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まちづくりチョビット推進室
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まちづくりチョビット推進室

京都府地域力再生活動
京都三条ラジオ・カフェ(79.7MHz) にて、
『まちづくりチョビット推進室』という番組を下記の予定で放送中です。
放送日時は第3、第4土曜日(15:30~16:00)
(詳細はラジオカフェのページでご確認下さい)
『まちづくりチョビット推進室』は、
「京都市景観・まちづくりセンター」と、平成25年、26年度の間、共同企画で行っておりました。
   
  過去のアーカイブはこちらをご覧下さい。
 

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第142回 ・”みんなごと”のまちづくり推進事業 ~ひとごとではなく、「自分ごと」、「みんなごと」としての協力とは?

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成30年11月放送分>

坂: 坂巻 譲理氏(京都市総合企画局 総合政策室 市民協働推進係長)
牧: 牧野 杏里氏(京都市総合企画局 総合政策室 市民協働推進コーディネーター)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
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左 坂巻氏  右 牧野氏
絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最新のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト、近い所から来てくださいました。いわゆる御池城、京都市役所総合企画局からお二方をお招きしております。ご紹介します。坂巻さん、どうぞ。
坂: 京都市総合企画局 総合政策室 市民協働推進担当の坂巻と申します。よろしくお願いいたします。
絹: よろしくお願いします。坂巻譲理(ゆずる)さんです。そしてもう一方。
牧: はい、私は市民協働推進コーディネーターをさせていただいております牧野と申します。よろしくお願いします。
絹: 牧野杏里さんは、私とは都市計画局系の財団である京都市景観・まちづくりセンター(※通称:まちセン)で、ひょっとしたらすれ違っていたかもしれないという…。
牧: はい、実は5年ほど前にすれ違っております(笑)。
絹: ということで、お二方をお招きしてお送りいたします。
さあ、今日の番組のタイトル、テーマですが、「“みんなごと”のまちづくり推進事業~ひとごとではなく、”自分ごと”、”みんなごと”としての協力とは?」と題してお送りいたします。
ゲスト紹介で、総合企画局の市民協働推進の係長さんとコーディネーターさんということで、「なんか肩書が長くてよくわからん」と、リスナーの皆様は思っていらっしゃるかもしれません。そこでいつものように番組進行者が手を抜きまして、ゲスト紹介に代えて、他己紹介というのをやります。
それでは杏里さん、坂巻譲理さんとは、いかなる人物ぞ。短く述べよ(笑)。
牧: なかなか改まって言う機会がないんですけど(笑)。坂巻さんは、私の目の前に座っている、いかにも行政マンという見た目の感じですけど、話すとすごく女性的な、すごくきめ細かい心遣いが端々にあって、私よりも女性っぽいなと思う瞬間のある(笑)、やさしい人です。
絹:  ほう、フェミニン坂巻(笑)。ありがとうございます。それでは今度は坂巻譲理さん、牧野杏里さんとはいかなる方ですか。
坂: フェミニン坂巻です(笑)。牧野さんは目の前の席に座っているんですが、常にペットボトルとかジュースとかが4~5本あって、だいたいトマトジュースは置いてあるんですけど(笑)、「この人は一日にいったいどれだけジュースにお金を使っているんだろう」と不思議になる感じの方です(笑)。
絹: わかりやすい一面を、ありがとうございました(笑)。リスナーの皆さん、こんな方お二人が来てくださいました。では、エピソード1に入ってまいりましょう。
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■エピソード1 ”みんなごと”のまちづくり推進事業って、なあに?
    ●”みんなごと”と考える市民の皆さんをご支援していきたい
絹:  「”みんなごと”のまちづくり推進事業」って、たぶん知っている方は知っているけれども、知らない方は知らないという用語ですから、まず基本からお願い致します。
坂:  これまで行政は、まちづくりに対して主に補助金を出すというパターンで支援していくことが多いと思うのですが、過去の経過も踏まえて、今、市民の皆さんがそれぞれ、まちづくりを”自分ごと”、”みんなごと”として考えて行動していこうという団体さんが増えてきていまして、それを行政として支援していこうとやっております。
絹: 皆さん、ちょっとイメージしていただきたいんですけど、古いステレオタイプの市民、例えば絹川というおじさんがいたとします。「ワシ、市民税払てるし、街路樹の銀杏の葉っぱ、ワシんとこの家の門の前にいっぱい溜まってるし、臭いし、掃除しに来て」というのが古いステレオタイプの市民Aの姿です。一方で、「僕らは税金払ってるけど、できる事は自分でやるし、なんぼ京都市が大企業で、社員数1万人いたとしても、予算は限られてるやろ。できる事は手伝うわ。行政だけではアイデアもわかへんやろ。これ、一緒にやらへん?」というのが、新しいタイプ市民A’の姿です。どっちかな、皆さんは(笑)。
そしておそらくは「みんなごとのまちづくり推進事業」というのは、そういう新しいタイプ市民A’の声を束ねて、「一緒にやろうぜ」という、言いだしっぺを集めておられるような組織になるんですか。
 
●「まちづくり・お宝バンク」ってなに?
坂:  そうですね。実はこの「みんなごとのまちづくり推進事業」の根幹に、「まちづくり・お宝バンク」という仕組みがあります。例えば家の近所の川が汚れているとか、先ほどお話にあった銀杏の葉が落ちているというようなことがあれば、それをどうやってきれいにしていくか、例えば掃除の風景などをインスタグラムなどにあげたり、楽しくみんなを巻き込んでやろうとか、そういったマイナスのものをプラスに代えてまちづくりに取り組んでおられる団体が、今307件ほど登録しておられます。より清掃活動を楽しくやるとか、建物をもう少しきちんと保存していこうとか、色んな活動をされている団体が繋がって、活動が活性化していくための仕組みが、「まちづくり・お宝バンク」という提案制度になります。
絹:  イメージしていただきやすいように事例をちょっとご紹介したいと思います。フェミニン坂巻さんがおっしゃった、繋いでいくという話について、最近のゲストなんですよ。「七条大橋ライトアップ2018を応援してください」というチーム、これの母体は「七条大橋をキレイにする会」なんです。
坂: はい、お宝バンクに登録しておられます。
絹: でしょう?小林明音さんとか、酒谷宗男さんとか。彼らは毎月7のつく日に七条大橋をキレイにしようとお掃除を始めた。で、なんでか知らんけど、人がわらわら集まってきて、勝手に盛り上がってしまっていると。なんか土木遺産としての七条大橋を大事に愛して下さるというのは、建設屋としては涙が出るほどうれしいんですけど、例えばそういうことですね?
坂: はい、そういうことです。
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●プロから技術的なアドバイスをもらえます!ー市民サポーター派遣制度
坂: この「まちづくり・お宝バンク」というものを根幹に、それぞれの提案が実現できるように、いくつかの制度があります。例えば「市民サポーター派遣制度」というのがありまして、様々なスキルを持った市民の方が、今、70名ほど登録をいただいていまして…。
絹: 市民サポーターって、70名も登録しておられるんですか。杏里さんのコーディネーターとサポーターとはまた別のくくりなんですね。
牧: 私も大きく捉えればサポーターの1人だと思うんですけど、市民サポーター派遣の方たちは、より技術的なスキルや専門的に特化したアドバイスをしていただける方かなと思います。
絹: 市民の中で、専門家としてある種のプロフェッショナルな技能を持っていて、それをもってビジネスとして関わるのではなく、ボランタリーに京都市のまちに対して関わってもいいよと言っている人たちですね?
牧: この「お宝バンク」に関わっている人たちは、「自分たちでやろう」とリーダーシップを発揮したりする人が中心であるのに対し、サポーターの方は、自分が何か思いを持っていると言うよりも、思いを持っている人を手伝いたいという社会貢献の仕方もあるというところで、そのサポーターさんが本業の職能を活かしてコミットしていただけるということです。
絹: ただし、そこに賃金は発生しないと。
牧: そうですね。発生しないです。熱意と思いと(笑)。
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●知恵と思いを繋げると…
絹: これを「やらせぼったくり詐欺企画か?」というような陰口をたたく人はいないんでしょうか(笑)。
今のは半分冗談ですけど、京都市は賢いなと思うんですけど、人のボランタリーな思いというのを、ビジネスとして、金銭的に換算するととんでもない額になってしまう。でも「自分たちの玄関先に落ちている落ち葉やゴミを拾って、それでなんで請求せなあかんの?」という人たちも世の中には一定数おられるはずだと。行政が仲立ちになって、そういう人たちを結びつける糊になったら、すごく面白い事が実際に起きているんですよね。
坂: はい、そうですね。お宝バンク同士での繋がりが生まれたり、イベントをやったりといった動きもどんどん出てきています。
絹: 先ほど坂巻さんが、「特徴があるんです」と。「補助金ないんです」と(笑)。
坂: 大見得切って言っていいのかどうかわからないんですけど、お金がありません(笑)。
絹: いやあ、だから知恵と思いとで、京都市全体が、京都市のある片隅がちょっと暮らしやすくなる、生きやすくなるというようなこと、その種が「お宝バンク」の中には、ひょっとしたらいっぱいあるのかもしれませんね。
専門家的な職能を持っておられるサポーターの方が70数名おられて、お宝バンクのネタというか、アーカイブ数というのは結構あるのでしょうか。こんなふうにしたいとか、思いの数はいっぱい集まってきますね。
坂: 思いを提案という形で受け付けさせてもらっているんですけど、現在307件、ご登録いただいております。
絹: その307件が、ひょっとしたら形を変えて、京都市の政策になっていったりするんでしょうか。
坂: そうですね。場合によっては、それが政策に繋がって行ったりすることもあります。自分たちの活動が飛躍するのがメインではありますけれど、そういった部分もあります。
 
●活動進化プログラム「公開講座」・「伴走型支援」をご用意しています
活動が活性化するための支援としては、先ほどお話した市民サポーター派遣のようなスポット支援する制度や、お宝バンクの提案が実現するように「活動進化プログラム」といったものもご用意しています。このプログラムには、まず「公開講座」として、スクール形式の講座型で、企画広報・資金調達等を学べるスクール+ワークショップになります。
また、「伴走型支援」は、お宝バンクの中でも重点的に支援した方がいいという団体を支援する個別団体対象のメニューもあります。

●交流会も開催しています!
また、1年に一回なんですが、来年1月にお宝バンクの交流会を開催する予定です。去年は150人ほど、お宝バンクの提案者と、提案を考えている人たちが集まった交流会を開いていまして、こういった色んなメニューを通じて、それぞれの団体が繋がったり、学んだりしながら、提案を実現していただくという仕組みになっています。
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●3つの支援レイヤを解説しますと…
絹: いやあ、面白いし、よく考えておられますね。150人集まった交流会は濃い面子でしょうねえ(笑)。おもしろそうな人たちが集まりそうですね。
今、3つのレイヤがありましたよね。第一段階の第一レイヤはレクチャーと、「こういうところに入門したいな、どのようにして活動したらいいのかな」という人向け。「何か役に立ちたいけど、やり方わからないし」という人向けですね。 で、伴走型というのはある程度熟達してきて、「一緒に走る人たちがいればカタチになるかもしれない」という次元の人たち向けということですか。
坂: まさにその通りで、伴走型というのはある程度はまちづくりを経験した方が、さらに飛躍していくために個別団体とそれぞれ連携しながら実現していく制度になっています。
 
●まちづくりって、なんでしょう?
絹: また介入してちょっと意地悪な質問になりますが、頭を切り替えるために、まちづくりという言葉、非常に定義が難しいですけれども、杏里さんにとって、まちづくりって、平仮名に言い換えたらどのように言いますか。これ、ものすごく困らせる、大学のゼミなんかで公共政策でよくやられることじゃないですかね。
牧: 本当ですね。もうこれ、私自身も永遠のテーマだなと思っているんですけど(笑)。
私、元々は都市計画系だったので、ハード整備かなと思っていたんですけど、まちセン時代にどんどん学区のまちづくりに入っているうちに、やっぱり結局は人なんだなと思ったんです。なので、「人づくり」と簡単に言ってしまえばそうなるのですが、その人たちの思いが続くようにすることがものすごく大事だなと思っているので、そういう意味で仕組みづくりや環境づくりも入るのかなとも思っています。
絹: ハードもソフトも色々あるけれども、「京都に住んでいてよかったな」「我がまち、京都も捨てたもんじゃないな」という思いだとか、色んなアイデアとか、助けだとか、人とのつながりも含めて、「なんか去年より暮らしやすくなったな、生きやすくなったな」という思いに連なる活動がまちづくりかもしれないと、今なにか勝手に思いつきましたけど(笑)。

■エピソード2 まちづくり・お宝バンク、具体的な事例をご紹介しましょう
  ●駐輪場のアプリ開発から
絹: さあ、そろそろエピソード2に入って行きましょうか。もうだいぶエピソード2のケーススタディについて喋ってしまいましたが、それぞれ「この事例について聞いてぇ」みたいな事例はないですか。杏里さん、どうですか?
牧: 私はこの4月からこの職につかせていただいたので、まだすごく新鮮なんです。学区のまちづくりとはまたちょっと違う形でというと、京都のまちは今すごく観光が盛んになっていて、さらに観光客が来ていると思うんですけど、駐輪場がないという話があります。でも実は駐輪場はあるのに、場所が把握できないだけじゃないかと、ご自身がシステムエンジニアのご経験を持っていらっしゃる若い女性のお二人が…。
絹: アプリケーションをつくっちゃった。
牧: そうなんです。駐輪場の場所がわかる「charip naVi(チャリップナビ)」というアプリをつくられた方がいらっしゃいまして、それを京都市の情報化推進室の方で公開しているオープンデータをアプリに落とし込んで、より市民が使いやすいようなサービスに使ってみたという提案がありました。
絹: いやあ、知らなかったです。すみません。
牧: いえいえ、私も入ってすぐご提案いただいた取組で、すごく衝撃を受けたんです。
 
●行政の縦割り、民間と行政の壁を越えて
牧: しかもそれが単につくって終わりではなくて、駐輪場の運営等、事業者さんにも情報を還元したい、あるいはアプリのサービスを向上するために事業者さんと連携したいということになりました。そこで今は自転車政策推進室とか、情報化推進室とタッグを組んで、情報交流をして、民間事業者さんともやり取りをしながら、具体的に話が進んでいるところです。
絹: タッグを組んでというのは、行政の縦割りじゃなくて、行政の内部でも他の部門とタッグを組んで、そのタッグを組む相手も民間とも組んでということですね。すっごい大事な事をさらっとおっしゃいましたね。
牧: そうですね。今、さらっと言っちゃいましたが(笑)、お宝バンクや市民協働の方に、「どこに相談したらいいかわからない」という課題も持ち込んでいただきますと、その内容に合うんじゃないかという所に、こちらの方が調整させていただきますので、「ちょっとお話を聞くだけでも」という形で、どんどんと懐に入っていければと考えています。
絹: いやあ、ええ仕事したはりますねえ。また、いらんこと言いますが、今、牧野杏里さんがおっしゃってくださったことで、思い出したんですけど、オープンデータという言葉があります。行政は公共がため込んでいるある種のものを、できる限り民間にオープンにすることで、今おっしゃったような色んな連携が生まれるといいよねというふうに考えていらっしゃる節があります。
我がチョビット推進室でも、平成29年の3月放送、第128回で「OPEN DATAの開く近未来」と題して、同じく総合企画局の情報化推進室の清水和孝さんという方に語って頂いた歴史がございます。そこから進んでいるんだと思うと、なんかうれしいですね(笑)。はい、ごめんなさい。どうぞ続けて下さい。
 
●子育て環境を考えていくと…繋げて広げる
牧: もともと子育ての環境をよくしたいと思ってらっしゃる女性の御提案者の方は多くいらっしゃるのですが、その団体さんの先に、京都大学で科学的に親性(母性ではなくて、親性)を研究されている研究室に繋がりました。母性は先天的に持っているものではなく、経験則、経験知で養われる部分も非常に多い(従ってお父さんや近所の人たちも育児に共に携われる)というところを科学的に研究されている先生から、「是非こういった知識を、現場の専門家の人たちに還元したい」というお申し出がありました。この思いを受けまして、「育成推進課」という専門家の方の研修をされている担当部署にお繋ぎしたところ、実際の研修会に先生にご登壇いただくという形で、先日、できたてホヤホヤで連携が実現したばかりです(笑)。
坂: ここで言う専門家というのは、保健師さんとか、助産師さんとかの勉強会の集まりです。
絹: 総合企画局というのは、京都市全体のコーディネート役みたいな感じで、やっぱり企画という言葉が入ると、そんな仕事なんですね。
坂: そうですね。コーディネート役でもあります。
絹: 政策立案の種みたいなものも、耕していらっしゃるんですね。
牧: ダイレクトに政策に繋がるかは、今の段階ではわからないですが、そういう関係をつくっていった先に「やっぱり政策として用意した方がいいよね」という話になるかもしれません。
絹: それが発展していくということなのかもしれませんね。フェミニン坂巻さんは、何かお薦めのケースとか、ありますか?(笑)
 
●車いす点検ボランティアー区役所・支所に繋ぐ
坂: お薦めと言われると、307件全部お薦めしたいんですけど、ちょっとホットな話題で、今日の午前中発表された新しい活動があります。「京都車いす点検ボランティア“スイマルク”」という団体さんの活動で、実はこの団体は昔から病院とか、福祉施設などで、点検されずにそのまま管理されてない車いすが多くありまして…。
絹: 病院の廊下に「どうぞお使いください」と置いてあるけれども、実はメンテナンスが追い付いてないかなというのもあるんですね。
坂: それをボランティアとして点検をしていただくというような活動をされている市民団体の方々です。実は京都市の区役所でもそういった車いすがあるだろうということで募ったところ、今日は南区役所の方で点検活動をしていただきまして、5台の車いすの点検を頑張っていただきました。前職は新幹線の点検をやっていた方とか…。
絹: めちゃめちゃプロやないですかあ。
坂: それはもうリーダーの方でプロなんですけど、逆に染色のお仕事をやっていたとか、畑違いの方も多くいらして、様々な方が引退後もスキルを活かしたいとボランティアに取り組んでおられるので、私はもう涙が出てきそうなくらい、本当に一生懸命やっていただいているなあと思います。
絹: いやあ、ええ話ですねえ。
坂: また明日も伏見区役所と醍醐支所の方も回って点検していただけるということで、ホットな活動をご紹介させていただきました。
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●”みんなごと”のまちづくり推進事業の展望
絹:  ありがとうございます。複数事例を教えていただきました。リスナーの皆さん、これ、ほんの氷山の一角のようです。こういうものが307件あるということで、すごいなあ。
この”みんなごと”の、あるいは”自分ごと”のまちづくり推進事業、展望と言いますか、この先ベクトルとして、あるいは着地点として、こうなったらいいよねみたいなことを、コメントいただけますでしょうか。
坂:  なかなか難しい質問ですが(笑)、基本的には”自分ごと””みんなごと”として、それぞれの団体が頑張っておられるのですが、活動が行き詰まったりとか、伸びて行かなかったりなど、それぞれの課題があるなかで活動されています。お宝バンクの提案がこれからもどんどん増えて行って、それぞれが連携しあって、違う方向性を見出したり、活動が飛躍するなど、課題を解決できるよう、行政としてもサポートできればと思っています。

●捨てたもんじゃないでしょ?わがまち京都
絹: ありがとうございます。リスナーの皆さん、今日お二方のお話をお聞きになって、いかがでしたでしょうか。これは私の率直な感想ですけれども、わがまち京都は、やっぱり捨てたもんじゃないなという思いをまた一段と強く致しました。と申しますのは、なさっていることが本当に地道でしょ?で、潤沢に資金があるわけでもない、予算がついているわけでもない、市民の善意とプロフェッショナリティーと、思いと、それをなんとか紡いで、行政ができるところは既存の行政の持つパワーをそこに少し加えて、何か新しい事が生まれたらいいよねということを、本当に地道に続けていらっしゃいます。実はわがまち京都は市民協働、市民と一緒に汗をかいて、一緒に働くということの、日本の中でも実は先進都市であるということを、研究者から教えていただいたことがあります。市役所の皆さんは、特に総合企画局の市民協働の人たちはそういう人たちとして、ここにおられるんですね。いかがでしたでしょうか。
この番組は心を建てる公成建設の協力と、そしてかつては京都市景観・まちづくりセンターのお助けでお送りいたしました。ありがとうございました。坂巻さん、杏里さん、ありがとう。
両: ありがとうございました。
投稿日:2018/11/19

第141回 ・火の用心お願いします ~多発する地震、水災に備えて

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成30年10月放送分>

山: 山内 博貴氏(京都市消防局 次長)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)

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左 山内氏   右 勝田氏

⑥本日スタジオにて
絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最新のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト、非常にガタイのいい方をお招きしました。ご紹介します。京都市消防局 次長でいらっしゃいます山内博貴さんです。
山: はい、こんにちは。昔から「地震・雷・火事・親父」ということわざがございますが、そのうちの地震と雷と火事を担当しております京都市消防局次長の山内です。
このラジオカフェ、京都三条ということですが、実は私も京都出身でございまして、中京の二条駅の西側辺りで生まれ育ちまして、京都の文化・生活・京都の言葉の中で育った一人であります。子どもの頃に耳にしたのが、「儲かりまっか」と「ぼちぼちでんな」という言葉ですが、「ぼちぼちやったらええがな」「商売繁盛笹もってこい」と、こんななかで、全国の仕事の中で1つや2つ、商売繁盛しない方がよい仕事があるとすれば、私の消防の仕事なんですけれども…。
絹: 今年は忙しいですねえ。
山: 6月18日に大阪の北部に地震があり、この中京も震度5強でした。9月には北海道胆振東部でも地震がありましたし、その間7月最初に西日本の豪雨があり、岡山や広島で大きな被害がありました。そして今年は台風が25号まで発生しまして、京都にも何回も上陸、特に9月の台風21号は最大風速50mで、昭和36年の室戸台風以来ということで、いまだにブルーシートをかけている家をよく見かけます。
②7月豪雨被災地に向け応援出発7月豪雨被災地に向け応援出発
絹: うちの実家も、上京の母の家がやられまして、屋根のスレート板が飛ばされて、押さえ金物も飛ばされて、よくご近所さんの窓を突き破らなかったものだと…。
山: 工事はまだですか?
絹: お陰様で本職なもので(笑)、雨漏りをとめて、足場撤去したところです。
山: それから今年は夏は非常に暑くて、気温が38℃39℃と出ました。お風呂ならば38℃や39℃はぬるま湯で気持ちがいいなと思うんですけど、気温となると熱中症ということで、去年の倍、救急車が熱中症で走りました。24時間365日、災害現場対応をしておりますので、少しそういうお話を今日はさせていただいたらと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
絹: よろしくお願いいたします。繁盛してはいけない仕事、京都のまちを守って下さっている、そこの言わば元締めとも言うべき山内次長であります。
共通の知人にご紹介いただいたのですが、「山内さんなあ、空手三段やし、囲碁三段やし、詩吟の上師範代の腕前やし」とのことで、まあすごい人です。ということで、リスナーの皆さんご期待ください。
山内さんに決めていただいた本日の番組タイトル「火の用心お願いします~多発する地震、水災に備えて」と題してお送りいたします。
ではエピソード1に入ってまいります。山内さん、まずは「火」からですね。

■エピソード1 多発する地震、心配なのは大火事です!

