が、心ある人はそうやってわが町の大切なインフラが壊れていることに気が付いたら、せめて「直してよ」と言う事くらい、言うよと。直すのに時間がかかったら「あれ、どうなったのかな」と土木事務所などのホームページにアクセスすると、「これは直しました」「これはまだです。優先順位はこちらが高いです」「京都市の予算も限りがあるので、もうちょっと待ってください」ということをやってらっしゃったんですね(笑)。
清: そうですね。やはりそこのベースになっているのは、データだと思いますので。
絹: 市民の方々がデータを寄せてくださると。だから民間がデータに参画する、それと京都市が既にお持ちになっているインフラの位置情報とか、年齢情報とかと関わるというわけです。

●子育てアプリー定期検診やイベント情報や…
絹: さあ、もう1つ行きましょうか。「子育てアプリ」を教えてください。
清: 「子育てアプリ」は様々な部署で子どもさんに関わる色んな情報、定期検診であるとか、お子様に関するイベントなど、それぞれバラバラで出されているのを、自分の住んでいる行政区でどういった事が行われているのかをまとめて知って頂くのに、非常に役に立つアプリではないかと思っております。
絹: これ、実は僕知らなかったんです。もう子育て世代からだいぶ歳を取っていますから。でもお母さん方には役に立つアプリかもしれませんね。
清: そうですね。「子育てアプリ」は、今そういった形で京都市としてアプリを提供させていただいているんですが、色んな情報については、これからこのオープンデータポータルサイトに載せていきますので、それを使って子育て以外の環境であるとか、交通であるとかにも使っていただけるようになるかと思っています。

●データは二次利用(複製、再配布、加工、編集等)も商用利用も可能です!
絹: 持ってきて頂いた資料に“京都市オープンデータポータルサイト「KYOTO OPEN DATA」開設!11月30日”とありますが、ぜひリスナーの皆さん、ここに一度アクセスしてみていただけませんでしょうか。
清: 実際に使うのも無料で、持っているデータもオープンデータということで、手軽に使っていただけるものです。
アクセスして問題があることもなく、何か取られるということもないので、お気軽に使っていただければと思います。ただ、使われる際には京都市の出典であるということを表記していただく必要があります。
絹: 要するに仁義だけ、出典を明記さえすれば、二次利用、複製、再配布、加工、編集大丈夫よ、と。それどころか商用利用も、ビジネスに使ってもらってもいいよと。太っ腹な感じです。
清: 逆に使わない方が損なのではと思いますので(笑)。
絹: 現在公開されているデータですけど、平成29年1月25日現在のものですけど、222件の情報が公開されているそうです。ファイル数では8,000弱。例えば観光データというところを見ますと、地下鉄時刻表、市バス時刻表、観光施設情報、それから位置データは避難所、AED設置場所、公共施設、また各種統計データは、人口動態調査。これから一般市民の方が「もっとこういうデータがオープンにならないの?」という希望も言っていいんですよね。

●オープンデータのコンシェルジュデスクとお考えいただければ
清: このポータルサイトにお問い合わせというところもつくっておりますので、そこに皆さんのご希望の点であるとか、こういう活用ならもっとできるよねというところも教えていただければと思っております。ポータルサイトにデータだけが載せてあるということではなくて、「このデータを使ってこんなことをしてみたよ」という活用事例であるとか、「このデータを使って、こんなアプリができました」というようなアプリ一覧も載せさせていただいております。
絹: いいですねえ。オープンデータに関するコンシェルジュデスク的なものだと思えばいいですかね。
清: そうですね。そこを見ていただいて、自分ならこんなことができるよね、というふうに思っていただくのが一番いいかなと思います。
絹: さて、時間もだいぶ押してまいりましたが、もう1つ2つオープンデータの導く近未来をイメージしていただきやすいエピソードを、行きましょうか。