 

●京都に地震が来る恐れは、十分にあります
山: 「火の用心お願いします」ということで、まず地震の話なんですが、地震と言えば、平成7年の阪神淡路大震災、これが我が国の地震対策の大きな転換点になりました。その後、東日本大震災、それから最近では熊本の地震で石垣が崩れたりして、今年も大きな地震が発生しております。
「京都は地震来るのかな」と、皆さん心配されるお声をよく聞きます。これは聞かれたことがあるかもしれませんが、地球は地殻(これは卵の殻に覆われていると思っていただいたらいいんですが)が、マントルの影響でずっと動いております。ちょうど日本列島の南側にその地球の殻が2つ重なっていまして、太平洋から来ている殻が下に、日本列島の殻が上にあるんですけど、毎年それが数センチずつ、下の方が沈んでいって、上の日本列島の方がそのひずみ・圧力で歪んできているわけです。これが100年から150年で跳ね返るのが、よく聞かれる「南海トラフ」ということです。京都は海から遠いので、少し時間がありますけれど、その湾曲している「南海トラフ」のエネルギーがたまっている時に、上にある日本列島の地殻には傷がある所(それがいわゆる活断層)がありますので、それがミシミシと揺れます。ですから「南海トラフ」の前に、直下型の地震が活動期に入っていると言われているわけです。
絹: 皆さん、今、山内さんのたとえ、わかりやすかったですね。卵の殻みたいな所に傷があると。それが断層やと。有名な市内の花折断層、あれは傷ですか?
山: そうです。川のある所、山の裾は、隆起していたので、そこに水が流れ、堆積して、逆に我々はお酒を造ったり、豊かな文化がこの京都で育まれたわけです。いわば裏返しなんですけど、そういう意味でも、京都も地震が起こるかもしれないということは、非常に懸念をされておりまして、備えが必要ということです。

●火事を消す水はどこから?
山: 一番心配されるのは、地震が発生した時の大火事だと思うんです。
絹: この間、山内次長がご登壇になっていたシンポジウムでも、糸魚川大火、あれは2年前ですかね。そのパワーポイントのスライドで話されましたね。あんなことをイメージしなければいけないわけですね。
山: 阪神淡路大震災の時は、長田町が大きく燃えまして、京都市消防局もその時派遣して、その時の水は長田港という港から汲んだんです。
絹: 海の水を運んでこられたわけですね。
山: そうです。糸魚川も港から汲んで、ホースを伸ばしたわけです。京都は内陸都市ですので、海がないということで、大きな火災が起きた時に、消す水は大丈夫なのかということが、心配の種だったんです。我々は阪神淡路大震災以降、火災の段階を3段階にわけまして、火事が発生した時は火事の卵の第一段階、それが1軒燃えたら第二段階、そしてそれが大きくなったら第三段階と火災の大きさを3つに分けまして、まず真ん中の1軒燃えた時が、我々消防の仕事ですので、消さなければなりません。そのための水があるのかというのを、少しだけご紹介したいと思います。

●京都の消火の備え①―消火栓
山: まず水道管というのが走っていて、皆さんのご家庭で蛇口をひねると水が出ますが、その水道管から配管を伸ばして、消防隊が現場で使用する消火栓に繋げています。道を歩いていただくと、30センチ四方くらいの黄色い蓋が消火栓なのですが、だいたい京都の道の辻々にあります。市内でいくつぐらいあると思われますか?
絹: いやあ、「わかりません」と言いたいところですが、この間、事前のヒアリングで教えてもらったんですよね。「24,000以上あるんやで」と教えてもらいました。
山: その蓋を開けて、ホースを繋いで、消防車につけて、消防車のポンプで加圧して、ホースを伸ばすわけです。その水は水道管ですので、ずっと出せますので有効なのですが、少し課題があるとすれば、地震で揺れたらそれが切れて、断水するということがあるわけです。

●京都の消火の備え②―防火水槽
山: そこで、もう1つの備えが防火水槽です。これは地面にコンクリートの塊の水槽を埋めるのですが、そうなると地面と一緒に揺れ、耐震性があるので、地震に非常に強いということです。色んな種類があるのですが、だいたい大きさが40㌧、100㌧という大きな水槽です。それがどのくらい消せるのかと言いますと、プロの消防隊がホースの先から水を出すのが、だいたい分0.5㌧くらいですので、2人の隊員ですと合わせて1㌧、40㌧ですと40分間、100㌧ですと100分間出せるのですが、これの課題は全部出したら水がなくなるということです。

●京都の消火の備え③―川・水路
山: いよいよ第三段階に行った時に、京都では例えば鴨川の水とか、プールの水等を活用しなければなりません。こうした大規模災害への備えについては「京都のまち全体で守っていこう」ということで、今議論をしている最中です。以上のような形で、大規模災害にならないような水の備えをしています。
絹: 堀川に水のせせらぎが復活してだいぶになって、「京の七夕」といったイベントがあったりしますが、注意深く見ていただくと、せせらぎの流れている所々に木の堰板を入れて、非常時に消防隊さんに使っていただけるような工夫がしてありますね。
山: 先ほど防火水槽、消火栓と言いましたが、その他、自然な水路などで、だいたい京都市内で2,000近く消防で指定をしております。最近は田畑が少なくなってきたり、地下に水を埋めたりして、水路が少なくなってきて心配なのですが、そういう備えをしているということです。

●火事は卵の段階で消す!
山: 今日はその中でも第二段階の防火水槽と消火栓のお話をしましたが、何よりも重要なのは、第一段階です。つまり地震で火事が発生した初期、火事の卵の段階で消して頂くことが、大火に至らない一番の方策なのです。
絹: 一般市民である我々自身が卵のうちに消してくれたらということですね。この間教えていただきましたけれども、例えば花折断層が大きく揺れたら、たぶん100軒くらい同時に火事が起きるかもしれないと。
山: これは京都市が地域防災計画で、花折断層が揺れた際、冬の夕方の一番火を使う想定で、100軒近く火事が発生するということです。
絹: 一番ヤバい状況だとしたらですね。
山: まして糸魚川よりも、あるいは神戸よりも、京都は木造の家がたくさんあります。そんな京都で、大火にならないようにするには、消火器や水バケツなどで、何とか各御家庭で消してもらうということです。あるいは火事にならないように住宅用火災警報器をつけていただくなど、色んな対策をしていただくことで、それが大幅に減らすことができるということです。
今日は「火の用心お願いします」と火事の話をしていますが、そのためには日ごろの防火の備えが重要であると思っております。
①文化財での放水訓練文化財での放水訓練

●昭和30年代、京都の意識改革
絹: 先日、山内次長に「京都は誇りに思ったらいいことがある」と教えていただきました。「先達が他都市に比べて防火意識を高めてきたという歴史がある」と。ちょっと教えていただけますか。
山:  京都と言えば、住民自治、地域自治で、明治の初めに番組小学校ができて、そこに火の見櫓があって、地域のシンボルだったわけですが、それが消防団の前身です。
先の大戦以降、消防団は引き続きあったのですが、戦後どんどん経済が発展し、火事もどんどん増えて、昭和30年代には一番多い時で、一年間で756件ありました。当時はまだ竈など裸火でしたので、火事の要素も多かったわけです。時の市長さんも、「人が火を使うので、火事は人災だ」「消防職員は火事を消すだけでなく、防火のセールスマンたれ」と、出初式でも訴えられ、職員は全家庭に行って徹底的に皆さんにお願いして回ったようです。市民の方も、それではということで、町内ごとに防火委員を出していただき、例えば町内で消火器を買う、あるいは水バケツを置く、あるいは昔は貯蓄制度と言って、お金をためて共同住宅の二階の界壁をつくったりしました。京都の袋路地などに行くと、水バケツが置いてある風景がありますが、他都市に行ってもあまりないんです。

●京都の高い防火意識は、大きな誇りです
絹: 皆さん、今聞いてびっくりしはりませんでした?我々は町内に赤いバケツがあって、あるいは町内所有の消火器が置いてあって、時々は交換してと。当たり前だと思っていたのが、他都市ではあんまりないんですって。
山: 行政が置いたりしますけどね。一年に一回詰め替える時に、消火器の訓練をしたりして、そういう皆さんの各家庭、地域の防火に対する取り組みが進んで、昨年、平成29年の火事が1年間で249件でしたので、一番多い時よりも3分の1になったわけです。
絹: 昭和30年代に比べて3分の1になっているんですねえ。
山: よその大きな都市と、人口一万人当たりの火事の件数を比べても、かなり少ない結果になっています。京都は火事が多そうなんですが、実は皆さんが「火事を出したら大変や」と一生懸命火の用心したり、お札を張ったりと、防火意識がとても高いんです。そういうことをしてもらっている事が、結局大きな災害になった時にも、消火器も使えるし、地域でもしもの時は「ここに逃げなあかんな」となるので、まずは地域で火の用心をお願いしたいということです。自分の家の防火管理を、まず進めていただくと。

●今でも響く「火の用心!」
絹: さあ、山内次長が拍子木に③拍子木
手を置かれました!
山: 私は中京の二条に生まれなんですが、子どもの頃に町内で順番に「今日はあんたとこの家やし、子どもやから回り」ということで、拍子木を鳴らして町内を回ったんです。ちょっといっぺん鳴らしていいでしょうか。
絹: どうぞ!
山: 「火の用心!」
こういう声が晩の7~8時に京都のまちで響きます。住民の方が守られているわけです。
絹: うちは上京区ですけど、やっぱりまだ聞こえます。
山: 消防団の方もね。これも地方から来られた方はびっくりしはるんですね。「こんなん見たんは、時代劇の銭形平次以来や。こんなんやったはんのやな」と。
絹: 時代劇か、ここはと。
山: しかも皆さんが自主的にこれを持ちまわって、地域でやっていただく。この地域の防火の意識を継続していただくことが地震に備える非常に重要な事なので、是非皆さんにもお願いしたいなという思いでおります。
絹: リスナーの皆さん、今、大事なことを教えていただきました。誇りに思っていいのやでと。30年代からずっと消防署の人たち、消防局の人たち中心に、我々の先輩たちも京都の火事を3分の1に減らしてこられた。これは他都市ではちょっと珍しいということです。
さあ、まずは火の用心、地震に備えるから行きました。エピソード2は水です。

■エピソード2 水害に備えるー日ごろからの備えが肝心です
●自分の避難の基準を考えておく
山: 近年は異常気象ということで、今年も豪雨があったり、京都も嵐山の渡月橋が水がついたりしたことがありましたが、集中豪雨や台風が頻繁に発生しています。特に今年の7月4日からの豪雨では、広島や岡山で200人以上の方々が亡くなられて、その大変な状況を皆さんご記憶にあると思います。台風21号では市内でも相当の被害がありました。最近は気象庁から避難準備、あるいは避難勧告、避難指示が、テレビで、自分のスマホで、ひっきりなしに、どうなっているんやというくらい出て、いつ逃げたらいいのか、役所にも問い合わせがありますし、皆さんも不安に思われたことと思います。
どういうタイミングで避難していただくのがいいのか、行政でも検証しているのですが、私なりに考えておりますのは、いくら気象庁が避難勧告、避難指示を出しても、まずは自分の避難勧告・指示の基準を持っていないと動けないのではないかと。もしもの時には自分の家の二階に逃げたらいいのか、近所のどこへ逃げたらいいのか、持ち出すものはあるのか、それはご家族で相談していただく、地域の自主防災会に相談していただくということです。気象庁から指示や勧告が出た時、「そしたら自分は何をする」という自分なりの基準・取り決めをもっておかないとどうにもなりません。そのために消防では、「我が家の防災行動シール」というのを皆さんの御家庭にお配りをしております。ハザードマップがあるのですが、地震、水の災害、土砂災害の地域もありますね。その時に地震で逃げる所と、水害で逃げる所の場所が違う(水がつきそうなところは逃げられませんので)かもしれないので、その時にお宅の地域はどこに逃げて下さいということを示したものです。
絹: そうですね。低い所の場合はね。
山: そういう所では、マンションの二階とか、色々ありますので、そうした所を考えていただいて備えるということです。何よりもそういう備えを日ごろからしていただくのが大切です。

●「自分には起こらへん」は禁物です!
山: 先ほど詩吟のご紹介をしていただきましたが、実は私、えらい先生に習っているんです。地震が発生した時、その宗家のご家族に電話して、「非常持ち出し袋どうなってます?転倒防止は?」と聞いたら「いやあ、そんなん。箪笥の上にも物が置いてあります」ということでしたので、「そら、あきません」と、詩吟を教えてもらいながら、防火の話を一生懸命お願いして(笑)。台風の時も電話して、「早くお風呂入ってもらって、充電したはりますか?」と。
絹: あ、充電大事なんですね。
山: そんなことをお願いしたわけです。そんな偉い人でも我がことになったら、「自分には起こらへんな」と思われるものなんですね。1つの例ですけど、皆さんも持ち出し袋やラジオなど、色んなものを点検していただいて、自分の地域はどうなのか、この地域は水がつく、つかない、そうなれば二階に逃げた方がいいのか、隣近所でもしもの時には助け合うということを考えておく。

●災害用備蓄飲料水 京のかがやき疎水物語
山: 地震にしても水害にしても火事にしても、それが重要でありまして、ちょうど私も自分の仕事場に“災害用備蓄飲料水 京のかがやき疎水物語”これは京都市の上下水道局がつくっております。
絹: アルミ製のペットボトルで、④疎水物語なんと
中身は琵琶湖の水を精製した京都市
上下水道局自慢の水道水です。
山: これ、ちょっと私、のどが渇いたので一杯飲みますけど、めっちゃ美味しいです。
絹: どこで売っているんですか。
山: これは例えば京都市役所、あるいは上下水道局の八条口にある本部の庁舎や、地下鉄の烏丸御池構内とか、上下水道局の営業所でも置いていまして、これの良い所は10年保存なんです。
絹: ちょっと長いですね。もちますね。
山: もつんです。
絹: そこに今、黒々とマジックで2028年までもつとありますね。
山: 私は事務所の自分の机にこれを5個くらい置いているんです。家にもいっぱい置いて、とりあえず防災対策は10年くらい先までと。やはり水がないとね。もちろん避難所には備蓄してもらう制度も必要ですけど、それぞれの御家庭で水不足というのも非常に問題になりましたので。また、これを置いておくと、常に意識をしますので。こういうのを1つの例に備えていただくということが大切かと思っています。

●非常持ち出し袋を必ず用意してください!
絹: 山内次長はご自宅に職業柄でしょうが、非常持ち出し袋を玄関用と一階用と二階用の3つ置いていると。何が入っているかというと、例えば古いタオル、手袋、三角巾、それからこういう疎水物語のような備蓄水、あとは自分で非常の時にいるなと思う充電器、ラジオなど、自分で工夫したらよろしいと教えてくださいましたね。
山: 靴もね。ガラスなんかを踏み抜かないように。そしてヘルメットも。
絹: あ、ヘルメット。うちは職業柄いくつも持っています(笑)。
山: ただ自分のヘルメットの方がいいですね。私の家内の両親にはヘルメットを渡して、寝床に2つ置いてはります。親孝行しなあかんと思ってね(笑)。そういうことをしておくことが大切なので、皆さんも今日、家具の転倒防止どうなっているのかなとか、これを機会にちょっと見直してみて下さい。
これだけ災害が起こっている都市ですから、もちろん行政として備蓄をしたリ、備えるべき事は一生懸命やらせていただくのですが、なんと言いましても約150万の市民の皆さん、観光客の皆さん、働いておられる方もおられるし、世帯で70万世帯あるので、そうした方々をしっかりお守りするのに、自分たちでも少しでも備えていただくことが何よりも迅速な安心・安全に繋がります。是非ご検討いただけたらと思っております。

●我が家の防災計画をぜひ考えて下さい
絹: リスナーの皆さん、今、山内次長がおっしゃった事、先ほどの「火事は卵の段階で消したら、それだけ周りが助かる。大火災に発展しなくて済む」というのと一脈通じます。スマートフォンで、避難勧告や指示など、色んな警報がいっぱい出てきますけど、自分事にせなあかんということですね。「もし自分なら、自分の高齢の親なら、息子なら、孫ならどうするのかという話を、非常持ち出し袋を皆で作りながら、家族で相談して」と。まず自助、公助、共助でしたっけ。
山: そうです。防災計画と言えば役所的な言葉ですけど、京都市地域防災計画ってあるんです。我が家の防災計画を、自分らで、できる範囲で考えていただいて、火の用心やもしもの事があった時に備えていただくようお願いできないかなと思っております。
⑤防災行動シール
絹: ありがとうございます。良い機会を頂きまして。実はわが社でもファイルキャビネットの上に、いっぱい書類があるのを、今、総務を中心に「片づけ隊」と称して、おろしてきれいにして、転倒防止の作業中でございます。さあ、リスナーの皆さん、いかがでしたでしょうか。火消だけではなくて、京都のまちをいざという時に守って下さる縁の下の力持ちの元締めにお話をいただきました。自分ごとにいかに引き寄せて、まずは非常持ち出し袋。
山: 古い鞄で結構ですよ。新しい鞄を買わなくても、使わない鞄を用意してもらったらいいと思います。
絹: 山内さんからのアドバイスですけど、「ブルーシートも役に立つで」と。「ロープ一本でもええねん」と。「オーダーメイドでなくても、本当に自分好みの非常持ち出し袋を作ってね」とおっしゃっています。さあ、皆さん、終わりです。是非是非、自分ごとにお願いします。
この番組は心を建てる公成建設の協力と、京都府地域力再生プロジェクトの応援でお送りいたしました。京都市消防局山内次長、ありがとうございました。
山: ありがとうございました。
投稿日:2018/10/22

第140回 ・鏡山循環バス復活の軌跡~みんなで乗ろう鏡山循環バス

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まちづくり“チョビット”推進室<平成30年9月放送分>

岩: 岩崎 泰夫氏 (鏡山学区自治連合会 相談役)
中: 中尾 力氏  (鏡山学区自治連合会 副会長)
竹: 竹本 武一郎氏(鏡山学区自治連合会 総務)
人: 人見 早知子氏(山科区役所地域力推進室まちづくり推進課長)
絹: 絹川 雅則  (公成建設株式会社)
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左から 絹川  人見氏  中尾氏  岩崎氏  竹本氏
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最新のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト、先輩方の男性お三方と、行政から紅一点で女性の方がお一人、都合四人のゲストで盛りだくさんでお送りいたします。
では本日の番組タイトル・テーマを申し上げます。「鏡山循環バス復活の軌跡~みんなで乗ろう(大きく育てよう)鏡山循環バス」と題してお送りいたします。
さて、本日のゲストのご紹介ですが、お一方目、鏡山学区自治連合会、ついこの間まで連合会長を務めておられました、岩崎泰大相談役でいらっしゃいます。
岩: どうぞよろしくお願いいたします。
絹: 岩崎相談役、よろしくお願いします。そして同じく中尾力副会長さん。
中: はい、中尾でございます。よろしくお願いいたします。
絹: そして総務の竹本武一郎さん。
竹: 竹本です。よろしくお願いします。
絹: そして紅一点は、山科区役所から。
人: はい、まちづくり推進課長の人見と申します。どうぞよろしくお願い致します。
絹: 実は陰でもう一人、随行役と言いますか、ボディガードが一人おられますが、今日はおしゃべりにならないそうです(笑)。
さて、山科区鏡山学区という場所がございます。相談役、鏡山学区というと、どの辺になるのでしょう。
岩: 山科盆地は、西・北・東と山に囲まれ、南側が開いている京都盆地と同じような地形でございまして、その山科盆地の西北方面にあるのが鏡山学区でして、当学区は12,400人の人口、世帯数は5800軒ほどでございます。
絹: リスナーの皆さん、三条通がありますね。そして山科駅があります。そして外環状線があります。そして山科駅の前からちょっと下がった所に渋谷街道があります。その渋谷街道が鏡山学区のど真ん中をズボーンと背骨のように繋がっている辺りをイメージしていただけたら幸いです。この辺りで何やらすごいことが起こったというのが、今日の番組のメインのテーマであります。鏡山バスを復活されたというお話を、これから承ります。
エピソード1に入るまでに、人見課長に無茶ぶりしますね。今日のメインゲスト、岩崎相談役とはいかなる方ですか。短く述べよ(笑)。
人: はい、ちょっとラジオで皆さんにお姿を見ていただけないのが非常に残念なんですが、本当に昔ながらのダンディな男性と言うのでしょうか。おそばにずっといたいと言うか(笑)、やさしい感じの穏やかな相談役でございます。
絹: でも少しお身体を壊されて、会長さんからお退きになりましたが、鏡山循環系統バスの復活に際して、本当に中心になられた方と承っております。
さて、次は岩崎相談役に無茶ぶりします。中尾副会長とはいかなる方でございますか。
岩: 自治連合会運営に色んな面で携わっていただき、「あれしてや」「これしてや、頼むわ」というと、嫌な顔一つせず、一生懸命黙々とやっていただいております。
絹: ありがとうございます。それでは次は中尾副会長に無茶ぶりで、総務の竹本さんとはいかなる方でしょうか。
中: はい。わが自治連合会の長老でございまして、竹本部長さんなくしては、鏡山自治連合会が回って行かないというような、全ての事を総務として取り仕切って頂いております。非常に優秀な方でございます。
絹: ありがとうございます。京都のすごい所は、こういうことではないかと思います。それぞれの自治連合会にちゃんとこういう先輩方がいてくださるということが、ひょっとしたらまちの力の基本なのかもしれません。

■エピソード1 お年寄りの足を確保するため、バスを復活させたい!
●バス復活のお話、こんな流れでした
絹: さあ、この先輩方からどんなお話が聞けますか。引き続きまた、岩崎相談役にお伺いしますが、そもそもこのエリアで何が起こったのでしょうか。と言っても事前に新聞記事で、私の予習の記事がありますので、知らないわけではないのですが、リスナーの方々に成り代わりまして、知らんふりをして(笑)、お尋ねいたします。住民要望で、一旦なくなったバスが復活するなんてこと、あり得るんですか。
岩: 私が聞き及ぶところでは、まずないと聞いておりますが、実は私どもの鏡山学区のど真ん中に、先ほどおっしゃられたように、渋谷街道という昔からある古い道路が走っております。これはあまり広くはないです。この道路に平成8年まで山科駅発向日町まで行っている京阪バスが走っておりましたが、この8年に廃止になりました。廃止になったのは、地下鉄ができ、色んな道路がつき、交通網が良くなり、アクセスも良くなったということで、お客さんがなくなってきて、8年の3月廃止になったという流れがございます。
絹: 手元の資料は、2018年(平成30年)8月25日の京都新聞地域版ですけれども、これによりましても、「利用者減少で1996年に一旦廃止。地域の高齢化が進むなか、お年寄りの足を確保しようと、地元の自治連合会が中心になって、4千人以上の署名を集めて要望書を提出し、2013年に復活させた」とあります。
岩: その通りでございます。平成21年からそのような要望書を提出するために、色々と資料を揃え、役所の方へも提出をいたしました。そしてお陰様で平成25年の3月23日に、山科駅発で我々の学区へ、渋谷街道を走ったということが始まりでして、その当時は実証運行でございましたが、最初は本当に苦労をしました。
一便目、人が乗る人が少なく、「どうしようかなあ、どうしたら乗ってもらえるのかな」と、人の集まる所、集まる所へ行き、乗車協力のお願いを兼ねて、案内をしていたというところが、出足でございます。また、27年3月23日から実証運行から本格運行へと切り替わっていきました。
  鏡山新聞junkanbus

●実はうちの学区、高齢化率が高いのです
絹: リスナーの皆さん、今こうやって言葉で聞きますと、非常にスムーズに流れたように聞こえなくもないですが、ただこの要望書、4千筆以上の署名を集めるなんて、想像してみてください。冗談じゃない活動じゃないかなと。そもそも当時、自治連合会の現役の会長でおられた時、バスがなくなった事に対して、「なんとかして!困った」という声が自治連の役員の方に届いたわけですね。
岩: そうですね。京都市、山科区、全市を通じまして、高齢者また後期高齢者がどんどんどんどん増えてきております。当学区におきましても5700世帯で人口は約12500人ですが、その人口の3分の1が高齢者及び後期高齢者ということで30%を超えております。そのような所でどうしてもバスをなんとか復活しなければいけないということで、現在に至っております。
絹: 私は不勉強で、山科は高齢化率が市内の中心部よりも低いのかなと誤解しておりましたけれども、30%というと、結構高いですね。
人: 高いですね。現在、11行政区の中で2番目に高齢化率が進んでおります。
絹: 上、中、下のいわゆる田の字地区も25%以上だったと思います。それよりも進んでいるということですね。そんななか、高齢者の足を確保してほしいという声が寄せられて、4118筆を添えて、京阪バスさんと京都市の交通局に持っていかれたということですね。それは最初は「はい、わかりました」みたいな反応でしたか。
岩: いやあ、なかなか進まなかったですね。そのあたりから苦労の始まりです。
絹: 最初のハードルを越えて、実証実験に持ち込まれるまでが、実は一番しんどかった時期ではないかと勝手に想像するのですが、やはりその中で山科区役所に代表されるような京都市の方というのは、だんだんに寄り添うような、そういう関係が結ばれてきたのでしょうか。
よく署名などを持っていった時に、ありがちな勝手な想像ですけれど、「こんなん持ってきて迷惑や。仕事を増やさんといて」みたいな反応がありがちなように、思わなくもないのですが(笑)。
竹: そうですねえ(笑)。
絹: 今日はでも、山科区役所から「この話(当該バスの話)を聞いてくれ」みたいな話で持って来られてますから、山科区役所の方たちはそういうのはなかったのかもしれませんが、やっぱり地元の要望をきっちり吸い上げて、京阪バスさんも偉いですね。こんなん受けられて。たぶん儲かる路線ではないはずですよね。
竹: そうです。敬老乗車の方が多い路線ですので。
ルート図

■エピソード2 実証運行から本格運行への苦労、色々ありました…
●人が集まる所とあれば、どこにでも出かけて行きました
絹: それで一年間の期限付きで、一日二便の実証運行が決まる所まで持ち込まれました。そこのご苦労も大変だと思いますが、さっき相談役がおっしゃった「実証実験まで持ち込むのも苦労やったけど、持ち込んだらさらに苦労が待ってました」と。最初はあまり乗ってもらえなくて、データが取れない時期があったというのは聞いたんですが、そこからですね。次のご苦労は。
中: はい、そうです。一応、ノルマが掛けられまして、一便あたり20名を超えた人数を確保するというのが、京阪バスさんからの要望でございまして。
絹: そうですね。運行する側にすれば、運転手さんを用意して、バスや機材を用意して、バス停の整備等、色々やることになるけれども、「やったはいいけど、乗ってもらえなければ、せんないわあ」と思われますよね。で、だんだんに利用者さんが増えてきた。そのためにはどこへお出かけになったんですか。
岩: 乗車数を上げるのに、まずは連合会の総会、そして人が集まる所として、社会福祉協議会の「すこやか教室」、また土曜日になれば「公園体操」ということで、午前10時からやっています。そういう所や、ありとあらゆる人が集まる場所には必ず啓発に行きました。

●アンケート調査と啓発活動と
絹: 丁寧ですねえ。地道ですねえ。で、4900世帯を対象にアンケートもとられたと。このアンケートは例えばどんなことをお聞きになりたかったんですか。
岩: まずは、どのようなことを望んでおられるか。時間的に何時ごろがいいかなどですね。最初は山科駅発午前10時22分、午後は3時22分発の2便でした。ところが先ほど中尾さんがおっしゃったように、できたら20人以上乗って下さいということで、20人をオーバーさせるのが大変でした。また、様々な場所へ行き、人の顔を見れば、「乗ってや」「乗ってや」というお願いをしていたということでございます。
絹: お医者さんに行くのに、「できたらこの時間に通ってくれたら、使えるのに」という声が拾えたわけですね。
岩: そうです。お医者さんもそうですが、買い物ですね。やはり生活バスですので、買い物が一番多いですし、お年寄りが多いので、病院に行くという乗客者が多いです。
絹: そして、こういう地道な活動の中には「お試し無料乗車券」付きの広報ビラをおつくりになったそうですね。それからアンケートを取られるということは、それぞれの生活時間帯の中で、この循環バスを使ったら、どんな便利なことが起きるのかいった調査もされた。
その結果、一便あたり約20人の利用者を達成されました。そのために一年間実証運行が延長されることが、26年度に決定されています。すごいなあ。そして本格運行というのが、まだこの先に来るんですね?ということは、さらにハードルが上るんですか。
岩: 27年に本格運行に移行しました。それから現在に至っているのですが、平成29年の10月1日、今9月ですから、もう1年を迎えようとしている時期なんですが、それが1便増えたということで、以前に比べ出かけやすくなりました。その便にもたくさん乗っていただくように、運動をしている最中でございます。

●本格運行とバス停の増設
絹: 実証運行便は一便あたり23から27人の利用者を達成しました。本格運行後の取組としては…。あ、なんか駅が増設されていますね。
岩: はい。当学区を通り、三条通に出て、まもなく地下鉄の乗降口があるのですが…。
絹: 御陵でしたっけ。
岩: そうです。ところが駅がありながら通過をしていたのです。そこで陳情してバス亭をつくっていただいたということです。それまでは地下鉄を乗降しようとすれば、山科駅まで行かなければならなかったのが、当学区を通っている時間から、その御陵駅まで5分前後で行けるという便利なポイントにあるバス停になります。
絹: 地下鉄と連絡して、すごく便利になって喜ばれた方もおられたでしょうね。
岩: 今もずいぶん下りて地下鉄に乗っておられるという事です。
絹: 地道な自治連合会さんの活動として、本格運行になってからも28年の年末、連合会が餅つきをやっておられます。そこにおいて、「鏡山循環バスに乗ろう」とお餅に印刷されたんですか(笑)。
岩: 食紅でね(笑)。
絹: これはインパクトありましたよね。

●陸運局から表彰されました!
絹: 山科区役所で聞いたんですが、この取組が「モビリティマネジメント」というカタカナですけど、地域ですごく目立った成果のある活動だとして、国交省の方から表彰されたり、取り上げられたりしたそうですが、それは皆さんも東京へ行かれたり、あるいは近畿地方整備局に行かれたりしたのですか。
岩: この時の受賞は、大阪までおじゃまさせていただきました。陸運局長表彰ということで。
絹: 陸運局の方でしたか。大変でしたね。でもこうやって、京阪バスさんも頑張られて、循環バスをつくられた。そしてたくさんの人が乗られるようになりました。

■エピソード3 鏡山循環バスのこれから
●ちびちゃんたちの乗車も増えてきました
絹: 今後は「利便性の向上を目指して、みんなで乗ろう鏡山循環バス」とありますが、これが色んな所に貼られているわけですか。
岩: そうです。3つある標語のうちの1つですが、一番その部分を重要視しております。また、いずれにしましても、ここまで我々が力を合わせてやってきた流れの中に、山科区役所さんの色々なご指導、また運営を通じての御鞭撻を頂きまして、今日まで運動ができたと、非常に感謝しているところでございます。
絹: この「みんなで乗ろう鏡山循環バス」には小さいお子さんも乗られているらしいですね。
岩: 95%以上は敬老乗車券の利用者ですが、現金を払って乗っているちびちゃんたちもだんだんと増えてきました。
絹: 小学校へ行かれて、特別授業ですか?「乗ろう」という授業をされたように聞いております。小学生にはあまりなじみがなかったバスですが、3年生が地域学習のテーマとして、自治連のメンバーさんを先生として招かれたと記事にありますが、それもいい感じですね。小さい子が乗ってくれたら…。「バス知らんわ」と思ってた子が、「バスって、くるくる回るんや」なんてね。
shiminban kodomonews

●小学校での特別授業を通して
岩: 今年の6月6日に、鏡山小学校の3年生、全員で77名おりますが、その子たちを対象に「鏡山循環バスとは何ぞや」ということで、当方が学校へ寄せてもらって、半日先生をしてきました。これもまだ3年ですから、難しい言葉が通じないので、非常に苦労した部分もありますが、それをきっかけにまた、総合学習の1つとして体験乗車をするということで、全児童が乗ってくれたという非常に喜んでおりました。また、京都新聞にも掲載されておりますが、一般の乗客と子どもたちが「おばちゃん、どこ行くねん?」「おじいちゃん、何しに、どこ行くの?」というような、聞いてたら「どこ行くの?」が多かったですが、「いつも乗っているんですか」とかそういう質問もしていました。
絹: こういう子どもたちの中から、将来の社会学系統の研究者が生まれるかもしれませんし、それどころか自分のおじいちゃん、おばあちゃんと一緒に買い物に行くのなら「バスに乗ろう」というような子が出てくるとうれしいですね。
岩: その通りです。バスに乗っている時も、学校へ寄せてもらった時も、子どもたちに持っていった資料がございますので、それを家に持って帰り、「おじいちゃん、おばあちゃん、お父さん、お母さん、いっぺんバスに乗ろうな」と言ってくれたら非常にうれしいですし、子どもたちがちょこちょこ乗っていると聞きますと、何か効き目があったのかなというような気持もしております。
絹: リスナーの皆さん、今日のお話はいかがでしたでしょうか。鏡山循環バス復活の軌跡と題してお送りしましたが、「軌跡」は「足跡」という意味と、ひょっとしたら「ミラクル」という意味の両方がかかっているのかもしれません。地域の方々がこうやって丁寧になさることで、この先何が生まれるのか。小さいお子さんたちに、地域のことを考えて、「バスの復活の交渉をしたおじいちゃんたち、おじさんたちがいたな」という記憶こそが、ひょっとしたら大きな財産なのかもしれません。
この番組は心を建てる公成建設の協力と、京都府地域力再生プロジェクト、京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。岩崎さん、中尾さん、竹本さん、そして人見さん、今日は貴重なお話、ありがとうございました。
全: ありがとうございました。
投稿日:2018/09/11

第139回 ・15人の子どもスタッフがやらかしてくれました ~子どもによる子どものための映画祭「キンダーフィルムフェストきょうと」

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まちづくり“チョビット”推進室<平成30年7月放送分>

田: 田中 里奈氏(子どもスタッフリーダー)
小: 小嶋 佑昴氏(子どもスタッフ副リーダー)
勢: 田勢 奈央氏(特定非営利活動法人キンダーフィルムフェスト京都 理事)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
chobit guest 田中 児島1
左 絹川  中央 児島氏  右 田中氏
絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最前線のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日のゲストですが、今回は比較的お若いゲスト、中学生がお二人とつきそいのお姉さんをお呼びしております。まずは、田中里奈さん。
田: こんにちは。
絹: こんにちは!田中里奈さん、中三です。出身は京都。
そして二番目は小嶋さん。
小: 小嶋 佑昴(たすく)です。
絹: 小嶋 佑昴さんは中二!
小: はい、中二です。
絹: そして田勢さん!
勢: はい、田勢奈央です。42歳です(笑)。
絹: よろしくお願いします。では今日のタイトルに参ります。「15人の子どもスタッフがやらかしてくれました~子どもによる子どものための映画祭“キンダーフィルムフェスト京都”」と題してお送りいたします。
さあ、そのキンダーフィルムフェストについて、子どもスタッフのリーダー、サブリーダーに読み解いて、解説していただきます。メインゲストの田中里奈さん、ゲスト紹介の話したよね?
田:  はい(笑)。
絹: おっちゃんが手を抜くために、他己紹介しましょか。それでは、小嶋 佑昴・中二とは、いかなる人物か、短く述べよ。
田: 佑昴君は、私よりも1つ下なんですが、仕事とかすごいテキパキしてくれて、私がリーダーとして活動する時にも手伝ってくれたりして、とてもすごいなあと、いつも思っています。
絹: はい、ありがとう。リスナーの皆さん、小嶋 佑昴君、見た目ですけど、仕事できそうな子(笑)。
それでは今度は交代です。小嶋 佑昴さん、リーダーの田中里奈さんとは、いかなる方ですか。
小: さっき褒めてもらったんですが、僕自身、まだ全然未熟で、いつも里奈さんに引っ張ってもらってて、あまりまともに仕事も手伝えてないと思うんですけど、いつもやさしく接していただいて、いつも感謝しています。
絹: はい、そつのない答えをありがとう(笑)。そしたらもう1つ、小嶋 佑昴さんに宿題を出します。今日つきそいのお姉さま、田勢奈央さんとはいかなる方ですか。短く述べよ。
小: 田勢さんは、英語とか、外国語がめっちゃできはって、色んな世界事情とか、世間のこととかいっぱい知ってはって、子どもスタッフのアイデアマン、京都国際子ども映画祭のアイデアマンみたいな感じかなと僕は思います。
絹: はい、ありがとう。おっかさんみたいな存在ですか、お姉さんみたいな存在ですか。両方か…(笑)。
それでは本題に入ってまいりましょう。京都国際子ども映画祭2018年8月2日・木曜日から3日・金曜日、4日・土曜日、5日・日曜日の4日間、この京都三条ラジオカフェの本当のご近所さんで、三条通、京都文化博物館の3階フィルムシアターで予定されています。聞くところによると、非常に古いフェスティバルで24年前から、京都と東京で行われているというふうに教えていただきました。さりながら、まだご存知ない方がいらっしゃるはず。まずは最初に、キンダーフィルムフェスト京都とは、どんなイベントなのですか、どんなフェスティバルなのですかということを、お二人に解説していただきます。

■エピソード1 「京都国際子ども映画祭」って、こんなイベントなんです!
●スタッフも子ども、審査員も子ども
田: キンダーフィルムフェスト京都は、タイトルにありましたが、「子どもによる子どものための映画祭」です。私はリーダー、佑昴君は副リーダーというように、子どもスタッフが企画・運営をしています。また、この期間内に上映される映画のグランプリを決めるのですが、それも有志で集まってくれた子どもが審査員を務めていて、「子ども審査員」と呼んでいます。
絹: 子どもスタッフって、何人いたっけ?
田: 子どもスタッフは15人ほどです。
絹: そのリーダーとサブリーダーが今日のゲストのお二人、里奈さんとたすく君ですね。
田: はい。
絹: そして、子どもスタッフ以外に、映画を審査してくれる審査員もおられるようですが、それは何人でした?
田: 12人です。
絹: さっきの下打ち合わせでは、小4から中3の人たちが集まって、福島県からも1人来てくれはるって?
田: はい。
絹: 結構すごいですね。つづきをどうぞ。
田: この映画祭では様々な国の映画が上映されます。私は昨年から参加させていただいているんですけど、子どもが主役の映画がたくさん上映され、とっても感動するものが多くて、すごく心があたたかくなるようなものばかりです。
絹: それは去年の上映作品の思い出やね?
田: はい。そうです。
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●こんな映画に感動しました
絹: ちょっと質問していいかな。
田中里奈さんは去年から、小嶋 佑昴君は一昨年からで、一昨年は審査員をやっていたということですね。去年の作品の中で、あるいはたすくさんが審査員をやった思い出の中で、「この映画、すごくよかった!」と言ってたけど、お二人それぞれ1つずつくらい、思い出を聞かせてほしいな。
小: 僕は去年のグランプリだったんですが、『マウンテンミラクル』という映画です。喘息持ちの女の子が、喘息を治すために施設に入って、そこで出会った男の子と一緒に協力して、高い山を登っていくみたいな話です。
絹: ほう、なんかちょっとウルッと来ます。というのは、僕は今、こんなごっつい身体をしているけど、子どもの時は喘息持ちでね、小児喘息でものすごく苦しんでいた時期があるので。そうか、『マウンテンミラクル(奇跡の山)』…。
じゃあ、里奈さんは?
田: わたしは『いっしょの目線で』という映画にとても感動しました。そのお話は、小人症の男性がいて、もう一人、施設に入っている男の子とがメインで、お話が続いていくんですけど、その男の子は、お母さんはわかっているのですが、お父さんが誰だかわからなくて探していくと、その小人症の男性を探し出したんです。容姿が自分と全然違ったりするので、男の子は最初は「えっ」という驚きがあったのですが、一緒に生活することになって、一緒に過ごしていくなかで、お互いを理解しあうという…。
絹: それは外国の映画やった?
田: はい。

●子どもスタッフは吹き替えもします
絹: それが外国の映画ということは、子どもスタッフが吹き替えたの?
田: それは劇団の方がされました。
絹: リスナーの皆さんに、ご説明の追加をしたいのですが、今回上映される作品は12作品ありまして、その中でプロの劇団の方が吹き替えをされるものと、子どもスタッフさんが吹き替えをされるものとに分かれるそうです。お二人、里奈さんとたすくさんは、今年の映画は本番で見るんですね。
両: はい。
絹: 吹き替えスタッフはワークショップで練習しているから見ているけれど、最後にグランプリ作品を決めたりする投票は、さっき言われた福島県から来られる人を含めた小4から中3の12人の審査員の投票で決まるわけですね。投票前の議論は大変そうやね。
田: はい。

●司会進行も、受付も、小さい子たちのサポートも…
絹: 司会進行から受付から、全部子どもスタッフがやるということですが、里奈さんが2年の経験、佑昴さんが3年の経験があると。それぞれ2年と3年でどんな役割を果たしましたか。
小: 例えば場内整備とか。僕は受付はやってないんですけど、去年はキッズコーナーというのがあったので、それをやったりしました。
絹: もっとずっと小さい子、保育コーナーみたいな感じですか?
小: と言うより、映画関連のおもちゃみたいなものが置いてある机の所で、子どもたちに遊んでもらうという場所です。そこでこどもたちのサポートをしたり、今年はオープニングの司会をさせてもらいます。
絹: え、司会をやるの?大役ですね。ご苦労さん。
里奈さんは、どんな役割を今まで果たしてきましたか。

●オープニングビデオも子どもスタッフが撮影します
田: 去年、私の中で一番思い出に残っているのは、オープニングでの司会で、昨年も今年もなんですが、オープニングビデオを子どもスタッフで作成していて…。
絹: あ、例の東と西からやってくるというやつ。
田: はい。その演出があったので、みんなで打ち合わせをして、オープニングを成功させるというところがとても楽しかったです。
絹: ここでリスナーの皆さんに補足説明をさせていただきます。オープニングビデオ、子どもスタッフたちが、京都の東と西に分かれて、何か運んでいるのかな?
勢: 上映作品のDVDを運んでいるというのが去年の設定だったのですが、今年は今年でまた違う設定になっています。で、最近やっと撮影を終えて、一本のVTRになりました。
絹: それも面白そうやなあ。
田: そうなんです(笑)。
絹: ちょっとどんなオープニングビデオになるか、ヒントだけ。
勢: 佑昴君が監督をしたんだよね。
小: 僕はマナー映像の監督です。
田: 今年はマナー映像も…。
絹: ごめん、その専門用語わかりません。マナー映像?
小: 映画で流れる、「前の椅子を蹴ったらダメ」とか「撮影禁止」とか。
絹: そっちのマナーね。マナー映像の編集?
小: その監督をやらせてもらって、ちょっと笑える要素も取り入れながら、お客様にルールを守って映画を見てもらえるようになるようなムービーをつくれたかなと思ってます。
絹: それはでっかいカメラとかでつくるの?
勢: 一眼レフのカメラです。
絹: ああ、カメラが今は動画も撮れるんだよな。
小: 本当の映画の監督さんが手伝いに来てくださって、その人と一緒に撮りました。

●吹き替えはすごく勉強になりました!
絹: 僕一番興味あるのが、吹き替えの部分なんですよね。お二人とも吹き替えの経験したっけ?
両: はい。
絹: 大変やと思うねん。おっちゃん、やった事ないし。口を合わせないといけないし、声の出し方とか、劇団のプロの人が指導してくださると聞いたから、「やりなおし!」とかって、なかった?「ここ、もう一回やろか」とか。
田: そうですね。何回も練習はするんですけど、すごく丁寧に教えて下さって、すごく勉強になりました。
絹: そのセリフと言うか、台本みたいなものを読むんでしょ?台本を読まなあかんし、画像も見ないとあかんし、あっち見て、こっち見て、あっち見て、こっち見て、でも棒読みになったらあかんし、気持ちを乗せるって、難しくなかったですか。
田: そうですね。
小: 難しかったですね。
絹: 例えば、「すごく楽しい!」という時と「なんか辛いわ」みたいな時と、場面によっていろいろあるでしょ?その時の自分の感情の出し分けと言うか、表現の仕方というのは、自分の肌感覚でどういう風にしてつかまれたんですか。しんどい時とか、どうやってたん?楽しい時はどうしてたん?とか、何かそんなコツとかも習うの?
勢: 里奈ちゃんの役の方が、寂しいとか悲しいというセリフが多かったかな。
田: 自分たちが普段よく見ているような映画とは、またちょっと価値観が違ったりとか、そういう海外のものが多いので、そういうところもちょっと難しいなというのを感じました。

●外国の映画って、感覚が違って、難しいけど面白い!
絹: 国際映画フェスだから、日本の常識では考えられないような作り方の、題材の映画も来るわけですね。
田: そうです。ちょっと難しかったです。
絹: 「あれ、僕たちと違う」みたいなのがあるわけ?
田: はい。
勢: 里奈ちゃんは去年、中国の映画の吹き替えをやって、たすく君はイタリア映画の吹き替えで、たすく君が担当したイタリアの映画は、ものすごくテンポが速い。
児: そうなんです。セリフがパパパパパパッと出てくる。イタリア語なので、なんか余計に早口な感じで。
絹: ほんなら早口言葉の練習なんて、目じゃないよみたいな感じになった。
小: そこまでではないですけど、かなり早かったのと、自分の役作りに結構苦労しました。
絹: だって本来の時分とは違う役の場合の方が、きっと多いよね。その時にポンと超えるというか、自分から自分とは違う役の人格にスイッチするって、すごく興味があるなあ。それができたわけやね。いくばくかは。
小: できたかどうかはわからないですけど。
田: それを見つけ出して、当日で発揮するという感じですね。
絹: そういう役柄の人にスイッチするというか、変化するというか、憑依するというか、その時の経験を少し聞かせてほしいな。終わった後、どう感じた?そういう自分じゃないセリフをしゃべってみたり。

●自分の感情と役柄の感情と…
田: 私は中国の小さい男の子の役をしていて、ちょっと貧困家庭の感じで、寂しい感じを出さないといけないということと、あんまり自分の感情を出さないようにしないと。自分はこうなっていたら悲しいだろうなと思っても、その男の子はその男の子で、その場で考えて自分の行動を起こしているので。その男の子自身、役柄的に無表情な感じだったので、自分の感情が高ぶらないようにという感じで…。
絹: 色々頭の中で考えながら、しゃべるんやねえ。イタリア人になったたすく君はどう?
小: 役がサッカーをしているチャラい男の子で、女の子にナンパするという感じの話だったんですけど…。
絹: 結構、イタリア人て、挨拶代わりにナンパするんやてな。
小: その女の子の役の人がかなりベテランで、アドバイスとかもいっぱいいただいて、それで結構役になりきれたかなと自分では思っているんですけど。
絹: 得難い経験だろうなあ。

■エピソード2 今年の映画、私たちのおススメです
●『わたしたち』という韓国映画に、すごく興味があります
絹: 話は佳境に入ってきましたが、今まではメインに私の興味で聞いてしまっています(笑)。すみません。今回の8月2日から5日までのフェスティバルでの上映作品について、ちょっと教えていただけますでしょうか。この中で特にお二人が気に入っている、あるいは見たいなと期待している作品について、少し語っていただけますか。
田: 私は長編映画で『わたしたち』という韓国映画が上映される予定なんですけど、韓国は最近はKポップとか、色々日本でも流行っていて、私も最近韓国ドラマをよく見る機会があって、韓国の映画やドラマに今、すごく興味があるので、見たいなと思っています。
絹: 先ほどの下打ち合わせでお聞きしたら、いつものグループでお友達だと思っていた子が、次の日に行ったらちょっとよそよそしいという経験するような、小学生の女の子たちの物語だよということを教えてもらいました。少女期に誰でもが覚えがあるようなお話で、僕も見たいなと思いました。
さあ、佑昴君はどこに期待しています?