■第三章 近未来を、ちょっと覗いてみましょう
  ●鯖江市のこころみーHana道場
絹: 鯖江市、これは福井県ですね。何かここはオープンデータシティと呼ばれているそうですね。
清: データシティ鯖江」ですね。
絹: この間のイベントに鯖江から来られた方がすごく面白いコメントをされていたんです。「鯖江市では3Dオープンデータを使ってリアルに鯖江市上空を、例えばドローンで飛び回るようなアプリケーションが、その気になれば3分でできる仕組みをつくっているよ」と。オープンデータ伝道師の福野泰介さんという36歳の方が熱く語っていらっしゃいましたよね。そういうデータを鯖江では他にもオープンにされていて、「市内には渡れる橋が420橋あるけれども、その中で一番年上の橋は何歳?」と聞くと、「91歳」と答えが出てくるそうですね。構造物の寿命が50~60年とすると、「うわ、すごい古い」というのが、一般の方にすごくイメージできますよね。それから防災活用できるように、消火栓の位置とか…。
そのオープンデータ伝道師の方から、「IchigoJam:イチゴジャム」というすごく安いパソコンを使って、子どもたちにプログラミング道場の「Hana道場」というのをやっていらっしゃるというのを聞いたんですが、その辺について少し…。
清: 「Hana道場」は私は存じ上げてないのですが、この「イチゴジャム」というのは、私がパソコンを始めて触ったのが、高校時代なんですが、その時は非常に高額なパソコンだったわけですけど、今、それと同じ性能のものが実は100円のCPUでできてしまうという(笑)、そういうものでございまして。
絹: とんでもない進化ですね。
清: コンピューターが安いので、どんどん安い物を使いましょうよという思想と、実際に昔にあったパソコンと同じようなスペックで、昔触っていた我々世代が、子どもたちに教えることもできるということで、新しい小学生とか、子どもさんたちに、別の世代が教えていくということで、地方創生で、取り組んでおられるとお聞きしております。

●プログラミングと子どもたちの成長と
絹: 「Hana道場」って、そのプログラミング道場では1日に1つのプログラムをつくるぞというような教育がなされていて、なんと小学校1年生でプログラミングにはまっている子どもたちが現れていると。そういうアプリケーションを使って、例えばイノシシ被害を里山で減らすために、檻を使った罠猟師さんの効率を上げるためのプログラムができたりしたそうです。去年17頭しか獲れなかったのが、今年は91頭獲れたよとか、どんな仕組みなんですかねえ。
清: そうですね(笑)。プログラムをつくっているのは、お子様であったり、色々な方々ですので、本当にいろんな発想、アイデアでつくられているかと思います。その色んな発想の元になるのがデータだと思うので、そういったものでつくっておられるかなと思います。
パソコンを触って、自分で何かつくって、何かを動かすことによって、「何かをやってみよう」というモチベーションにもつながって来るかと思いますので、子どもさんたちがそういう風に思われると、「じゃあ次、何か新しい事をやってみよう」「これで何か次、面白いことができないかな」とどんどん発想が膨れ上がっていくのではないかというふうに思っています。
絹: 2020年には小学校でもプログラミングの必修化が予定されている。少子化、あるいは超少子化社会日本の地方都市で今までと同じような生活、便利さを享受しようとすると無理が来るところがある。行政の能力にも予算にも限界がある。それを行政が持つ、民間が持つオープンデータの情報を加工する、それも一般の方と知恵を出し合って一緒に、老いも若きもアプリケーションをつくりだして、生活をサポートしあおうよという動きにかもしれません。ちょっと超躍しすぎですか(笑)。

●近未来はデータと共に動くことで変えられる
清: オープンデータというのがキーワードになっていますので、少し技術的なところがあるかと思うんですが、元々はオープンガバメントですとか、最近ではオープンガバナンスと言われています。
オープンガバメントというのは開かれた行政ということで、ICTを使ってどんどん行政の持つ情報などを市民の方に知って頂こうというものです。昨今ではオープンガバナンスと言って、そういったデータとか情報など、行政の持っている資産をどんどん活用しながら、市民の方も企業の方も地域活動とか、経済活動のなかで変わっていこうというような動きが出てきているのではないかと思っています。
絹: リスナーの皆さん、今日はオープンデータ、ロボット活用というところに本気で汗をかいて、工夫している京都市の総合企画局の清水さんにゲストとして語っていただきました。近未来は本当に我々がデータと共に動くことで変えられる。そんな気がします。その中ではやはり行政と民間の我々がいかに手を結ぶか、そんなところが大事になってくるのかもしれません。
いかがでしたでしょうか。リスナーの皆さん、ぜひオープンデータポータルサイトを覗いてみてください。清水さんたちの足跡が見えるかもしれません。
この番組は、心を建てる公成建設の協力と、京都府地域力再生プロジェクト、および京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りしました。
投稿日:2017/03/31
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