●『Zoo』が冒険ものっぽくて、ワクワクします
小: 僕は『Zoo』という映画にちょっと興味があるなと思っていて。
絹: 動物園の『Zoo』ですね。アイルランド・イギリス、97分、長編ですね。
小: キンダーフィルムフェストのチラシには、映画の観点、冒険ものとか、動物が登場しますよみたいなマークがついています。僕は基本的に冒険ものが好きなので、長編ではこの『Zoo』が実写ですし、冒険ものっぽいなと思ったので、とても興味があります。
絹: 「戦時中、『象さんだけでも助けたい』と思った子どもたちのストーリー」と書いてありますね。「小学校1年から見て」と書いてある。なかなか面白そうですね。
リスナーの皆さん、イメージ持っていただけましたでしょうか。それからお子さんをお持ちの親御さんに申し上げたいのですが、京都でこんなにすごい子どもの夏休みのイベントがあるって、知りませんでした。それも24年も前から。これはおすすめです。このスタッフとして活躍している子どもたちは、すっごい濃い経験ができると思います。お二人のお顔を見ていても、楽しみです。
ここでちょっと「私はつきそいやから、ふらないで」と言っていたお姉さんにふってしまいます。リスナーの方向けに、少しコメントを頂けますでしょうか。

●子どもたちの成長をすごく実感できるんです
勢: 本当に今、田中里奈ちゃんと児島たすく君がお話していたのを、お聞きいただいてわかると思うのですが、子どもスタッフがとてもしっかりしているんです。
小学校三年生の子が最年少なのですが、その三年生の子も本当にお兄さん、お姉さんに混ざって、ものすごく一生懸命やっていて、やっぱり小さい子たちは、お兄さんお姉さんを見て、来年もっと「ああいうことをやりたい」と、みんな毎年やって、どんどん大人になっていく。スタッフで、中心的な役割を担ってくれている、のぞみという女の子がいて、その子も子どもスタッフを5年くらいやって、今、大学生なんです。そういうふうに私たち大人も、彼らの成長をすごく感じられるので、そういう場が京都にあるということは、私も関わっていてすごくうれしいなと思っています。
また、学校以外の場所でこういうふうに遊べる場所、みんなと触れ合える場所があるというのが、すごく魅力的だなと思いますので、是非皆さん会場に来て、雰囲気を味わって頂けたらと思います。
絹: さっき里奈さんが「イベントに参加する側とスタッフに立つ側とで全然違う!」と言っていました。会場に来ていただいて、「これは何かある!」と思ったら、本当にその場で「私もスタッフになれます?」みたいな質問を、子どもスタッフに投げていただいたら、すごくいいんじゃないかなと思います。
田: はい、是非。

●私たち、僕たち子どもスタッフと一緒に参加してみませんか?
絹: 田中里奈さん、小嶋 佑昴さん、あなたたちの言葉で参加を呼び掛けてみてくれませんか。
小: このキンダーフィルムフェスト京都国際子ども映画祭は、子どもが主人公の映画祭です。子どもさんがいるご家庭には、とてもいい夏休みのイベントとなると思うので、是非参加してみてください。子どもスタッフも募集していますので、よろしくお願いします。
絹: ああ、ちゃんと声出てる。おお、やるなあ。里奈さんはどう?
田: さっきも言いましたが、すっごく心があたたまる作品ばかりなので、是非来ていただいて、海外のものだと価値観も全く違ったりして、普段見る様なものとは違う学びを得たりもできるので、是非来てください。
絹: はい、ありがとう。リスナーの皆さん、この子どもスタッフを支える背後には、NPO法人キンダーフィルムフェスト京都という、しっかりした大人たちが、彼女たち彼たちを見守っておられます。どうぞ8月の2日、3日、4日、5日、京都文化博物館へお運びください。
この番組は心を建てる公成建設の協力と京都府地域力再生プロジェクト、我らが京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。ありがとうございました。
全員: ありがとうございました。
投稿日:2018/08/13

第138回 ・七条大橋ライトアップ2018を応援して下さい

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成30年6月放送>

酒: 酒谷 宗男氏(七條大橋をキレイにする会 共同代表)
明: 小林 明音氏(七條大橋をキレイにする会 共同代表)
は: 小林 はな氏
絹: 絹川 雅則(公成建設株式会社)
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左:酒谷 宗男氏 中央:小林 明音氏 右:小林 はな氏
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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最新のエピローグをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト紹介です。ゲスト最年少記録が生まれました!なんと小学校4年生の小林はなちゃんをまずご紹介します。はなちゃん、よろしくお願いします。
は: こんにちは。お願いします。
絹: そのお隣はそのお母さん、小林明音さんです。小林さんはご紹介をどんなふうにするのがいいのかな。「七条大橋をキレイにする会」共同代表小林明音さんです。
明: はい、よろしくお願いします。
絹: そしてメインゲスト、もうお一方、私から言うと先輩に当たられる歳回りの方と拝察いたします。同じく「七条大橋をキレイにする会」共同代表、そして京都のまちに関わられる方なら、結構この方のお名前を聞いておられる方多いのではないでしょうか。「朝粥食べて、おシャベリ会」企画・運営者 酒谷宗男さんです。
酒: はい、酒谷です。よろしくお願いします。
絹: 酒谷さんのお名前は、「集酉楽サカタニ」というキーワードや朝粥の会をずっと長いことなさっていることで、どこかでお聞きになっている方、あるは七条大橋のたもとの集酉楽さんの楽々ホールに行かれた方など、ひょっとしたらリスナーの方の中にもおられるかもしれません。今日はゲストの最年少記録更新の小林はなちゃんを迎えて、3人のゲストでお送りいたします。
今日の番組のテーマ・タイトルを申し上げます。「七条大橋ライトアップ2018を応援して下さい」と題してお送りいたします。それではゲストのお三方、よろしくお願いします。
明: よろしくお願いします。
絹: さっき打ち合わせで言うのを忘れましたが、ゲスト紹介をウォーミングアップも兼ねて、「他己紹介」というのをやっています。それでは小林明音さん、酒谷宗男さんとはいかなる人物ぞ、短く述べよ(笑)。
明: 宗男さんに出会ったのは、5~6年前だったと思います。七条大橋をキレイにする会を始めたのは、4年前ですか、宗男さんが「掃除をしよう。まずは掃除からしよう」とおっしゃって、「じゃあ、私もついていきます!」みたいな感じで始めました。その時から本当にまず行動で示すという、まず自らが動いて示すという、その背中を見て、みんながついていくみたいな、行動で示す方です。
絹: 推進エンジン?
明: 推進エンジンだけでもなく、がーッと進まれるわけでもなく、周りを見渡しながら、そうっとそうっと進んでいかれるような…。
絹: ありがとうございます。それでは酒谷宗男さんにお聞きします。いきなり無茶ぶりですみません(笑)。小林はなちゃんとはいかなるお嬢ちゃんですか。
酒: 小林はなちゃんは、いつもお母さんについて、うちの店とか、喫茶ルームにお越しになるのですが、お母さんが七条大橋のミーティングをされている時などは、一生懸命自分の勉強をしたり、趣味のことをとても頑張ってやったりと、非常におりこうさんで、ママを手こずらせないんです。
絹: 舌出してるで(笑)。
酒: それは彼女が気遣い、気配りをしているんです。それはやっぱりすごいなと思いますね。
絹: 小学4年生にして、気配りができると。では最後にはなちゃんに聞きます。小林明音さんて、どんな人?どんなママ?
は: うーん。ふつうの…。
明: ごくごく普通です(笑)。
絹: はなちゃんに助け船を出します。小林明音さん、実はすごい方で、土木系の技術資格を有する人で、富山県庁の技術職としてお勤めになっていた時期があります。そして京都市に来られて、京都市景観まちづくりセンターの職員として数年働いておられました。その時に私と出会いまして、実はこのスタジオにも何度か、コミュニティFMの担当として来てくださったことがあります。ということで、最初のウォーミングアップ、他己紹介でありました。じゃあ、エピソード1に入ります。

■エピソード1  そもそも七条大橋のお掃除が始まったのは、7月7日でありました
●七条大橋100年の渡り初め、盛り上がったけれども…
絹: そもそも七条大橋のお掃除が始まったのは、7月7日だったそうですが、そのあたりから紐解いていただきますか。
酒: 今度の7月7日で4年目に入るんですね。ですから4年前ということになりますか。実はその前に、とりあえずは七条大橋100年の渡り初めをしたけれども、それ自体は盛り上がったんですよ。
明: そうですね。渡り初めをしたのが2013年なので、もう5年前になるでしょうか。
酒: その時は100年目の渡り初めということで、すごく盛り上がったんですよ。門川市長を先頭に、地域住民も一緒にわーっと渡り初めをやって、「七条大橋、やっぱり大事にせなあかんな」と、そういう機運はあったんですけど、ただそういうイベント的なことって、やっぱりぽしゃってしまうわけです。誰かが何かをしんと。
で、私の兄が「100周年で、あんだけ盛り上げてやったのに、草ぼうぼうで、ゴミはあるし、困ったこっちゃなあ」と言ったんです。それを聞いてて、僕は兄よりずいぶん若いので、「お前やれ」ということやなと、プレッシャーを感じてて、「7月7日ころからやろか」と言って…。
絹: それが4年前。

●ゴミと草ぼうぼう、なんとかせんとあかん!
酒: そうです。その時に小林さんが近くにいはって、「私も手伝っていいよ」と言ってくれはったんです。それで流れがパッと変わったんです。2人でとにかく泣きながらやろと(笑)。
一週間口コミだけで、ワーワー言って、「どれだけ集まるかわからへんけど、とにかくやろ」と言って、7月7日にやることになりました。結局12人集まったんです。その12人集まっただけでもね。一週間足らずですよね。それでもう、ちょっと感激して、とにかくやったということで、肩の荷がちょっと下りたわけです。そしたら参加している人が、「ひょっとしたら一回で終わるのとちゃうやろな」と、プレッシャーをかけられてね。で、小林さんが7のつく日に毎月やろうということになって、現在に至るわけです。

●毎月7のつく日に、雨でも台風でも大雪でも
絹: もうそしたら何回くらいになるんですかね。毎月やったはるんですよね。
酒: 次の7月7日で37回目になります。
絹: そやけど、よう続きましたね。その7日というのが、七条大橋の7で、お休みの日ばかりでなく、ウィークデーでも7でやろうと、貫いたわけですね。
酒: そうです。まあ雨が降ろうが、台風が来ようが、雪が降ろうが、やるやらないは現場で考えようと。でも一回も中止になったことがないんです。それがすごいんです。
絹: 雨でも大雪でも。
酒: はい。
絹: 当初から12人という面子は変化していかれましたか?

●参加人数が画期的に増加!
酒: それが回を増すごとに、どんどん増えてくると。画期的に増えたのは、2年くらい前ですかね。近所の有名なホテルが20人、掃除しますと。
絹: あの辺の有名なホテルというと、フォーシーズンズができる前の…。
酒: ハイアットリージェンシーです。総支配人はじめ上から下まで来られて、それをホームページにアップされたんです。「近所の七条大橋、社会貢献の一助として、携わっています」と。それをフォーシーズンズが見られて、すぐに電話がかかってきた。面白いでしょ?
絹: これはハイアットさんに負けてられんと。
酒: かってきて、まさかフォーシーズンズからうちに電話があるなんて、夢にも思ってないし、なんのこっちゃと聞いたら、「うちも七条大橋に掃除に行きたい」とおっしゃった。ウェルカムですよ。
絹: そうすると30回を超える頃には、どっと来てた。先ほどの打ち合わせでは三桁を超えたとおっしゃってましたよね。

●30回目の記念イベントには、三桁超え!
酒: そうです。その時、30回目なんですけど、記念なので色んな所に丁寧に声を掛けたわけです。ハイアットさん、フォーシーズンズさん、それからうちの近所には京女さんがある。それから新しくできた京都美術工芸大学。
絹: あ、新谷さんとこや。
酒: そう、そう、新谷さんとこ。ここにもずっと声を掛けて、来ていただけるようになって。そして私が卒園した名門の、近所にある昭和保育園から園児も来ると。30回目のイベントなので、私が懇意にしている京都タワーのたわわちゃんも来てくれました。
絹: キャラクターですね。
酒: そうです。門川市長も来ていただきました。園児はもうたわわちゃん一色。門川さん、何か被らんと誰も来ないという状態になって(笑)。
絹: はなちゃんも行った?
明: はなちゃんはその日は平日なので、小学校に行ってますね(笑)。
絹: 失礼しました(笑)。

●あって当たり前の橋が、お掃除をしてもらって、注目を浴びて
絹: 明音さん、僕も建設屋ですから、橋をキレイにとか、ライトアップとか、こうした土木構造物、普段は注目を浴びる事もない、あって当たり前、通れて当たり前の道だとか橋だとかに、酒谷さんみたいな一般の方、あるいはそこへ12人から始まって116人?
明: そうです。30回目にはそうなりました。
絹: それをお掃除して下さること自体が、実は無茶苦茶うれしいんです。しかも100年超えた橋が長寿命で、まだ現役で頑張っている。そのことを一般市民が知って下さって、しかもライトアップと。この七条大橋のお掃除を続けておられること、人数が増えたということの、ご近所の五つ星や四つ星の有名ホテルが来てくださったことだけではなく、明音さん自身がすごい賞を取ってしまったということが人を増やすことに繋がったという話も聞いたことがあるんですけど。
明: 恥ずかしながら(笑)。
絹: その賞について、ちょっとお話をしてください。

■エピソード2  すごい賞をいただいて、人がどんどん繋がって
●七条大橋のすばらしさを知ってほしい
明: 今、絹川さんがおっしゃっていただいた通りで、私も土木のことを学んできた端くれとして、七条大橋のすばらしさ、100年以上前につくられた鉄筋コンクリートアーチ橋で、土木構造物としても大変貴重で、こんな素晴らしい橋が身近にあるんだよということを、まず地元の方々に知って頂きたかったんです。知って頂いて、誇りに思って頂きたいと。そうすることで七条大橋だけではなくて、他の橋でも、土木は色々なお仕事をしていますから、そういった事に対する理解に繋げていけたらなと個人的には思って…。
絹: うわあ、そんなこと聞いたら、京都の建設屋泣きますよ(笑)。
明: やっぱりご苦労とか、よくわかりますし、小さな事から、私にできる事からということで、七条大橋に参加させてもらってます。

●京都・eco女グランプリで、受賞!
明: 私がどうのと言える立場ではないんですけど、一応共同代表という肩書を頂いてできることは何だろうと思った時に、たまたま「ミスアースジャパン」のプレイベントの開催を知ったんです。「ミスアースジャパン」は、世界4大ミスコンの1つなんです。
絹: そないにたいそなミスコンやったんですか(笑)。
明: 実は(笑)。ファイナルは世界大会があるんです。
その「ミスアースジャパン」の京都大会が先日行われまして、そのプレイベントとして、第一回「京都・ecoグランプリ」という大会をされたんですね。その「ミスアースジャパン」の方は華々しくて、美貌を含め、年齢条件もありますし、私ごときが出られる大会ではないのですが(笑)、「京都・eco女グランプリ」の方は年齢制限も条件もなく、女の人なら出られるということで、私にできるのはこれかもしれないと、出させていただいたんですね。そうしたら、グランプリは立命館大学の学生さんが見事受賞されたんですが、準グランプリということで、「DO YOU KYOTO ?」賞というのを頂きまして、大変栄えある賞を、準グランプリということで、本当にうれしかったんです。
絹: その「DO YOU KYOTO ?」賞をお取りになるに際して、明音さんはプレゼンをされたわけですよね。
明: そうです。プレゼンさせていただきました。
絹: プレゼンの内容は、この七条大橋。
明: もちろんです。七条大橋を背負って行ってまいりました。
絹: それで「なるほど!あんた、準グランプリ!」という感じだったわけですね。

●土木と環境、相対するもの?
明: そうなんです。「eco女」ですから、環境系の方が多いんですね。主催者の方も、来られる方も。で、きっと絹川さんも同じような思いをされるかもしれないですけど、土木と環境って、結構相対すると言うか、何かすると環境に影響を与えるような…。
絹: いやあ、以前はダム反対運動とかありましたもの。
明: 生態系に何か影響を及ぼすとか、そういった話があるなかで…。
絹: 希少種がある場所で、「サッカースタジアムをつくるのは、よく考えないと…。」みたいな(笑)。ちゃんと環境の影響評価をして、場所を選定したり、工期を変えたりとか、国交省を始め、すごく気を遣ってらっしゃいますよね。
明: そうなんですよ。そういう場で土木の事について語らせていただいて、評価をいただけたと、そのことがまず私にとっては、すごく有難かったんです。
絹: 土木技術者の鑑!
明: ありがとうございます。

●賞をいただいた事より、人が繋がっていくことがうれしい…
明: そしたら事務局の方もどう思って頂けたのかわからないですけれども、次の回に予告なくふらっと来ていただけたんです。やっぱりプレゼンが響いたと確信する瞬間だったと思います。賞をいただいた事よりも、人が繋がっていくことが、すごくうれしかったです。
絹: その「ミスアースジャパン」京都事務局の方が来られたんですか。
明: 事務局の方も来られましたし、見事「ミスアースジャパン」京都大会で賞を取られたような方も、美しい女性の方も…。
酒: 京都代表の…。
絹: フェイスブックに載ってた「なんでこんなべっぴんさんが掃除してるんや」というような、あの写真ですか?あ、そうかあ。そういう影響があったんだ。
酒: 実際、私は応援がてら明音さんのプレゼンをきいたんですけど、やっぱり土木構造的なことも含め、掃除のことも含め、熱い思いをきっちり語られたということが、非常に一緒にやっている者としては、聞いてて涙が出るくらいうれしかったんです。やっぱり熱い思いが波紋を呼ぶと言いますか、まさしく言葉と実績でそういう具合に広がったということ、ものすごく喜んでます。

●七条大橋の魅力と歴史
絹: 資料としていただいた趣意書のなかから、少しだけ読ませていただきます。
七条大橋の魅力:七条大橋は鉄筋コンクリート技術が使われ始めた当時の国内最大規模の土木建造物です。その重厚で力強い構造とリズミカルなラインが放つ魅力を味わっていただきたいと思います。
七条大橋の歴史:七条大橋は京都が明治から大正期に近代都市として脱皮した「三大事業」の一環でつくられました。そこには京都の近代化の物語があります。また昭和10年には鴨川大洪水、戦時中には軍部の金属供出命令によって高覧や照明灯が撤去される受難にも遭いました。
こういうプレゼンをされたわけですよね。
酒: そうですね。

●人が繋がる、その輪が広がる
絹: 小林明音さんのそういうご努力、それから地道に7月7日から始まって、今年で活動4周年のお掃除プロジェクト、どんどん人が増えていきます。そしてさっきびっくりしたんですけど、この動き、拡大しているらしいですね。二条だとか、丸太町、鴨川デルタと、仲間が増えているらしいですね。それもちょっとだけお話頂けませんか。
酒: 鴨川デルタで活動している青年が七条大橋に掃除をしにきてくれて、その熱気をそのまま自分の地元のデルタでやりたいということで、頑張っています。まだ6~7回なんですが、これ楽しみなんです。
絹: 僕は一回だけふらっと立ち寄って、後の反省会や意見交換会出させていただいたんですけど、そういう方が確かに来ておられました。そして酒谷さんとこに集まっていらっしゃる、お掃除した後、お茶を飲みながら意見交換会をなさっている、あれが素晴らしいですね。で、集まって来られている人たちは、何か潜在エネルギーをそれぞれ色々お持ちの方がいらっしゃるから、そういう広がりに繋がるのかなと思っておりました。

■エピソード3 そして今年もやります 七条大橋ライトアップ2018
●七条大橋ライトアップ2017はこんな感じでした
絹: さて、去年のライトアップから、今年も2018と、動きが広がっていきます。手元にすごいキレイなプロの写真家がお撮りになった七条大橋のライトアップの写真、それからセピアの写真、フォトコンテスト2017とあります。「フォトコンテストは今年もやらはらへんのですか?」という問い合わせもあったそうですが、イベントをするって、結構大変ですよね。で、「応援して下さい」というタイトルにもなっています。2018はどうなっていくのでしょうか。この辺りについて、お願いいたします。
明: 去年、初めて掃除だけではないイベントをさせてもらいました。ライトアップとフォトコンテストです。初めての事で、私たちもどうなることかとわからないなかで開催させてもらったのですが、結果としてフォトコンテストの方は77名の方に応募いただきましたし…。
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絹: いい数字ですねえ。それはちょっと調整が入っているんじゃないですか(笑)?

●ただ、ちょっと大変な部分もありまして…
明: いやあ(笑)、入ってないです。で、ライトアップの方も500枚用意したパンフレットがほぼ捌けているという状況で、一定の影響はあったのかなと私たちは思っています。ただ、実施に関しては、たくさんのスタッフの方に、夜、お手伝いに来ていただいたりと、すごく大変だった面もあるので、私も酒谷さんも、これは続けた方がいいんだろうか、どうしようかと悩んでいたところでした。
ところが、意見交換に来られている方が「本当に手伝っていて楽しかったし、今年もやろうよ」と。「せめてライトアップはやろうよ」ということで、今年はライトアップ一本に絞って、是非もう一度あの時の感動を実現したいなと思っています。
絹: ライトアップって、実は照明器具のセッティングとか、めちゃくちゃ大変なはずですよね。
明: そうなんです。素人ができるような代物ではないんですが、やってしまいまして。それに設置に関して資金もやっぱり要るわけで、カンパを今年は早いうちから募りまして。
絹: そのカンパを募るための準備のイベントをやろうと。

●7月7日 応援チャリティーライブやります!
酒: 大橋ライトアップ2018 応援チャリティーライブ」お掃除に来ていただいている方々の中に、ミュージシャンがおいでになるのと…。
絹: 例のフラリーパットさんもそうですね。
酒: フラリーパットさんはスケジュールが合わなくて、今回はできないんですけど、フラリーパットさんがつくってくれた『七条大橋の上には』という曲は、必ずミュージシャンが演奏してくれます。
絹: リスナーの皆さん、フラリーパットというカタカナの、若い二人組のアーティストですけれども、地元京都の方ですか?
酒: はい。東山なんですよね。最初はウクレレとギターのインストユニットだったのが、ここ2年ほどは歌ありの曲も歌うようになって、結構ブレイクしつつあるところです。
絹: 『七条大橋の上には』という曲は、検索していただいたらYouTubeで引っかかると思いますので、もしよろしければお聞きください。

●盛りだくさんなラインナップです。是非いらしてください!
絹: そしてこの応援チャリティーライブの日付等について教えていただけますか。確かやっぱり7のつく日ですよね。
酒: はい。2018年7月7日の土曜日、9時から10時まではいつものように掃除をする。その後やっぱりミーティングをして、その後に応援チャリティーライブをやります。開演が11時50分から15時30分までです。参加ミュージシャンは7ユニットで、それもバラエティに富んだミュージシャンが出てくれます。
絹: フラダンスあり、雅楽あり、篠笛あり、京都美術工芸大学の軽音楽あり、京女も来る。
酒: 「京炎そでふれ」の京小町さんが来てくれます。
絹: そして日舞、これはきっと小林はなちゃんが踊ってるやつやな?
酒: はい。
絹: そしてフォーク&スタンダード ブラブラーナ 佐々木ゆかさんほか。
そしてこちらにお持ちいただいたんですけど、会場では1000円のカンパで京都七条大橋手ぬぐい、それから300円のカンパでフォトコンテストの受賞作品を始めとするはがきセット、または缶バッチ、これは酒谷さんが撮られた写真も入っているとのことですね。「一緒に七条大橋をキレイにしませんか」という缶バッチ、楽しいイベントです。七条大橋の本番のライトアップを応援するという気持ちのあるカンパです。してもいいよという人は、7月7日のできればお掃除から。お掃除しんどいなという人は11時50分から、集酉楽サカタニさんでチャリティーライブです!
この番組は心を建てる公成建設の協力と、京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。酒谷さん、小林明音さん、はなちゃん、ありがとうございました。
全: ありがとうございました。
投稿日:2018/07/03

第137回 ・どっちが本業?~歌手にして僧侶 柱本めぐみさんに聴く

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成30年5月放送分>

柱: 柱本 めぐみ氏(明覺寺住職・ソプラノ歌手)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最新のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト紹介ですが、ちょっと今回は緊張しております。というのは、小学校、中学校、高校と全部同級生で、しかもクラスの優等生で、私が「こいつには一生、頭上がらへん」というゲストです。偶然、ご縁がありまして、お呼びいたしました。柱本めぐみさんです。
柱: こんにちは。優等生ではなかったと思うんですけど(笑)、はい。
絹: ええ?優等生でなかったら芸大に行ける?
柱: いやあ、まあまあそれなりに(笑)。
絹: 私は勉強では絶対に勝てないというトラウマを抱えながらの番組進行になります。
柱: いやいや(笑)。
絹: それでは柱本さんのプロフィール、今一端をご紹介しましたけれども、僕の方からもう少しご紹介させていただきます。
柱本めぐみさん、京都市生まれ、京都市立芸術大学声楽専攻卒業、そしてソプラノ歌手と書いてあります。歌を歌われる時は、旧姓の藤田めぐみさんに戻られるんですよね。
柱: はい。
絹: だけど、1490年(延徳2年)に創建された明覺寺の第二十代住職、僧籍にあられるんですよね。
柱: はい。お坊さんなんです。
絹: リスナーの皆さんの中で、柱本めぐみさんのお名前に憶えがあるという方は、たぶん京都新聞の「暖流」というコラムではないでしょうか。
柱: もう3年くらいになりますかね。
絹: 月1で書いていらっしゃる?
柱: 今、2ヵ月に1回くらいでしょうか。
絹: そのコラムに寄稿されています。
今日の番組のテーマですけれども「どっちが本業?~歌手にして僧侶 柱本めぐみさんに聴く」と題してお送りいたします。
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■エピソード1 古刹の二十代目の御住職、なんでなったん?
●お寺の息子と結婚して…
絹: さて、エピソード1。さっきご紹介しましたけれども、ごっつう古いお寺の二十代目の御住職になんでなったん?
柱: 皆さん、人生、何が起こるかわからないというご経験はたくさんお持ちだと思いますが、私も自分がまさかお坊さんになるなんて、全く考えてなかったんですけどね(笑)。
絹: そりゃあ、同級生、誰も思ってないでしょう。
柱: 同級生でも「え!」と思われたと思うんですけど(笑)、たまたま寺の息子が嫁に来てくれというので、歌を歌っているのも知っていましたから、「歌だけ歌ってたらいいから、嫁に来てくれ」というので。私は一人娘なんですけど、親も「お寺に嫁げば、京都から離れへんやろう」という思いとご仏縁を頂くのもいいだろうというので、寺にお嫁に行ったと言いますか、行った先がお寺だったというだけのことだったんですけどね。
絹: 結婚された当初もコンサート活動は続けていらっしゃって、僕、案内をもらってもほとんど行かなかったんですが、御所の近所のアルティに…。
柱: あそこでもリサイタルしたことありますね。
絹: そこに1回だけ、お花だけ届けて、その時にまだお元気だったころの御主人に1回だけお会いした覚えがあります。
柱: あ、お会いになったんですか。知りませんでした。
絹: おぼろげながら覚えています。もうだいぶ前ですけど。
柱: ずいぶん昔ですね。

●仏教って、お寺って、何かなと考え始めて
絹: 考えてみれば、ご主人が元気ならお坊さんにはならないですよね。
柱: でも、お坊さんにはなったんですね。やっぱり「寺の事は何にもせんでええ」と言われても、毎日寺に暮らしていますと、「仏教って、何かな」「寺って、何かな」と思うようになって、ちょっと勉強したいなという気持ちで、得度だけはしまして。
絹: 結婚と同時にですか?
柱: いえいえ、子どもが小学生くらいの時ですね。
絹: でも、悲しい思い出になるのですけど、ご主人が早くに…。四十代でしたっけ。
柱: 五十になったとこでしたね。

●そして寺に誰もいなくなった…
絹: 若いのにお亡くなりになって、それがご縁で歌手にして僧侶という道に行かれたんですね。
柱: そうですね。その前年に義父も亡くなり、住職も亡くなり、「そして寺に誰もいなくなった」みたいな感じで、「寺、どうすんねん」という感じだったんですけど、何の抵抗もなくねえ…。
絹: そのお義父さん、つまり前住職がお亡くなりになって、翌年にご主人が、またお義母さんも…。
柱: そうですね。二年置いて、義母も亡くなって。
絹: もうバタバタと。なんでこんだけ続くねんという…。
柱: そうです。ですから4~5年はもう看病だけの日々でしたから、歌なんかどっかに飛んでいました。
絹: 柱本さんは同窓会の世話も一生懸命してくださる人なんですけど、私もあんまり行かない同窓会にご一緒した時に、すごくやつれていた時期があったなという記憶があるんですよ。
柱: 自分では一生懸命しているつもりでもね。やっぱりそうだったかもしれないですね。
絹: たぶんその時期だったんだろうなと思います。
そして宗教者として、歌手として、活動を続けておられるんですが、明覺寺にたまにおじゃますると、ちょっと何か違うなという感覚を受けるんですけど、すごく変わったことをお寺でされていません?

●お寺で何か楽しいことをしたい、みんなに来てもらいたい
柱: 私は何も知らなくて、寺を継いだんですけど、元々寺の生まれではなかったですから、お寺ということも、仏教もあまり深く勉強したこともなかったんですけど、手探りでやっているうちに、昔は葬式や法事でお坊さんが来る所というイメージだったんですけど、考えてみたら死んでしまったら宗教って、いらないわけですから。
「宗教やお寺というのは生きている人のためにあるんや」と考えた時に、何ができるのかと思ったら、せっかくお寺という空間があるんやから、何か楽しいことをしたい。そしてみんなに来てもらいたい。そんな気持ちがあったんですよね。

●明覺寺の夕方市のこと
絹: 明覺寺さんて、会社のそばなんです。歩いて5分で行けるところに、彼女、いたはるんです(笑)。行った時に覚えているのは、1490年から続いているお寺の御門前で、市が立っているんです。夕方市が。
柱: お野菜市ね。
絹: これ、読みますね。
「明覺寺夕方市 新鮮なお野菜をはじめ、毎回大好評」
毎月第二水曜って、これ、今でもそうですか?
柱: はい。事情で飛ぶ時はあるんですけど、基本的にそれでやっています。
絹: 14時から、5月からは15時から。NPOの「いのちの里・京都村」の方たちが来られると。
柱: 定期的にやる場所を探しておられたので。過疎地のお野菜を集めて売っておられるんです。それを集めてくるので夕方になるんです。
目の見えないところでもそれをすることで、色んな人たちと繋がるという気持ちもありましたし、実際にそうやって夕方市をすると、顔を知っていてもなかなか言葉を交わす機会がなかったご近所の方とも、お話をする機会もできましたし、すごくうれしいなと思っています。
絹: やるなあ。あんまり遅がけに行くと、売り切れていてないんですよ。安心で美味しそうなお野菜を中心に京都府下の産品が並べられていて、買い物に来た人とおしゃべりをしながらね。
女性で猟銃をぶっぱなすハンターがいらして。
柱: 彼女も命について考えるということで、共通点を見出したというか、そんな感じで始めたんですけど、それと過疎地では色んな工夫をして、ジャムを作ってみたり、お菓子を作ってみたり、お味噌とか、そういうものも販売させてもらっています。
絹: リスナーの皆さん、下京区近辺の人は覚えておられたら、結構掘り出し物ですよ。
柱: 6月は休みなんですけど、7月からまたやりますので。
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●開かれたお寺を目指して
絹: こういうことに象徴されるように、開かれたお寺を目指しておられるなというのが、すごく私の記憶に残っていまして、これだけじゃないでしょ。
柱: そうですね。落語会もしていますし、この頃は若い人たちも集まって、寺という空間を自由な発想、新しい発想で使ってもらいたいという思いがあるんです。
ですからデスカフェだったり…。
絹: デスカフェって、デスノートのデスですよ。「death」、つまり死のカフェ。
柱: そうです。死について語り合うっていう。入棺体験、棺に入る体験をしてみたりとか。
絹: 若い人は無茶しますねえ(笑)。
柱: 私も入ってみましたけれども、そういう発想を応援したいという気持ちもありますし、そういうことで、やっぱり本堂の前に靴がたくさん脱いであるというのは、私、すごくうれしいんです。まちなかの小さな小さな寺なんですけど、そこから人の声が、笑い声がする、それがすごく大好きなんですよね。
絹: 御本山も龍谷大学も近いし、若いお坊さんがよく集まってきはると。その中には息子さんも当然いはる。
柱: そうですね。息子も皆さんに育てていただきました(笑)。

●住職も歌も、私の生きている基本なんです
絹: いい感じですね。あ、今気が付いたんですが、これ、BGMで流れているの、目の前でしゃべってくれている柱本めぐみさんの声ですよ。ちょっと一回、音量を上げて聞いてみましょう。
同級生の中に、こういうプロの歌手がおられるというのが、驚きではあります。二足の草鞋、どっちが本業、どっちも本業という柱本めぐみさんです。
柱: そうですね。私の中ではどっちが本業と言われても答えはなくて、どっちも仕事ではなくて、生きている基本みたいなところがあるんですね。
元々クラシックをやっていたんですけど、ちょっと話があって、ホテルのディナーショーみたいなのをするようになって。
そこでも人の縁ができて、「ジャズが好き」「シャンソンが好き」「こんな映画音楽が好き」と、皆さんリクエストを下さって、それでこういう歌も歌うようになりました。
それも皆さんに教えていただいたことですし、私、毎日毎日皆さんに色んな気づきを頂いて、生きている感じがするので感謝をしておりますし、やはり人の繋がりって大事やなというのは、毎日色んな所で思わせてもらっています。

■エピソード2 唱歌との再会、そして…
●きっかけは海外コンサートでした
絹: 海外でもコンサートされた経験が何度かあって、そこからチョイスされる歌が変化していったと、さっき教えていただきましたけれども。
柱: やっぱり家族を見送ったなかで、命を考える歌って何かなと考えたことも、1つのきっかけなのですが、クラシックをずっとやっていましたし、現代音楽もやっていまして、その中で海外でコンサートをしていたんです。その後のパーティーでお国自慢が始まって、「めぐみも日本の曲歌ってよ」と言われたら、はてと(笑)。
「私は何を歌ったらいいんやろと思った時に、かろうじて「赤とんぼ」を思い出したんです。そこで「赤とんぼ」をアカペラで歌ったら、すごく静かで、すごく単純で…。その時、会場がシーンとなってしまって、それまでワーッと騒いでいた人が「なんと美しいメロディーなんだ」と、みんなが口を揃えて言ってくれて。
もちろん日本語も通じないですし、初めて聞く曲のはずなんですが、「えっ」と思った時に、「あ、私は日本人やった」と。それと「日本の音楽を大事にせなあかん」と思ったのをきっかけに、唱歌・抒情歌というものを歌い始めたんです。
最初は手探りでしたけど、歌うにつれて、色んな事を考えるようになってきて、色んな唱歌を今、歌わせていただいています。

●唱歌、なんだか懐かしい感じがしませんか?
柱: ちょっとここで、唱歌を一曲聞いて頂きたいなと思います。

卯の花のにおう垣根に
ほととぎす 早も来鳴きて
忍び音もらす 夏は来ぬ
さみだれの そそぐ山田に
早乙女が 裳裾ぬらして
玉苗植うる 夏は来ぬ

絹: すごい。同級生が歌っているって、信じられない…。
柱: こんな曲があったんやって、思わはったでしょ?懐かしい感じがしません?
絹: 「夏は来ぬ」って、プロが歌うと、こんななるの?
柱: 色んな歌い方があると思うんですけど、これは景色を歌っていますけど、日本の四季ですね。
絹: 効果音の鈴ですか?たまらないですね。
柱: これをみんなでバンドのメンバーと一緒につくり上げたんです。
絹: やっぱりプロなんですねえ。いいなあ。僕の死んだ弟もミュージシャンをやっていたので、音楽ができる人はすごいなあと本当に思う。
柱: こうやって、仲間で1つのものを作り上げる喜びというのも感じさせてもらっていますし、こういうのをできたらおじいちゃん、おばあちゃんがお孫さんと一緒に聴いて下さったり、仕事で疲れた時に、ふっと寝る前にでも聴いて、リラックスしてもらったらいいかなというイメージで作らせてもらったんですけど。

●父の日コンサートの始まり
絹: 唱歌に目覚められたという動きが、おそらくは次なる父の日のチャリティーコンサートに繋がっていくのだろうと拝察しますが、父の日のチャリティーコンサートって、そもそもどうやって始まったんですか。
柱: ずっとディナーショーをしていまして、ジャズやらラテンやらを歌っていたのですが、そのホテルが建て替えになるのを機会に、元々はホールでコンサートをしていましたから、ちょっとそこへ戻ってみようかという気持ちで始めました。
そのホールというのが抽選で日が決まるんですけど、それに当たったのが父の日だったんです(笑)。実はその会館が出来た時に、うちの父が関わっていたというのがありまして…。
絹: 父上は京都府の職員であられて…。
柱: そうなんです。そのホールで父の事を覚えていてくださった方もいらして、ちょうど父の三十三回忌であったこともあり、色んな事が重なって、「これは父の日コンサートにしよう!」と思い立ちました。
絹: 世の中には不思議な偶然がありますねえ。

●チャリティーコンサートにしたい…
柱: せっかくなので広告掲載をしていただこうかなという動きの中で、寄付しようかなという…。
絹: その寄付先がライトハウス?
柱: ライトハウスというところでお手伝いをさせていただくなかで、皆さんがすごくイキイキ生きておられるお姿を見て、お歌もお好きだと聞いたので、ちょっとそこにも寄付させていただこうと。コンサートにも招待させていただいて、コラムも書いているので、京都新聞を通じて、福祉施設に寄付させていただこうという活動も始めたんです。
絹: 今年は6月の16日の土曜日に、その亡くなられた父上がご縁のあった京都府立文化芸術会館、御所の東側ですよね。
柱: 府立病院の向いですね。
絹: これは小さい時から、よく出てたって?
柱: そうですね。小さい時はピアノの発表会もここでやったりしましたし、手ごろなホールって、京都にそんなにないので、本当に足しげくコンサートに行ったホールですね。
絹: 私も落語を聞きに行ったり…。
柱: 落語もやっていますよね。お芝居もやっていますし。

●父の日コンサートのご案内
絹: 6月の16日、午後3時開演。前売りが5,000円、当日が5,500円ですけれども、そういうチャリティーの要素を強くお持ちになっているコンサートです。もちろんボーカルは柱本めぐみ、歌手の時は藤田めぐみに戻られて、このメンバーさんをご紹介願えますか。
柱: はい。ピアノは作曲家でもある釋恵一さん。これも不思議でずっと離れ離れで活動していたんですけど、ディナーショーをやっていた時に、隣の部屋でしゃっくんがピアノを弾いていて、「うわ、何年ぶりやろ」と言ったのが初めで、「ほんなら一緒にしよか」となりました。もうウン十年も離れてたのに。
絹: ピアノって、めぐみさん、自分で弾けるやん。
柱: 弾きますけど、こういうバンドで歌う時は、自分で思いっきり歌うにはまた違うので…。
他のメンバーはその時によって違うんですけど、パーカッションのあゆちゃんとか、ヴァイオリンのYu-Maくんとか、常に一緒にやってくれて、先ほどのCDも一緒につくり上げた仲間です。
諏訪ミュージカルスクール生の子どもたちが一緒に歌ってくれて、今年はサウンドオブミュージックをしますけど、去年はそれこそ浴衣を着て唱歌を歌ってもらったんです。子どもたち「この曲、全然知らん」とか言いながら、それでも一生懸命やってくれて、そういう舞台もありますし、皆さんご存知のラテンとかジャズとか、欲張りのコンサートになっています。
絹: 6月の土曜日の昼下がり、ご家族で、もしよろしければいらっしゃってはいかがでしょうか。そして視覚障碍者の方々には親子ペアで5組をご招待されていると。そしてその収益を寄付されているという企画です。
歌手にして僧侶、僧侶にして歌手。
柱: どっちもです。
hujitamegumi

●人の輪をつくりたい
絹: どっちも本業。今日は柱本めぐみさんをゲストにお招きして、このチョビット推進室で音楽をかけることって、めったにない事なんですけど…。
注目している同級生のお一人であります。また、地域に開かれたお寺を運営されていることに、すごく感銘を受けておりまして、ちょっと刺激的なフレーズですけど、さっき番組の打ち合わせをしていて、「観光寺院行っても、手を合わせへんやん?」という話(笑)、これは石が飛んでくるかもしれませんが。でも、お寺で手を合わせる、先ほど言われたように、お寺の玄関先に多くの脱がれた靴が集まる。人が集まる、「一堂に会する」は本来仏教用語だったと教えていただきましたけれども、「一堂に会する」ために歌というツールも十分にお使いになっているわけですね。
柱: だから私にとっては、人の輪ができる、今日一日を楽しく過ごすのが、音楽であろうと、仏教であろうと、食事であろうと、私ができることで人の輪ができればいいなという思いでやっています。

●日曜学校も始めました
柱: 今、日曜学校も始めましてね。月に1回なんですけど。最終日曜日の1回だけなんですけど。
絹: 僕ら、日曜学校というとキリスト教の教会イメージがあったけど、ちゃんと明覺寺さんでやったはるんや(笑)。
柱: それも玄関に子どもの靴が脱いであって、子どもの声がすると、また一層うれしいんですよ。走り回る子どもを抑えんならん時もありますけど(笑)。
絹: 原則、毎月最終日曜日。9時半から11時頃。なんと1年間で1,000円。ほぼボランティアで…。
柱: そうなんです。お念珠とお経本をプレゼントします。それ込みで(笑)。
絹: リスナーの皆さん、いかがでしたか。下京区の古いお寺、明覺寺をあずかられるご住職、柱本めぐみさん、歌手になられる時は藤田めぐみさん。もしご興味のある方は、YouTube始め、色んなもので検索して、個性・肉声に迫っていただければと思います。うーん、おもろい人が下京区にはおる。。。
柱: ありがとうございます。御興味のある方、ファックスとかメールとかでご連絡いただければと思います。音楽の方も、お寺の方も、ファックスが 075-371-7996 で、メールは meg.fjt.office@gmail.com です。
絹: リスナーの皆さん、いかがでしたか。少し毛色の変わったゲストでしたが、京都ではこういうタレントを有した人が、そこかしこで一隅を照らす活動をされています。気が付かれた時は、サポートよろしくお願いします。
柱: よろしくお願いします。
絹: それじゃあ、めぐみさん。ありがとうございました。
柱: ありがとうございました。
※関連リンク
藤田めぐみ様オフィシャルサイトhttp://meg.main.jp/
藤田めぐみ様オフィシャルブログhttp://blog.meg.main.jp/
投稿日:2018/05/21

第136回 ・「京都国際子ども映画祭」ってご存知ですか? ~キンダーフィルムフェスト 子どもによる子供のための国際映画祭

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まちづくり“チョビット”推進室<平成30年4月放送分>

植: 植田 真由氏(特定非営利活動法人キンダーフィルムフェスト京都 理事長)
田: 田勢 奈央氏(特定非営利活動法人キンダーフィルムフェスト京都 理事)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
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左:植田 真由氏 右:田勢 奈央氏

 

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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最前線のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト、お二方、今日は女性比率が高いです。女性お二人にお越しいただいております。まずお一人目。NPO法人キンダーフィルムフェスト京都の理事長でいらっしゃいます植田真由さんです。
植: 植田真由です。よろしくお願いします。
絹: ようこそ!
そして同じくNPO法人キンダーフィルムフェスト京都の理事でもあられます田勢奈央さん。
田: はい、田勢です。よろしくお願いします。
絹: 田勢さんは、古くはないけど、私はよく知っているというか。
リスナーの皆さん、Impact Hub京都って、聞いた事ないですか?すっごく面白い場所が京都にもあって、府庁の近所なんですけどね。Impact Hubって、世界に何十か所かあるんですよね。
田: そうですね。90か所ちょっとでしょうか、世界の色んな都市にインパクトハブという団体がありまして、コワーキングのネットワークを広げていこうというコミュニティなんです。
絹: そこのスタッフをされていた時期に知り合いました。「Dojo for Change」って、なんかすごい名前でしょ?楽しい場所なんです。また、気にかけていただけたらと思います。

■エピソード1 そもそも「京都国際子ども映画祭」って、なんやねん
●京都子ども映画祭のはじまり
絹: さて、本日の番組タイトルですが、「京都国際子ども映画祭って、ご存知ですか?~子どもによる子どものための国際映画祭」と題してお送りいたします。この京都国際子ども映画祭、この夏の8月の2日から5日、ラジオカフェのお近くの京都文化博物館で(地元の者は「文博」と呼んでいますが)開催されます。そしてご縁がありますね。偶然、わが社があの工事に参画しておりました!
両: あ、そうなんですか(笑)。
絹: 現場へ何人か行っておりましたし、改修工事にも参加しております。いい場所ですね。
さあ、この京都国際子ども映画祭について、メインゲストの植田真由さんと田勢奈央さんとともに、じっくり読み解いてまいります。
京都国際子ども映画祭、ご存知ない方も多いかと思いますので、植田さん、ざっとその来し方と言いますか、古いそうですね、実は。
植: 京都国際子ども映画祭は、毎年1回開催と考えて20年以上、今年で24年目になります。
絹: すみません!知らんかったあ!
植: 知られてないんです。これだけ長い事やっているのに。
絹: すごい良い事やってらっしゃるんですよね。
植: 1994年から始まったんですが、キンダーフィルムフェストという名前から、ちょっとピンと来られる方もいらっしゃるかもしれません。元々はドイツでやっているベルリン国際映画祭という大きな映画祭があるのですが、そこの子ども部門でキンダーフィルムフェストという、子ども向けに作品を上映しているセクションがあって、そこに行った映画人が日本でもこういうふうに子どもに向けた映画祭をやりたいということで、最初東京で始まって、その次に京都でやったのが、今まで続いているということです。
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●今さらですが、ゲストの紹介です
絹: 東京で始まって、京都で…。すみません、1つ僕、何か忘れているような気がします。えっと、ゲスト紹介をちゃんとやるのを忘れていました(笑)。こんな感じでゆるゆるどころか、低空飛行でやっている番組ですが(笑)。
ちょっと戻して頂いて、理事長の植田真由さん、先ほどの下打ち合わせで、専攻が映画でずっとご研究されていて、博士課程まで行っちゃったと。無茶苦茶映画の世界にどっぷりという感じの方ですが、リスナーの方にその人となりの一端をお伝えするのに、いつもの手抜きの他己紹介というやつを、田勢さんにお願いします。田勢さん、植田真由理事長とは、いかなる方ですか。
田: 植田さんは、ラジオだと声しか伝わらないので、あれですけど、見た目はすごく若い、もちろん年齢も若いのですが(笑)、2歳9か月の男の子を育てているママさん理事長なんです。
元々は映画を専門にしていることもあって、このNPOで、映画祭のための映画を選ぶ仕事をずっと担当されていて、そこからどんどん上がって行って、今、理事長を務めているという方です。
絹: おお、ご苦労様です。いやあ、映画関係者とお知り合いになるのは初めてです。
それじゃ交代で、今度は植田さん、田勢奈央さんとはどういう方ですか、短く述べよ。
植: 田勢さんは去年から映画祭に関わっていただいたんですけど、ものすごくパワフルな方なので、このパワフルさとエネルギーで、去年の映画祭は田勢さんがいなかったらできなかっただろうなというくらい貢献していただきました。私にとってもキンダーにとっても心の支えと言うか、全てにおいて支えになってもらっているような、頼りになる存在です。
絹: ありがとうございます。こそっと田勢さんのエピソードを追加しますと、テレビ人で以前TBSにおられて、番組制作にもということで、そういう世界にお詳しい方で、僕はインパクトハブで田勢さんに英語を習いました(笑)。
田: そういえばそんなこともありましたね(笑)。
植: 英語も堪能でいらっしゃるので…。

●子どもが中心の映画祭-見ることはもちろん、審査もします
絹: すっごくわかりやすい英語を使われます。
さて、元に戻りまして、このキンダーフィルムフェストについて、もう少し続きをお願いします。
ベルリン国際から始まって、東京、京都で日本版が始まった。内容はどんなことをやるんですか。
植: 本当に子どもが中心になっていて、子ども向けの作品を上映するのはもちろんなんですが、子ども審査員が上映される作品を全部見て、審査をしてグランプリを決めます。
絹: 何本くらい参加されるんですか?
植: 長編3本、短編7~8本をそれぞれ2回ずつ見ます。
絹: それって、見る方もすごい体力要りますよね。
植: すっごいハードスケジュールですね。

●今年は京都文化博物館でやります!
絹: 今年の会場は文博とのことですが、確か文博って、映画の資料が古い日本映画からずっとアーカイブがあるところと違いましたか。
植: はい、そうです。ポスターから雑誌からフィルムまで。
絹: だから映画資料を見るブースだとか、しつらえとか、ちょっと大きめのつくりのシアターとか…。いい場所を選ばれましたね。
植: 本当にお世話になっております。
絹: 24年前からでしょ?
植: 会場は結構色んな所を転々としていまして、文博さんでやらせていただいているのは、ここ7~8年なのですが。
絹: でも文博さんとしても、ようこんな企画をもってきてくれはったと喜んでおられるのではないですか。
植: そうですね。最初の頃は本当に「うちにこんなに子どもが来てくれるなんて…」と館長さんが喜んでおられたという話は聞きました。

●子どもたちが議論しながらグランプリを決めます
絹: 長編3本と短編7~8本を2回ずつ見て、審査員さんも子どもがいるんでしょ?
植: そうです。
絹: 結構な時間と体力を使うから、一日何時間くらい見るんですか。
植: 1日3本ですね。
5時間くらいシアターに座っていることになります。
絹: だから8月の夏休みなんですね。でも夏休みの自由研究としては、最高じゃないですか。
植: そうですね。去年は東京からおばさんが京都に住んでいるというので、夏休みを利用して、京都にわざわざ来て、映画祭に泊まりながら参加してくださったお子さんもいたりして…。
でも子どもたちはどの映画がいいかという議論を通じて、ほとんど初対面の子たちなのですが、どんどん仲良くなっていくんですね。それが大人としても、見ていてうれしいなと思いました。
絹: その長編3本と短編7~8本を見て、「私はこれを推します」みたいなのを、みんなで…。
田: そうです。「これのこういう所が良かった」というのをみんなで言い合って、みんな意見は違うのですが、多数決はせずに話し合いでグランプリを決めるわけです。
絹: その時に植田さんや田勢さんはその議論に加わって、ファシリテーションと言うか、議長と言うか、何かするんですか?
田: できるだけ口は出さないようにしています。「時間ないよ」とか、そういうことは言いますけど。

●子どもたちは感想文も書いて、公開します
植: あとみんな最後に感想文を書くんですね。感想文をグランプリ作品発表の時に、全員お客様の前でそれを読み上げるんです。自分たちが感動した映画について書く子もいれば、映画祭を通じて、どういう事を学んだかということを書いてくれる子どもたちもいて…。
田: 結構、常連さんはその作文を楽しみに見に来るみたいな方もいらっしゃって、子どもたちの成長っぷりがすごくよくわかるので。
絹: その2日から5日までの、映画祭の水面下の作業と言うか、ワークショップが大変で、一般に公開されて「グランプリ作品はこれだ」と、上映されますよね。子どもたちの感想文の発表もある。それは一般人に公開されるのですか。
植: もちろんです。
絹: それはいつですか?
植: 作文を読むのは4日で、グランプリ作品の上映は5日です。
絹: リスナーの皆さん、8月の4日5日は空けといていただけませんか。これは面白いですよ。子どもたちがどんな感想を持って、どんな作品を選んだか。ちょっと自分の手帳に書いておきます(笑)。
植: やはり大人が見る視点と子どもが見る視点が、微妙に違っていて、私も同じ映画を何回も見ているんですけど、子どもたちの感想を聞いて、「あ、そういう見方があったんだ!」というふうに気づかされることもあったりして、それは本当にこの子ども映画祭でないと味わえないことだなと思いますね。
絹: 今、僕の手帳を開けて、8月の4日5日に「キンダーフィルムフェストat文博」と入れておきました(笑)。
両: ありがとうございます!!
絹: いやあ、本当に外せない仕事さえなければ、絶対に行きたい!面白そう!
さて、リスナーの皆さん、だいたいどんなことが行われてきたか、概要をつかんでいただけましたしょうか。

■エピソード2 「京都国際子ども映画祭」、もっとズームしてみると…
●吹き替えワークショップって、どんなことするの?
絹: さらに、エピソード2でその内側をもうちょっとインタビューしようと試みますが、先ほどワークショップのことを少しだけ教えていただきましたが、子どもたちが吹き替えをやると。それもその場で。
植: はい、生でやります。
絹: 活動の弁士さんみたいな感じで合ってます?あんなイメージですか?
植: そうです。
絹: ちょっとその吹き替えワークショップについて、もう少し教えていただけますか。
田: うちで上映する映画は、海外から直接持ってくることが多いので、字幕も吹き替えもついていない作品を上映するんですね。でも、それだとちょっと子ども向けの映画祭としてはわからない。、じゃあどうやったらみんなにわかってもらえるのかということで、生吹き替えというのがつくようになったんです。子どもスタッフと去年から大人の方にも開いて、全6回の映画吹き替えワークショップというものを開講しております。
そこで劇団のプロの方から、最初は発声練習や、身体の動かし方といった基礎的な事から、後半は吹き替えをする映画を見ながら、アテレコをしていくみたいなワークショップです。
絹: と言いますと、8月の2日から5日までの4日間の中でその吹き替えワークショップも、同時進行なのですか?また別ですか?
田: ワークショップ自体は、映画祭が始まるまでに完了するようにして、そこで学んだ方たちが、映画祭当日に短編の生吹き替えをするという、本番が映画祭という感じですね。
絹: もし子育て最中の親御さんがいらっしゃったら、これは子どもさんの訓練プログラムとしては、夏休みに最高の部類じゃないでしょうか。吹き替え、声の出し方、ボイストレーニング、植田真由理事長が選んでこられた良質な映画を繰り返し見て、その場で吹き替え、自分の声であてるわけです。

●吹き替えワークショップを通じて、子どもたちが学ぶもの
田: 去年はチェコの映画や韓国の映画、中国の映画など、特に子どもだと、映画館ではなかなか見ない国の映画を、子どもたちが何回も何回も見て、やはり国が違っても笑うところは同じだったり、悲しいと思ったところは同じだったり、そういうことを子どもたちも映画を通して学びます。
私が去年初めて参加して感動したのは、吹き替えワークショップに参加されている方、去年は小学校3年生から70代の女性までいらっしゃったんですね。親子でも家族でもなく、全然年代も違う人たちが、すごくお互い励まし合って練習していて、やっぱり本番になると、皆さん素人の方たちなので、すごく緊張されるんです。でも、それを乗り越えていく様というのが、すごい見てて感動します。
やはり何回も何回も練習してきているのもありますし、映画祭の場でお金を払って来ていただいているので、それ相応のクオリティのものを出さなければいけないので、私たちも結構厳しくやっていきますし、劇団の指導してくれる先生も、そこはちゃんとクオリティを保つために色々教えて下さっています。
絹: プロの劇団の方が指導してくださるんですか。「やり直し!」とかって、やるんですか。
田: 結構、何回も何回も練習しますね。
植: 「もうちょっと今の所、やってみよか」みたいな感じで。
絹: その吹き替えワークショップは5月27日スタートで、これの期間と言いますか…。
田: 日程はホームページとフェイスブックの方に上げています。
絹: 興味のある方はぜひアクセスしてみてください。検索ワードは「キンダーフィルムフェスト京都」。さっきフェイスブックページだけちょっと眺めてきましたが、本当にいい表情をした子どもたちと、大人たちの画像が踊っております。いいですねえ。これは面白い。

●繋がる、広がる、吹き替えワークショップの輪
絹: さらにもう少し聞いてみたいのですが、吹き替えワークショップの中身、劇団の方が指導されている様子をもう少しお話いただけませんか。一番最初にやるのは、どんなことですか。あるいはどんな方が申し込んで来られたのですか。先ほど京都市さんを通じて、小学校にチラシをまくとおっしゃっていましたよね。
植: 小学校とかにまくのと、あとは口コミかフェイスブックを見て申し込んで来られる方が多くて、今年に関しては去年やった人がリピートされる方も結構いますし、あと小学校三年生の子が本番をやるのを、友達が見に来ていて、それを見て自分もやりたいと今年申し込んでくれる子が2~3人いますね。
田: みんなお母さんに連れられて映画祭に見に来たわけですが、吹き替えに関しても、子どもスタッフに関しても、子ども審査員に関しても、どの子もみんな楽しそうなので、たぶん子供の眼からそれを見て、「なんかあのお姉さんいいなあ」とか「あのお兄さん、楽しそうだな」と憧れて、入りに来てくれる人も結構いて、私たちが宣伝する力よりも何よりも、子どもたちの生き生きした顔が、お客様と翌年の参加者と言うか、子どもたちを呼んできてくれているんだなと思いますね。

●NPO自体が世代交代して、ドキドキワクワク、皆で作り上げている最中です
絹: 今、お話になっている田勢さんの表情を見ていて、田勢さんだったら、ドキュメンタリーとか作る能力があるから、ひょっとしたらキンダーフィルムフェストのドキュメンタリーをどこかで作ってやろうと構想しているんじゃないかと思っているんですが(笑)。
田: それ、すごいしたいんですけど、私がそれをしちゃうと、ちょっと回らなくなるところもあって(笑)。
絹: さっき植田真由理事長が、「田勢さんの加入ですごく助かった」とおっしゃっていましたね。いろいろ回してくださったと。
植: そうなんです。私、理事長になったのが、去年度が初の年度だったので、初めてで「どうしよう、何にもわからない」という状態だったんです。ずっと映画祭にはかかわっていたのですが、トップとして回すのが、去年が初めてだったので、パニック状態だったのを、田勢さんがすごくフォローしてくださって、そのお陰で…。
田: 去年から色々体制が変わって、新しいメンバーが出てきて、結構世代交代したんです。なのでみんなにとって去年は元からのスタートだったので、今も手探りで、本当に毎日のように色んな話をしながら作り上げているんですけど、今年も海外からゲストをお呼びするんですね。

●あの俳優さん、監督さんが来てる!!
田: 去年は、映画に出ていた俳優さんをドイツからお呼びしました。それから日本の上映した映画の監督さんや子役さんにも来ていただきました。
絹: なんかすごい大規模ですね!
田: 結構盛沢山なんです。
植: 子どもたちにしたら、映画に出ている人が来てる、監督さんが来てるというので、そういう方に直接会うことは、普通に過ごしているとないことなので、すごく貴重な時間なのだろうなと思います。
絹: いやあ、世の中知らないことがいっぱいあります。

●映画をつくる気持ちも体験してもらいたい…
田: だから映画を見るという機会だけではなくて、つくる側の気持ちも体験してもらいたいと思っています。
そこで映画の子どもスタッフたちが、上映前にちょっとした本当に短い動画をみんなで作るんです。それは毎年ちょっとずつテーマが違っていたりするんですけど、去年は映画が始まる前のプレビューとして、映画のDVDが文博に届く前の色んなシーンを、京都中を走り回って、嵐山に行ったり、二条城の前を走ったり…。
植: 京都の名所をそれぞれ撮影して、西からバージョンと東からバージョンでこう…。
絹: ひょっとしてそういうのって、YouTubeで検索したら見られます?
植: ホームページにあるんです。
絹: これちょっと見ましょう。リスナーの皆さんもご覧になったら、イメージしやすくなりますよ。
田: 子どもたちもやっぱり作る楽しさ、私も元々ずっと映像を作っている人間なので、作る楽しさも味わってほしいし、見る楽しさも味わってほしいという、その両方をなるべくできるようにしたいなと思っています。

●我々、建設業界にも映画振興に力を入れていらっしゃる会社があります
絹: いやあ、ご縁ですね。こういう生の情報を直接お持ちいただけるなんて。
さっきもちょっとお話しましたけれども、我々の建設業界の中でも舞鶴の志摩機械さんという建設機材をあちこちにご用意されたりする会社がありまして、とても映画に造詣が深いんです※。舞鶴でクローズされる映画館を私財で買い取られて、映画振興に力を入れていらっしゃったり、この京都三条ラジオカフェのように舞鶴にもコミュニティFM局がありまして、そちらのサポートをされたりしています。この間、エクスカーションに行かれた…。
※シマフィルム(株)リンクhttp://shimafilms.com/
植: 映画遠足ですね。
絹: 出町から行かれたんですよね。その出町座にも志摩機械さんが関わっていらっしゃるんです。

●映画遠足で出町座さんに行ってきました
絹: その映画遠足のこと、ちょっとだけ教えていただけませんか?
植: せっかく映画にまつわる団体に子どもたちに参加してもらっているので、もっと映画のことを知ってもらいたい、映画をみんなで楽しみたいと思って、企画したのが映画遠足です。
去年オープンしたミニシアターの出町座さんという所にみんなで行ってきました。やっぱりシネコンしか行った事のない子たちなので、初のミニシアターに行って…。
絹: リスナーの皆さん、出町の枡形商店街と言って、良い感じの商店街が残っているんですよ。その空き店舗を改修されてミニシアターですね。
植: 書店とカフェも併設されているミニシアターです。
絹: 書店もいい感じの書店で、カフェもいいし、中へ持ち込めそうですね。
植: そうです。買ったものをシアター内に持ち込めます。
絹: 2階と地下と2つスクリーンがありましたっけ。
植: そうです。
絹: 京都は映画の発祥の地でもあります。ですから立誠小学校でそういう映画に関わることを丁寧にされていた方もおられますし、その流れが出町座に来ているということをお聞きしたことがあります。
さあ、皆さんどうでした?今日のお話。もうただただ面白かったです。
子どもたちに映画に触れてもらって、しかも吹き替えワークショップ、それからみんなで審査員もやっちゃおうぜと。それに大人たちがサポートして、24年前のベルリン国際映画祭の流れをくむ京都国際子ども映画祭です。これを機会に、もしお耳にかけられた方はホームページ、フェイスブックページをご覧いただくとともに、小さいお子さんとか高校生でも、大人でも、このワークショップに参加してみてはいかがでしょうか。まさにこれは京都らしいプログラムだと思いますし、夏休みに最高のイベントになると思います。
この番組は心を建てる公成建設の協力と京都府地域力再生プロジェクト、そして京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。田勢さん、植田理事長、ありがとうございました。
両: ありがとうございました。
投稿日:2018/05/11

第135回 ・水面下で進む3D情報活用 ~ガンダムパイロットへ続く道

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成30年3月放送分>

上: 上田 浩司氏(株式会社大塚商会 関西CADプロモーション課)
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとのご紹介や、その活動の最前線のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト、男性お一方をお招きしております。株式会社大塚商会の上田浩司さん。
上: 上田です。今日はお招きいただきまして、どうもありがとうございます。
絹: はい、よろしくお願いいたします。
皆さん、大塚商会って、どこかで聞いた名前でしょう?学生の頃、コンピューター関係の会社だと理解しておりましたが、上田さん、それでいいのですか?
上: はい、そうです。コンピュータ全般を取り扱っている会社で、オフィスの中にあるコンピューター関係、IT関係を全て取り組んでいる会社になります。
絹: さあ、なぜ当チョビット推進室に、大塚商会の上田浩司さんをお呼びすることになったのかは、後々、紐解いていこうと思いますが、今日のタイトル、番組のテーマをまず申し上げなければなりません。「水面下で進む3D情報活用 ~ガンダムパイロットへ続く道」と題してお送りします。上田さん、よろしくお願いします。
上: はい。よろしくお願いします。

■エピソード1 そもそもBIMとかCIMって、何なの?
●IT活用のあれこれ、教えて上田さん
絹: リスナーの皆さんに、私と上田さんの出会いというのを、ちょっとだけ開陳させていただきます。
実はうちの会社に来てくださって…。
すみません、BIMとかCIMとか、ちょっと専門用語がいくつか出ます。実は私、建設業をやっているのですが、新しい動きというか、進化した動きがいっぱい出ているらしいというのも勉強しなければならないのですが、ようわからんと。「わかっている人、レクチャーして」と来ていただいたわけですが、1時間くらいですごい濃い講義をしていただいた時の講師役の方が上田さんだったんです。
上田さん、BIM、CIM、建設の世界だけではないかもしれません。一般の方にバクっとした解説で、「皆さんにこんな風に関わるかもしれへんで」というのを含めて、ちょっとお話していただけませんでしょうか。
上: はい。まず大きく言いますと、今まで二次元で設計してきたものは、皆さん家を買われる時など、設計図面を見られることがあるかと思いますが、それって、紙に描かれた線で表現された図面だと思います。それが今、BIMとかCIMというキーワードで、3次元データとして立体的に設計されたものに変わっています。これが大きくBIMとCIMというふうに言われています。
絹: 上田さん、僕は細かい事が気になる質で、それであまり勉強ができなくなったんですが(笑)、BIMとかCIMって、そもそも何か略しているんですよね。
上: はい。BIMは「Building Information Modeling」の略で…。
絹: 「建物の情報をモデリングする」。わかったようなわからんような言葉ですね(笑)。でもちょっとわかりやすくなりました。

●バーチャルリアリティーがまさしくBIMです
上: 今のところは、建設業の専門家の方たちに寄った、解説になるのですが、もうちょっと皆さんにわかりやすくというところで言いますと、今、VRという技術が結構…。
絹: バーチャルリアリティー、仮想現実ですね。
上: そうです。VRはよくテレビでご覧になっている方もおられるかと思います。
絹: テレビのコマーシャルで、よくゴーグルのごっついようなのをはめて、会議室とか、打ち合わせルームにいるのに、超高層ビルの梁の上を「うわー、落ちそう」とか言って、手をぐるぐる振り回しているのがありますよね。あれですか?
上: はい。あれですね、まさしく。例えば今から家を建てようという人が、今までは二次元で図面でわかりにくかったお部屋の空間なんかが、三次元でわかるとか、あと空港など、ちょっと複雑な施設なんかも、三次元だとよりわかりやすくなると。これが一般的な皆さんにとっての三次元技術とか、BIMの1つかなと思います。
絹: ユニバーサルスタジオジャパン、あれはアトラクションと言うか、楽しみのためにですけど、映画の中の世界がぐっと迫ってきたりとか、あれもバーチャルリアリティーなのでしょうか?
 上: どうでしょう。ちょっと違うと思いますね。
バーチャルリアリティーの場合は、本当にビルの中に立っているのと同じくらい、360度ぐるっと、コンピューターの設計の三次元のCADの中に立っているような感覚になりますので。
絹: そしたら例えば、今度、学校を建てますと。新しい校舎の家庭科教室に入ったとします。ぐるっと右を見たり、左を見たりすると、黒板の字とか、調理台とか、上を見ると天井がどんなのかというのが、仮想現実の中で見えてしまう。それがBIMの1つの部分ですか?
上: そうですね。皆さんが一番接しやすい、近いところのBIMですね。

●CIMはさらに広範囲で複雑な構造までモデリングできます
絹: リスナーの皆さん、ちょっと想像つきましたね。それでは、CIMは?
上: これも三次元の技術なのですが、皆さんにより身近なところで話をしますと、例えば震災が色々ありましたけれども、そういう所の復興後のまちの風景、まちづくりがどんなふうになるのかというのを、三次元でよりわかりやすく設計して、近隣住民のお年寄りとか、子どもさんたちにわかりやすく設計の意図を伝える。これなんかも身近なCIM、三次元技術と言われています。
絹: すみません、また細かいことにこだわる悪い癖が出るのですが、CIMは何の略でしたか。
上: 「Construction Information Modeling」です。
絹: 以前なら、模型で、発泡スチロールのブロックみたいなのを、キュッキュッとカッターで切ったり、ケント紙を折り曲げたり、着色したりして、設計した図面のものを立体的につくるという、気の遠くなるような作業をしている学生さんがいましたが、それをコンピューターとか情報処理の技術でやっちゃうと。
上: そうです。おそらく今の学生さんたちも最初は昔の手法で模型を作っていると思うのですが、最近はもうコンピューターで、三次元で設計する学生さんも結構増えてきていると思います。

●BIMやCIMの活用が進むと、私たちの生活はどう変わるの?
絹: そういうBIMだとかCIMだとかという三次元技術によるデータの活用が進むと、一般の皆さんにはどんな影響が出てくるんでしょうか。何かいいことがあるんですか?
上: まず、一般の方で言うと、先ほどのように、完成前に完成後のものがよりわかりやすくなるというのが1つですし、あと、実際の建物、構造物を設計する人たち、ものをつくる人たちとリンクするのですが、三次元技術を使うことによって、手戻りがない、間違いのない施工が可能になるので、より生産性も上がります。ですから利用される方にとっては、三次元技術を使ってつくられたものの方が、より品質の良いものを利用できる、より品質の良い家に住めるとか、満足のいくものが受けられるというメリットがあると思います。
絹: 皆さん、ここ、すごく大事なポイントです。どこかで試験に出ますよと言われそうな(笑)ポイントです。でも、大事だけど、一般の方にはわかりにくい部分が含まれています。そこで少し平仮名化を試みますと、例えば品質の良い建物だとか、品質の良いインフラ、橋だとか道路だとか、高速道路だとか、地下鉄だとか、あるいは水道だとかガスだとか、色んなものがありますが、構造物をつくろう、建物をつくろうとすると設計図面がありますよね。そういうもののソフトウェアなんかを大塚商会さん、上田さんたちは得意とされて、そのサポートをしてこられたのですが、かつて僕らの学生時代は、設計図面って、紙でしたよね。手書きの図面で、ドラフターとかいう便利な道具で手で描いたり、もっと前はT定規という懐かしい大きな定規で図面をひいたり、設計士さん、専門家が図面をつくるのですが、その図面というのが、完璧なものであることは、まずありえないんですよね。
上: そうですねえ。
絹: その通りつくったつもりでも、現場で職人さんたちがつくると、「あれ?なんかおかしい!」てなことがよく発生するのが、今までの常でした。で、上田さんが「手戻り」とおっしゃったのは、その「あれ?」に対応することなんです。
ちょっとわかっていただきにくいかもしれませんが(笑)、我々、建設業の施工に携わる者たちは、図面に従って施工図を起こして、現実をつくりだす。設計された意図に沿って、材料を用いて造っていくのですが、材料というのは三次元です。図面は二次元です。本当の専門家でないと、二次元のデータから三次元の空間感覚を理解できる人というのは、大変少ないはずです。ですからそこには間違いが、実はエンドユーザーの御存じないところで、多々起こるものです。その手戻りを少しでも少なくして、品質の高い、ちゃんとしたものをつくろうというのが、施工屋さんや職人さんたちの世界です。上田さんはそのことを今、言おうとしてくださったんです。
上: はい、ありがとうございます(笑)。
絹: ちょっとそこの専門的なところも入ってますから、難しいですよね。
BIMだとか、CIMだとか、二次元データを三次元化するということで、我々の生活が見えないところで変わっていきそうな気がしますね。
上: そうですね、はい。

■エピソード2 AR、AIでどうなる?
●実践ソリューションフェア、開催しています
絹: 次は、ARやAIがどうなっていくのかについて、上田さんに教えていただこうと思うのですが、BIM、CIMでスタートしたエピソードですが、さらに横文字で、カタカナなのかローマ字なのかが出てまいりますけれど、ARとAIで我々の生活は変わっていくだろうということについて、ご説明お願いします。
上: ARとAIに関しては、私たちよりも建設業界の方が、変わっていくことが先かなと思っています。
絹: 上田さんは大塚商会の方ですから、大阪ででっかい5,000人規模の「実践ソリューションフェア」という、フェスティバルのような勉強会を開催されて、それのディレクションもやられたんですね。
上: 毎年大きな会場をお借りして、ITの最新のソリューションとか、お客様に一番今、知って頂きたい事というのを、セミナーや展示でご紹介するイベントをやっています。
絹: 皆さんにイメージをしていただくために、たとえ話をしますと、「実践ソリューションフェア」とはなんぞやというのを紐解きたいと思います。
例えば大学のシラバスとか、「この枠にはこの先生がこんな講義をしてくれるけど、来ない?」とか、色々皆さんの興味があるような、最新の情報処理技術とか、先ほどの三次元技術だとか、VR技術だとか、本当の最新鋭のことを理解しようという専門家たちが大集結して、「そこに登録しない?」とお誘いをかけたら、なんと5,000人だったと。で、講義を受けるだけじゃなかったんですよね。
上: 展示コーナーという、色々最新のものを実際に体感できるところも、私たちはやっていまして、私はそこの建設業、製造業などの設計者のための展示コーナーを担当しています。今回はその中でARとか、AIとか…。

●ARって、いったい何?
絹: ARって、なんでしたっけ?
上: ARは拡張現実ですね。
絹: バーチャルリアリティーとちょっと似てますね。
上: そうですね。よく似ていますが、バーチャルリアリティーの場合は、本当に三次元でつくられた中に自分が入ってしまう。それに対して拡張現実は、建設業で言うと、今工事が進んでいる現場に立って、これから工事が進んで施工されるであろう、色んな設備などを一緒に合成して体感できるという技術なんですが、ゴーグルをつけていただいて、建設業のお客様にそういうものを色々体感していただいています。
絹: ゴーグルをつけて、すごくきれいな画像と動画と音声で、映画を、動画を楽しむという趣味は以前からありますけれども、それがAR・拡張現実として実際の建設現場に応用されているんですね。
上: 今、実証実験として、これからそれをもっと生産性を上げる技術として、定着していこうという段階に来ていますね。

●AIがドローンに紐づいたら…
絹: そしてARとかAI、人工知能をイメージしていただくために、最近人気のドローンについて、お話いただけますか。
上: 大塚商会もこの2月の実践ソリューションフェアから、ドローンを販売、サポートするようになったのですが、例えばドローンの活用の1つとして、今、インフラ、例えば橋脚とか、トンネルとか、そういったものの点検をやらなければいけないという状況に業界的にもなっているのですけれども。
絹: 例えば古いトンネルを走っていましたと。車で走っていたら、ゴンと音がして、天井がへこんだと。上からコンクリートの欠片が落ちてきたなんてことがあったら、大事故になるかもしれませんよね。そういうものを事前に防ぐために、点検をすると。
上: そうですね。まずは点検、調査しなければなりません。
絹: それにドローン。僕ら子どもの頃はラジコンヘリコプターって、高くて手が出なかったんですが、それのプロペラが4つ以上ついているようなやつが、結構手ごろになってきたんですよね。
上: そうです。価格もそうですが、性能が上がってきて、色んな事が現実的にできるようになったんです。今のAIと紐づけていくと、撮った写真データを元に、AI・人工知能で解析して、今どのくらい橋脚が傷んでいるとか、ダムがどのくらい傷んでいるかがわかりますから、人間の手間を省くという意味で、そういった技術が使われようとしています。
絹: 皆さん、イメージしてくださいね。
例えば加茂大橋、御薗橋、京都市の川にかかっている橋を、もし点検しようと思ったら、今までは足場を組んで、人間がそばへ行って写真を撮ったり、打音検査と申しまして、ハンマーでコンコンと叩いて、どこかにひびが入ってないか、浮いてないかという事を調べる必要がありました。
マンションに住んでいる人でしたら、大規模改修の時に、マンションの外壁の外に、大きな足場がたって、人が上って…。こんなの見た事ないですか?
学校の授業で先生が使う差し棒の先に、パチンコ玉の親分みたいなのがついていて、それをタイル面に転がして音を聞いて、職人さんが浮きがないか、はがれそうになってないか、危なくないかチェックする方法があります。そういうベタな職人芸の検査の代わりに、ロボットチックな性能の良いドローンが、画像や赤外線画像などを使うわけですけれども、カメラもセンサーもいいのができているんですよね。

●インフラメンテナンスの近未来
上: はい。今、建設業界は、私たち色々お客様の話を聞いていますが、3K業界と言われているなかで、人手不足も出てきていると聞きます。そういった意味でこのAI、職人さんでなければできなかったものが、コンピューターでお手伝いできるという時代になってきているのかなと思います。
絹: 建設産業だけではなく、旅館、サービス業、あるいは介護と、あらゆる産業で若年労働者が不足します。我々の業界も皆様の便利な都市生活の足元を支える黒子のような仕事ですけど、このインフラ、道路だとか橋だとか、地下鉄だとか、電気、ガス、水道などを、メンテナンスして、健康に保つためには結構大変なんですよね。それをそういう機械が、ドローンが助けてくれるという世界に入りつつある。そうすると近未来、何が起こるでしょうか。
上: どうなるでしょうか(笑)。
絹: 建設業のエンジニアさんは、ちょっと言い過ぎかもしれませんが、ロボットのオペレーターみたいな、そういう操縦技術の才能や能力が要求されるようになるかもしれません。

●水中の3Dスキャナという技術
絹: 今もう既に、水中掘削のバックホウだとか、あるいはドローンは空を飛ぶのでなく、水上を走ったり、先ほどは水中の三次元スキャナというのを教えていただきましたよね。その話も少ししていただけませんか。
上: 建設業界は危険も伴う業界ですから、水中にある構造物、例えばダムの水中の構造物とか、橋脚も海の中まで入っています。それを点検するには、人間が潜って点検していましたが、それが今は船の下に、水中の3Dスキャナという、レーザーで今の状態をコンピューターの中に再現する技術が進んでいまして…。
絹: 漁業関係者が、魚群探知機で魚影を探すことの進化版が、ダムの中、水中の橋脚、基礎に応用されているんですね。
上: そうなんです。魚群よりもっとはっきりと、人間が見たように再現する、検査できるということも、今どんどん進んでいると言われています。

●建設屋がガンダムパイロットになる未来
絹: 上田さんからARやAIを用いた、あるいは三次元データ解析を使った色んな進化版、ドローンの活躍の場所など、色々教えていただきました。これが皆さんの生活にどう直結するか、実はもう、水面下で着々と進んでおります。
天ケ瀬ダムの水の中で、遠隔操縦のロボット掘削機が既に動いている。これはあまり多くの方がご存知ないかもしれませんが、建設産業では既にそういうものが現実化しつつあるんです。言い過ぎかもしれませんが、建設業に従事する人って、近い将来、ガンダムパイロットに似たような仕事になるかもしれない(笑)。あるいはいろんなドローンで遠隔で危ない所に行かなくても、大切なチェックができるという時代が来るかもしれませんね。
上: そうですね。ガンダムパイロットもちゃんと動かせないと大事故になりますから、ちゃんとこういった技術が使えるように、私たちはお手伝いしてIT化をしていきたいなと思っています。
絹: 大塚商会さんの営業トーク入りました(笑)。
上: すみません(笑)。
絹: でもね、建設産業って、本当にすそ野が広いんですよ。大塚商会さんみたいに、我々技術屋にコンピューター系の三次元技術のソフトウェア、アプリケーションの講義をしてくださる。そういう人たちの助けを借りて、現場は徐々に進化していきます。
ということで、皆さま、本日の放送はいかがでしたでしょうか。着々と二次元、三次元の解析技術は水面下で進んでおります。ぜひ、BIM、CIMという言葉、皆様の頭の中に、ちょっと入れていただいたらと思います。さ、おしまいです。
この番組は心を建てる公成建設の協力と京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。上田さん、ありがとうございました。
上: ありがとうございました。
投稿日:2018/03/19

第134回 ・私のマインドフルネス体験記

ラジオを開く

まちづくり“チョビット”推進室<平成30年2月放送分>

 

 

岸:

 

岸本 早苗氏   

プロフィール写真SanaeKishimoto

 

絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)

 

IMG_10602
 左 岸本氏    右 絹川
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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様こんにちは。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た元気なまちづくりびとの紹介や、その活動の最前線のエピソードをご紹介しております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、本日ゲスト、妙齢の御婦人です。珍しいのですが、岸本早苗さんをご紹介します。よろしくお願いいたします。
岸: よろしくお願いします。
絹: 私と岸本さんの出会い、プロフィールについて、ちょっとご紹介させていただきます。
すごいんですよ。岸本さんはハーバード公衆衛生大学院修了、ボストンですね?
岸: はい、マサチューセッツ州にあるボストンです。
絹: ボストンに7年半、お住まいになっていた。大学院ということは、マスターを持ってはるんですね。
岸: はい(笑)。
絹: すごい。私はアメリカへは80年代に、イリノイ大学のサマーコースに2か月半行っただけです。だから地理もよくわかりませんが。
そのハーバード公衆衛生大学院を修了された後、同大学関連のChildren’s Hospital Boston、子ども病院ですか。それからマサチューセッツの総合病院という、これもハーバードのいわゆる附属病院的な所で働いておられる。臨床心理士として病院で働かれたということですか。
岸:  実は臨床心理士の免許は日本だけで使えて、アメリカでは使えなかったので、医療の質の仕事をしていました。
絹: ということは、既に日本で臨床心理士の資格を持って、出かけられたということですね。
岸: そうです。
絹: 日本でも臨床心理士の資格は大学院クラスじゃなかったですか?
岸: そうですね。今、色々また変わってきているかもしれませんが、修士課程ですね。
絹: 修士号を2つも持って、たぶんドクターも近々お取りになる?
岸: はい(笑)。
絹: というすごい方となぜか出会ってしまいまして、実はマインドフルネスというキーワード、リスナーの皆さん、最近お聞きになったことがありますでしょうか。日本版ニューズウィーク(2017/10/10号)で特集が組まれておりましたが、実は私、すごく興味がありまして、「マインドフル セルフコンパッション 8週間プログラム」を体験しました。その時の岸本さんは僕の先生なんです(笑)。いいかげんな生徒で、1回くらい休んだのですが…。
岸: いえいえ、素晴らしい生徒さんでした。
絹: 実はテーマが非常に説明しづらくて、リスナーの皆さんにどう伝えようかと悩んでしまって、ゲストにお呼びするのが遅れたのですが、ようやく腹が座ってまいりましてね(笑)。「私のマインドフルネス体験記」と銘打ちまして、岸本さんに助けてもらって、皆さんになんとか伝えようというのが、今日の番組の趣旨であります。

■エピソード1  マインドフルネスって、なに?
●「今、ここ」、そして「あるがまま」
絹: 岸本さん、「マインドフルネス」という言葉を、聞きかじったことのない人のために、一言で(無茶ぶりですけど)、どういうふうに伝えるとわかりやすいと思いますか。
岸: いつも私も、わかりやすく伝えられるようにならなきゃなあと思っているのですが、日本語で書くと「念(ねん)」。「今」「心」で、英語の訳が「マインドフルネス」なんですけど、元々仏教の言葉でして…。
絹: 「Be here now」とか、「here and now」とか、何かそういう連想がわきます。
岸: そうですね。1つは「今、ここ」なんですけど、ただそれだけじゃなくて、「ノンジャッジメンタル」で、善い悪いとか、正しい間違っているという是非を決めつけない心の態度。
絹: あるがまま。
岸: あるがまま。弱いのではなく、しっかりと受容をもって、意図的に気づきを向けておくと言いますか。

●私の問題意識とマインドフルネス
絹: 実は「here and now」とか、「今、ここ」というのを、僕は大学生時代(1980年代でしたけども)に、自分の指導教官から初めて聞きました。倉戸ヨシヤ先生という臨床心理の先生でして、専攻は違ったのですが、その研究室にたむろしていた時に、エンプティチェアで、枕をポンポン叩いたりする心理療法がありましたよね。ゲシュタルトセラピーというのを、習ったりしていました。「今、ここ」という、何十年も前に頭に刷り込まれたのが、たぶん「マインドフルネス」という言葉に関係ありそうだと思ったわけです。
私の問題意識は、自分のチーム、会社のみんなが時々頑張りすぎてしんどくなって倒れてしまう。大きな病気をしたリ、鬱になったりして、休職してしまう人がたまにいるんです。そんな時にどうしたらいいんだろうと、困ってしまって、でも専門家ではないし、どうしたら元気になって、また戻ってきてもらえるのかなあと。正直に言いますと、そういう調子が悪くなって、辞めざるを得なかった人が、今までに何人かいますし、戻ってきてくれた人もいます。それがベースにあって、BUC・バックアップセンター京都という医療法人栄仁会でしたっけ、宇治おうばく病院、専門筋では結構有名な病院らしいのですが、そこの精神科のデイケアセンターを知って…。
岸: そうですね。リワークのプログラムがありますね。
絹: 何回か休職を繰り返すような方々を受け入れて、トレーニングキャンプみたいな形で、認知行動療法的なこともされるのですか。
岸: そうですね。
絹: そこのセンター長で、片桐さんという臨床心理士の方がおられるのですが、その方に岸本早苗さんを紹介してもらったんです。
で、どんなものかわからなかったんですが、勉強したかったんです。「マインドフルネス」を漢字で書くと、「念」。「念」を分解すると「今の心」。

●キーは自分への思いやり
岸: ただ同時に「マインドフルネス」がなぜメンタルヘルスに効果があるかについて、だいぶ研究が進んできています。
その結果、一番キーとなる要素が、セルフコンパッション、自分への思いやりだということがわかっていて、やはり先ほど言いました「決めつけない心」とか、「やさしさ」「思いやりを持って見る」ということも、すごく大事だと思います。
絹: 我々のような昭和の男性は、「自分に対する思いやり?眠たい事言っているんじゃねえよ!甘えるんじゃないよ!」という指導を受けてきて、「自分にやさしくなんてしていたら、生きていけない」みたいな、そんな間違った思い込みが色濃く、まだあると思うのですが、実は本当の最前線の研究で「セルフコンパッション」という横文字ですけど、自分に対して向き合ってやさしくあれる人が、人にも実はやさしいということを、真正面から海外の研究者たちがいっぱい論文を書いているそうですね。
岸: はい。それによって、もちろん鬱や不安にも効果がありますが、何かが和らぐだけではなく、内面からの強さだとか、モチベーションが生まれて、高まることが報告されていますし、むしろやる気が高まったり、人間関係でも他の人に対して、より思いやりを持って、建設的な関係をつくれるということも報告されています。

●源流は実は仏教なんです
絹: そういう色んな源流は、仏教、それも禅宗ですか。ティク・ナット・ハンですか。
岸: そうです。マインドフルネスもコンパッションも仏教の智慧・慈悲はすごくベースになっているんですが、必ずしも日本の仏教だけじゃなくて、インドだとか、チベットだとか、もちろん日本もそうですね。
絹: 僕らは例えば社員研修なんかで、座禅を組ませてもらったり、お坊さんにも指導を受けたりしますけれども、なんとなくようわからん。でも外国の人たちは実践的ですから、宗教色を排して、誰にでもわかるような、非常にわかりやすい体系に組みかえたというような…。逆輸入されているのではないかというような、そんな整理の仕方って、できると思われますか?
岸: 仏教だけじゃなくて、キリスト教だとか、色んなバックグランドの方がいる国の中で、仏教の人生の哲学を、必要な哲学だということで興味を持たれていると思います。ただやっぱり元は仏教の智慧でもあるので、その宗教色を排してというのがいいのかどうかなというのは、思ったりしますけれども。

●日本人にはなじみ深い感覚で…
絹: 本当はわからないのかもしれませんね。
例えば小さい時に、「ご飯を食べる時は黙って食べなさい」とか、「テレビは消しなさい」とか、「お米は八十八のお百姓さんの苦労があるから、ちゃんと噛んで食べなさい」とかしつけられたじゃないですか。それを学問的にブラッシュアップされて、またマインドフルネスのトレーニングの中に入ってきたりしているんですよね。
岸: そうですね。やはり日本を離れて暮らしてつくづく思ったのは、日本で仏教とか、神道とか、日本の文化の中に、生活の中に、必ずしも宗教というくくりではなくても、入って馴染んでいるものがあるなと思いました。そういうものが、結構マインドフルネスやコンパッションのプログラムで入っていて、もともと日本で持っているものという印象はありますね。
絹: そういうものを、1回、2時間半でしたっけ、3時間でしたっけ?
岸: 2時間半を8回ですね。
絹: 2時間半を週末ごとに1週間おきに8回繰り返すというプログラムをくみ上げられていて、その指導資格というか、リードしてくださるトレーニングを受けていらっしゃったのが、岸本早苗さん。
岸: はい。
絹: 日本だけではなく、海外でもそういうセッションと言いますか、ワークショップみたいなことをされているんですか。

●マインドフルネスの歴史
岸: プログラム自体は、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)というのを、今から40年近く前に、ジョン・カバット・ジン先生がマサチューセッツで始められました。
絹: もう40年の歴史があるんですか。
岸: そうなんです。クリニックの中で慢性の痛みがある人に効果があるのを、研究で発表されてから、色んな人に対象が広がりました。その中でマインドフルセルフ・コンパッションは2010年くらいからなので、まだ10年に満たないのですが、海外でMBSRを教えている方はたくさんいらして、日本では私を含めて認定を取っている方は数名くらいだと思います。ただマインドフルセルフ・コンパッションは日本では私一人で、あと数名、今トレーニングを受けている途中の方がいらっしゃいます。
絹: そういう稀有な人材になぜ出会ったのかな…。マインドフルネスの本をあさりだして、マーフィ重松先生(※スタンフォード大学におけるマインドフルネスの研究者)という、ハーフジャパニーズの先生が一昨年京都に来られて、インパクトハブ京都という所で、4時間の指導を受ける機会があったんです。すごく面白くて、感激して、やっぱり本を読んでいるだけではなく、実際に少しだけでも受けてみたくて受けたら、なんとお知り合いだったと。
岸: そうです。とてもあたたかい、素晴らしい先生ですね。
絹: いい感じの方で、静かな方で、すごくファンになってしまいましたけど、何かそういう意味でもご縁を感じます。
リンク:スティーヴン・マーフィ重松氏 スタンフォード大学におけるマインドフルネス教育(国際文化会館 2017年5月31日)の様子
 
■エピソード2  「沈黙の瞑想・リトリート」体験記
●ボディスキャンということ
絹: さあ、リスナーの方になんとか外堀を埋めて、「こんなんだよ」と伝えたいのですが、なかなかエピソードの選択が難しいですね。私が岸本さんの指導を受けて、「沈黙の瞑想・リトリート」って、4時間くらいでしたっけ。東本願寺さんの会館をお借りして、すごい4時間を体験させてもらいました。
岸: いかがでしたか。
絹: 概要だけお話しますと、「今日はほとんど話はしません。」と最初に宣言されて、「ボディスキャンからスタートします。今日は参加者同士のシェア(話し合い)はなしで、沈黙を基本とします」と。さらに「参加者同士でアイコンタクトすら控えてください」と最初に指示が出て。ボディスキャンって、どんなものか、説明していただけますか。
岸: ひらたく言いますと、座っていても寝ていてもいいんですけど、体の色んな各部位に順に注意を向けていく。例えば左の腕なら左の腕に注意を向けて、そこにある感覚、ない感覚、ただそこに注意を向けて、また次に切り替えて、違う場所に注意を転換して、注意を向けていく。
絹: そういう言葉を使わずに、自分の中に深く入って、自分で自分の体をサーチするというか、心の眼で探る、探検するということを30分まずやりました。

●ただ、歩くことに注意を向ける
絹: さあ、その次「歩きなさい。ただ歩きなさい。ゆっくり歩きなさい」と。もうスローモーションで、ただただゆっくり歩く。
岸: それも極論すれば、ペースは普通の速さでも、できることはできるんですけどね。
絹: はじめはすごくすり足で、すごくゆっくり歩いたんですけど、その時に色々感じたことがありまして、「あ、僕はゆっくり歩いたら、足の中指から小指の感覚がない」とか「鈍い」とか、靴の中で感じました。合気道をやっているから、はだしで歩いたりしているくせに、そういう足の裏の感覚がにぶい事に気付きながら、室内の廊下を味わって歩く。
自分の中の感覚を感じて歩いた次は、「外に出ましょう」と。あれは30分くらいでしたか、「外に出て東本願寺さんの方まで行って、時間になったら帰ってらっしゃい」と、放り出された(笑)。
今度は外に出たら、(あ、それでゆっくりと言ったんだ)ゆっくりしか歩けないんですよ。一生懸命歩くと。
岸: ああ、なるほど。それこそペースはそんなに重要じゃないので、直接体験なさったら、今後普通に歩いていても、変化は感じられると思います。
絹: その時、僕は横断歩道を渡るのに、信号が変わって渡り切れなくて怖いくらい、ゆっくりしか歩けなかった(笑)。
岸: ハラハラしますね。それはちょっと(笑)。
絹: 歩くことというのは、実はすごく不安定なことで、ものすごく頭の中や体の中を総動員して、バランスをとっているという、自分の中でそういう動きを感じました。それが終わって、ただ歩くということで、何か色んな気づきがあって、帰ってきて、それでもシェアしちゃいけないんですよね。
岸: リトリートの瞑想の時は、そうでしたね(笑)

●食べることに集中する
絹: さらにお昼休みはご飯食べるのも、「死ぬほどゆっくり一生懸命食べなさい」と。「しゃべっちゃだめ」と。
岸: いやいや(笑)、そんな「死ぬほど」とか、言ってないですけどね(笑)。まあ、そうですね、マインドフルに。
絹: マインドフルネスで、「一粒のレーズンを生まれて初めて食べるように、姿も香りも色も、自分のセンサーをオープンにして食べてください」という代表的なワークがあるそうですが、それを僕は嫁さんに握ってもらったおにぎりでやりました。岸本さんからのアドバイスで「ゆっくり食べるから、たぶん普段の量が食べられないから、お弁当を持ってくるなら、小さいお弁当にしなさいね」と言われて、小さいお弁当を持ってきて、昼休みおにぎり2個食べるのが精一杯でした。子どもが食べるような小さいお弁当でした。そういう変な、自分にとっては初めての丁寧な感覚、それがマインドフルネスのセルフコンパッションのリトリートという時間でしたけど、ありました。

普段、無意識のうちにやっていることを、意識してみる
絹: 何かイメージしていただけましたか。なんでこんなことをやるんでしょうね。
岸: 食べる瞑想しかり、歩く瞑想でも、または色んな種類の瞑想がありますが、呼吸に注意を向ける瞑想だけではなく、1つに集中しなくても、出てくるものを、ただそのまま見る、考え事が出てきてはやがて消えていく、感情が出てきてはやがて消えていく、体の感覚もという、無常、永遠ではない様子を見るというところに行ったりするのですが、先ほどおっしゃったようなことをなぜするのか。
自分が普段、自動的に反射的にしている事とか、自動的にパッと浮かんで出てくる考え、自動的に出てくる気持ち、自動的に言う言葉、行動、体の感覚でぽっと出てくるもの、あえて今まではあまり意識しなかったかもしれないけれども、自分の習慣を気付いていて、今後何かの時に取る行動や考えも、あるべく選択して、意図して選んでいけるというようなトレーニングをしているというのも、1つはあります。

●世界のリーディングカンパニーが取り上げるわけ
絹: こういうトレーニングを世界のリーディングカンパニーたち、例えばグーグル、フェイスブック、ディズニー、ナイキ、ソニーのようなクリエイティブな企業、日本の大手の銀行といったところが、真正面から今、取り上げて、一種のブームのようになっている。なぜなんだというのが、僕の最初の問題意識でした。
でも、自分でそこで経験させていただいて、今おっしゃったオートパイロット的に、ロボットのように、勝手に中で色んな事が動いていて、考え方だとか、行動の癖に、ものすごく無意識にからめとられている自分に気が付いた。
それからインナークリティックボイスという、「内なる批評家の声」というのを教えていただいたわけです。私の場合は、何か失敗すると、自分の頭の左上の方から「あほボケ!カス!」「お前こんなこともできないのか!」という声がすごい音量で響き渡るんですよね。真面目な一生懸命仕事をしたりする傾向の人が、日本人は多いじゃないですか。ひょっとしてインナークリティックボイス、内なる批評家の声のサウンドレベルが、僕のように壊れて大きいのかなと。岸本さんたちは、その音量レベルを調整する色んなやり方を、MSC(マインドフル・セルフコンパッション)というプログラムで教えて下さっているのかなと感じました。

■エピソード3  頭部外傷を経験して
●瞑想という回復法
絹: ご自身も留学中に、ボストン在住7年半の間に頭に大けがを負われて、考えることとか、パソコンを見ることとか、本を読んだりすることができなくなっていた時期があるということですが、そのことをちょっとお話していただけますか。その時に、瞑想を丁寧に、マインドフルネスというストレスリダクションのやり方を足掛かりにして、徐々に徐々に回復していらしたという経験があるんですよね。
岸: もともとその頭のけがをする前に、マインドフルネス瞑想を習い始めていたのですが、けがの後はメールを見るとか、会話をするとか、本を読む、何かを聞くということが一切できない脳の状態で、とにかく暗い部屋で何もしない。考え事も自動的にはバンバン出てこないので、その時に頭部外傷の専門医からも、頭部外傷のリハビリのスタッフの方からも、瞑想を勧められて、確かに音楽を聴くこともできないですし、会話もできないですし、瞑想だったらできるというので、もう何か月も、とにかくそれだけひたすらしていたというのはあります。

●ボストンというバックグラウンド
絹: たまたまボストンという土地は、脳損傷の治療に詳しい人が集まっていたんですね。
岸: そうですね。医学や研究も盛んですし、アメリカの中でもハーバードとか、いくつかの大学病院が頑張っています。また、アメリカの土地柄として、アメフト等、頭部外傷を負いやすいスポーツとか、退役軍人の方の戻ってきてからのこととか、ボストンマラソンでの爆発で頭にケガをした方とか、色んな事情で、詳しい人が少しずつ増えていたという状況もあったかもしれないです。それから瞑想による脳の効果の研究もボストンでは進んでいたこともあると思います。
絹: そういうところからご自身の経験が伝わってきまして、瞑想を中心とするプログラム、きっちり組まれたプログラムで、何か自分たちも、本当にしんどくなった人たちと、自分自身が本当にどうしようもない時に、足掛かりになりそうということを感じた8週間でした。
岸: ありがとうございます。良かったです。

●今、注目を集めるマインドフルネス、どうか覚えておいてください
絹: 時間が押して、なかなかうまく説明ができなかったのですが、リスナーの皆さん、いかがでしたか。これは本当にすごく日本的な分野でもあると。日本の古くからの智慧を、新しい言葉に置き換えたようなプログラムです。色んな教育場面、臨床、病院、企業と、今、注目を集めています。おそらくは一回では無理で、シリーズ化しなければ話せないようなテーマです。ちょっと勇気を出しすぎて突っ込んでしまいましたが(笑)。また…。
岸: ぜひよろしくお願いいたします。
絹: リスナーの皆さんも、マインドフルネス、あるいはマインドフルセルフ・コンパッションという言葉、ちょっとどっかに置いといてくださいね。
この番組は、心を建てる公成建設の協力と京都府地域力再生プロジェクトの応援でお送りいたしました。岸本さん、ありがとうございました。
岸: こちらこそ、ありがとうございました。
投稿日:2018/02/19

第133回 ・しなやかな社会とレジリエンス ~ちょっとレジってみませんか?

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まちづくり“チョビット”推進室<平成30年1月放送分>

藤: 藤田 裕之氏(レジリエント・シティ 京都市統括監(CRO))
絹: 絹川 雅則 (公成建設株式会社)
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藤田氏 
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まちづくりチョビット推進室!
Give me thirty minutes,I will show you the frontline of “まちづくり” and “まちづくり” people in KYOTO.
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絹: 皆様あけましておめでとうございます。まちづくりチョビット推進室の時間がやってまいりました。
この番組は地元京都の建設屋の目から見た京都の元気なまちづくりびとの紹介や、その最新のエピソードをお届けしております。いつものように番組のお相手は当まちづくりチョビット推進室 絹川がお送りいたします。
さて、記念すべきお正月特番といたしまして、本日は素晴らしいゲストをお招きしております。本日お越しは、レジリエント・シティ京都市統括監(愛称CRO)をお務めになっています藤田裕之さんです。
藤: 今日はよろしくお願いいたします。皆さま、改めて新年あけましておめでとうございます。
絹: 皆さんご存知のように、藤田さんは京都市の前の副市長をお務めになった方であります。副市長をご退任後、京都市のCRO、京都市の統括監という職におつきになりました。今日は藤田CROをお迎えして、テーマとして「しなやかな社会とレジリエンス~ちょっとレジってみませんか?」と題してお送りいたします。それでは藤田CRO、よろしくお願いいたします。
藤: よろしくお願いいたします。
絹: ではエピソード1、「レジリエンスとは何か、その意味と語感から」と題してお送りいたします。
 
■エピソード1 レジリエンスとは何か、その意味と語感から

●レジリエンスってなに?
藤: このレジリエンス、おそらくお聞きになっている皆様も「初めて聞いた言葉だな、いったいどこの言葉だろう」思っておられる方もあると思いますが、元々英語でレジリエンスと言う言葉があるのですが、私も正直言いまして知りませんでした。この仕事をする前はほとんど関わりのない言葉だったのですが、一言で表すと「しなやかな強さ」とか「回復力」とか「復元力」とか、「粘り強さ」という意味の言葉のようです。
絹: リスナーの皆さんの中に、理系あるいは工学系の勉強をされた方はご存知かもしれません。物理の中にレジリエンスという物質のしなやかさを表す言葉があって…。
藤: そうですね。弾力性と言うか、押し込まれた時にどのくらい跳ね返るかというような意味で使う場合があるようですね。
絹: 私がこの言葉を初めて知ったのは、ごく最近なんです。京都大学の大学院の藤井聡先生の著書で読んで、「なんやろ、これは」と思った記憶があります。
藤: 藤井先生がおっしゃっているレジリエンスというのは、実は物体だけではなく、もう少し広い意味があるんです。人々の暮らしの事や、自然環境の事、あるいは人の心や組織の強さなどもレジリエンスという言い方で表せまして、今、物質的な部分をおっしゃいましたが、たまたま私の大学での友人で心理学を専攻している人間も、私が4月にレジリエント統括監に着任することを言いましたら、「藤田くん、今度、心理学の勉強をするの?」と聞かれましてね。
絹: 心理学の分野の言葉でもあるんですか。
藤: そうなんです。打たれ強さとか、嫌な事があって、けいこ事や習い事をやめてしまおうかとなった時に、「やっぱりもう少し努力して頑張ってみようかな」とか…。
絹: 持続性とか、心の折れにくさとかですね。
藤: 折れない心とか、子どもがいじめにあって、ポキッと折れてしまいそうな時に、周りから励まされて、もう一度頑張ってみようとか、あるいはショックな体験にトラウマにならないといったこともレジリエンスと言われているようなので、とても広い意味がありますね。
絹: そういえば藤井聡先生も交通工学の御専門ですけれども、その研究室や研究分野は経済学から、確か心理学の著書もありますものね。

●社会の在り方とレジリエンス
藤: ですからそういう社会全体の在り方というのを、レジリエンスという言葉で総称して、災害にも強いし、色んな事象が起こった時に、崩壊してしまわずに、持続可能でかつ元以上に戻っていけるという意味で使われるようになっているようですね。
絹: 皆さん、聞きなれない言葉ではありますけれども、しなやかさ、強靭さ、回復力を持つレジリエンス、短く「レジってみませんか」とふざけてみましたけど、覚えていただきたい言葉ではあるんです。なぜ今日、藤田CROにお越しいただいたかと言うと、我々が住んでいるこの京都市、その京都市のしなやかさについて、何か一緒に考えない?とおっしゃっているのが、藤田CROのお役どころと言いますか…。
藤: そういうことになるかと思います。今のこのレジリエンスという言葉で、社会問題に関心のある方は「持続可能性」という言葉を、もしかしたら思い浮かべられるかもしれません。よく似ている言葉なのですが、ちょっと違う所がもしあるとすれば、持続可能性がどちらかと言えば現状維持のようなイメージがあるのに対して、レジリエンスは、今の社会が何が起こるかわからない。色んな苦しい事、嫌な事を体験するけれども、そこで少し落ち込んでも、そのあと頑張って盛り返して、立ち直った時には前よりも良くなっているという、しなやかに波打つように、より上に昇っていくという意味合いがあるので、より現代社会にマッチした言葉ではないかと思うんです。

●現状維持ではなく、ゆるやかに上っていく
絹: リスナーの皆さん、今これラジオですので、藤田さんがどんな手で線を描かれたかというのは、見えないですけどイメージしてください。波線、サイン・コサインカーブとか、色々波があります。山があって谷があって、何か大変な事があったら、ドカーンと谷が深くなって、また上がって、でも元へ戻るんじゃないよと。山谷あるけれども、なんとなく緩やかに上方へ、より良くなっていきたいよねという語感を、このレジリエンスは持っているよって、手で示してくださいました。
藤: 人生浮き沈み、でも頑張っていれば報われて、より良い方向に上っていくという、ある意味では楽観的な、しかし何が起こるかわからないという場合には非常に悲観的に。だけれども頑張ったら報われるという意味では楽観的に考えていく。こういう発想だと思いますね。
絹: 私は昭和の人間なので、水前寺清子さんの「三歩進んで二歩下がる」ですね。あれが今、思い出されてしまいました(笑)。
藤: まさにそういう感じだと思います。わかりやすく解説していただいて、有難いです。
絹: レジリエントとは何かという言葉から、その意味するところは実は現状維持ではなく、例えば災害とか、パンデミックだとか、色々困りごとがあった時に、復旧ということだけではない語感に気をつけてねということをおっしゃった。

●9.11テロとレジリエンス
藤: 復旧という言葉にあえて対比する言葉を使うとすれば、復興という言葉になると思います。復旧が元に戻すという言葉であれば、それをさらに発展させていく、活性化させていくというのが、レジリエンスに近いのかなと思います。
私は去年、2017年の7月にニューヨークで、私が今仕事をしているレジリエント・シティ統括監の世界サミットがありまして、例の9.11同時テロがありましたワールドトレードセンタービルに行ってきたのですが、日本で言えば広島の原爆記念館のような記念館が跡地にできているんです。
絹: 世間で言われるグラウンドゼロですね。本当に偶然なんですが、藤田CROに遅れることひと月、海外が苦手な私が珍しく、そのグラウンドゼロと言われるワールドトレードセンターの跡地におじゃまする機会を得ました。そこでは亡くなった方々の墓碑銘と言いますか、亡くなった方々の名前が刻まれていまして、ボランティアの方々がおられまして、その方のお誕生日の時にはその方のお名前の所に一輪の花を挿すという活動がずっと続いているという解説がありました。また、実際にそういう花を見ました。それからあの悲惨なワールドトレードセンターの記録が克明に保存されているミュージアムがありました。
藤: あの中で、土産物と言いますか記念品が色々売られているんですが、その記念品の中にレジリエンスという言葉が刻印されているものがありました。
絹: ということは、米国でもレジリエンスという言葉はワールドトレードセンターが倒壊した9.11、2001年以降に、広く使われ始めた言葉なのでしょうか。
藤: おそらくあの時に、アメリカの繁栄の象徴ともいうべきワールドトレードセンタービルが、ハイジャックされた飛行機で崩壊して、その後、ここからどう立ち直ろうかという時の、一種の合言葉になっていたのではないでしょうか。これは推測ですけれども。
絹: そのミュージアムには、本当に数多くの方々が訪れられていまして、もちろん私のように日本から行っている者は数少ないですけれども、お子さんもお父さんもお母さんも、映像展示だとか、ガレキだとか、亡くなった消防士さんの消防服のきれっぱしだとか、折れ曲がった鉄骨だとか…。
藤: ハイジャックされた乗客の家族へのメッセージなどもずっと流れていますし。
絹: 音声展示と言いますか。で、みんな泣いておられる。そして必ずティッシュボックスがそばに置いてある。強い国民性だなあと感じました。向き合って、それこそ「立ち上がるんだ!」みたいな感じの、そういう施設でした。

●日本でも東日本大震災をきっかけに使われ始めました
藤: それがアメリカで使われ始めた最初だとすれば、日本で主に使われるようになったのが、2011年の東日本大震災。あの時におそらく海外から支援に来られた方が使われた言葉でもあるのではないかと思います。レジリエンスという言葉が災害への備え、強いまちづくりという意味で使われるようになりました。
絹: そしてそれが先ほど教えていただきました復旧から復興へという言葉と相前後して使われ始めたということですね。
さて、われら京都市民がこれからどういうふうにしなやかに強靭に、あるいはレジリエントになっていけばいいのかなということを、一緒に考えようよというのが、たぶん藤田CROの思っていらっしゃることですね。
 
■エピソード2 レジリエント・シティ京都を指向する

●京都市は世界で100のレジリエント・シティに選定されました
藤: はい、おっしゃる通りで、今2011年の東日本大震災でレジリエントという言葉が使われだしたと申し上げましたが、その後、国においても2013年に国土強靭化計画、ナショナルレジリエンスプランがつくられていまして、同じくしてアメリカのロックフェラー財団が世界各都市に、そうした持続可能で50年後も100年後も人々が豊かに安全に過ごせるまちをつくる、そういうネットワークをつくろうということで呼びかけたのが、実はこのレジリエント・シティという言葉に繋がっていくわけです。
絹: 事前にいただいた勉強のための資料に、世界で約1,100の都市が応募をしたとあります。倍率10倍以上ですけれども、世界中から100のレジリエント・シティを選び出す。その中で日本では富山市と京都市の2都市だけが選ばれたと。そしてそこにチーフレジリエンスオフィサー、これの略称がCROであり、統括監である藤田さんであると。
藤: なかなか覚えにくいので、私はしゃれを含めて、CROを「ちょっとルンルンおじさん」と言っているんです(笑)。

●京都市民としてはどう考えたらいいの?
絹: 我々京都市民は、これからどうあればいいのだろうと、その辺に逆照射していきたいわけですが、どうでしょう。持続可能性だとか、漢字で言うとわかったような、実はわからんような、いつも何とか自分はそういう言葉に出会った時は、平仮名に置き換えたり、具体的なエピソードに分解して探そうと試みるのですが、例えばどんなことが挙げられますか?
藤: レジリエント・シティというのは、一言で言えば、そういうレジリエンス、打たれ強さ、頑張ろうという前向きな意欲を持った人々が活動し、活き活きと生活し、そしてまた生まれ育ってくるまちだと思うんです。
同時にそのことには2つの要素があって、まちがそういう制度や仕組み、人々が助け合い、支え合うような仕組みがきちんとできているかどうか、それが行政のレベルだけではなく、地域の団体や企業や、様々な所で点検をしていく。それがレジリエント・シティの1つの大きな意味合いになると思います。
もう1つの要素は、これは未来に向かった話になるのですが、そうしたレジリエンスを備えた人間がどうすれば育つのか、どのような環境があれば、レジリエンスのある人々が生まれてきて育っていくのかという私たちの社会の在り方とでも言うのでしょうか?人間一人が一人だけで生きているのではなく、しかも「お金さえ出せば、豊かで便利で何でも手に入る、自然を支配している」というような錯覚をしているところでは、おそらくレジリエント・シティやレジリエンスな人は育ってこないのではないか?あえて私の意見として思います。

●レジリエンスが減ってきている現代社会
絹: 今のお言葉を自分なりに翻訳しようと試みますと、地域の持っていた力、あるいは市民、市井の一般の人たちがかつて持っていた助け合う力、お葬式を一緒に出したとか、あるいは入会地の山でしたら下草を刈ったり、稲刈りの時のお手伝いだとか、もっと卑近な例では、実家からみかんが送ってきたからおすそ分けとか、そういう当たり前の助け合いの緩やかな繋がりが、どうもやせ細ってきて、それがレジリエントという言葉で言うと、レジリエンスが減ってきているのではないかと。
藤: おっしゃる通りだと思います。支え合ったり、助け合っていかなくては、人間というのは、本当に弱い存在だと思うんですね。ところが経済的な豊かさや便利さのなかで、ややもすると私たちは自分一人で身勝手に生きているような、錯覚をしてしまう落とし穴が、周りのあらゆるところにある。自分さえ良ければとか、今さえ良ければという落とし穴に入らないような誠実で慎ましやかな生活をしていくというのも、レジリエンスの非常に大事な要素になると思います。
絹: そのお話を聞いていますと、レジリエント・シティとか、レジリエンスと言うと、何か外国からやってきた輸入ものかと一瞬誤解するんですけど、何かどこかで聞いたような懐かしさを感じますよね。

●かつての町衆が残してくれた財産を思い起こすということ
藤: まさにそうなんです。京都市がこのレジリエント・シティに選定されたというのも、かつての京都の暮らしを守ってきた町衆をはじめとする先人が、私たちに残してくれている財産を、もう一度思い起こして、きちんと次の世代へ伝えてくださいというメッセージに聞こえてきますね。
絹: 先ほど収録前の打ち合わせでお話していたのですが、京都市さんというのは他都市に先駆けて、市民参加推進(ちょっと行政っぽくて堅苦しい言葉ですけど)に取り組んでこられた都市だという実感があるんですね。
おまかせ民主主義(これも嫌な言葉ですけど)と言うのでしょうか、例えば「うちの前に銀杏の街路樹の落ち葉や銀杏が落ちていて臭い」と。「私は税金を払っているので、清掃局掃除をしに来い」というステレオタイプな市民がいたとします。全く逆に「いつも毎朝かど掃きしてるし、やっといたで」という市民もいる。
もう一つ面白いのは、「みっけ隊」という、京都市の建設局と高度技術研究所が開発されたスマートフォンアプリケーションです。防護柵、ガードレール、街路灯が切れているよと、スマートフォンでGPS情報と共に、土木事務所に知らせてきてくださる。「まあ、行政も大変やな。予算も限られているし、市民でできることはやっとくわ」と。「多くは言わない。頑張れよ」というちょっとカッコいいオッサンもたまにはいる。

●ピンチはチャンス!
藤: まさにその通りで、一言で言うと「自分ごと」と言うのでしょうか。当事者意識を持った市民というのは、やはり京都は大都市の中でも非常にたくさんおられる地域だと思いますので、このレジリエントという言葉を1つの合言葉にして、もう一度そういう歴史・伝統を京都から世界に発信できないかと思います。
特に、これから人口がどんどん減っていきます。人口が減るというのは、若者・子どもの数が減っていくんですね。その時に、今までやっていた通りの事をやっていたのでは、若者の数、子どもの数、就労人口が減っていく時に、立ちいかなくなるのは必定なので、今までとは違うやり方を導入していく必要がある。
同時に人口が減っていくのでお先真っ暗だという悲観主義ではなく、ピンチはチャンスということで、こういう時こそ若い人が育つチャンスになるんだとか、あるいは人口が減っても人々が豊かに幸福感を持って過ごせるにはどうしたらいいのかという工夫をしていく。これもレジリエンスという言葉の中に粘り強さということで、入って来るのではないかと思います。

●レジリエンスの活動としての「山科子ども食堂ネットワーク」
絹: 今のお話に触発されまして、1つの実例をご紹介させてください。チョビット推進室のかつてのゲストである、山科の青少年活動センターの大場さんが提唱しておられる「山科子ども食堂ネットワーク(まちのちゃぶ台ネットワーク)」というのがございます。実はもうだいぶ実現していまして、私どもの山科の独身寮の食堂を使いませんかとか、家庭菜園で余った食材を使ってよとか、フードバンクやセカンドハーベストの方々と利活用でということで、10万人規模の山科区で地道に進めていらっしゃいます。これはひょっとしたら、レジリエンスを高める活動ではないですか。
藤: だと思います。今、絹川さんがおっしゃった事例は、レジリエンスのもう一つの要素にもなるのですが、様々な施策を融合していくということですね。社員寮が企業の財産としてあります。その事が地域でどうか、子育てでどうか、一見バラバラになりそうなところを、くっつけてやっていただいている。それが今までにない新しい仕組みをつくっていくという意味でも、レジリエンスの構築に非常に大きな役割を果たすと思います。
絹: シェアの考え方と似ているのかもしれませんね。
藤: 似てますねえ。

●レジリエント・シティ京都市民フォーラム、開催します!
絹: CROにレジリエンスとは何か、読み解いていただきました。どうやら何か懐かしいところに、我々京都、あるいは日本が得意としていたかつての「らしさ」に戻る事かもしれません。
さあ、今CROのお話にご興味を持たれた方に、是非ご参加いただきたいイベントと言いますか、フォーラムがございます。そちらのご紹介をお願い致します。
藤: 実は1月20日、土曜日の午後1時30分から4時30分、「レジリエント・シティ京都市民フォーラム」という、市民の皆様どなたにも参加いただける催しを行います。
京都市立芸術大学学長の鷲田清一先生に基調講演をしていただきまして、その後のパネルディスカッションでは、堀場厚会長や池坊専好さんはじめ、錚々たるパネリストの方、そして私がコーディネターをさせていただきます。
「しなやかな未来社会を創る人づくり」というサブテーマ、そして「課題挑戦都市・京都、私たちが今できること」というテーマで開催させていただきます。申し込みについては京都市の防災危機管理室というところで窓口をしますので、075-212-6792にお電話をいただきましたら結構でございます。
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絹: 実は私、鷲田清一先生が大好きで、大阪大学の学長をされて、今は芸大の学長に来ていただいている。『しんがりの思想』という近著も大好きです。
藤: 私も読ませていただきました。
絹: 申し込みですが、防災危機管理室075-212-6792へお問い合わせください。レジリエント・シティ京都のフェイスブックページもあります。
藤: 是非それも色んな発信をしていますので、ご覧いただけたらと思います。
絹: 非常にこれはお値打ちな、「しなやかな未来社会を創る人づくり」という副題での市民フォーラムです。よろしければ是非ご参加ください。
藤: お待ちしております。
絹: 藤田CROにお越しいただきまして、レジリエント・シティとは何かということを、短い時間ではありましたが、お話を聞かせていただきました。是非皆さまには「自分ごと」の問題として、考えてみていただきたいと思います。市民として、行政だとか、お上だとか、色んな人に頼りきることを続けていける右肩上がりの社会は既に終わろうとしています。戦力たる若い人の人口は総体的にどんどん減っています。そのために何ができるんだろうということも少し考えるヒントにしていただけたらと思っております。
今日は本当に藤田さん、ありがとうございました。
藤: ありがとうございました。レジリエンスという言葉はややこしいので、最初に言っていただいたように「レジる」とか「レジってみる」とかいう言葉も、若い人々の間で流行ったらいいなと思っています。
絹: ありがとうございました。本日は京都市レジデント・シティ統括監の藤田裕之さんにお越しいただきました。
この番組は心を建てる公成建設の協力と京都市景観・まちづくりセンターの応援でお送りいたしました。藤田さん、ありがとうございました。
藤: ありがとうございました。

 

投稿日:2017/12/27
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